JPH0683896B2 - ランスパイプの着火方法及び着火用燃焼材を備えたランスパイプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、製鉄所にあっ
て、熔鋼炉の炉前作業での熔断、穴明け、開口、取鍋、
電気炉等のノズルの洗浄作業等を行うときに使用された
り、或いは、鉄筋コンクリート等の構造物及びその他構
築物、鉄骨等の金属材料、耐火レンガ等の耐火物、岩石
或いは水中に於ける構築物、岩礁等の被熔削物を熔解し
ながら穿孔、切断、解体作業等を行うときに使用される
ランスパイプの先端部分を、容易に且つ確実に着火でき
るように工夫したランスパイプの着火方法及び着火用燃
焼材を備えたランスパイプに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ランスパイプの先端部分に着火す
る場合、例えば、ランスパイプの先端部分を酸素アセチ
レン熔断機で溶かして着火したり、木材、炭、コークス
等の燃焼材を燃焼せしめ、この燃焼熱を利用してランス
パイプの先端部分に着火する手段等が採用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前述の如き
手段にあっては、酸素アセチレン熔断機及びその周辺機
器が必要となり、着火作業が大掛かりとなる難点や、ま
た、木材、炭、コークス等の燃焼材を燃焼せしめるため
の場所を確保しなければならないと共に、ランスパイプ
の先端部分の着火に比較的時間がかかる難点等があっ
た。

【０００４】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、従来
存した如上の如き難点等を解消すべく創出されたもの
で、請求項１記載のランスパイプの着火方法にあって
は、ランスパイプＰの先端部分に装着されているチタン
からなる着火用燃焼材２を燃焼せしめる。次に、この着
火用燃焼材２の燃焼によって、ランスパイプＰの先端部
分を燃焼せしめる手段を採用した。

【０００５】また、請求項２記載のランスパイプの着火
方法にあっては、ランスパイプＰの先端部分に装着され
ている着火し易い着火用一次燃焼材１を燃焼せしめる。
次に、この着火用一次燃焼材１の燃焼によって、ランス
パイプＰの先端部分に装着されているチタンからなる着
火用燃焼材２を燃焼せしめる。そして、この着火用燃焼
材２の燃焼によって、ランスパイプＰの先端部分を燃焼
せしめる手段を採用した。

【０００６】更に、請求項３記載の着火用燃焼材を備え
たランスパイプにあっては、ランスパイプＰの先端部分
に、チタンからなる着火用燃焼材２を装着する手段を採
用した。

【０００７】そして、請求項４記載の着火用燃焼材を備
えたランスパイプにあっては、ランスパイプＰの先端部
分に、チタンからなる着火用燃焼材２と、着火し易い着
火用一次燃焼材１とを装着する手段を採用した。

【０００８】

【作用】しかして、請求項１記載のランスパイプの着火
方法にあっては、ランスパイプＰの先端部分には、チタ
ンからなる着火用燃焼材２が装着され、この着火用燃焼
材２に着火されて燃焼する。そして、この着火用燃焼材
２の燃焼により、ランスパイプＰの先端部分が燃焼す
る。

【０００９】また、請求項２記載のランスパイプの着火
方法にあっては、ランスパイプＰの先端部分には、着火
し易い着火用一次燃焼材１が装着され、この着火用一次
燃焼材１に着火されて燃焼する。そして、着火用一次燃
焼材１の燃焼により、チタンからなる着火用燃焼材２が
燃焼する。更に、この着火用燃焼材２の燃焼により、ラ
ンスパイプＰの先端部分が燃焼する。

【００１０】更に、請求項３記載の着火用燃焼材を備え
たランスパイプにあっては、チタンからなる着火用燃焼
材２が、ランスパイプＰの先端部分に予め装着されてい
る。

【００１１】そして、請求項４記載の着火用燃焼材を備
えたランスパイプにあっては、チタンからなる着火用燃
焼材２と、着火し易い着火用一次燃焼材１とが、ランス
パイプＰの先端部分に予め装着されている。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を図示例について説明する。図
中Ｐは、本発明のランスパイプを示し、このランスパイ
プＰは、外管Ｐ１と、この外管Ｐ１内に酸素通路を残す
ように充填される充填材Ｐ２とからなる。そして、ラン
スパイプＰの中央の酸素通路には、略細棒状のチタン製
（或いは、チタン合金製）着火用燃焼材２が挿入されて
構成されている（図示せず）。ところで、着火用燃焼材
２は、マッチやライター等でも簡単に着火できるよう
に、その先端部分が細くなるように（線状に）形成して
ある。また、本発明のランスパイプＰは、前記着火用燃
焼材２先端部分に、鉄、アルミ、或いは、マグネシウム
等からなる繊維状、細線状、粒状、或いは、粉末状に形
成される着火用一次燃焼材１を装着して構成されている
（図１、図２参照）。尚、着火用燃焼材２は、その先端
部分を若干膨出せしめておき、着火用一次燃焼材１が着
火用燃焼材２先端がわに脱落しないようにしてある。

【００１３】また、図３及び図４に示すランスパイプＰ
は、外管Ｐ１先端内に所定の空間を設けておき（例え
ば、充填材Ｐ２の先端が外管Ｐ１の奥方に位置するよう
に予め形成しておく。）、この空間部分に於いて、複数
の略細棒状のチタン製着火用燃焼材２を、外管Ｐ１内周
面に沿って周設し、この周設された複数のチタン製着火
用燃焼材２で囲繞されている部分に、鉄、アルミ、或い
は、マグネシウム等を、繊維状、細線状、粒状、或い
は、粉末状に形成してなる着火用一次燃焼材１を充填し
て構成されている。

【００１４】更に、図５に示すランスパイプＰは、外管
Ｐ１先端内に所定の空間を設けておき（例えば、充填材
Ｐ２の先端が外管Ｐ１の奥方に位置するように予め形成
しておく。）、この空間部分に於いて、略短円筒状のチ
タン製着火用燃焼材２を、外管Ｐ１内周面に密接するよ
うに内装し、このチタン製着火用燃焼材２内に、鉄、ア
ルミ、或いは、マグネシウム等を、繊維状、細線状、粒
状、或いは、粉末状に形成してなる着火用一次燃焼材１
を充填して構成されている。

【００１５】そして、図６及び図７に示すランスパイプ
Ｐは、その底壁部に適宜開口部分を備えた略有底短円筒
状のチタン製着火用燃焼材２を、外管Ｐ１の先端部分に
冠着し、このチタン製着火用燃焼材２が冠着されている
外管Ｐ１先端内に、鉄、アルミ、或いは、マグネシウム
等を、繊維状、細線状、粒状、或いは、粉末状に形成し
てなる着火用一次燃焼材１を充填して構成されている。

【００１６】ところで、ランスパイプＰの具体的構成、
形状、寸法、材質、外管Ｐ１の具体的構成、形状、寸
法、材質、充填材Ｐ２の具体的構成、形状、寸法、材
質、数、配設位置、着火用一次燃焼材１の具体的構成、
形状、寸法、材質、配設位置、数、着火用燃焼材２の具
体的構成、形状、寸法、材質、配設位置、数等は、図示
例のものに限定されることなく適宜自由に設定できるも
のである。

【００１７】本発明のランスパイプＰは、前述の如く構
成されており、次に、このランスパイプＰを利用した着
火方法について説明すると、先ず、樹脂や油脂等を燃焼
させて、或いは、マッチやライター等によって、ランス
パイプＰの先端部分に装着されている着火用燃焼材２を
燃焼せしめる。そして、着火用燃焼材２の燃焼温度をラ
ンスパイプＰの燃焼温度まで高めて、ランスパイプＰの
先端部分を燃焼せしめる。尚、着火用燃焼材２の燃焼時
には、ランスパイプＰの基端からその内部に酸素を送給
し、着火用燃焼材２を、酸素によって酸化反応せしめ
て、高熱且つ高速に燃焼させて、ランスパイプＰが燃焼
し易くなるようにする。

【００１８】また、本発明の他のランスパイプＰは、先
ず、樹脂や油脂等を燃焼させて、或いは、マッチやライ
ター等によって、ランスパイプＰの先端部分に装着され
ている着火用一次燃焼材１を燃焼せしめる。そして、着
火用一次燃焼材１の燃焼温度をチタンの燃焼温度まで高
めて、着火用燃焼材２を燃焼せしめる。それから、着火
用燃焼材２の燃焼温度をランスパイプＰの燃焼温度まで
高めて、ランスパイプＰの先端部分を燃焼せしめる。
尚、着火用燃焼材２の燃焼時には、ランスパイプＰの基
端からその内部に酸素を送給し、着火用燃焼材２を、酸
素によって酸化反応せしめて、高熱且つ高速に燃焼させ
て、ランスパイプＰが燃焼し易くなるようにする。

【００１９】ところで、チタン（或いは、チタン合金）
からなる着火用燃焼材２は、その融点が高く、しかも、
高温の酸素ガス雰囲気中で燃焼（酸化反応）したとき、
その燃焼速度が非常に速い特性がある。すなわち、主に
鉄製のランスパイプＰを燃焼させるのに十分なエネルギ
ーを短時間で発生するものであり、ランスパイプＰの着
火用燃焼材として最適なものである。

【００２０】

【発明の効果】従って、請求項１記載のランスパイプＰ
の着火方法は、ランスパイプＰの先端部分に装着されて
いるチタンからなる着火用燃焼材２を燃焼せしめ、この
着火用燃焼材２の燃焼によって、ランスパイプＰの先端
部分を燃焼せしめられるようにするので、ランスパイプ
Ｐの着火作業が、大掛かりな着火設備を必要とすること
なく、簡単に、確実に、迅速に、且つ安全に行えるよう
になる。すなわち、この種のランスパイプＰの着火手段
として手軽で最適なものとなる。

【００２１】また、請求項２記載のランスパイプＰの着
火方法は、ランスパイプＰの先端部分に装着されている
着火し易い着火用一次燃焼材１を燃焼せしめ、次に、こ
の着火用一次燃焼材１の燃焼によって、ランスパイプＰ
の先端部分に装着されているチタンからなる着火用燃焼
材２を燃焼せしめ、この着火用燃焼材２の燃焼によっ
て、ランスパイプＰの先端部分を燃焼せしめられるよう
にするので、比較的着火し難いようなランスパイプＰの
着火作業が、段階的に且つ確実に行われるようになり、
しかも、大掛かりな着火設備を必要とすることなく、よ
り簡単に、迅速に、且つ安全に行えるようになる。すな
わち、この種のランスパイプＰの着火手段として手軽で
より最適なものとなる。

【００２２】更に、請求項３記載の着火用燃焼材を備え
たランスパイプＰにあっては、ランスパイプＰの先端部
分に、チタンからなる着火用燃焼材２を装着したので、
その融点が高く、しかも、高温の酸素ガス雰囲気中で燃
焼（酸化反応）したとき、その燃焼速度が非常に速い特
性を備えた着火用燃焼材２によって、主に鉄製のランス
パイプＰを燃焼させるのに十分なエネルギーを短時間で
発生することができるようになり、ランスパイプＰを確
実に燃焼できるようになる。また、着火用燃焼材２を備
えたランスパイプＰを簡素に、小型に、且つ軽量に構成
できるようになり、嵩張らず、その取扱いも容易で、使
い勝手の優れたランスパイプＰとなる。加えて、既存の
ランスパイプＰに着火用燃焼材２を容易に装着でき、低
コストにて提供できるようになり、経済的に優れたもの
となる。

【００２３】そして、請求項４記載の着火用燃焼材を備
えたランスパイプＰにあっては、ランスパイプＰの先端
部分に、チタンからなる着火用燃焼材２と、着火し易い
着火用一次燃焼材１とを装着したので、マッチやライタ
ー等によって簡単に着火用一次燃焼材１を燃焼させら
れ、更に、この着火用一次燃焼材１の燃焼によって、着
火用燃焼材２を確実に燃焼せしめられるようになる。し
かも、その融点が高く、しかも、高温の酸素ガス雰囲気
中で燃焼（酸化反応）したとき、その燃焼速度が非常に
速い特性を備えた着火用燃焼材２によって、主に鉄製の
ランスパイプＰを燃焼させるのに十分なエネルギーを短
時間で発生することができるようになり、ランスパイプ
Ｐを確実に燃焼できるようになる。また、着火用一次燃
焼材１及び着火用燃焼材２を備えたランスパイプＰを簡
素に、小型に、且つ軽量に構成できるようになり、嵩張
らず、その取扱いも容易で、使い勝手の優れたランスパ
イプＰとなる。加えて、既存のランスパイプＰに着火用
一次燃焼材１及び着火用燃焼材２を容易に装着でき、低
コストにて提供できるようになり、経済的に優れたもの
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のランスパイプの縦断正面図である。

【図２】本発明のランスパイプの側断面図である。

【図３】本発明の他の実施例に於けるランスパイプの縦
断正面図である。

【図４】本発明の他の実施例に於けるランスパイプの側
面図である。

【図５】本発明の他の実施例に於けるランスパイプの側
面図である。

【図６】本発明の他の実施例に於けるランスパイプの縦
断正面図である。

【図７】本発明の他の実施例に於けるランスパイプの側
面図である。

【符号の説明】

Ｐ ランスパイプ Ｐ１ 外管 Ｐ２ 充填
材 １ 一次燃焼材 ２ 着火
用燃焼材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ランスパイプの先端部分に装着されてい
   るチタンからなる着火用燃焼材を燃焼せしめ、この着火
   用燃焼材の燃焼によって、ランスパイプの先端部分を燃
   焼せしめられるようにすることを特徴としたランスパイ
   プの着火方法。
2. 【請求項２】 ランスパイプの先端部分に装着されてい
   る着火し易い着火用一次燃焼材を燃焼せしめ、次に、こ
   の着火用一次燃焼材の燃焼によって、ランスパイプの先
   端部分に装着されているチタンからなる着火用燃焼材を
   燃焼せしめ、この着火用燃焼材の燃焼によって、ランス
   パイプの先端部分を燃焼せしめられるようにすることを
   特徴としたランスパイプの着火方法。
3. 【請求項３】 ランスパイプの先端部分に、チタンから
   なる着火用燃焼材を装着したことを特徴とする燃焼材を
   備えたランスパイプ。
4. 【請求項４】 ランスパイプの先端部分に、チタンから
   なる着火用燃焼材と、着火し易い着火用一次燃焼材とを
   装着したことを特徴とする燃焼材を備えたランスパイ
   プ。