JPH0684080B2 - 液体噴射記録ヘツド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は液体噴射記録ヘツドに係り、さらに詳しくは液
体加熱手段を有する液体噴射記録ヘツドに関する。

〔従来技術〕 従来のこの種の記録ヘツドが搭載された液体噴射記録装
置の概略を第１図に示す。

同図において符号１で示すものは液体噴射記録ヘツドを
内蔵したヘツドユニツトで、メインタンク２よりチユー
ブ３を介して供給されたインク等の液体を飛翔液滴とし
て吐出させ記録紙４に対して記録を行なう。

また、符号５で示すものは液滴の吐出不良や不吐出が発
生した際に用いられる吐出回復ポンプで、このポンプ５
はチユーブ６を介してヘツドユニツト１内の図示してい
ないオリフイスから液体を吸引して吐出動作の回復を行
なう。この時チユーブ７からもヘツドユニツト１内の液
体は吸引される。

吸引された液体は廃液溜め８に導かれて貯蔵される。

なお、符号９で示すキヤツプは液体噴射記録を長期に亘
つて行なわない場合や装置の搬送時に、ヘツドユニツト
１内の液体が乾燥したりゴミ等の異物が液体に混入した
りするのを防ぐためのもので、ヘツドユニツト１の先端
部に嵌められる。

また、符号10で示すものはヘツドユニツト１が搭載され
るキヤリツジ、符号11はブラテンである。

このような構造の液体噴射記録装置はワイヤドツト記録
装置などのインパクト式のものに比較して低騒音であ
り、しかも定着などの後処理が不要であるため、有効な
記録装置として広まつている。

この種の液体噴射記録装置にはオンデマンド型とコンテ
イニアス型の２種類がある。

オンデマンド型の装置は記録指令がきた時にのみ液滴を
吐出させる装置で、コンテイニアス型は一定の周波数で
常時液滴を吐出させておき、液滴が飛翔する空間に印加
されている電界を記録指令に従つて変化させ、液滴の軌
道も変化させて記録を行ない、記録に関係のない液滴は
回収して循環させて使用する形式の装置である。

オンデマンド型の装置はコンテイニアス型に比較し構造
が簡単であるため需要が多い。

一方、記録に使用する液体は温度により粘度や表面張力
等の物性が変化し液滴形成手段の圧電素子などのエネル
ギー発生体により、同じエネルギーを発生しても、温度
変化により吐出液滴の大きさが変化し、記録紙上の記録
ドツトの大きさが変化するため記録品位、あるいは画像
品位が装置の使用条件などによつて安定せず、高品位の
記録を行なう障害となつている。

このような欠点を解消するために装置の置かれた環境温
度や液滴形成手段の温度を検出する温度検出手段を設
け、その信号により液滴形成手段の一部あるいは全体を
加熱することにより温度補償を行ない、液滴形成手段の
温度を一定にするような試みがなされてきた。

このような構造をもつ従来例を第２図〜第７図に示す。

第２図〜第４図に示す例にあつてはヘツドユニツト１は
複数個のオリフイス12を有するマルチオリフイスタイプ
のものとして構成されている。

このオリフイス12は液流路13の先端に形成されており、
各液流路13は独立して仕切られた液溜14内の底部に収容
されている。

各液溜14内には同色又は色の異なつたインク等の液体が
供給されている。

また、各液溜14の底部には平板上にヒータ15が固定され
ている。

また、液流路13のオリフイス12の近傍には液流路にそつ
て圧電素子などのエネルギー発生体が取付けられてい
る。

一方、いずれかの液溜を選んで温度センサ17が取付けら
れており、液溜内の液体の温度を検出している。

このような構造のもとに温度センサ17により液体の温度
を検出し、液体が一定の温度になるようにヒータ15によ
り加熱している。

ところが、このような構造では温度センサ17の先端が液
体中に挿入されており、かつ温度センサの少なくとも一
部は金属で形成されており、温度を検出させるためにあ
る適度の電圧を印加している場合が多い。

一方、液体はインクのように着色のために電解質である
染料が使用されているために長時間使用した場合には温
度センサの金属部が電気溶解を生じ、使用不能となる欠
点がある。

そこで、温度センサの表面にフツ素系樹脂等をコーテイ
ングし、溶解しないようにする試みもなされているが、
その分だけコスト高になるという欠点がある。

そこで、これらの欠点を改良するものとして第５図〜第
７図に示すような構造が提案された。

第５図〜第７図に示す例にあつては温度センサ17の電気
溶解を避けるためにヘツドユニツト１の側方に指示片18
を設け、この指示片に温度センサ17が設けられている。

温度センサ17は装置の初期作動時の装置の置かれた環境
温度を検出し、この温度に対応した熱量をヒータ15を介
して液体に与える。

しかし、このような構造を採用すると直接液温を検出し
ていないため、正確で、リアルタイムが温度補償を行な
うことはできないという欠点がある。

〔目 的〕

本発明は以上のような従来の欠点を除去するためになさ
れたものでリアルタイムで精度のよい温度補償を液体に
対して与え、液体の温度を一定に保ち、高品位の記録が
行なえるように構成した液体噴射記録ヘツドを提供する
ことを目的としている。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の詳細を説明
する。

第８図〜第10図は本発明の一実施例を説明するもので、
図中第１図〜第７図と同一部分又は相当する部分には同
一符号を付し、その説明は省略する。

本実施例にあつては複数の液溜の間に液体の入つていな
い空気室19を設け、この空気室19内に温度センサ17が挿
入してある。

このような構造を採用すれば温度センサ17は液体と接触
していないため、電気溶解する危険性はなく、表面にフ
ツ素系樹脂等による表面処理を行なう必要がない。

以上のような構造のもとに記録装置が作動状態となる
と、温度センサ17により記録ヘツドの温度が検出され、
その検出信号に応じて加熱手段であるヒータ15が作動さ
れ、ヘツドユニツト全体が加熱される。

一方、空気室19を含めてヘツドユニツト１全体は１つの
熱容量体と考えられるため、空気室内の温度は液滴を形
成する液体の温度と同様に推移する。

従つて、リアルタイムで、精度のよい温度補償制御が可
能である。

なお、温度センサ17の取付け位置はヘツドユニツトの中
央部以外であつてもよい。

〔効 果〕

以上の説明から明らかなように本発明によれば、ヘツド
ユニツトの一部に形成された空気室に温度センサを設け
た構造を採用しているため、リアルタイムで精度のよい
温度補償を液体に対して行なうことができ、高い記録品
位を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の液体噴射記録装置の要部の斜視図、第２
図〜第４図は従来のヘツドユニツトを示す正面図、平面
図、側面図、第５図〜第７図はヘツドユニツトの他の従
来例を示す正面図、平面図、側面図、第８図〜第10図は
本発明の一実施例を説明するヘツドユニツトの正面図、
平面図、側面図である。 １……ヘツドユニツト、12……オリフイス 13……液流路、14……液溜 15……ヒータ、16……エネルギー発生体 17……温度センサ、19……空気室

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液体をオリフィスから吐出するためのエネ
   ルギー発生体が複数配された複数の液流路と、 該複数の液流路に液体を供給するために配された複数の
   液溜めと、 前記液溜めの間に配され、温度センサを有する空気室
   と、 前記温度センサの検出信号に基づいて駆動され、前記液
   溜めと前記空気室とを加熱するための加熱手段と、 を有することを特徴とする液体噴射記録ヘッド。