JPH0684436A - 高速再閉路接地開閉器 - Google Patents

高速再閉路接地開閉器

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JPH0684436A
JPH0684436A JP4285901A JP28590192A JPH0684436A JP H0684436 A JPH0684436 A JP H0684436A JP 4285901 A JP4285901 A JP 4285901A JP 28590192 A JP28590192 A JP 28590192A JP H0684436 A JPH0684436 A JP H0684436A
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arc
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均 溝口
Hiroaki Toda
弘明 戸田
Hisatoshi Ikeda
久利 池田
Ikuo Miwa
郁夫 三輪
Takashi Yokota
岳志 横田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 数サイクルの間電流零点を形成しない誘導電
流を遮断することができる高速再閉路接地開閉器を提供
する。 【構成】 パッファ形消弧室7の操作装置9には、開極
動作の速度を減速する緩衝手段である油圧シリンダ9a
が設けられている。この油圧シリンダ9aは、シリン
ダ、消弧室部の操作ロッドに連結されるピストン、前記
ピストン後方に設けられた緩衝ピストン部、開極弁、閉
極弁、アキュムレータなどから構成されている。また
は、パッファ形消弧室7を、開極終了時のパッファシリ
ンダの容積が閉極時の容積の20〜50%となるように
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力用高電圧送電線に
おいて、送電線路の碍子連アークホーン間の逆フラッシ
オーバー(逆閃絡)によって発生する地絡事故を線路用
遮断器によって除去した後、アークホーン部に持続する
電磁誘導電流アークを遮断器の開閉動作と協調した高速
閉極動作によって消弧し、かつ即時の開極動作により誘
導電流を遮断して、遮断器の再閉路による再送電を可能
にする高速再閉路接地開閉器(HSES)に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線に雷が落ちると、送電線に吊られ
た碍子連のアークホーンに逆フラッシオーバーが発生す
る。送電線に生じる事故の大半は、この逆フラッシオー
バーを原因とする1線地絡事故である。この様な地絡事
故による故障を解消するためには、故障区間を無電圧と
して、事故原因である逆フラッシオーバーを消弧してし
まえば良い。具体的には、故障を起こした送電線の両端
にある送電線路用の遮断器に再閉路動作を行わせること
が有効である。ここで、再閉路動作とは、一旦開極し
て、故障区間を無電圧とし、逆フラッシオーバーを消弧
した後、再度投入することである。このような再閉路動
作を行うことにより、停電に至ることなく再送電を行う
ことができる。再閉路の代表的な方式としては単相再閉
路方式がある。この単相再閉路方式は、電力の変動が少
なく、過渡安定度に優れているため広く使われている。
【0003】ところが、近年では電力需要の増大に伴っ
て、高電圧送電線として1100kVなどのUHV系送
電線が用いられようとしている。このUHV系送電線に
て単相再閉路を行う場合には、従来の500kV系統の
場合に比較して、同一回線の他相や併架された他回線か
ら受ける静電電磁誘導が大きくなる。このような他相か
らの静電電磁誘導が大きいと、碍子連アークホーンの逆
フラッシオーバーが発生した時、たとえ故障区間両端の
遮断器を開極状態にしたにせよ、逆フラッシオーバーを
消弧することが難しくなる。そこで、UHV系のような
高電圧送電線では、逆フラッシオーバーを消弧するため
に、高電圧送電線の1線地絡相に高速再閉路接地開閉器
を設置する必要がある。すなわち、事故発生箇所をその
両端の遮断器によって送電線路から切り離した後、この
高速再閉路接地開閉器を遮断器の開閉動作と協調して高
速投入することにより、碍子連アークホーンに持続する
電磁誘導電流アークを消弧し、その後直ちに開極動作を
行って誘導電流を遮断して、遮断器の再閉路による再送
電を可能にしている。
【0004】以下、この高速再閉路接地開閉器を採用し
た保護システムを、図面を参照して具体的に説明する。
図10はこのシステムの構成を示す説明図である。図に
おいて、1は変電所開閉装置入口のブッシング、3はU
HV系の鉄塔である。2は高電圧用の送電線であり、上
相、中相、下相の3線を有し、ブッシング1と鉄塔3ま
たは鉄塔3同士の間に張り渡されている。各鉄塔3に
は、アークホーン3aを備えた碍子連3bが設けられ、
この碍子連3bによって送電線2が鉄塔3に吊り下げら
れている。送電線2の一定区間の両端には、遮断器(G
CB)と高速再閉路接地開閉器(HSES)が設けられ
ている。なお、4は雷雲、5は雷である。このシステム
において、3線の送電線2のうちの1つに雷雲4から雷
5が落ちると、その送電線2を吊り下げている碍子連3
bのアークホーン3aに逆フラッシオーバー3cが発生
し、送電線2からこの逆フラッシオーバー3cを介して
鉄塔3へ地絡事故電流が流れ、地絡事故が発生する。
【0005】この逆フラッシオーバー3cにより1線地
絡事故が起きた場合の遮断器(GCB)及び高速再閉路
接地開閉器(HSES)の動作順序を、図11の動作シ
ーケンス図に沿って説明する。すなわち、地絡事故発生
前は、遮断器(GCB)は投入状態、高速再閉路接地開
閉器(HSES)は開極状態にある。送電線2に地絡事
故が発生すると、送電線保護リレー時間であるT1 時間
経過後、まず遮断器(GCB)が開極動作を行う。しか
し、事故送電線2には、他相からの静電電磁誘導により
誘導電流が流れ、それによってアークホーン3a間には
依然として逆フラッシオーバー3cが持続している。そ
こで、遮断器(GCB)が開極した状態で、高速再閉路
接地開閉器(HSES)の投入動作を強制的に高速で行
い、アークホーン3a部分で接地されている誘導電流を
高速再閉路接地開閉器(HSES)側に導くことによ
り、アークホーン3aの逆フラッシオーバーを消弧す
る。高速再閉路接地開閉器(HSES)は、θ時間投入
状態を続けて逆フラッシオーバーを消弧した後、開極状
態に戻って誘導電流を遮断し、最後に遮断器が投入動作
を行い送電を再開する。
【0006】ところで、以上のように、逆フラッシオー
バーを消弧するために、遮断器(GCB)が開極した状
態で、高速再閉路接地開閉器(HSES)の投入動作を
行った場合に、高速再閉路接地開閉器(HSES)に流
れる電磁誘導電流は、図12に示すように、2000A
にも達する。そして、このような大電流を高速再閉路接
地開閉器(HSES)で遮断しようとして、高速再閉路
接地開閉器(HSES)を開極することにより故障送電
線を接地状態から解放すると、高速再閉路接地開閉器
(HSES)接触子間には、図13に示すように、電気
回路の過渡現象分と故障送電線が他線から受ける静電誘
導電圧が重畳した過渡回復電圧が印加される。このよう
な比較的大きな電流と、比較的大きな上昇率、高い波高
値の過渡回復電圧条件の下での遮断は、単にSF6 ガス
中で棒状の接触子を開閉するだけの並切り形の接地開閉
器では遮断することができず、遮断器と同様にパッファ
形の消弧室を有する高速再閉路接地開閉器(HSES)
が必要となる。
【0007】図1を参照して、従来のパッファ形消弧室
を有する高速再閉路接地開閉器(HSES)の一例を説
明する。この図において、接地容器6内には、パッファ
形消弧室7や導体8などが収納されている。そして、パ
ッファ形消弧室7の可動部は、操作装置9によって開閉
駆動されるようになっており、パッファ形消弧室7の可
動部と操作装置9との間には、操作装置9の動作ストロ
ークを変換して必要な開極長さを得るためのリンク部1
0が設けられている。なお、操作装置9中には、油圧シ
リンダ(制御弁を含む)9aが設けられている。また、
導体8は、その両端部にて、絶縁スペーサ11a,11
bを介して接地容器6に対して支持され、電気的に絶縁
されている。さらに、パッファ形消弧室7の可動部の近
傍には、接地容器6を貫通する形で接地端子部12が設
けられ、パッファ形消弧室7の可動部に電気的に接続さ
れており、接地開閉器の閉極時には、このパッファ形消
弧室7を介して導体8が接地端子部12に接続されるよ
うになっている。
【0008】図2に、図1のパッファ形消弧室の詳細な
構造を示す。なお、図2は開極動作終了時の状態を示し
ている。図において、Aは固定接触子部であり、固定接
触子13、シールド14aによって構成されている。ま
た、Bは可動接触子部であり、操作装置9に連結される
筒状の操作ロッド15にパッファシリンダ16が取り付
けられ、このパッファシリンダ16上に可動接触子17
及び絶縁ノズル18が取り付けられている。パッファシ
リンダ16内には、パッファピストン19が挿入されて
おり、また、パッファシリンダ16の外周部には、固定
接触子部Aのシールド14aに対向するシールド14b
が設けられ、パッファピストン19及びシールド14b
は、接地容器1に対して固定されている。そして、この
ように固定されたパッファピストン19及びシールド1
4bに対して、部材16〜18が一体に移動するように
構成されている。
【0009】このような構成を有する図2のパッファ形
消弧室の動作は次の通りである。すなわち、開極動作時
には、パッファシリンダ16内のガスが圧縮され、先端
の絶縁ノズル18部に図中点線矢印で示すような2方向
のガス流が生じ、固定接触子13と可動接触子17の間
に生じるアークが消弧される。また、開極終了後は、シ
ールド14a,14bの効果により、固定接触子部と可
動接触子部の間の絶縁が確保される。この場合、図2に
示すような開極終了時におけるパッファシリンダ16の
先端部内面とパッファピストン19の端面との間のギャ
ップL0 は、開極動作時にパッファシリンダ16とパッ
ファピストン19とが衝突しないような必要十分な長さ
に設定されている。その長さは通常10mm程度であ
る。従って、その時形成されるシリンダ内の容積V0
小さな値となる。
【0010】図14に、以上のような従来の高速再閉路
接地開閉器(HSES)における、開極動作時のストロ
ーク(開極移動特性)とパッファシリンダ内の圧力上昇
の特性を示した。図において、X0 は開極開始位置を示
しており、開極初期に遮断可能な最小の圧力上昇値ΔP
1aが得られる開極位置をX1 、その時の開極距離をL1
とし、また、圧力上昇が十分であれば遮断可能な開極距
離L2 となる開極位置をX2 としている。また、開極終
期に得られる遮断可能な最小の圧力上昇値をΔP1bとし
ている。
【0011】また、ガス遮断器に使用されていることか
ら明らかなように、パッファ形消弧室の遮断性能は優秀
であるため、2000A〜3000Aの電磁誘導電流の
消弧は比較的容易であり、図14に示すように、低い圧
力上昇値(ΔP1a ,ΔP1b)で消弧できる。その反
面、高い過渡回復電圧が印加されるため、開極距離を十
分大きく取らないと遮断は成功しない。また、図14に
おいて、開極初期の遮断可能な最小の圧力上昇値ΔP1a
が得られた時の開極距離L1 は、遮断するために十分な
大きさではなく、開極距離L2 になって初めて遮断可能
になるとしている。従って、この場合、開極開始位置X
0 から遮断可能な開極距離L2 となる開極位置X2 まで
の時間が、遮断可能最短アーク時間Tamin となり、開
極開始位置X0 から開極終期に遮断可能な最小の圧力上
昇値ΔP1bが得られるまでの時間が、遮断可能最長アー
ク時間Tamax となる。そして、遮断可能な開極距離L
2 となる開極位置X2 から、開極終期に遮断可能な最小
の圧力上昇値ΔP1bが得られるまでの時間が、遮断可能
アーク時間幅Tw となる。この遮断可能アーク時間幅T
w は、一般的に、遮断電流の半波の時間以上であれば十
分である。ただし、遮断器に比べ、高速再閉路接地開閉
器(HSES)の遮断は容易であることから、遮断可能
な圧力上昇が低く、遮断可能の時間幅を20ms〜30
msまで広くすることは可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図10に示
した通り、送電線2は上相、中相、下相を有しており、
各相には所定の負荷電流が流れているが、このような送
電線2の中相において地絡事故が発生し、図11に示す
ような動作シーケンスで再閉路動作を実施するものと仮
定すると、送電線2の各相に流れる電流は、図15の電
流変化図に示すようになる。すなわち、図15に示すよ
うに、送電線2の中相においては、地絡事故発生時T01
と、遮断器(GCB)の開極開始時T02との間だけ事故
電流が流れている。ところが、送電線2の中相は、他の
健全相である上相及び下相や併架された他の回線から静
電電磁誘導を受ける。そのため、遮断器が開極した状態
では、送電線2の中相のアークホーンには誘導電流に起
因する逆フラッシオーバーが依然として生じているた
め、この逆フラッシオーバーの消弧のために、高速再閉
路接地開閉器(HSES)を投入する(投入時T03)。
すると、高速再閉路接地開閉器には、図15に示すよう
に、その投入時T03以降、最初は直流成分の含まれた地
絡事故電流と電磁誘導電流とが重畳され電流零点よりも
変移した電流が流れ、その後地絡事故電流が接地される
につれて電磁誘導電流成分が多くなり、電流零点を通る
交流電流が流れることになる。従って、高速再閉路接地
開閉器(HSES)によってこのような誘導電流を遮断
する場合には、電流零点になるタイミングを捕らえて開
極動作を行うことにより、電流を比較的容易に遮断する
ことができる。
【0013】しかしながら、このように送電線の中相に
て地絡事故が発生した後、中相以外の2相のうちの1相
(この例では上相)あるいは併架された他の回線の1相
で、時刻T04において地絡事故(後追い故障)が発生
し、この後追い故障事故のタイミングが、中相の高速再
閉路接地開閉器(HSES)の開極タイミングと重なる
と共に、後追い故障事故電流に直流電流成分が多く含ま
れている場合には、中相の送電線には、上相の事故電流
による電磁誘導で生じた直流電流成分の多い誘導電流が
流れ、図15のA部に示すように、中相の高速再閉路接
地開閉器(HSES)には、数サイクルの間、電流零点
を形成しない零ミス電流が流れることになる。
【0014】この零ミス電流を遮断することは、通常の
交流電流の零点遮断に比較すると格段に困難である。こ
の場合、電流が再び零点を形成するまでの間、遮断可能
な最小の圧力上昇値を維持できれば、零点を形成した時
点で電流を遮断することが可能となる。しかしながら、
前述した通り、従来の高速再閉路接地開閉器(HSE
S)によって得られる遮断可能アーク時間幅Tw (図1
4参照)は、電流が再び零点を形成するまでの時間幅よ
りも短いため、従来の高速再閉路接地開閉器(HSE
S)によってこの様な電流を遮断することはできなかっ
た。
【0015】本発明は、以上のような従来技術の有する
問題点を解消するために提案されたものであり、その目
的は、数サイクルの間電流零点を形成しない誘導電流を
遮断することができる高速再閉路接地開閉器を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の高速再閉路接地
開閉器は、遮断器を結ぶ高電圧送電線の各相に設置さ
れ、前記送電線に設けられた碍子連のアークホーンの逆
フラッシオーバーによる1線地絡事故時に、前記送電線
の両端にある遮断器を開極することにより切り離された
送電線を高速で閉極接地し、前記碍子連に持続している
他相または他回線からの電磁誘導電流アークを消弧し、
その後開極動作を行うことにより、前記遮断器の再閉極
による再送電を可能とするパッファ形消弧室及びその操
作装置を備えた高速再閉路接地開閉器である。
【0017】そして、請求項1に記載の高速再閉路接地
開閉器は、前記パッファ形消弧室の操作装置に、その開
極時に、前記電磁誘導電流を遮断可能な圧力上昇値が得
られる開極位置近傍から開極動作を減速するように調整
された緩衝手段を設けたことを特徴とするものである。
【0018】また、請求項2に記載の高速再閉路接地開
閉器は、前記パッファ形消弧室を、開極終了時のパッフ
ァシリンダの容積が、閉極時の容積の15〜50%とな
るように構成したことを特徴とするものである。
【0019】さらに、請求項3に記載の高速再閉路接地
開閉器は、前記パッファ形消弧室を、開極終了時のパッ
ファシリンダの容積が、閉極時の容積の15〜50%と
なるように構成すると共に、前記パッファ形消弧室の操
作装置に、その開極時に、前記電磁誘導電流を遮断可能
な圧力上昇値が得られる開極位置近傍から開極動作を減
速するように調整された緩衝手段を設けたことを特徴と
するものである。
【0020】また、請求項4に記載の高速再閉路接地開
閉器は、請求項1または請求項3に記載の高速再閉路接
地開閉器において、緩衝手段を制御する制御手段を設け
たことを特徴とするものである。
【0021】
【作用】以上のように構成された本発明の作用は次の通
りである。
【0022】まず、請求項1に記載の高速再閉路接地開
閉器においては、所定の緩衝手段を設けることにより、
パッファ形消弧室の開極時に、電磁誘導電流を遮断可能
な圧力上昇値が得られる開極位置近傍から開極動作を減
速することができるので、開極終了までの時間を長くす
ることができ、遮断可能アーク時間幅を長くすることが
できる。
【0023】また、請求項2に記載の高速再閉路接地開
閉器においては、パッファシリンダの開極終了時の容積
を意図的に大きくしたことにより、開極初期の圧力上昇
は従来に比べて緩く立上がり、その最大値も低くなる。
そのため、開極初期に遮断可能な圧力上昇値が得られる
開極距離を、開極終了時の容積を大きくしない場合の開
極初期における遮断可能な開極距離よりも大きくするこ
とができる。従って、開極初期に遮断可能な圧力上昇値
が得られれば即遮断可能となる。そして、このように、
開極終了時のパッファシリンダの容積を意図的に大きく
したことにより、開極が終了した後の圧力上昇値の減少
速度を著しく遅くすることができるため、遮断可能アー
ク時間幅を長くすることができる。
【0024】さらに、請求項3に記載の高速再閉路接地
開閉器においては、上記請求項1及び請求項2に記載の
発明を結合した結果、上記両方の作用・効果が得られ
る。
【0025】また、請求項4に記載の高速再閉路接地開
閉器においては、パッファ形消弧室の開極時に、制御手
段によって緩衝手段を制御して、電磁誘導電流を遮断可
能な圧力上昇値が得られる開極位置近傍から開極動作を
減速することができるので、開極終了までの時間を長く
することができ、遮断可能アーク時間幅を長くすること
ができる。
【0026】従って、送電線の1相で地絡事故が発生し
て、遮断器が開極し、続いて、逆フラッシオーバーの消
弧のために高速再閉路接地開閉器(HSES)を投入し
た後に、隣接する他相あるいは併架された他の回線で、
地絡事故相の高速再閉路接地開閉器(HSES)の開極
タイミングと重なる後追い故障事故が発生し、この後追
い故障事故電流に直流電流成分が多く含まれ、地絡事故
相の高速再閉路接地開閉器(HSES)に、数サイクル
の間電流零点を形成しない零ミス電流が流れた場合で
も、電流が再び零点を形成するまでの間、遮断可能状態
を維持することができるため、電流零点で電流遮断を行
うことができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明による高速再閉路接地開閉器
(HSES)の複数の実施例について、図面を参照して
説明する。
【0028】(実施例1)本発明の実施例1は、基本的
に図1及び図2に示すような構成を有しており、この構
成は、従来技術の説明として前述した通りである。すな
わち、図1に示すように、接地容器6内には、パッファ
形消弧室7や導体8などが収納されている。そして、パ
ッファ形消弧室7の可動部は、操作装置9によって開閉
駆動されるようになっており、パッファ形消弧室7の可
動部と操作装置9との間には、操作装置9の動作ストロ
ークを変換して必要な開極長さを得るためのリンク部1
0が設けられている。なお、操作装置9中には、油圧シ
リンダ(制御弁を含む)9aが設けられている。また、
導体8は、その両端部にて、絶縁スペーサ11a,11
bを介して接地容器6に対して支持され、電気的に絶縁
されている。さらに、パッファ形消弧室7の可動部の近
傍には、接地容器6を貫通する形で接地端子部12が設
けられ、パッファ形消弧室7の可動部に電気的に接続さ
れており、接地開閉器の閉極時には、このパッファ形消
弧室7を介して導体8が接地端子部12に接続されるよ
うになっている。
【0029】そしてまた、パッファ形消弧室の詳細な構
造についても、前述した通りである。すなわち、図2に
示すように、Aは固定接触子部であり、固定接触子1
3、シールド14aによって構成されている。また、B
は可動接触子部であり、操作装置9に連結される筒状の
操作ロッド15にパッファシリンダ16が取り付けら
れ、このパッファシリンダ16上に可動接触子17及び
絶縁ノズル18が取り付けられている。パッファシリン
ダ16内には、パッファピストン19が挿入されてお
り、さらに、パッファシリンダ16の外周部には、固定
接触子部Aのシールド14aに対向するシールド14b
が設けられ、これらのパッファピストン19及びシール
ド14bは、接地容器1に対して固定されている。そし
て、このように固定されたパッファピストン19及びシ
ールド14bに対して、部材16〜18が一体に移動す
るように構成されている。
【0030】以上のような基本的構成に加えて、本実施
例の操作装置9中に設けられた油圧シリンダ部は、図3
に示すように構成されている。図において、9a1はシリ
ンダ、9a2は消弧室部の操作ロッド15に連結されるピ
ストン、前記ピストン後方の9a3は緩衝ピストン部、9
a4は開極弁、9a5は閉極弁、9bはアキュムレータであ
る。なお、前記ピストン9a2の後端から緩衝ピストン9
a3の後端までの長さLdpは、従来の長さ■dpより長く構
成されている。
【0031】ここで、本実施例の操作装置9中に設けら
れた油圧シリンダ部の作用を、図3に基づいて説明す
る。なお、図3は閉極中の高速再閉路接地開閉器(HS
ES)に開極力が加わった状態を示したものである。す
なわち、閉極弁9a5が閉じている状態で、開極弁9a4
開くと、シリンダ内のC2 ,C3 部の高圧油が開極弁9
a4から低圧部9a6に排出され、シリンダ内のC2 ,C3
部は低い圧力状態となる。一方、シリンダの上部に位置
するC1 部には、アキュムレータ9bから高圧の油が供
給される。その結果、ピストン9a2は図中下方に移動
し、それと共に消弧室部の操作ロッド15も図中下方に
移動するので、消弧室部で開極動作が開始される。そし
て、緩衝ピストン9a3の後端部がシリンダ9a1の小径部
に達すると、シリンダ大径部C2 部の油が排出されにく
くなり、C2 部の圧力が急上昇して、ピストン9a2に制
動力(緩衝力)が働く。
【0032】この様な油圧シリンダ部の特徴は、ピスト
ン9a2から後方に突き出すように形成された緩衝ピスト
ン9a3の長さLdpが、従来例の■dpより長く構成され、
開極動作の開始位置から緩衝力が働くまでの長さXd
が、消弧室において誘導電流遮断が可能となる圧力が得
られるストローク長とほぼ同じ長さに調整されているこ
とにより、図4に示した特性が得られることである。
【0033】次に、図4について説明する。従来例と同
様に、開極開始位置をX0 、開極初期に遮断可能な最小
の圧力上昇値ΔP1aが得られる開極位置をX1 、その時
の開極距離をL1 とし、また、遮断可能な開極距離L2
となる開極位置をX2 、開極終期に得られる遮断可能な
最小の圧力上昇値をΔP1bとする。ここで、前記緩衝ピ
ストン9a3の後端部がシリンダ9a1の小径部の入口に達
して、緩衝力が働き始める位置はXdであり、本実施例
ではXdはX1 とほぼ等しいとされている。このため、
遮断可能な圧力が得られるX1 の付近から緩衝力が働
き、開極運動を速やかに減速する。なお、図4中におい
ては、比較のために、従来例における開極特性(ストロ
ーク)を点線で示している。また、図中Xtは高速再閉
路接地開閉器(HSES)の開極開始位置から終了(停
止)位置までの全ストロークである。
【0034】次に、本実施例の作用について説明する。
すなわち、本実施例においては、操作装置9中に設けら
れた油圧シリンダの上記作用によって、開極動作後半の
開極速度を減速することができるため、図14に示した
従来特性に比べて、圧力上昇の最大値は大幅に低下す
る。しかしながら、開極終了までの時間が大幅に引き延
ばされるため、開極終期に遮断可能な最小の圧力上昇値
ΔP1b(ΔP1aと等しい)が得られるまでの時間、すな
わち、遮断可能な最小の圧力上昇値が持続する時間幅は
大幅に延長される。
【0035】図4では、開極開始位置X0 から遮断可能
な開極距離L2 となる開極位置X2までの時間が、遮断
可能最短アーク時間Tamin となり、開極開始位置X0
から開極終期に遮断可能な最小の圧力上昇値ΔP1bが得
られるまでの時間が、遮断可能最長アーク時間Tamax
となる。そして、遮断可能な開極距離L2 となる開極位
置X2 から、開極終期に遮断可能な最小の圧力上昇値Δ
1bが得られるまでの時間が、遮断可能アーク時間幅T
w となる。この場合、本実施例の遮断可能アーク時間幅
w は、前述した従来例の遮断可能アーク時間幅に比べ
て、3〜4倍程度に長くできる。
【0036】以上のように、本実施例においては、遮断
可能アーク時間幅を従来に比べて大幅に引き延ばすこと
ができるため、前述のように電流零点が数サイクル形成
されない場合でも、電流零点が再び形成されるまで遮断
可能な圧力上昇値が維持され、電流零点で電流遮断を行
うことができる。従って、遮断範囲の大きさのいかなる
誘導電流でも遮断可能な、優れた高電圧送電線用の高速
再閉路接地開閉器を容易に実現できる。
【0037】(実施例2)本実施例は上記実施例1を変
形したものである。すなわち、実施例1では消弧室側の
操作ロッドは、絶縁棒等を介して駆動シリンダ中のピス
トンに直結されているが、本実施例においては、一方の
レバー10aがガス中に配置され、他方のレバー10b
が気中に配置されたリンク10を介して連結されてい
る。なお、図中9aは油圧シリンダ部、9a2はピストン
である。また、本実施例においては、緩衝装置9cは駆
動シリンダの外部に設けられている。すなわち、気中側
のレバー10bにそのピストン部が連結されるように操
作装置9中に設置されている。さらに、実施例1と同様
に、図中Xdは、開極動作を開始した後、緩衝ピストン
c3の先端が緩衝装置9cの小径部に達する長さ、すな
わち、緩衝力が働き始めるまでの長さである。また、X
tは、開極開始から終了(停止)までの全ストロークで
ある。
【0038】この様な構成を有する本実施例の作用・効
果は、上記実施例1と同様であるので、説明は省略す
る。なお、実際に高速再閉路接地開閉器(HSES)を
設計するにあたっては、既存の油圧シリンダを使用し、
緩衝装置(緩衝手段)は別個に設けた方が有利である場
合もあり、その様な場合には本実施例の構成を採用する
こともできる。
【0039】(実施例3)図6は、本実施例におけるパ
ッファ形消弧室の要部の構造を示す図であり、開極動作
終了時の状態を示している。基本的な構成は、前述した
実施例1と同様であるため、以下には実施例1と異なる
特徴について説明する。すなわち、本実施例において
は、従来例に比べて、開極終了時のパッファシリンダ1
6の先端部内面とパッファピストン19の端面との間の
ギャップL0 が、意図的に長くされている。そして、そ
れにより、開極終了時のパッファシリンダ16内の容積
も格段に大きくなっており、具体的には、閉極時容積の
15%〜50%程度とされている。なお、図6において
は、閉極時におけるパッファシリンダ16、可動接触子
17、絶縁ノズル18などの位置を点線で示している。
この場合、閉極時におけるパッファシリンダ16の先端
部内面とパッファピストン19の端面との間のギャップ
はLc として示されている。そして、この閉極時のギャ
ップLc により、閉極時のシリンダ容積が決定される。
【0040】次に、本実施例の作用について説明する。
図7の実線は、本実施例の高速再閉路接地開閉器(HS
ES)における、開極動作時のストローク(開極移動特
性)とパッファシリンダ内の圧力上昇の特性を示したも
のである。なお、開極特性は、図14に示した従来例と
同様である。
【0041】すなわち、本実施例では、前述したよう
に、パッファシリンダ16の開極終了時の容積が従来に
比べて意図的に大きくされているため、開極の初期にお
ける圧力上昇は従来に比べて緩く立上がり、その最大値
も低い。図7に示すように、本実施例において、開極初
期に遮断可能な最小の圧力上昇値ΔP1aが得られる開極
位置をX2a、その時の開極距離をL2aとした場合、この
開極距離L2aは、従来例における圧力上昇が十分であれ
ば遮断可能な開極距離L2 よりもすでに大きくなってい
る。従って、圧力上昇値ΔP1aが得られれば即遮断可能
となる。
【0042】また、本実施例では、パッファシリンダ1
6の容積が大きいため、開極が終了した後の圧力上昇の
減少速度が従来例に比べて著しく遅くなる。この結果、
図7に示すように、開極初期に遮断可能な最小の圧力上
昇値ΔP1aが得られる開極位置X2aから、開極終期に遮
断可能な最小の圧力上昇値ΔP1bが得られるまでの時
間、すなわち、遮断可能アーク時間幅Tw1は、従来例に
比べて大幅に長くなる。従って、本実施例においても、
前記実施例1,2と同様に、従来例の遮断可能アーク時
間幅に比べて、3〜4倍程度に長い遮断可能アーク時間
幅が得られる。
【0043】なお、パッファシリンダ16の容積を大き
くしすぎると、圧力上昇が低くなり過ぎ、遮断可能な最
小の圧力上昇値が得られなくなるが、本実施例のよう
に、開極終了時のパッファシリンダ内の容積を、閉極時
容積の15%〜50%程度とすることにより、このよう
な問題を生じることなく、前述のような優れた作用が得
られる。
【0044】以上のように、本実施例においても、実施
例1,2と同様に、遮断可能アーク時間幅を従来に比べ
て大幅に引き延ばすことができるため、数サイクルの間
電流零点を形成しない零ミス電流が流れた場合において
も、電流零点が再び形成されるまで、遮断可能な圧力上
昇値が維持され、電流零点で電流遮断を行うことができ
る。従って、遮断範囲の大きさのいかなる誘導電流でも
遮断可能な、優れた高電圧送電線用の高速再閉路接地開
閉器を容易に実現できる。
【0045】(実施例4)本実施例は、前記実施例1あ
るいは実施例2と実施例3とを組み合わせたものであ
る。すなわち、図6に示すような構成で、遮断可能な圧
力上昇が得られる開極位置付近から、操作装置9内の緩
衝装置を動作させて、開極動作を減速するように構成し
たものである。
【0046】このように構成した場合には、図7の点線
に示すような特性が得られる。すなわち、図7において
は、前記実施例3の特性に併せて、本実施例の高速再閉
路接地開閉器(HSES)における、開極動作時のスト
ローク(開極移動特性)とパッファシリンダ内の圧力上
昇の特性を点線で示している。この点線に示すように、
本実施例の圧力上昇の立上がりは前記実施例3よりも一
層緩くなり、その最大値も一層低くなる。その反面、開
極初期に遮断可能な最小の圧力上昇値ΔP1aを得る時間
はほぼ同時であるため、開極終期に遮断可能な最小の圧
力上昇値ΔP1b 2 に至るまでの時間は、前記実施例1〜
3に比べて格段に長くなる。すなわち、遮断可能アーク
時間幅Tw2はさらに長くなり、非常に有利なものとな
る。
【0047】以上のように、本実施例においても、前記
実施例1〜3と同様に、遮断可能アーク時間幅を従来に
比べて大幅に引き延ばすことができるため、数サイクル
の間電流零点を形成しない零ミス電流が流れた場合にお
いても、電流零点が再び形成されるまで、遮断可能な圧
力上昇値が維持され、電流零点で電流遮断を行うことが
できる。従って、遮断範囲の大きさのいかなる誘導電流
でも遮断可能な、優れた高電圧送電線用の高速再閉路接
地開閉器を容易に実現できる。
【0048】さらにまた、本実施例では、前記実施例1
ほど著しく減速する必要がないため、操作装置9の緩衝
部の設計が容易になるという利点もある。その結果、実
施例1〜3に比べて一層効率の良い高速再閉路接地開閉
器を実現することができる。
【0049】(実施例5)本実施例においては、図1あ
るいは図2に示した基本構成に加えて、操作装置9が図
8に示すように構成されている。すなわち、操作装置9
は駆動源21と、この駆動源21の駆動力により、リン
ク部10を介してパッファ形消弧室7の可動部Bを駆動
する駆動ロッド22を備えると共に、駆動源21と駆動
ロッド22との間には、駆動ロッド22の動作速度を減
速することでパッファ形消弧室7の可動部Bの速度を減
速する緩衝装置(緩衝手段)23が設けられている。ま
た、駆動ロッド22の近傍には、この駆動ロッド22の
動作位置を検出することで、開極時に電磁誘導電流を遮
断可能な最小の圧力上昇値が得られる開極位置を検出す
る開極位置検出装置24が設けられている。さらに、こ
の開極位置検出装置24によって、所定の開極位置が検
出された場合に、緩衝装置23を動作させて開極動作を
減速し、開極終了までの時間を長くするように緩衝装置
23を制御する制御装置(制御手段)25が設けられて
いる。なお、図9は、本実施例における開極動作を示す
フローチャートである。
【0050】この様な構成を有する本実施例の作用は、
実施例1の作用と同じであり、図4に示した開極特性
(ストローク)と圧力上昇の特性が得られる。また、実
施例3(シリンダ容積を大きくした構成)と組み合わせ
ることにより、図7に示した特性が得られる。また、本
実施例においては、遮断位置を検出し、その結果に基づ
いて緩衝装置を制御するので、より効率的な特性が得ら
れる。
【0051】(他の実施例)なお、本発明は、前記各実
施例に限定されるものではなく、パッファ形消弧室及び
その操作装置の具体的な構成の細部は適宜選択可能であ
る。すなわち、緩衝手段、開極位置検出手段及び制御手
段などの具体的構成は、適宜選択可能である。例えば、
制御手段としてタイマーを使用し、開極指令時間から、
緩衝手段の動作を開始させる開極位置までの時間に対応
する時間の経過後に、緩衝手段の動作を開始させるよう
に設定することも可能である。また、このような場合も
含めて、開極位置検出手段は必ずしも必要ではない。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
パッファ形消弧室の操作装置に、開極動作の速度を減速
する緩衝手段を設けるか、または、パッファ形消弧室
を、開極終了時のパッファシリンダの容積が閉極時の容
積の15〜50%となるように構成することにより、あ
るいは、前記緩衝手段を制御する制御手段を設けること
により、数サイクルの間電流零点を形成しない誘導電流
を遮断することができる高速再閉路接地開閉器を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速再閉路接地開閉器(HSE
S)の実施例1及び従来例を示す構成図
【図2】本発明による高速再閉路接地開閉器(HSE
S)の主要部の構成を示す図であり、開極状態を示す構
成図
【図3】図1に示した実施例1における駆動シリンダの
構成を示す図
【図4】実施例1における作用を示す図
【図5】実施例2における操作装置の主要部の構成を示
す図
【図6】実施例3の主要部の構成を示す図であり、開極
状態を示す構成図
【図7】実施例3の作用及び実施例4の作用を示す図
【図8】実施例5の構成を示す図
【図9】実施例5の動作のフローチャートを示す図
【図10】高速再閉路接地開閉器を採用した保護システ
ムの構成を示す説明図
【図11】逆フラッシオーバーにより1線地絡事故が起
きた場合の遮断器(GCB)及び高速再閉路接地開閉器
(HSES)動作順序を示す動作シーケンス図
【図12】高速再閉路接地開閉器(HSES)の動作相
への他相からの静電誘導電流及び電磁誘導電流の特性を
示す波形図
【図13】高速再閉路接地開閉器(HSES)開極時の
過渡回復電圧波形図
【図14】従来の高速再閉路接地開閉器(HSES)に
おける開極動作時のストローク(開極移動特性)とパッ
ファシリンダ内の圧力上昇の特性を示す図
【図15】送電線の1相で地絡事故が発生し、他相で後
追い故障事故が発生した際における、高速再閉路接地開
閉器(HSES)と送電線の各相に流れる電流の変化を
示す電流波形図
【符号の説明】
GCB…遮断器 HSES…高速再閉路接地開閉器 1…ブッシング 2…送電線 3…鉄塔 6…接地容器 7…パッファ形消弧室 8…導体 9…操作装置 9a…油圧シリンダ 9a1…シリンダ 9a2…ピストン 9a3…緩衝ピストン 9a4…開極弁 9a5…閉極弁 9b…アキュムレータ 9c…緩衝装置 9c1…シリンダ 9c2…ピストン 9c3…緩衝ピストン 10…リンク部 11a,11b…絶縁スペーサ 12…接地端子部 13…固定接触子 14a,14b…シールド 15…操作ロッド 16…パッファシリンダ 17…可動接触子 18…絶縁ノズル 19…パッファピストン
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】以上のような基本的構成に加えて、本実施
例の操作装置9中に設けられた油圧シリンダ部は、図3
に示すように構成されている。図において、9a1はシリ
ンダ、9a2は消弧室部の操作ロッド15に連結されるピ
ストン、前記ピストン後方の9a3は緩衝ピストン部、9
a4は開極弁、9a5は閉極弁、9bはアキュムレータであ
る。なお、前記ピストン9a2の後端から緩衝ピストン9
a3の後端までの長さLdpは、従来の長さdp より長く構
成されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】この様な油圧シリンダ部の特徴は、ピスト
ン9a2から後方に突き出すように形成された緩衝ピスト
ン9a3の長さLdpが、従来例のdp より長く構成され、
開極動作の開始位置から緩衝力が働くまでの長さXd
が、消弧室において誘導電流遮断が可能となる圧力が得
られるストローク長とほぼ同じ長さに調整されているこ
とにより、図4に示した特性が得られることである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 郁夫 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 横田 岳志 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遮断器を結ぶ高電圧送電線の各相に設置
    され、前記送電線に設けられた碍子連のアークホーンの
    逆フラッシオーバーによる1線地絡事故時に、前記送電
    線の両端にある遮断器を開極することにより切り離され
    た送電線を高速で閉極接地し、前記碍子連に持続してい
    る他相または他回線からの電磁誘導電流アークを消弧
    し、その後開極動作を行うことにより、前記遮断器の再
    閉極による再送電を可能とするパッファ形消弧室及びそ
    の操作装置を備えた高速再閉路接地開閉器において、 前記パッファ形消弧室の操作装置に、その開極時に、前
    記電磁誘導電流を遮断可能な圧力上昇値が得られる開極
    位置近傍から開極動作を減速するように調整された緩衝
    手段を設けたことを特徴とする高速再閉路接地開閉器。
  2. 【請求項2】 遮断器を結ぶ高電圧送電線の各相に設置
    され、前記送電線に設けられた碍子連のアークホーンの
    逆フラッシオーバーによる1線地絡事故時に、前記送電
    線の両端にある遮断器を開極することにより切り離され
    た送電線を高速で閉極接地し、前記碍子連に持続してい
    る他相または他回線からの電磁誘導電流アークを消弧
    し、その後開極動作を行うことにより、前記遮断器の再
    閉極による再送電を可能とするパッファ形消弧室及びそ
    の操作装置を備えた高速再閉路接地開閉器において、 前記パッファ形消弧室を、開極終了時のパッファシリン
    ダの容積が、閉極時の容積の15〜50%となるように
    構成したことを特徴とする高速再閉路接地開閉器。
  3. 【請求項3】 遮断器を結ぶ高電圧送電線の各相に設置
    され、前記送電線に設けられた碍子連のアークホーンの
    逆フラッシオーバーによる1線地絡事故時に、前記送電
    線の両端にある遮断器を開極することにより切り離され
    た送電線を高速で閉極接地し、前記碍子連に持続してい
    る他相または他回線からの電磁誘導電流アークを消弧
    し、その後開極動作を行うことにより、前記遮断器の再
    閉極による再送電を可能とするパッファ形消弧室及びそ
    の操作装置を備えた高速再閉路接地開閉器において、 前記パッファ形消弧室を、開極終了時のパッファシリン
    ダの容積が、閉極時の容積の15〜50%となるように
    構成すると共に、前記パッファ形消弧室の操作装置に、
    その開極時に、前記電磁誘導電流を遮断可能な圧力上昇
    値が得られる開極位置近傍から開極動作を減速するよう
    に調整された緩衝手段を設けたことを特徴とする高速再
    閉路接地開閉器。
  4. 【請求項4】 前記緩衝手段を制御する制御手段を設け
    たことを特徴とする請求項1または請求項3に記載の高
    速再閉路接地開閉器。
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