JPH0684303U - クランクアーム間の計測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】 クランクのディフレクションをみるため、
対向するクランクアームの一方に取付けてクランクアー
ム間の距離を計測する装置において、クランクアーム間
の間隔が狭いクランクでも広いクランクでも、クランク
アーム間の間隔を小型計量の距離センサーを用いて精度
よく計測できるようにする。 【構成】 一方のクランクアーム１６ａに着脱可能に取
着されるマグネット１１と、マグネット１１より突設さ
れるネジ１２に螺着され、クランクアーム間の距離に応
じて選んだ適度の長さのＡｌ製軸状治具１３と、治具１
３の他端にネジ止めされる渦電流型の距離センサー１４
とからなり、距離センサー１４からクランクアーム１６
ｂまでの間隔に応じて変化する渦電流が距離表示計１７
に出力され、その強さに応じて距離が求められ、クラン
クアーム間の距離として表示される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、クランクアーム間の距離を計測する計測装置に関し、更に詳しくは クランクピンの割れや軸受部分の偏摩耗等の原因となるクランクのディフレクシ ョンをみるため、クランクアーム間の距離を計測する計測装置に関する。

【０００２】

【従来技術】

クランクには、軸受の芯の狂いやフライホイールの重量等で静止状態において もかなりな内部曲げモーメントが加わっていることがある。こうした内部曲げモ ーメントが加わった状態で運転時の負荷による繰返し応力が加わると、クランク ピンに割れを生じたり、軸受部分が偏摩耗して振動の原因となったり、耐久性が 低下するようになる。

【０００３】 クランクの内部曲げモーメントの存在を検出する方法として、クランクアーム 間の距離を計測してディフレクションをみることは実際的で有効な方法で、ディ フレクショッをみるためにクランクを一回転させながらクランクアーム間の距離 をダイヤルゲージで計測する方法が従来より行われ、また実開平４−８５２０７ 号には、マグネットと、マグネットより側方に突設されるロッドと、ロッド先端 に設けた磁気センサー等の距離センサーよりなり、一方のクランクアームにマグ ネットを取付けて距離センサーを他方のクランクアームに対峙させ、距離センサ ーにより他方のクランクアームとの間隔を計測して両クランクアーム間の距離を 求める方法が提案されている。

【０００４】 以上のような方法によって求めたディフレクションが許要量を越えるときには 、例えば図１に示すようなモータ１によって駆動されるクランク２では、モータ 下側にライナー３を挿入してモータ１を上げたり、モータ１の位置を左右に調整 してディフレクションが規定量内に納まるようにしていた。図中、４はフライホ イールを示す。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述の距離センサーによるディフレクションの計測は、距離センサーが小型計 量であるため、クランクアーム間の間隔が狭いクランクでも可能であり、精度よ く計測できる利点があるが、距離センサーによる計測範囲には限度があり、小型 のクランクに適用される計測装置をそのまゝ大型のクランクに適用せることはで きない。

【０００６】 本考案は、小型から大型のクランクまで簡易に適用できるような計測装置を提 供することを目的とする。

【０００７】

【課題の解決手段及び作用】

本考案に係る計測装置の一つは、マグネットと、一端がマグネットに取外し可 能に連結され、長さの異なる複数の治具の中からクランクアーム間の距離に応じ て選択される治具と、治具他端に取外し可能に取着される距離センサーとより構 成されることを特徴とし、治具を長さの異なるものと取換えることにより、小型 から大型のクランクに対処させることができる。

【０００８】 別の計測装置では、ネジ孔を備えたマグネットと、一端がマグネットのネジ孔 に捩じ込まれるロッドと、ロッド他端に取着される距離センサーとより構成され ることを特徴とし、ロッドの捩じ込み量を変えると、距離センサーが進退する。 更に別の計測装置では、ピンを突設し、或いはピン嵌合孔を形成したマグネッ トと、一側にピンを突設すると共に、他側にピン嵌合孔を形成した一ないし複数 のブロックと、ブロックに取外し可能に取着される距離センサーとより構成され ることを特徴とし、ピンをピン嵌合孔に嵌合することによって連結したブロック の数を変えることにより小型から大型のクランクに対処させることができる。

【０００９】 更に別の計測装置では、距離センサーが上述する治具、ロッド或いはブロック の一つと一体に設けられる。 上述の各計測装置で用いられる距離センサーとしては、例えば磁気センサー、 渦電流型、静電容量型のセンサー、レーザセンサーなどを例として挙げることが できる。

【００１０】 上述の各計測装置で用いられるマグネットとしては、全体が磁性材料よりなる ものゝほか、例えば樹脂に磁性粉を混入したもの、磁性体と非磁性材料よりなる 部材の組合わせよりなるもの等が例示される。

【００１１】

【実施例】

図２は、マグネット１１と、一端がマグネット１１より突設されるネジ１２に 螺着されるＡｌ、Ｔｉ等の非磁性材料よりなる軸状の治具１３と、治具１３の他 端にネジ止めされる渦電流型の距離センサー１４とからなる計測装置１５のマグ ネット１１を対向するクランクアーム１６ａ、１６ｂの一方の側１６ａに取付け 、距離センサー１４を他方のクランクアーム１６ｂに対峙させてなるもので、距 離センサー１４からクランクアーム１６ｂまでの間隔に応じて変化する渦電流が 距離表示計１７に内装した演算回路に出力され、電流値を距離に換算して両クラ ンクアーム間の距離と共に、基準値との偏差を距離表示計１７に表示するように してある。

【００１２】 本装置は以上のように構成され、クランクのディフレクションは複数の治具の 中からクランクアーム間の距離に応じた長さの治具１３を選び、それにマグネッ ト１１及び距離センサー１４を取付けた計測装置１５を図２に示すように、一方 のクランクアーム１６ａに取付けた状態でクランクを一回転させ、その間におけ る距離表示計１７に表示された基準値との最大偏差値を求めることによって行い 、その偏差値が許容量を越えているときには、主軸１８に連結される図示しない モータを上下或いは左右に位置調整して許容量に納まるようにする。

【００１３】 図３は、計測装置の別の例を示すもので、厚みのあるマグネット２１の軸孔に 内周にネジを形成したスリーブ２２を嵌挿固着し、これに一側のネジ部２３ａを 捩込んでロッド２３を取付け、ロッド他端に距離センサー２４をネジ止めしてな るもので、ロッド２３の捩込み量を換えることにより、距離センサー２４の位置 が左右に調整できるようになっている。

【００１４】 図４は、計測装置の更に別の例を示すもので、中央部にピン３１ａを突設した マグネット３１と、軸孔３２ａの中間部までピン３２ｂの基部を嵌挿し固着した マグネットよりなるブロック３２と、軸孔の一側にネジを形成したスリーブ３３ を嵌挿固着したブロック３４よりなり、クランクアーム間の距離に応じてピン３ １ｂ或いは３２ａを軸孔３２ａに嵌合することにより、マグネット３１の一側に 複数のブロック３２を、ついでブロック３４を次々と連結したのち、ブロック３ ４に距離センサー３３をネジ止めしてなるものである。

【００１５】 上記各計測装置は距離センサーが治具１３、ロッド２３或いはブロック３４に ネジ止めされているが、一体にすることもできる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の計測装置によれば、クランクアーム間の間隔が狭いクランクでも広い クランクでも、クランクアーム間の間隔を小型計量の距離センサーを用いて精度 よく計測することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 クランクに連結されるモータにライナを挿入
してモータの高さを調整した状態を示す図。

【図２】 本考案に係る計測装置を用いてクランクアー
ム間の間隔を測定するときの状態を示す図。

【図３】 別の計測装置の部分断面正面図。

【図４】 更に別の計測装置の部分断面正面図。

【符号の説明】

１１．２１．３１・・・マグネット １３・・
・治具 １４．２４．３３・・・距離センサー １５・・
・計測装置 １６ａ、１６ｂ・・・クランクアーム １７・・
・距離表示計 ２２、３３・・・スリーブ ２３・・
・ロッド ３２、３５・・・ブロック

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向するクランクアームの一方に着脱可
   能に取着されるマグネットと、一端がマグネットに取外
   し可能に連結され、長さの異なる複数の治具の中からク
   ランクアーム間の距離に応じて選択される治具と、治具
   他端に取外し可能に取着される距離センサーとより構成
   されることを特徴とするクランクアーム間の距離を計測
   する計測装置。
2. 【請求項２】 対向するクランクアームの一方に着脱可
   能に取着され、ネジ孔を備えたマグネットと、一端がマ
   グネットのネジ孔に捩じ込まれるロッドと、ロッド他端
   に取着される距離センサーとより構成されることを特徴
   とするクランクアーム間の距離を計測する計測装置。
3. 【請求項３】 対向するクランクアームの一方に着脱可
   能に取着され、一側にピンを突設し、或いはピン嵌合孔
   を形成したマグネットと、一側にピンを突設すると共
   に、他側にピン嵌合孔を形成した一ないし複数のブロッ
   クと、ブロックに取外し可能に取着される距離センサー
   とより構成されることを特徴とするクランクアーム間の
   距離を計測する計測装置。
4. 【請求項４】 距離センサーが上記治具、ロッド或いは
   ブロックの一つと一体に設けられる請求項１ないし３の
   いづれかの請求項に記載の計測装置。