JPH0687054B2 - 冷延薄鋼板の材質の測定法及び冷延薄鋼板中を伝播する超音波速度の測定装置 - Google Patents
冷延薄鋼板の材質の測定法及び冷延薄鋼板中を伝播する超音波速度の測定装置Info
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- JPH0687054B2 JPH0687054B2 JP1029755A JP2975589A JPH0687054B2 JP H0687054 B2 JPH0687054 B2 JP H0687054B2 JP 1029755 A JP1029755 A JP 1029755A JP 2975589 A JP2975589 A JP 2975589A JP H0687054 B2 JPH0687054 B2 JP H0687054B2
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- steel sheet
- cold
- thin steel
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は冷延薄鋼板の材料特性を迅速且つ非破壊的に
測定するための方法に関する。
測定するための方法に関する。
冷延薄鋼板は自動車の車体や家庭電気製品の外装に用い
られるため高いプレス成形性が要求される。冷延薄鋼板
は多結晶体でありそのプレス成形性はいわゆる集合組織
によってほとんど決定づけられる。
られるため高いプレス成形性が要求される。冷延薄鋼板
は多結晶体でありそのプレス成形性はいわゆる集合組織
によってほとんど決定づけられる。
従来はプレス成形性はX線極点図法あるいはランクフォ
ード値(r値)によって推定されていた。しかしX線極
点図法では冷延薄鋼板より試験片を切り取ってこれにX
線に照射して測定しなければならないため時間がかか
り、また試験片を切り取らねばならないため破壊的測定
法であるといえる。ランクフォード値を測定する方法で
は引張試験片のサイズの変化の精密な測定が必要なため
時間がかかり、また試験片を冷延薄鋼板より切り取って
測定しなければならないためこれも破壊的測定法である
といえる。
ード値(r値)によって推定されていた。しかしX線極
点図法では冷延薄鋼板より試験片を切り取ってこれにX
線に照射して測定しなければならないため時間がかか
り、また試験片を切り取らねばならないため破壊的測定
法であるといえる。ランクフォード値を測定する方法で
は引張試験片のサイズの変化の精密な測定が必要なため
時間がかかり、また試験片を冷延薄鋼板より切り取って
測定しなければならないためこれも破壊的測定法である
といえる。
このような引張試験によるランクフォード値の測定では
多大の時間と労力と要するため簡便法も提案された(C.
A.Stickels and Mould,“The use of Young′s modulus
for predicting the plastic strain ratio of low ca
rbon steel sheets",Metallurgical Transaction Vol.
l.pp1303-1312(1970)。この簡便法では固有振動法に
より測定したヤング率とランクフォード値との間の経済
的な相関関係を利用するため簡便ではあるが、この方法
でも試験片を冷延薄鋼板より切り取って測定しなければ
ならないためこれも破壊的測定法である。
多大の時間と労力と要するため簡便法も提案された(C.
A.Stickels and Mould,“The use of Young′s modulus
for predicting the plastic strain ratio of low ca
rbon steel sheets",Metallurgical Transaction Vol.
l.pp1303-1312(1970)。この簡便法では固有振動法に
より測定したヤング率とランクフォード値との間の経済
的な相関関係を利用するため簡便ではあるが、この方法
でも試験片を冷延薄鋼板より切り取って測定しなければ
ならないためこれも破壊的測定法である。
そこで試験片を切り取る必要がなく冷延薄鋼板の自然の
サイズのままで非破壊的に測定する方法として超音波の
音速を測定する方法が提案された。特開昭57-66355
(“鋼板の集合組織ないしはその集合組織に依存する材
料特性をオンラインにて判定する方法”)ではSモード
ならびにAモードの板波超音波の音速を測定しその測定
値を適当に演算してランクフォード値を求める方法が提
案されている。
サイズのままで非破壊的に測定する方法として超音波の
音速を測定する方法が提案された。特開昭57-66355
(“鋼板の集合組織ないしはその集合組織に依存する材
料特性をオンラインにて判定する方法”)ではSモード
ならびにAモードの板波超音波の音速を測定しその測定
値を適当に演算してランクフォード値を求める方法が提
案されている。
しかしながらこの方法では音速の絶対値を利用するため
薄鋼板の厚さを別に測定しなければならず、その厚さ測
定誤差に基づく誤差を排除することはできない。またこ
の方法では板波超音波を発・受信するにあたって水、
油、その他の液体等の音響結合媒質を必要としており、
このためどうしても薄鋼板を汚す等の問題を避けること
はできない。
薄鋼板の厚さを別に測定しなければならず、その厚さ測
定誤差に基づく誤差を排除することはできない。またこ
の方法では板波超音波を発・受信するにあたって水、
油、その他の液体等の音響結合媒質を必要としており、
このためどうしても薄鋼板を汚す等の問題を避けること
はできない。
音速の絶対値を利用することにより誤差を排除するため
に、音速の比を利用する方法も提案されている(平尾他
“超音波による冷延鋼板集合組織の非破壊評価”、日本
機械学界会論文講演抜枠、308A、論文No.87-1211A,昭和
63年3月30日第65期通常総合講演会において講演。なら
びに M.Hirao,et al.,“Ultrasonic monitoring of texture
in cold-rolled steel sheets",Journal of Acoustical
Society of America,Vol.84(2),pp667-672(198
8)。そこでは薄鋼板の厚さ方向に伝播する縦波と2種
類の横波、ならびに薄鋼板の圧延面内を伝播し偏波方向
も圧延面内にあるSH0モード板波等の音速を測定し、こ
れらの音速の比より比張試験をすることなくランクフォ
ード値を推定したり、集合組織を表わす方位分布関数の
計数W400,W420,W440(これらの係数の意味については
後に説明する)を算出しこれにより材料特性を推定する
方法を提案している。
に、音速の比を利用する方法も提案されている(平尾他
“超音波による冷延鋼板集合組織の非破壊評価”、日本
機械学界会論文講演抜枠、308A、論文No.87-1211A,昭和
63年3月30日第65期通常総合講演会において講演。なら
びに M.Hirao,et al.,“Ultrasonic monitoring of texture
in cold-rolled steel sheets",Journal of Acoustical
Society of America,Vol.84(2),pp667-672(198
8)。そこでは薄鋼板の厚さ方向に伝播する縦波と2種
類の横波、ならびに薄鋼板の圧延面内を伝播し偏波方向
も圧延面内にあるSH0モード板波等の音速を測定し、こ
れらの音速の比より比張試験をすることなくランクフォ
ード値を推定したり、集合組織を表わす方位分布関数の
計数W400,W420,W440(これらの係数の意味については
後に説明する)を算出しこれにより材料特性を推定する
方法を提案している。
しかしながらこの方法でも前述の方法と同様に音響結合
媒質を必要としており薄鋼板を汚す等の問題を避けるこ
とはできない。またSHOモード板波の音速を測定するに
あたって、探触子を薄鋼板の圧延方向からそれに直角の
方向まで5°ずつ回転させつつ測定しなければならず、
このため測定数が多くなって時間がかかるという問題を
有している。またこうして得られた測定値をフーリェ解
析しなければならない等の手順が必要という問題も有し
ている。
媒質を必要としており薄鋼板を汚す等の問題を避けるこ
とはできない。またSHOモード板波の音速を測定するに
あたって、探触子を薄鋼板の圧延方向からそれに直角の
方向まで5°ずつ回転させつつ測定しなければならず、
このため測定数が多くなって時間がかかるという問題を
有している。またこうして得られた測定値をフーリェ解
析しなければならない等の手順が必要という問題も有し
ている。
本発明は上記問題点に鑑み音響結合媒質を必要としない
電磁超音波法を利用する完全に非破壊的で且つ薄鋼板を
汚すことのない冷延薄鋼板の極点図、ヤング率、ランク
フォード値の測定方法及び装置を提供することを目的と
する。
電磁超音波法を利用する完全に非破壊的で且つ薄鋼板を
汚すことのない冷延薄鋼板の極点図、ヤング率、ランク
フォード値の測定方法及び装置を提供することを目的と
する。
本発明は冷延薄鋼板の内部を圧延方向と平行な方向に振
動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の速度と厚さ方
向に伝播する縦波超音波の速度との比の値K2、ならびに
該冷延薄鋼板の内部を圧延方向と直角をなす方向に振動
しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の速度と厚さ方向
に伝播する該縦波超音波の速度との比の値K1、ならびに
該冷延薄鋼板の内部を圧延方向と45°をなす方向に伝播
するSHO板波超音波の速度と圧延方向と平行な方向ある
いは直角をなす方向に伝播するSHO板波超音波の速度と
の比の値K3、ならびに鉄単結晶の既知の3個の弾性係数
の値C0 11,C0 12,C0 44から冷延薄鋼板の極点図、ヤング
率、ランクフォード値を得るための冷延薄鋼板の材質の
測定方法であり、更にまたSHO板検波発生用電磁超音波
探触子と、第1のSHO板波検出用電磁超音波探触子と、
第2のSHO板波検出用電磁超音波探触子を直線上に配置
したものを一組とするSHO板波超音波の音速測定装置2
組を前記第1,2のSHO板波検出用電磁超音波探触子の中間
にて45°の角度を保持して交差させ、前記交差点に1個
の定在波用電磁超音波探触子を配置したことを特徴とす
る冷延薄鋼板中を伝播する超音波速度の測定装置であ
る。
動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の速度と厚さ方
向に伝播する縦波超音波の速度との比の値K2、ならびに
該冷延薄鋼板の内部を圧延方向と直角をなす方向に振動
しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の速度と厚さ方向
に伝播する該縦波超音波の速度との比の値K1、ならびに
該冷延薄鋼板の内部を圧延方向と45°をなす方向に伝播
するSHO板波超音波の速度と圧延方向と平行な方向ある
いは直角をなす方向に伝播するSHO板波超音波の速度と
の比の値K3、ならびに鉄単結晶の既知の3個の弾性係数
の値C0 11,C0 12,C0 44から冷延薄鋼板の極点図、ヤング
率、ランクフォード値を得るための冷延薄鋼板の材質の
測定方法であり、更にまたSHO板検波発生用電磁超音波
探触子と、第1のSHO板波検出用電磁超音波探触子と、
第2のSHO板波検出用電磁超音波探触子を直線上に配置
したものを一組とするSHO板波超音波の音速測定装置2
組を前記第1,2のSHO板波検出用電磁超音波探触子の中間
にて45°の角度を保持して交差させ、前記交差点に1個
の定在波用電磁超音波探触子を配置したことを特徴とす
る冷延薄鋼板中を伝播する超音波速度の測定装置であ
る。
まず理論的背景を述べる。冷延薄鋼板は多くの微細な鉄
単結晶(立方晶)から成る多結晶体であるが巨視的に見
た場合は異方性を有する連続体とみてさしつかえない。
連続体とみなされた薄鋼板は近似的には3枚の互いに直
交する面(1.圧延面(xy面)、2.圧延面と垂直で圧延方
向と平行な面(xz面)、3.圧延面と垂直で圧延方向に垂
直な面(yz面))に関して面対象な物理的性質を有する
と考えられている。ただしxは圧延方向であり、薄鋼板
の長手方向に相当する。yはこれの直角な方向であり薄
鋼板の巾方向に相当する。zはxとyの両方に垂直な方
向であり薄鋼板の面に垂直な方向に相当する。このよう
な場合は薄鋼板の弾性係数行列は9個の異なる弾性係数
を有しそれは次のように表わせることは既に知られてい
る。
単結晶(立方晶)から成る多結晶体であるが巨視的に見
た場合は異方性を有する連続体とみてさしつかえない。
連続体とみなされた薄鋼板は近似的には3枚の互いに直
交する面(1.圧延面(xy面)、2.圧延面と垂直で圧延方
向と平行な面(xz面)、3.圧延面と垂直で圧延方向に垂
直な面(yz面))に関して面対象な物理的性質を有する
と考えられている。ただしxは圧延方向であり、薄鋼板
の長手方向に相当する。yはこれの直角な方向であり薄
鋼板の巾方向に相当する。zはxとyの両方に垂直な方
向であり薄鋼板の面に垂直な方向に相当する。このよう
な場合は薄鋼板の弾性係数行列は9個の異なる弾性係数
を有しそれは次のように表わせることは既に知られてい
る。
ここではCijは薄鋼板の9個の異なる弾性係数を表わ
す。
す。
一方多結晶体を構成する多くの単結晶のうちで薄鋼板に
たいしてある一定の方向(θ,ψ,φ)を有するものの
割合は結晶方位分布関数W(ξ,ψ,φ)(以後CODFと
称する)で表わせることは知られている(R.J.Roe,“De
scription of crystallite orientation in polycrysta
lline materials",Journal of Applied Physics,Vol.3
6,pp2024-2031(1965)。但し ξ=cos θである。W
(ξ,ψ,φ)は次のように一般化されたルジャンドル
関数ZLmnによる級数展開で表わせることも知られてい
る。
たいしてある一定の方向(θ,ψ,φ)を有するものの
割合は結晶方位分布関数W(ξ,ψ,φ)(以後CODFと
称する)で表わせることは知られている(R.J.Roe,“De
scription of crystallite orientation in polycrysta
lline materials",Journal of Applied Physics,Vol.3
6,pp2024-2031(1965)。但し ξ=cos θである。W
(ξ,ψ,φ)は次のように一般化されたルジャンドル
関数ZLmnによる級数展開で表わせることも知られてい
る。
ここで、θ,ψ,φは単結晶と薄鋼板との関係を表わす
ために用いられるオイラー角である。またξ=cos θで
ある。またW(ξ,ψ,φ)は薄鋼板にたいしてある一
定の方向((θ,ψ,φ)を有する単結晶の量の割合を
表わす関数であり結晶方位分布関数と呼ばれる。WLmnは
CODF係数である。このうちW400,W420,W440が多結晶体
の弾性的性質と関連していることが知られている。
ために用いられるオイラー角である。またξ=cos θで
ある。またW(ξ,ψ,φ)は薄鋼板にたいしてある一
定の方向((θ,ψ,φ)を有する単結晶の量の割合を
表わす関数であり結晶方位分布関数と呼ばれる。WLmnは
CODF係数である。このうちW400,W420,W440が多結晶体
の弾性的性質と関連していることが知られている。
さて冷延薄鋼板の場合は既述のように9個の異なる弾性
係数Cijを有するがこれらは6個の独立な変数、すなわ
ち鉄単結晶の3個の弾性係数C0 11,C0 12,C0 44と3個の
CODF係数W400,W420,W440によって次式のように表わさ
れることが知られている(C.M.Sayers,“Ultrasonic ve
locities in anisotropic polycrystalline aggregate
s",Journal of Physics D 15,pp2157-2167(1982)。
係数Cijを有するがこれらは6個の独立な変数、すなわ
ち鉄単結晶の3個の弾性係数C0 11,C0 12,C0 44と3個の
CODF係数W400,W420,W440によって次式のように表わさ
れることが知られている(C.M.Sayers,“Ultrasonic ve
locities in anisotropic polycrystalline aggregate
s",Journal of Physics D 15,pp2157-2167(1982)。
またW400,W420,W440の値を次式に代入することにより
近似的な極点図を作れることも知られている。
近似的な極点図を作れることも知られている。
4πq(ζ、η)=1+4πp{3/8√2)(35ζ4−30ζ2+3)W400 +(9/2)(5)1/2(1−ζ2)[1−(7/6)(1−ζ2)]W420cos2η +(3/8)(35)1/2(1−ζ2)2W440cos4η} (4) ただし、P=−4π/3 (111) 極点図 P=2π (100) 極点図 P=−π/2 (110) 極点図 η,ξは極点図を描くための球面と薄鋼板との関係を示
す角度である。
す角度である。
本発明において使用する各種のモードの超音波を第1図
に示す。太い矢印は超音波の伝播方向を示し、細い矢印
は超音波の振動方向を示す。これらの矢印は薄鋼板の外
側に描かれているがこれは便宜上であり実際の超音波は
全て薄鋼板内を伝播するものであることは言うまでもな
い。Vzzは板厚方向に伝播する縦波の音波、Vzxは圧延方
向に偏向し板厚方向に伝播する横波の音波、Vzyは圧延
方向と直角の方向に偏向し板厚方向に伝播する横波の音
速を表わす。VSHO(0°)は圧延方向と直角の方向に偏
向し圧延面内を圧延方向に伝播するSHOモード板波の音
波、VSHO(90°)は圧延方向に偏向し圧延面内を圧延方
向と直角の方法に伝播するSHOモード板波の音速、VSHO
(45°)は圧延面内を圧延方向と45°の方向に伝播する
SHOモード板波の音速を表わす。それぞれ次式で表わさ
れることは既に知られている。
に示す。太い矢印は超音波の伝播方向を示し、細い矢印
は超音波の振動方向を示す。これらの矢印は薄鋼板の外
側に描かれているがこれは便宜上であり実際の超音波は
全て薄鋼板内を伝播するものであることは言うまでもな
い。Vzzは板厚方向に伝播する縦波の音波、Vzxは圧延方
向に偏向し板厚方向に伝播する横波の音波、Vzyは圧延
方向と直角の方向に偏向し板厚方向に伝播する横波の音
速を表わす。VSHO(0°)は圧延方向と直角の方向に偏
向し圧延面内を圧延方向に伝播するSHOモード板波の音
波、VSHO(90°)は圧延方向に偏向し圧延面内を圧延方
向と直角の方法に伝播するSHOモード板波の音速、VSHO
(45°)は圧延面内を圧延方向と45°の方向に伝播する
SHOモード板波の音速を表わす。それぞれ次式で表わさ
れることは既に知られている。
ρVzz 2=C33 (5) ρVzy 2=C44 (6) ρVzx 2=C55 (7) ρVxy 2=ρVSHO 2(0°)=C66 (8) ρVyx 2=ρVSHO 2(90°)=C66 (9) ρ:薄鋼板の密度 これらのうちVSHO(45°)は最近発見されたものである
(R.B.Thompson et al.,“Relative anisotropy of pla
ne waves and guided modes in thin orthorhombic pla
tes",Ultraonics 25,pp133-137(1987))。VSHO(0
°)=VSHO(90°)であるので実際にはどちらか一方の
みを使用すればよい。今後は説明の便宜上VSHO(0°)
の方を使用することにする。
(R.B.Thompson et al.,“Relative anisotropy of pla
ne waves and guided modes in thin orthorhombic pla
tes",Ultraonics 25,pp133-137(1987))。VSHO(0
°)=VSHO(90°)であるので実際にはどちらか一方の
みを使用すればよい。今後は説明の便宜上VSHO(0°)
の方を使用することにする。
上述の(1)−(10)式はこれまでに知られているもの
である。発明者はこれらの式は理論的に検討し、その結
果、これまで知られていなかった新たな方程式を見いだ
し、それを利用した新方法を発明したものである。次に
これを説明する。
である。発明者はこれらの式は理論的に検討し、その結
果、これまで知られていなかった新たな方程式を見いだ
し、それを利用した新方法を発明したものである。次に
これを説明する。
まずVzyとVzzの音速比をK1とすると(3),(5),
(6)式より次式が得られる。
(6)式より次式が得られる。
同様にしてVzxとVzzの音速比をK2とし、VSHO(45°)と
VSHO(0°)との音速比をK3とすると(3),(5),
(7),(8),(10)式より次式が得られる。
VSHO(0°)との音速比をK3とすると(3),(5),
(7),(8),(10)式より次式が得られる。
(11)‐(13)式中の鉄単結晶の3個の弾性係数C0 11,
C0 12,C0 44に既知の値を代入すると式(11),(12)は
W400とW420に関する2元連立1次方程式となるためこれ
を解くことができる。このようにして得られたW400とW
420とを式(13)に代入すると非常に複雑な式が出来る
が結局この式もW440に関する1次方程式となり解くこと
ができることを発明者は見いだしたわけである。
C0 12,C0 44に既知の値を代入すると式(11),(12)は
W400とW420に関する2元連立1次方程式となるためこれ
を解くことができる。このようにして得られたW400とW
420とを式(13)に代入すると非常に複雑な式が出来る
が結局この式もW440に関する1次方程式となり解くこと
ができることを発明者は見いだしたわけである。
結局それぞれの解は次ぎのようになる。
(14),(15)式は既に知られていたが(C.M.Sayers a
nd D.R.Allen,“The influence of stress on the prin
cipal polarization directions of ultrasonic shear
waves in textured steel plates",journal of Physics
D 17,pp1399-1413(1984)),(16)式は発明者によ
って初めて見いだされたものである。(14),(15),
(16)式によれば既に知られている鉄単結晶の3個の弾
性係数の値C0 11=237GPa,C0 12=141GPa,C0 44=116GPa)
を利用すれば音速比K1,K2,K3を測定するのみでW400,
W420,W440を全て計算により得ることができる。W400,
W420,W440が得られればこれを(3)式に代入すること
により薄鋼板の9個の弾性係数Cijを得ることが出来
る。
nd D.R.Allen,“The influence of stress on the prin
cipal polarization directions of ultrasonic shear
waves in textured steel plates",journal of Physics
D 17,pp1399-1413(1984)),(16)式は発明者によ
って初めて見いだされたものである。(14),(15),
(16)式によれば既に知られている鉄単結晶の3個の弾
性係数の値C0 11=237GPa,C0 12=141GPa,C0 44=116GPa)
を利用すれば音速比K1,K2,K3を測定するのみでW400,
W420,W440を全て計算により得ることができる。W400,
W420,W440が得られればこれを(3)式に代入すること
により薄鋼板の9個の弾性係数Cijを得ることが出来
る。
また圧延方向と角度αをなす方向の圧延面内における薄
鋼板のヤング率E(α)は次式で表わせることはよく知
られている。
鋼板のヤング率E(α)は次式で表わせることはよく知
られている。
1/E(α)=S22sin4α+S11cos4α+(S66+2S12)sin2
α cos2α (17) ただし、S11=(C22C33−C23C23)S S22=(C11C33−C13C13)S S12=(C13C23−C12C33)S S66=1/C66 S=1/(C11C22C33+2C12C23C13−C11C23 2−C22C13 2−C
33C12 2) (17)式に上記の方法で得られた薄鋼板の9個の弾性係
数Cijを代入するとヤング率E(α)を計算により得る
ことが出来るわけである。
α cos2α (17) ただし、S11=(C22C33−C23C23)S S22=(C11C33−C13C13)S S12=(C13C23−C12C33)S S66=1/C66 S=1/(C11C22C33+2C12C23C13−C11C23 2−C22C13 2−C
33C12 2) (17)式に上記の方法で得られた薄鋼板の9個の弾性係
数Cijを代入するとヤング率E(α)を計算により得る
ことが出来るわけである。
次ぎに音速比K1,K2,K3を測定する方法について説明す
る。まずK1とK2を測定する方法について説明する。
る。まずK1とK2を測定する方法について説明する。
厚さが1mm前後あるいはそれ以下の薄鋼板の中を厚さ方
向に伝播する超音波の音速Vzz,Vzx,Vzyを測定するの
に電磁超音波を利用した定在波法(“厚み共振法”とも
呼ばれる)が適していることは既に知られている(S.A.
Filimonov,B.A.Budenkov,and N.A.Glukhov,“Ultrasoni
c contact-less resonance testing method",Soviet jo
urnal of Nondestructive Testing,No.1,pp102-104(19
71))。
向に伝播する超音波の音速Vzz,Vzx,Vzyを測定するの
に電磁超音波を利用した定在波法(“厚み共振法”とも
呼ばれる)が適していることは既に知られている(S.A.
Filimonov,B.A.Budenkov,and N.A.Glukhov,“Ultrasoni
c contact-less resonance testing method",Soviet jo
urnal of Nondestructive Testing,No.1,pp102-104(19
71))。
第2図にこの定在波法のための電磁超音波探触子の一例
を示す。第2図(a)は正面から見た断面図である。こ
の電磁超音波探触子は回転対称構造を有する。第2図
(b)は上から見たものでありこの電磁超音波探触子に
よって生ずる渦電流、電磁力等を示している。第2図
(a)に示す偏平な円形コイル14に高周波電流を流すと
薄鋼板16中には渦電流Iφが誘起する。一方永久磁石12
によって薄鋼板16中に磁界18が生じている。磁界18は薄
鋼板16の表面に垂直な成分Bzと、薄鋼板16の表面に平行
且つ放射状に分布する成分Brを有している。IφとBzの
相互作用により薄鋼板16の表面に平行且つ放射状に分布
する電磁力Frが生じる。またIφとBrの相互作用により
薄鋼板16の表面に垂直な電磁力Fzが生じる。電磁力Frは
圧延方向に平行な成分Fxと圧延方向に垂直な成分Fyに分
けることが出来る。Fzにより板厚方向に伝播する縦波V
zzが発生し、Fxにより圧延方向に偏向し板厚方向に伝播
する横波Vzxが発生し、Fyにより圧延方向と直角の方向
に偏向し板厚方向に伝播する横波Vzyが発生する。
を示す。第2図(a)は正面から見た断面図である。こ
の電磁超音波探触子は回転対称構造を有する。第2図
(b)は上から見たものでありこの電磁超音波探触子に
よって生ずる渦電流、電磁力等を示している。第2図
(a)に示す偏平な円形コイル14に高周波電流を流すと
薄鋼板16中には渦電流Iφが誘起する。一方永久磁石12
によって薄鋼板16中に磁界18が生じている。磁界18は薄
鋼板16の表面に垂直な成分Bzと、薄鋼板16の表面に平行
且つ放射状に分布する成分Brを有している。IφとBzの
相互作用により薄鋼板16の表面に平行且つ放射状に分布
する電磁力Frが生じる。またIφとBrの相互作用により
薄鋼板16の表面に垂直な電磁力Fzが生じる。電磁力Frは
圧延方向に平行な成分Fxと圧延方向に垂直な成分Fyに分
けることが出来る。Fzにより板厚方向に伝播する縦波V
zzが発生し、Fxにより圧延方向に偏向し板厚方向に伝播
する横波Vzxが発生し、Fyにより圧延方向と直角の方向
に偏向し板厚方向に伝播する横波Vzyが発生する。
こうして発生した超音波は逆の物理的過程で検出され
る。さてコイルに流す高周波電流の周波数が次式を満足
する場合に薄鋼板の中にその厚さ方向の定在波が生じる
ことは知られている。
る。さてコイルに流す高周波電流の周波数が次式を満足
する場合に薄鋼板の中にその厚さ方向の定在波が生じる
ことは知られている。
コイルに流す高周波電流の周波数を掃引しながら上記の
ような過程に従って超音波を発生させ且つ検出し、検出
された超音波が極大となるときの周波数を記録すること
により(18)式で表わされる周波数を得ることができ
る。
ような過程に従って超音波を発生させ且つ検出し、検出
された超音波が極大となるときの周波数を記録すること
により(18)式で表わされる周波数を得ることができ
る。
音波K1,K2は(18)式を利用することにより次ぎのよう
に求められる。
に求められる。
(19),(20)式によれば音速比は周波数の比に変換さ
れており、薄鋼板の厚さdは消去され測定する必要のな
いことがわかる。広い薄鋼板の厚さdを測定するにはX
線等による測定が必要であるため、これが不要であるの
は実用上非常に好ましいことである。
れており、薄鋼板の厚さdは消去され測定する必要のな
いことがわかる。広い薄鋼板の厚さdを測定するにはX
線等による測定が必要であるため、これが不要であるの
は実用上非常に好ましいことである。
次ぎに音速比K3を測定する方法について説明する。SHO
モードの板波を発生、検出するための電磁超音波探触子
の一例を第3図に示すがこれについてもよく知られてい
る。すなわち偏平角形コイル24に高周波数パルス電流を
流すと薄鋼板中に渦電流が誘起する。一方周期的に並び
永久磁石20により薄鋼板中に周期的に分布する磁界が生
じている。薄電流とこの磁界の相互作用により周期的に
分布する力が生じこれによりSHO板波が発生する。SHO板
波の検出は発生の逆の過程によりおこなわれる。これを
用いてSHO板波の音速を測定する装置についても種々考
えられるが、第4図にその一例を示すような装置が考え
られる。すなわち同一構造の探触子を3個使用する。発
生用探触子は1個でこれをT1、検出用探触子は2個でこ
れらをR1,R2とする。T1,R1,R2はこの順番に並べられて
剛体ケースに収められ、そられの間隔は一定に保たれて
いる。T1により発生したSHO板波は伝播していきR1によ
りまず検出され次に時間t後にR2により検出される。R1
とR2の間隔をDとするとSHO板波の音速は次ぎのように
表わせる。
モードの板波を発生、検出するための電磁超音波探触子
の一例を第3図に示すがこれについてもよく知られてい
る。すなわち偏平角形コイル24に高周波数パルス電流を
流すと薄鋼板中に渦電流が誘起する。一方周期的に並び
永久磁石20により薄鋼板中に周期的に分布する磁界が生
じている。薄電流とこの磁界の相互作用により周期的に
分布する力が生じこれによりSHO板波が発生する。SHO板
波の検出は発生の逆の過程によりおこなわれる。これを
用いてSHO板波の音速を測定する装置についても種々考
えられるが、第4図にその一例を示すような装置が考え
られる。すなわち同一構造の探触子を3個使用する。発
生用探触子は1個でこれをT1、検出用探触子は2個でこ
れらをR1,R2とする。T1,R1,R2はこの順番に並べられて
剛体ケースに収められ、そられの間隔は一定に保たれて
いる。T1により発生したSHO板波は伝播していきR1によ
りまず検出され次に時間t後にR2により検出される。R1
とR2の間隔をDとするとSHO板波の音速は次ぎのように
表わせる。
SHO板波の進行方向が圧延方向に一致している場合 VSHO(0°)=D/t0 (21) SHO板波の進行方向が圧延方向と45°をなす場合 VSHO(45°)=D/t45 (22) 但し、t0,t45はSHO板波の進行方向が圧延方向とそれぞ
れ0°,45°をなす場合に距離Dを伝播するに要する時
間である。
れ0°,45°をなす場合に距離Dを伝播するに要する時
間である。
音速比K3は(21),(22)式を利用することによりもと
められる。
められる。
K3=VSHO(45°)/VSHO(0°)=t0/t45 (23) すなわち音速比K3は伝播時間の逆比に変換されており、
また伝播距離Dは消去され測定する必要のないことがわ
かる。これが不要であるのは実用上非常に好ましいこと
である。
また伝播距離Dは消去され測定する必要のないことがわ
かる。これが不要であるのは実用上非常に好ましいこと
である。
さてこのようにして音速比K1,K2,K3が測定できれば、
測定の迅速化が計られ実用上好ましいことである。この
ための装置の一例を第5図に示す。すなわち第4図に示
すものと同等のものを2組(T1,R1,R2ならびにT1′,R
1′,R2′)準備しこれらが互いに45°をなすように固定
する。さらにその交点に第2図(a)に示すものと同じ
定在波用探触子50を固定する。このように第5図に示す
探触子セットにより音速比K1,K2,K3が同時に測定でき
るため実用上非常に好ましいことである。
測定の迅速化が計られ実用上好ましいことである。この
ための装置の一例を第5図に示す。すなわち第4図に示
すものと同等のものを2組(T1,R1,R2ならびにT1′,R
1′,R2′)準備しこれらが互いに45°をなすように固定
する。さらにその交点に第2図(a)に示すものと同じ
定在波用探触子50を固定する。このように第5図に示す
探触子セットにより音速比K1,K2,K3が同時に測定でき
るため実用上非常に好ましいことである。
このようにして得られた音速比K1,K2,K3と既知の鉄単
結晶の弾性係数C0 11,C0 12,C0 44により薄鋼板の9個の
弾性係数Cij、ならびにヤング率を得ることができ、近
似的な極点図も描けることは既に説明したとおりであ
る。
結晶の弾性係数C0 11,C0 12,C0 44により薄鋼板の9個の
弾性係数Cij、ならびにヤング率を得ることができ、近
似的な極点図も描けることは既に説明したとおりであ
る。
一枚の薄鋼板について実際に測定したところK1=0.529
2,K2=0.5409,K3=0.9643が得られた。これらの測定値
と既知の鉄単結晶の弾性係数の値C0 11=237GPa,C0 12=1
41GPa,C0 44=116GPaを(14),(15),(16)式に代入
すると、W400=−3.94×10-3,W420=−1.36×10-3,W
440=−1.83×10-3が得られた。これらの値を(4)式
に代入することにより得られた超音波極点図を第6図
(a)に示す。また比較のためにX線回析法により得ら
れた極点図を第6図(b)に示す。両者は細部まで一致
していないが、大体において良く一致していることがわ
かる。すなわち本発明の超音波法により非破壊的に、且
つ迅速に極点図を描け、これにより集合組織を推定でき
ることがわかる。
2,K2=0.5409,K3=0.9643が得られた。これらの測定値
と既知の鉄単結晶の弾性係数の値C0 11=237GPa,C0 12=1
41GPa,C0 44=116GPaを(14),(15),(16)式に代入
すると、W400=−3.94×10-3,W420=−1.36×10-3,W
440=−1.83×10-3が得られた。これらの値を(4)式
に代入することにより得られた超音波極点図を第6図
(a)に示す。また比較のためにX線回析法により得ら
れた極点図を第6図(b)に示す。両者は細部まで一致
していないが、大体において良く一致していることがわ
かる。すなわち本発明の超音波法により非破壊的に、且
つ迅速に極点図を描け、これにより集合組織を推定でき
ることがわかる。
第7図には本発明の超音波法により測定された異なる7
枚の薄鋼板のヤング率の圧延面内における平均値(=
[E(0°)+2E(45°)+E(90°)]/4)と引張試
験によって測定されたランクフォード値(r値)の圧延
面内における平均値(=[r(0°)2r(45°)+E
(90°)]/4)との関係を示している。の値が大であ
るほど高いプレス成形性を有することがわかっているた
め本発明の超音波法によりプレス成形性を非破壊的に測
定できることがわかる。
枚の薄鋼板のヤング率の圧延面内における平均値(=
[E(0°)+2E(45°)+E(90°)]/4)と引張試
験によって測定されたランクフォード値(r値)の圧延
面内における平均値(=[r(0°)2r(45°)+E
(90°)]/4)との関係を示している。の値が大であ
るほど高いプレス成形性を有することがわかっているた
め本発明の超音波法によりプレス成形性を非破壊的に測
定できることがわかる。
また第8図には本発明の超音波法により測定されたヤン
グ率の圧延面内におる異方性 (ΔE=[E(0°)+2E(45°)+E(90°)]/4)
と引張試験によって測定されたランクフォード値(r
値)の圧延面内における異方性Δr=[r(0°)2r
(45°)+E(90°)]/4)との関係を示している。Δ
rの値が大であるほどプレス成形の際に生ずるいわゆる
“耳”が発生しやすいことがわかっているため本発明の
超音波法により“耳”の発生を非破壊的に予測できるこ
とがわかる。第7,8図によれば本発明の超音波法により
ランクフォード値の圧延面内における平均値ならびにラ
ンクフォード値の圧延面内における異方性を非破壊的
に、且つ迅速に推定できることがわかる。
グ率の圧延面内におる異方性 (ΔE=[E(0°)+2E(45°)+E(90°)]/4)
と引張試験によって測定されたランクフォード値(r
値)の圧延面内における異方性Δr=[r(0°)2r
(45°)+E(90°)]/4)との関係を示している。Δ
rの値が大であるほどプレス成形の際に生ずるいわゆる
“耳”が発生しやすいことがわかっているため本発明の
超音波法により“耳”の発生を非破壊的に予測できるこ
とがわかる。第7,8図によれば本発明の超音波法により
ランクフォード値の圧延面内における平均値ならびにラ
ンクフォード値の圧延面内における異方性を非破壊的
に、且つ迅速に推定できることがわかる。
以上述べたように本発明では音響結合媒質を必要としな
い電磁超音波法を利用するため完全に非破壊的な測定で
あり、且つ薄鋼板を汚すことがなく、また音速の絶対値
ではなく音速比を利用するため測定誤差が小さい。さら
に単に3個の線型代数方程式を解くだけでW400,W420,
W440が算出でき、これらから極点図を描いたり、引張試
験をすることなくランクフォード値を推定できるわけで
ある。このように材料特性を非破壊的に、且つ迅速に測
定することができるため薄鋼板の品質管理、品質保証が
有利に達成できるものである。
い電磁超音波法を利用するため完全に非破壊的な測定で
あり、且つ薄鋼板を汚すことがなく、また音速の絶対値
ではなく音速比を利用するため測定誤差が小さい。さら
に単に3個の線型代数方程式を解くだけでW400,W420,
W440が算出でき、これらから極点図を描いたり、引張試
験をすることなくランクフォード値を推定できるわけで
ある。このように材料特性を非破壊的に、且つ迅速に測
定することができるため薄鋼板の品質管理、品質保証が
有利に達成できるものである。
第1図は本発明において使用する各種のモードの超音波
の伝播方向と振動方向を示す図、 第2図は薄鋼板の厚さ方向に伝播する縦波超音波と2種
の横波超音波を発生・検出するための定在波用電磁超音
波探触子を示す図、 第3図はSHOモードの板波超音波を発生・検出するため
の電磁超音波探触子を示す図、 第4図は第3図に示す電磁超音波探触子を3個使用して
SHOモードの板波超音波の音速を測定する方法を示す
図、 第5図は音速比K1,K2,K3を同時に測定する方法を示す
図、 第6図は本発明の超音波法により得られた極点図とX線
極点図との比較を示す図、 第7図は本発明の超音波法により得られたヤング率の圧
延面内における平均値()とr値の圧延面内における
平均値()との関係示す図、 第8図は本発明の超音波法により得られたヤング率の圧
延面内における異方性(ΔE)とr値の圧延面内におけ
る異方性(Δr)との関係を示す図である。
の伝播方向と振動方向を示す図、 第2図は薄鋼板の厚さ方向に伝播する縦波超音波と2種
の横波超音波を発生・検出するための定在波用電磁超音
波探触子を示す図、 第3図はSHOモードの板波超音波を発生・検出するため
の電磁超音波探触子を示す図、 第4図は第3図に示す電磁超音波探触子を3個使用して
SHOモードの板波超音波の音速を測定する方法を示す
図、 第5図は音速比K1,K2,K3を同時に測定する方法を示す
図、 第6図は本発明の超音波法により得られた極点図とX線
極点図との比較を示す図、 第7図は本発明の超音波法により得られたヤング率の圧
延面内における平均値()とr値の圧延面内における
平均値()との関係示す図、 第8図は本発明の超音波法により得られたヤング率の圧
延面内における異方性(ΔE)とr値の圧延面内におけ
る異方性(Δr)との関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】冷延薄鋼板の内部を圧延方向と平行な方向
に振動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の速度Vzx
と厚さ方向に伝播する縦波超音波の速度Vzzとの比の値K
2、ならびに該冷延薄鋼板の内部を圧延方向と直角をな
す方向に振動しつつ厚さ方向に伝播する横波超音波の速
度Vzyと厚さ方向に伝播する該縦波超音波の速度Vzzとの
比の値K1、ならびに該冷延薄鋼板の内部を圧延方向と45
°をなす方向に伝播するSHO板波超音波の速度VSHO(45
°)と圧延方向と平行な方向あるいは直角をなす方向に
伝播するSHO板波超音波の速度VSHO(0°)あるいはV
SHO(90°)との比の値K3を測定し該K1,K2及びK3の値
ならびに鉄単結晶の既知の3個の弾性係数の値C0 11,C0
12,C0 44からCODF係数W400,W420,W440を算出し、冷延
薄鋼板の極点図又はヤング率又はランクフォード値を得
ることを特徴とする冷延薄鋼板の材質の測定法。 - 【請求項2】K1,K2及びK3の値を電磁超音波をもちいて
測定する請求項1記載の冷延薄鋼板の材質の測定法。 - 【請求項3】SHO板波発生用電磁超音波探触子と第1のS
HO板波検出用電磁超音波探触子と第2のSHO板波検出用
電磁超音波探触子を直線上に配置したものを一組とする
SHO板波超音波の音速測定装置2組を前記第1,2のSHO板
波検出用電磁超音波探触子の中間にて45°の角度を保持
して交差させ、前記交差点に1個の定在波用電磁超音波
探触子を配置したことを特徴とする冷延薄鋼板中を伝播
する超音波速度の測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1029755A JPH0687054B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 冷延薄鋼板の材質の測定法及び冷延薄鋼板中を伝播する超音波速度の測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1029755A JPH0687054B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 冷延薄鋼板の材質の測定法及び冷延薄鋼板中を伝播する超音波速度の測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02210258A JPH02210258A (ja) | 1990-08-21 |
JPH0687054B2 true JPH0687054B2 (ja) | 1994-11-02 |
Family
ID=12284900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1029755A Expired - Lifetime JPH0687054B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 冷延薄鋼板の材質の測定法及び冷延薄鋼板中を伝播する超音波速度の測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0687054B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0587714A (ja) * | 1991-03-27 | 1993-04-06 | Nippon Steel Corp | 冷延薄鋼板の材質測定法及びその装置 |
US5467655A (en) * | 1991-03-27 | 1995-11-21 | Nippon Steel Corporation | Method for measuring properties of cold rolled thin steel sheet and apparatus therefor |
DE112004002759T5 (de) | 2004-10-14 | 2007-02-08 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial Systems Corporation | Verfahren und Vorrichtung zum Steuern der Materialqualität in einem Walz-, Schmiede- oder Nivellierungsverfahren |
US9274089B2 (en) * | 2012-10-31 | 2016-03-01 | The Boeing Company | Apparatus and a method for measuring in-plane elastic constants for a laminate |
-
1989
- 1989-02-10 JP JP1029755A patent/JPH0687054B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02210258A (ja) | 1990-08-21 |
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