JPH0682405A - 静止誘導電器の異常診断方法 - Google Patents
静止誘導電器の異常診断方法Info
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- JPH0682405A JPH0682405A JP4225766A JP22576692A JPH0682405A JP H0682405 A JPH0682405 A JP H0682405A JP 4225766 A JP4225766 A JP 4225766A JP 22576692 A JP22576692 A JP 22576692A JP H0682405 A JPH0682405 A JP H0682405A
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- abnormality
- induction electric
- diagnosing
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 運転中の静止誘導電器の異常の種別、程度、
異常個所を速やかに、かつ判定の個人差をなくして正確
に診断することを可能とする。 【構成】 静止誘導電器の絶縁媒体をガス分析し、分解
生成物の種類と生成量と生成比の変化から内部異常を診
断する静止誘導電器の異常診断方法で、ニューラルネッ
トワークを使用し、局部過熱、局部過熱時の温度、部分
放電、部分放電時のエネルギー、アーク放電、アーク放
電時のエネルギー、適用部位、材料の種類による異常状
態について学習させ、この学習結果に基づいた出力結果
から異常診断を行うようにしたことを特徴とする。 【効果】 正しい出力が得られるようになる。
異常個所を速やかに、かつ判定の個人差をなくして正確
に診断することを可能とする。 【構成】 静止誘導電器の絶縁媒体をガス分析し、分解
生成物の種類と生成量と生成比の変化から内部異常を診
断する静止誘導電器の異常診断方法で、ニューラルネッ
トワークを使用し、局部過熱、局部過熱時の温度、部分
放電、部分放電時のエネルギー、アーク放電、アーク放
電時のエネルギー、適用部位、材料の種類による異常状
態について学習させ、この学習結果に基づいた出力結果
から異常診断を行うようにしたことを特徴とする。 【効果】 正しい出力が得られるようになる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静止誘導電器の異常診断
方法に関するものである。
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、電力需要の増大に対処して電力供
給の安定化を図るために変電所は大容量化、高電圧化の
傾向にある。一方、都市部変電所では市街地の防災とい
う観点から従来の油入変圧器に代えて不燃性の絶縁・冷
却媒体を用いた新しい変圧器を変電所内に設置し、機器
の不燃化を図ろうとする動きもある。複雑高度化した社
会での停電事故は波及度が大きいため大事故になる前に
機器の異常の兆候を精度良く診断する技術がますます重
要になってきている。
給の安定化を図るために変電所は大容量化、高電圧化の
傾向にある。一方、都市部変電所では市街地の防災とい
う観点から従来の油入変圧器に代えて不燃性の絶縁・冷
却媒体を用いた新しい変圧器を変電所内に設置し、機器
の不燃化を図ろうとする動きもある。複雑高度化した社
会での停電事故は波及度が大きいため大事故になる前に
機器の異常の兆候を精度良く診断する技術がますます重
要になってきている。
【0003】一般に油入機器の異常診断は、文献、例え
ば、電気協同研究第36巻第1号報告書に記載されてい
るように機器の油を採取し、油中ガス分析を行って可燃
性ガスの量、成分などから異常の種類を判定する方法が
ある。変圧器の局部過熱、部分放電、アーク放電などに
異常を分類すれば、異常の種類によって熱分解する温度
あるいは位置が異なるため発生するガスも異なる。従っ
て、油を採取し、ガス分析をして特徴のあるガスパター
ンから異常を判定しようとするものである。
ば、電気協同研究第36巻第1号報告書に記載されてい
るように機器の油を採取し、油中ガス分析を行って可燃
性ガスの量、成分などから異常の種類を判定する方法が
ある。変圧器の局部過熱、部分放電、アーク放電などに
異常を分類すれば、異常の種類によって熱分解する温度
あるいは位置が異なるため発生するガスも異なる。従っ
て、油を採取し、ガス分析をして特徴のあるガスパター
ンから異常を判定しようとするものである。
【0004】また、パーフロロカーボン液と六フッ化硫
黄とを絶縁・冷却媒体として混在させた液冷却式ガス絶
縁変圧器の異常診断法については、文献、例えば、第1
回平成2年電気学会電力・エネルギー部門全国大会論文
集(論文1,論文番号93)に記載されている。
黄とを絶縁・冷却媒体として混在させた液冷却式ガス絶
縁変圧器の異常診断法については、文献、例えば、第1
回平成2年電気学会電力・エネルギー部門全国大会論文
集(論文1,論文番号93)に記載されている。
【0005】また、文献、例えば、平成4年電気学会全
国大会予稿集論文番号859にはパーフロロカーボン液
の局部過熱、アーク放電時に分解生成するガスパターン
から異常の種類を分類できることが記載されている。
国大会予稿集論文番号859にはパーフロロカーボン液
の局部過熱、アーク放電時に分解生成するガスパターン
から異常の種類を分類できることが記載されている。
【0006】また、六フッ化硫黄を絶縁媒体としたガス
絶縁変圧器の過熱、アーク放電時の分解生成物について
も特徴のあるガス生成があり、異常の種別を判定可能で
あることが、文献、例えば、第1回平成2年電気学会電
力・エネルギー部門全国大会論文集(論文1,論文番号
94)に記載されている。
絶縁変圧器の過熱、アーク放電時の分解生成物について
も特徴のあるガス生成があり、異常の種別を判定可能で
あることが、文献、例えば、第1回平成2年電気学会電
力・エネルギー部門全国大会論文集(論文1,論文番号
94)に記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術はいずれ
も静止誘導電器の絶縁・冷却媒体の一部を採取し、ガス
クロマトグラフ分析装置などによって抽出ガスの分析を
行い、内部異常の有無、異常の種類を判定しようとする
ものであるが、生成ガス量が微量であったり、ガス成分
に特徴的なものがなかったり、判定が必ずしも正確でな
い場合がある。確度の高い診断をするため、引例1(電
気協同研究第36巻第1号報告書)では診断方法として
ガスパターン、組成比、特定ガスによる診断方法の他、
可燃性ガスの経時変化による診断方法などを併用するこ
とを推奨しており、それだけ、判定が複雑で時間がかか
り、熟練者においても診断に個人差があり正確な診断が
できないという課題がある。引例2(第1回平成2年電
気学会電力・エネルギー部門全国大会論文集(論文1,
論文番号93))、引例3(平成4年電気学会全国大会
予稿集論文番号859)、引例4(第1回平成2年電気
学会電力・エネルギー部門全国大会論文集(論文1,論
文番号94))でも同様な課題がある。
も静止誘導電器の絶縁・冷却媒体の一部を採取し、ガス
クロマトグラフ分析装置などによって抽出ガスの分析を
行い、内部異常の有無、異常の種類を判定しようとする
ものであるが、生成ガス量が微量であったり、ガス成分
に特徴的なものがなかったり、判定が必ずしも正確でな
い場合がある。確度の高い診断をするため、引例1(電
気協同研究第36巻第1号報告書)では診断方法として
ガスパターン、組成比、特定ガスによる診断方法の他、
可燃性ガスの経時変化による診断方法などを併用するこ
とを推奨しており、それだけ、判定が複雑で時間がかか
り、熟練者においても診断に個人差があり正確な診断が
できないという課題がある。引例2(第1回平成2年電
気学会電力・エネルギー部門全国大会論文集(論文1,
論文番号93))、引例3(平成4年電気学会全国大会
予稿集論文番号859)、引例4(第1回平成2年電気
学会電力・エネルギー部門全国大会論文集(論文1,論
文番号94))でも同様な課題がある。
【0008】本発明は以上の点に鑑みなされたものであ
り、運転中の静止誘導電器の異常の種別、程度、異常個
所を速やかに、かつ判定の個人差をなくして正確に診断
することを可能とした静止誘導電器の異常診断方法を提
供することを目的とするものである。
り、運転中の静止誘導電器の異常の種別、程度、異常個
所を速やかに、かつ判定の個人差をなくして正確に診断
することを可能とした静止誘導電器の異常診断方法を提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ニューラル
ネットワークを使用し、局部過熱、局部過熱時の温度、
部分放電、部分放電時のエネルギー、アーク放電、アー
ク放電時のエネルギー、適用部位、材料の種類による異
常状態ついて学習させ、この学習結果に基づいた出力結
果から異常診断を行うようにすることにより、達成され
る。
ネットワークを使用し、局部過熱、局部過熱時の温度、
部分放電、部分放電時のエネルギー、アーク放電、アー
ク放電時のエネルギー、適用部位、材料の種類による異
常状態ついて学習させ、この学習結果に基づいた出力結
果から異常診断を行うようにすることにより、達成され
る。
【0010】すなわち、分解生成物の分析から得られた
いくつかの分解生成物の生成量を入力データ、これに対
応する異常の種別を出力層の教師データとして、予めニ
ューラルネツトワークで学習させておき、新たに運転中
の静止誘導電器の絶縁媒体から抽出した分解生成物の量
をケースデータとしてコンピュータに入力して異常の判
定を出力し、診断するようにしたものである。
いくつかの分解生成物の生成量を入力データ、これに対
応する異常の種別を出力層の教師データとして、予めニ
ューラルネツトワークで学習させておき、新たに運転中
の静止誘導電器の絶縁媒体から抽出した分解生成物の量
をケースデータとしてコンピュータに入力して異常の判
定を出力し、診断するようにしたものである。
【0011】また、入力データとこれに対応する教師デ
ータは予め実験および実際の静止誘導電器で経験したデ
ータを適用するようにし、より多くの正確なデータを学
習させるようにしたものである。
ータは予め実験および実際の静止誘導電器で経験したデ
ータを適用するようにし、より多くの正確なデータを学
習させるようにしたものである。
【0012】静止誘導電器の絶縁・冷却媒体として、鉱
油、パーフロロカーボン液などの不燃性液体、あるいは
六弗化硫黄ガスなどの気体系のガスが用いられるのが一
般的であり、内部異常時にはこれらの絶縁・冷却媒体中
に異常種別によって特徴的な熱分解生成物が生成、溶存
し、その生成量も特徴づけられる。従って、適用した絶
縁・冷却媒体、例えば鉱油中に溶存・析出した特徴的な
分解生成物を入力データとして用い、学習させるように
したものである。また、パーフロロカーボン液を用いた
静止誘導電器であればパーフロロカーボン液中に溶存・
析出した特徴的な分解生成物を入力データとし、また、
六弗化硫黄ガスを封入した静止誘導電器であれば六弗化
硫黄ガス中に生成した特徴的な分解生成物を入力データ
とするようにしたものである。すなわち、各種の絶縁・
冷却媒体における分解生成物の生成量を全て入力データ
とし、ニューラルネツトワークの学習をさせるようにし
たものである。また、鉱油だけの分解生成物を入力デー
タとして学習させ、鉱油を充填した静止誘導電器専用の
異常診断に用いることも可能であり、パーフロロカーボ
ン液や六弗化硫黄ガスを封入した静止誘導電器について
も専用の異常診断方法として適用できるようにしたもの
である。
油、パーフロロカーボン液などの不燃性液体、あるいは
六弗化硫黄ガスなどの気体系のガスが用いられるのが一
般的であり、内部異常時にはこれらの絶縁・冷却媒体中
に異常種別によって特徴的な熱分解生成物が生成、溶存
し、その生成量も特徴づけられる。従って、適用した絶
縁・冷却媒体、例えば鉱油中に溶存・析出した特徴的な
分解生成物を入力データとして用い、学習させるように
したものである。また、パーフロロカーボン液を用いた
静止誘導電器であればパーフロロカーボン液中に溶存・
析出した特徴的な分解生成物を入力データとし、また、
六弗化硫黄ガスを封入した静止誘導電器であれば六弗化
硫黄ガス中に生成した特徴的な分解生成物を入力データ
とするようにしたものである。すなわち、各種の絶縁・
冷却媒体における分解生成物の生成量を全て入力データ
とし、ニューラルネツトワークの学習をさせるようにし
たものである。また、鉱油だけの分解生成物を入力デー
タとして学習させ、鉱油を充填した静止誘導電器専用の
異常診断に用いることも可能であり、パーフロロカーボ
ン液や六弗化硫黄ガスを封入した静止誘導電器について
も専用の異常診断方法として適用できるようにしたもの
である。
【0013】鉱油を充填した静止誘導電器において、局
部過熱異常、アーク放電異常、部分放電異常などによっ
て絶縁・冷却媒体、固体材料などが熱分解してガスおよ
び析出物を生成し、鉱油中に溶存・析出する。それらの
代表的なガスはCO,CO2,H2,CH4,C2H2,C2H4,
C2H6,C3H6,C3H8などがあり、固体析出物としては
熱分解によって化学反応して生成した固体析出物と静止
誘導電器内部の固体材料から剥離、離脱したものなどが
ある。これらの生成物の量は異常現象の違いによって変
わるのでこれらの生成比から異常現象を特徴付けするこ
とができ、入力データとしてニューラルネットワークの
学習をするようにしたものである。
部過熱異常、アーク放電異常、部分放電異常などによっ
て絶縁・冷却媒体、固体材料などが熱分解してガスおよ
び析出物を生成し、鉱油中に溶存・析出する。それらの
代表的なガスはCO,CO2,H2,CH4,C2H2,C2H4,
C2H6,C3H6,C3H8などがあり、固体析出物としては
熱分解によって化学反応して生成した固体析出物と静止
誘導電器内部の固体材料から剥離、離脱したものなどが
ある。これらの生成物の量は異常現象の違いによって変
わるのでこれらの生成比から異常現象を特徴付けするこ
とができ、入力データとしてニューラルネットワークの
学習をするようにしたものである。
【0014】また、パーフロロカーボン液中の場合はフ
ッ素系化合物ガスのほか、固体材料から熱分解したC
O,CO2などが特徴的なガスであり、熱的化学反応によ
って生成したものや剥離、離脱によって生成した固体析
出物は用いた固体材質と異常現象の違いによって特徴ず
けられるので、これらを入力データにするようにしたも
のである。
ッ素系化合物ガスのほか、固体材料から熱分解したC
O,CO2などが特徴的なガスであり、熱的化学反応によ
って生成したものや剥離、離脱によって生成した固体析
出物は用いた固体材質と異常現象の違いによって特徴ず
けられるので、これらを入力データにするようにしたも
のである。
【0015】六弗化硫黄ガス中の場合はCO,CO2のほ
かCH4,CF4,SO2,SF4,SO2F4などが特徴的な分
解生成ガスであり、固体析出物では金属材料や水と反応
して析出される金属フッ化物あるいは構造物から剥離、
離脱した固体材料などがある。異常現象の違いによって
これらの生成量が変化するのでこれらの生成量を入力デ
ータにするようにしたものである。
かCH4,CF4,SO2,SF4,SO2F4などが特徴的な分
解生成ガスであり、固体析出物では金属材料や水と反応
して析出される金属フッ化物あるいは構造物から剥離、
離脱した固体材料などがある。異常現象の違いによって
これらの生成量が変化するのでこれらの生成量を入力デ
ータにするようにしたものである。
【0016】なお、入力データとなる分解生成物の種類
は任意に選択でき、異常診断をできるようにしている。
は任意に選択でき、異常診断をできるようにしている。
【0017】ニューラルネットワークの出力層の教師デ
ータは異常の種別を分類したものとし、静止誘導電器の
異常現象、すなわち、局部過熱異常、アーク放電異常、
部分放電異常、および異常なしを教師データとして学習
させるようにし、異常診断の結果を前記四つの異常現象
に分類して出力するようにしたものである。
ータは異常の種別を分類したものとし、静止誘導電器の
異常現象、すなわち、局部過熱異常、アーク放電異常、
部分放電異常、および異常なしを教師データとして学習
させるようにし、異常診断の結果を前記四つの異常現象
に分類して出力するようにしたものである。
【0018】また、異常現象の中の局部過熱異常では局
部過熱温度によって生成ガスの量が変化するので局部過
熱温度をいくつかの段階に分類し、出力層の教師データ
として学習させ、局部過熱温度の推定診断ができるよう
にしたものである。
部過熱温度によって生成ガスの量が変化するので局部過
熱温度をいくつかの段階に分類し、出力層の教師データ
として学習させ、局部過熱温度の推定診断ができるよう
にしたものである。
【0019】また、アーク放電異常ではアーク放電エネ
ルギーによつて分解生成ガス量が変化するのでアーク放
電エネルギーをいくつかの段階に分類し、出力層の教師
データとして学習させ、アーク放電エネルギーの推定診
断ができるようにしたものである。
ルギーによつて分解生成ガス量が変化するのでアーク放
電エネルギーをいくつかの段階に分類し、出力層の教師
データとして学習させ、アーク放電エネルギーの推定診
断ができるようにしたものである。
【0020】また、部分放電異常では部分放電エネルギ
ーによって分解生成ガス量が変化するので部分放電エネ
ルギーをいくつかの段階に分類し、出力層の教師データ
として学習させ、部分放電エネルギーの推定診断ができ
るようにしたものである。
ーによって分解生成ガス量が変化するので部分放電エネ
ルギーをいくつかの段階に分類し、出力層の教師データ
として学習させ、部分放電エネルギーの推定診断ができ
るようにしたものである。
【0021】また、静止誘導電器の内部は絶縁・冷却媒
体のほか金属材料、絶縁材料などで構成しており、分解
生成物の生成量は材料の構成によって特徴ずけられる。
採取した絶縁媒体中に含まれるこれらの材料の成分量を
出力層の教師データとして学習させ、異常現象における
構成部位の推定診断ができるようにしたものである。
体のほか金属材料、絶縁材料などで構成しており、分解
生成物の生成量は材料の構成によって特徴ずけられる。
採取した絶縁媒体中に含まれるこれらの材料の成分量を
出力層の教師データとして学習させ、異常現象における
構成部位の推定診断ができるようにしたものである。
【0022】また、静止誘導電器の構成材料は部位によ
って異なり、異常の発生位置によって分解生成物の生成
量が特徴づけられる。したがってこれらの部位を出力層
の教師データとして学習させ、異常発生部位の推定がで
きるようにしたものである。
って異なり、異常の発生位置によって分解生成物の生成
量が特徴づけられる。したがってこれらの部位を出力層
の教師データとして学習させ、異常発生部位の推定がで
きるようにしたものである。
【0023】さらに、絶縁媒体の一部をサンプリングし
て分解生成物の分析を行い、その分析結果を診断に用い
る方法のほか、ガスセンサーなどによるオンラインガス
検知装置とニューラルネットワークコンピュータと出力
表示装置とを信号系統で接続し、定期的に、また入力デ
ータに変化が生じたときには、直ちに診断を自動的に行
うようにしたものである。
て分解生成物の分析を行い、その分析結果を診断に用い
る方法のほか、ガスセンサーなどによるオンラインガス
検知装置とニューラルネットワークコンピュータと出力
表示装置とを信号系統で接続し、定期的に、また入力デ
ータに変化が生じたときには、直ちに診断を自動的に行
うようにしたものである。
【0024】
【作用】上記手段を設けたので、正しい出力が得られる
ようになって、正しい異常診断ができるようになる。
ようになって、正しい異常診断ができるようになる。
【0025】すなわち一般に脳は多数のニューロン(神
経細胞)からなる大規模ネットワークであると云われて
おり、ニューラルネットワークはこれをモデル化したも
のである。入力層と中間層、中間層と出力層の互いの層
間の重み係数について、教師データ(望ましいと考えら
れる出力データ)と実際に得られた出力との二乗誤差が
最小になるように方程式で求めるものである。最小誤差
値になるように重み係数を変えていくことを学習と呼ん
でいる。
経細胞)からなる大規模ネットワークであると云われて
おり、ニューラルネットワークはこれをモデル化したも
のである。入力層と中間層、中間層と出力層の互いの層
間の重み係数について、教師データ(望ましいと考えら
れる出力データ)と実際に得られた出力との二乗誤差が
最小になるように方程式で求めるものである。最小誤差
値になるように重み係数を変えていくことを学習と呼ん
でいる。
【0026】静止誘導電器の絶縁媒体の分解生成物の生
成量は内部異常の種類、程度、部位、時間経過などによ
って変わり、種類の異なる分解生成物の生成パターンが
特徴づけられる。いくつかの分解生成物の生成量をニュ
ーラルネットワークの入力層の入力データとし、これに
対応する異常現象を出力層の教師データとして学習させ
ておくことにより、ケースデータ(診断に用いるときの
入力生成量)に対応する異常現象の種別を出力する。例
えば、いくつかの分解生成物の生成量がa,b,c,
d,eというパターンであるときに異常現象の種類はA
であるということを学習しておけば、ケースデータとし
てa,b,c,d,eを入力して診断すれば判定はAと
いう結果になる。入力データがa+Δa,b,c,d,
e,教師データがAということも含めて学習させておけ
ば、ケースデータとしてa+Δaが多少違っていても判
定はAになる。従って、多数の入力データと教師データ
を学習しておくことにより、どのようなケースデータに
対してもただちに判定することができる。
成量は内部異常の種類、程度、部位、時間経過などによ
って変わり、種類の異なる分解生成物の生成パターンが
特徴づけられる。いくつかの分解生成物の生成量をニュ
ーラルネットワークの入力層の入力データとし、これに
対応する異常現象を出力層の教師データとして学習させ
ておくことにより、ケースデータ(診断に用いるときの
入力生成量)に対応する異常現象の種別を出力する。例
えば、いくつかの分解生成物の生成量がa,b,c,
d,eというパターンであるときに異常現象の種類はA
であるということを学習しておけば、ケースデータとし
てa,b,c,d,eを入力して診断すれば判定はAと
いう結果になる。入力データがa+Δa,b,c,d,
e,教師データがAということも含めて学習させておけ
ば、ケースデータとしてa+Δaが多少違っていても判
定はAになる。従って、多数の入力データと教師データ
を学習しておくことにより、どのようなケースデータに
対してもただちに判定することができる。
【0027】ニューラルネットワークを用いた異常診断
の精度を向上させるには入力データに対応する教師デー
タが正確であることが重要であり、多数の入力データを
学習するほど有効である。従って、分解生成物の生成量
と異常現象との対応を多数の実験的データから得ること
により診断装置の精度を向上させる働きがある。すなわ
ち、実際の静止誘導電器を運転して異常を検知し、分解
生成物の量とを対応させて集積したデータよりもはるか
に多くの正確なデータを入力することができる。
の精度を向上させるには入力データに対応する教師デー
タが正確であることが重要であり、多数の入力データを
学習するほど有効である。従って、分解生成物の生成量
と異常現象との対応を多数の実験的データから得ること
により診断装置の精度を向上させる働きがある。すなわ
ち、実際の静止誘導電器を運転して異常を検知し、分解
生成物の量とを対応させて集積したデータよりもはるか
に多くの正確なデータを入力することができる。
【0028】静止誘導電器の絶縁・冷却媒体は上述のよ
うに鉱油、不燃性液体、六弗化硫黄ガスなどの気体系の
ガスなどが用いられる。内部異常時には用いている絶縁
媒体によって熱分解時の分解生成物の種類が変わり、特
徴的な生成物の生成パターンになる。固体析出物のほ
か、鉱油であれば炭化水素系の分解ガス、また、不燃性
液体であるパーフロロカーボン液であればフッ化物分解
ガス、六弗化硫黄ガスであればフッ化物分解ガスと亜硫
酸ガスなど硫黄系のガスが特徴的なガスとして生成す
る。従って、これらの分解生成物量を入力データとし、
全ての絶縁媒体充填方式の静止誘導電器の異常診断装置
とすることができる。また、鉱油とガス、あるいはパー
フロロカーボン液とガスとの混在の絶縁媒体であっても
特徴的な分解生成物の生成パターンになるので異常現象
の種別を判定するように動作する。
うに鉱油、不燃性液体、六弗化硫黄ガスなどの気体系の
ガスなどが用いられる。内部異常時には用いている絶縁
媒体によって熱分解時の分解生成物の種類が変わり、特
徴的な生成物の生成パターンになる。固体析出物のほ
か、鉱油であれば炭化水素系の分解ガス、また、不燃性
液体であるパーフロロカーボン液であればフッ化物分解
ガス、六弗化硫黄ガスであればフッ化物分解ガスと亜硫
酸ガスなど硫黄系のガスが特徴的なガスとして生成す
る。従って、これらの分解生成物量を入力データとし、
全ての絶縁媒体充填方式の静止誘導電器の異常診断装置
とすることができる。また、鉱油とガス、あるいはパー
フロロカーボン液とガスとの混在の絶縁媒体であっても
特徴的な分解生成物の生成パターンになるので異常現象
の種別を判定するように動作する。
【0029】鉱油を絶縁媒体とした静止誘導電器では上
述のように内部異常時に炭化水素系の分解ガス、水素ガ
ス、一酸化炭素や二酸化炭素などのガスのほか、固体析
出物が生成される。内部異常、例えば、静止誘導電器の
局部過熱異常は過熱温度や部位によってCO,CO2ある
いはH2,炭化水素系のガスの生成パターンは変化する
が、部分放電異常時のように固体の剥離、離脱による固
体析出物量は多くならない。それは油浸絶縁物と油の構
成において部分放電は紙などの絶縁物を損傷させるため
微細な絶縁紙の紙片が剥離し、離脱して鉱油中に浮遊す
る。従って、局部過熱異常と部分放電異常とでは分解ガ
スの発生パターンも異なるが、固体の浮遊物量が大きく
異なり、入力データとして固体の析出物量を用いること
が異常現象を判定する際、有効な働きをする。このよう
なことは絶縁媒体がパーフロロカーボンのような不燃性
液体であっても異常診断において同じような働きをし、
また、ガスを絶縁媒体とする静止誘導電器の場合でも異
常現象の違いによって固体析出物が生成したりしなかっ
たりするので入力データの一つに加えることは極めて有
効なものになる。
述のように内部異常時に炭化水素系の分解ガス、水素ガ
ス、一酸化炭素や二酸化炭素などのガスのほか、固体析
出物が生成される。内部異常、例えば、静止誘導電器の
局部過熱異常は過熱温度や部位によってCO,CO2ある
いはH2,炭化水素系のガスの生成パターンは変化する
が、部分放電異常時のように固体の剥離、離脱による固
体析出物量は多くならない。それは油浸絶縁物と油の構
成において部分放電は紙などの絶縁物を損傷させるため
微細な絶縁紙の紙片が剥離し、離脱して鉱油中に浮遊す
る。従って、局部過熱異常と部分放電異常とでは分解ガ
スの発生パターンも異なるが、固体の浮遊物量が大きく
異なり、入力データとして固体の析出物量を用いること
が異常現象を判定する際、有効な働きをする。このよう
なことは絶縁媒体がパーフロロカーボンのような不燃性
液体であっても異常診断において同じような働きをし、
また、ガスを絶縁媒体とする静止誘導電器の場合でも異
常現象の違いによって固体析出物が生成したりしなかっ
たりするので入力データの一つに加えることは極めて有
効なものになる。
【0030】ニューラルネットワークの出力層となる教
師データは局部過熱異常、アーク放電異常、部分放電異
常および異常なしの4データとすることにより、静止誘
導電器の大部分の熱分解異常の原因を明らかにすること
ができる。すなわち、前記した分解生成物の生成量に対
応した上記の異常現象の種別を出力層の教師データとし
て学習させることにより、ケースデータを入力すれば直
ちに異常現象が上記4つの異常のうちどれに対応してい
るかを出力する。
師データは局部過熱異常、アーク放電異常、部分放電異
常および異常なしの4データとすることにより、静止誘
導電器の大部分の熱分解異常の原因を明らかにすること
ができる。すなわち、前記した分解生成物の生成量に対
応した上記の異常現象の種別を出力層の教師データとし
て学習させることにより、ケースデータを入力すれば直
ちに異常現象が上記4つの異常のうちどれに対応してい
るかを出力する。
【0031】また、局部過熱異常時の分解生成ガス量の
生成パターンは過熱温度によって変わる。例えば、鉱油
の場合、過熱温度が低いときにはCH4が他のガスに比
較して多く生成され、温度が高くなるとH2やC2H4ガ
スが多く生成するという特徴がある。従って、いくつか
の段階に過熱温度を分け、これを教師データにすること
によって局部過熱異常時の温度を推定することができ
る。ニューラルネットワークを動作させる局部過熱温度
の推定のプログラムは前記異常現象種別の診断プログラ
ムと同じプログラムの中で動かすことも可能であるが、
温度推定だけの診断にも適用できる。
生成パターンは過熱温度によって変わる。例えば、鉱油
の場合、過熱温度が低いときにはCH4が他のガスに比
較して多く生成され、温度が高くなるとH2やC2H4ガ
スが多く生成するという特徴がある。従って、いくつか
の段階に過熱温度を分け、これを教師データにすること
によって局部過熱異常時の温度を推定することができ
る。ニューラルネットワークを動作させる局部過熱温度
の推定のプログラムは前記異常現象種別の診断プログラ
ムと同じプログラムの中で動かすことも可能であるが、
温度推定だけの診断にも適用できる。
【0032】また、アーク放電異常では前記したように
アーク放電エネルギーによって分解生成物の発生パター
ンが変化するので、いくつかの段階に分けたアーク放電
エネルギーを出力層の教師データとすることにより、ア
ーク放電エネルギーの大きさ、すなわち、アーク放電現
象の規模を推定することができ、異常の内容をより詳細
に、かつ迅速に知ることができる。
アーク放電エネルギーによって分解生成物の発生パター
ンが変化するので、いくつかの段階に分けたアーク放電
エネルギーを出力層の教師データとすることにより、ア
ーク放電エネルギーの大きさ、すなわち、アーク放電現
象の規模を推定することができ、異常の内容をより詳細
に、かつ迅速に知ることができる。
【0033】また、部分放電異常でも部分放電エネルギ
ーによって分解生成物の発生パターンが変化するので、
いくつかの段階に分けた部分放電エネルギーを教師デー
タとしてニューラルネットワークを学習させることによ
りケースデータ入力時の部分放電エネルギーの規模を推
定することができる。
ーによって分解生成物の発生パターンが変化するので、
いくつかの段階に分けた部分放電エネルギーを教師デー
タとしてニューラルネットワークを学習させることによ
りケースデータ入力時の部分放電エネルギーの規模を推
定することができる。
【0034】また、静止誘導電器内部の材料構成によっ
ても分解生成物の発生パターンは変化するので材料の種
別を教師データとすることにより、ケースデータ入力に
対する判定は材料の種別を出力する。すなわち、鉱油と
絶縁材料、例えば、油浸絶縁紙やプラスチック材などで
構成した部位と、鉱油と金属材料だけの場合とでは熱分
解時のガス生成パターンは異なったものになる。従っ
て、熱分解をした材料の推定ができればその材料の適用
個所から異常部位を明らかにすることができる。
ても分解生成物の発生パターンは変化するので材料の種
別を教師データとすることにより、ケースデータ入力に
対する判定は材料の種別を出力する。すなわち、鉱油と
絶縁材料、例えば、油浸絶縁紙やプラスチック材などで
構成した部位と、鉱油と金属材料だけの場合とでは熱分
解時のガス生成パターンは異なったものになる。従っ
て、熱分解をした材料の推定ができればその材料の適用
個所から異常部位を明らかにすることができる。
【0035】静止誘導電器、例えば、油入変圧器は巻
線、鉄心、高圧リード、鉄心支持金具などの部位に分類
することができ、異常現象は部位によって異なり用いら
れる材料も異なる。従って、部位ごとの異常現象につい
て分解生成物の生成パターンを入力データとし、それに
対応する異常現象別の部位を教師データとして学習させ
ることによりケースデータに対する判定を出力表示させ
ることができ、異常部位を明らかにすることができる。
線、鉄心、高圧リード、鉄心支持金具などの部位に分類
することができ、異常現象は部位によって異なり用いら
れる材料も異なる。従って、部位ごとの異常現象につい
て分解生成物の生成パターンを入力データとし、それに
対応する異常現象別の部位を教師データとして学習させ
ることによりケースデータに対する判定を出力表示させ
ることができ、異常部位を明らかにすることができる。
【0036】また、異常診断に用いるニューラルネット
ワークは信号回線を介して入力データやケースデータの
入力が可能であり、現地でのオンラインガス分析装置と
接続して分解生成物の生成量を直接入力することによ
り、自動診断が可能である。
ワークは信号回線を介して入力データやケースデータの
入力が可能であり、現地でのオンラインガス分析装置と
接続して分解生成物の生成量を直接入力することによ
り、自動診断が可能である。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。本実施例ではニューラルネットワークを使用し、局
部過熱、局部過熱時の温度、部分放電、部分放電時のエ
ネルギー、アーク放電、アーク放電時のエネルギー、適
用部位、材料の種類による異常状態ついて学習させ、こ
の学習結果に基づいた出力結果から異常診断を行うよう
にした。このようにすることにより正しい出力が得られ
るようになって、正しい異常診断ができるようになり、
運転中の静止誘導電器の異常の種別、程度、異常個所を
速やかに、かつ判定の個人差をなくして正確に診断する
ことを可能とした静止誘導電器の異常診断方法を得るこ
とができる。
る。本実施例ではニューラルネットワークを使用し、局
部過熱、局部過熱時の温度、部分放電、部分放電時のエ
ネルギー、アーク放電、アーク放電時のエネルギー、適
用部位、材料の種類による異常状態ついて学習させ、こ
の学習結果に基づいた出力結果から異常診断を行うよう
にした。このようにすることにより正しい出力が得られ
るようになって、正しい異常診断ができるようになり、
運転中の静止誘導電器の異常の種別、程度、異常個所を
速やかに、かつ判定の個人差をなくして正確に診断する
ことを可能とした静止誘導電器の異常診断方法を得るこ
とができる。
【0038】〔実施例 1〕図1は本発明の静止誘導電
器の異常診断方法の一実施例として異常診断用入出力デ
ータの構成を示す。絶縁媒体X1を充填した静止誘導電
器において絶縁媒体X1の中に含まれている特徴的な分
解生成物はa1,a2,a3,……anであり、それぞ
れの生成量は異常現象A,B,C,Dによって異なる。
同様に種類の異なる絶縁媒体X2を用いた静止誘導電器
の分解生成物はb1,b2,b3,……bnであり、そ
れぞれの生成量は異常現象A,B,C,Dによって異な
る。また、同様に種類の異なる絶縁媒体X3を用いた静
止誘導電器の分解生成物はc1,c2,c3,……cn
であり、それぞれの生成量は異常現象A,B,C,Dに
よって異なる。ニューラルネットワークは予め分解生成
物の生成量と異常現象とを対応させて学習させておく。
そこで診断しようとする静止誘導電器の絶縁媒体の分解
生成物の生成量をケースデータとして入力し、判定結果
を出力する。すなわち、絶縁媒体がX1であれば分解生
成物a1〜anを、絶縁媒体X2であればb1〜bnを、
絶縁媒体X2であればc1〜c2をケースデータとして
ニューラルネットワークに入力することにより診断結果
は異常現象A、異常現象B、異常現象C、異常現象Dの
中のいずれか、または、その複数を出力する。したがっ
て、分解生成物の生成量を入力するだけで判定結果が直
ちに表示され、個人差のない異常種別の診断結果を得る
ことができる。
器の異常診断方法の一実施例として異常診断用入出力デ
ータの構成を示す。絶縁媒体X1を充填した静止誘導電
器において絶縁媒体X1の中に含まれている特徴的な分
解生成物はa1,a2,a3,……anであり、それぞ
れの生成量は異常現象A,B,C,Dによって異なる。
同様に種類の異なる絶縁媒体X2を用いた静止誘導電器
の分解生成物はb1,b2,b3,……bnであり、そ
れぞれの生成量は異常現象A,B,C,Dによって異な
る。また、同様に種類の異なる絶縁媒体X3を用いた静
止誘導電器の分解生成物はc1,c2,c3,……cn
であり、それぞれの生成量は異常現象A,B,C,Dに
よって異なる。ニューラルネットワークは予め分解生成
物の生成量と異常現象とを対応させて学習させておく。
そこで診断しようとする静止誘導電器の絶縁媒体の分解
生成物の生成量をケースデータとして入力し、判定結果
を出力する。すなわち、絶縁媒体がX1であれば分解生
成物a1〜anを、絶縁媒体X2であればb1〜bnを、
絶縁媒体X2であればc1〜c2をケースデータとして
ニューラルネットワークに入力することにより診断結果
は異常現象A、異常現象B、異常現象C、異常現象Dの
中のいずれか、または、その複数を出力する。したがっ
て、分解生成物の生成量を入力するだけで判定結果が直
ちに表示され、個人差のない異常種別の診断結果を得る
ことができる。
【0039】〔実施例 2〕図2、表1、表2及び表3
には油入変圧器の異常診断における他の実施例としてニ
ューラルネットワークの学習の方法について示されてい
る。
には油入変圧器の異常診断における他の実施例としてニ
ューラルネットワークの学習の方法について示されてい
る。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】学習をさせる入力データと異常現象はその
対応が正確なほど診断精度が向上するので、異常現象を
実験的に作り、その分析結果を入力データとして用いる
のが良い。また、実験データでない実際の変圧器で発生
した異常現象時の分析結果でも入力データとして用いる
ことができる。入力データとなる分解生成物の種類は分
解ガスH2,CO,CO2,CH4,C2H6,C2H4,C2H2と
油中粒子数にしている。局部過熱異常の場合これらのガ
ス生成量はガスの種類によって多かったり少なかったり
し、過熱温度によっても変化する。これらの生成量は相
対比として扱うこともでき、ニューラルネットワークで
はどちらでも扱えるようにしている。また、油中粒子数
については体積当りの粒子数で表し、その濃度を基準化
して用いている。従って、一つの局部過熱異常時の油中
粒子数を含めた分解生成物の生成量を入力データとして
入力し、多数の学習用データを準備する。表1及び表2
は学習用データの1例を示すものである。局部過熱異
常、アーク放電異常、部分放電異常、異常なしの入力デ
ータはそれぞれ7ケースずつのデータがあり、これらは
異常現象に対応した分解生成物の量である。分解生成ガ
スの量は対象としたガスの中で最も大きいものを100
とし、その比率で表している。また、油中粒子数は粒子
径が2〜100μmの大きさのものが30、000個/
100mlのときを100とし、その比率を示してい
る。表3は教師データの出力の一例を示す。
対応が正確なほど診断精度が向上するので、異常現象を
実験的に作り、その分析結果を入力データとして用いる
のが良い。また、実験データでない実際の変圧器で発生
した異常現象時の分析結果でも入力データとして用いる
ことができる。入力データとなる分解生成物の種類は分
解ガスH2,CO,CO2,CH4,C2H6,C2H4,C2H2と
油中粒子数にしている。局部過熱異常の場合これらのガ
ス生成量はガスの種類によって多かったり少なかったり
し、過熱温度によっても変化する。これらの生成量は相
対比として扱うこともでき、ニューラルネットワークで
はどちらでも扱えるようにしている。また、油中粒子数
については体積当りの粒子数で表し、その濃度を基準化
して用いている。従って、一つの局部過熱異常時の油中
粒子数を含めた分解生成物の生成量を入力データとして
入力し、多数の学習用データを準備する。表1及び表2
は学習用データの1例を示すものである。局部過熱異
常、アーク放電異常、部分放電異常、異常なしの入力デ
ータはそれぞれ7ケースずつのデータがあり、これらは
異常現象に対応した分解生成物の量である。分解生成ガ
スの量は対象としたガスの中で最も大きいものを100
とし、その比率で表している。また、油中粒子数は粒子
径が2〜100μmの大きさのものが30、000個/
100mlのときを100とし、その比率を示してい
る。表3は教師データの出力の一例を示す。
【0044】表1、表2の入力データ、すなわちH2の
生成量から粒子数までの8ケのデータに対する教師デー
タを局部過熱異常の場合、1,0,0,0としてニュー
ラルネットワークに入力する。同様にして表1、表2の
入力データと教師データの出力パターンを対応させて全
て入力する。そこでニューラルネットワークの学習、す
なわち、図2に示したように入力層と中間層と出力層と
の間に重みづけをし、教師データの出力パターンに最も
誤差が小さくなるような係数を求める。従って、学習の
過程は図2に示した矢印の方向の流れとなり、教師デー
タの出力パターンを与え、出力層と中間層の重み係数、
中間層と入力層との間の最適な重み係数を求めるように
している。このようにして学習をさせたニューラルネッ
トワークは異常現象が全くわからないケースデータに対
してどの異常現象の出力パターンに最も近いかを計算し
て出力する。従って、学習に用いた全てのデータをもと
に診断結果を出力するので、人間が記憶している生成パ
ターンから診断するよりはるかに正確であり、判定に個
人差がなく、迅速に診断結果を知ることができる。
生成量から粒子数までの8ケのデータに対する教師デー
タを局部過熱異常の場合、1,0,0,0としてニュー
ラルネットワークに入力する。同様にして表1、表2の
入力データと教師データの出力パターンを対応させて全
て入力する。そこでニューラルネットワークの学習、す
なわち、図2に示したように入力層と中間層と出力層と
の間に重みづけをし、教師データの出力パターンに最も
誤差が小さくなるような係数を求める。従って、学習の
過程は図2に示した矢印の方向の流れとなり、教師デー
タの出力パターンを与え、出力層と中間層の重み係数、
中間層と入力層との間の最適な重み係数を求めるように
している。このようにして学習をさせたニューラルネッ
トワークは異常現象が全くわからないケースデータに対
してどの異常現象の出力パターンに最も近いかを計算し
て出力する。従って、学習に用いた全てのデータをもと
に診断結果を出力するので、人間が記憶している生成パ
ターンから診断するよりはるかに正確であり、判定に個
人差がなく、迅速に診断結果を知ることができる。
【0045】入力データの種類は図2の油入変圧器のよ
うに鉱油中での分解生成物だけに限るものではなく、図
1に示したように絶縁媒体が異なる静止誘導電器につい
ても入力データとして扱うことができ、広範囲の静止誘
導電器について異常診断ができるよう拡張性を持たせて
いる。
うに鉱油中での分解生成物だけに限るものではなく、図
1に示したように絶縁媒体が異なる静止誘導電器につい
ても入力データとして扱うことができ、広範囲の静止誘
導電器について異常診断ができるよう拡張性を持たせて
いる。
【0046】〔実施例 3〕図3は本発明の更に他の実
施例としてパーフロロカーボン液入静止誘導電器の入力
データを示している。入力層の入力データの種類を示し
ており、その他の構成方法は図2と同様なので省略して
いる。パーフロロカーボン液を絶縁媒体とした静止誘導
電器についても分解ガスとしてフッ素系化合物ガスの生
成量および液中に浮遊する固体粒子の量を入力データと
し、異常現象の種別に対応させて学習させることによ
り、同様に異常診断ができる。熱分解が生ずるようない
ろいろな異常現象に対する特徴的なガスはC2F4,C2F
6,C3F6,C3F8,HFなどがある。これらのガスの種類
だけで学習し、異常診断の機能を十分に持たせることも
できるが、上記以外の分解ガスも入力データとして用
い、ガスの種類を多くして学習させることにより、多く
の異常現象の種別を診断することが可能である。
施例としてパーフロロカーボン液入静止誘導電器の入力
データを示している。入力層の入力データの種類を示し
ており、その他の構成方法は図2と同様なので省略して
いる。パーフロロカーボン液を絶縁媒体とした静止誘導
電器についても分解ガスとしてフッ素系化合物ガスの生
成量および液中に浮遊する固体粒子の量を入力データと
し、異常現象の種別に対応させて学習させることによ
り、同様に異常診断ができる。熱分解が生ずるようない
ろいろな異常現象に対する特徴的なガスはC2F4,C2F
6,C3F6,C3F8,HFなどがある。これらのガスの種類
だけで学習し、異常診断の機能を十分に持たせることも
できるが、上記以外の分解ガスも入力データとして用
い、ガスの種類を多くして学習させることにより、多く
の異常現象の種別を診断することが可能である。
【0047】〔実施例 4〕図4は本発明の更に他の実
施例として六弗化硫黄ガス封入静止誘導電器の入力デー
タ示す。同図に示されているように六弗化硫黄ガスを絶
縁媒体とした静止誘導電器についてもCO2,CO,C
H4,CF4,SO2,SF4,SO2F4などを分解生成物とし
た入力データで学習することにより、前述の場合と同様
の異常診断ができる。
施例として六弗化硫黄ガス封入静止誘導電器の入力デー
タ示す。同図に示されているように六弗化硫黄ガスを絶
縁媒体とした静止誘導電器についてもCO2,CO,C
H4,CF4,SO2,SF4,SO2F4などを分解生成物とし
た入力データで学習することにより、前述の場合と同様
の異常診断ができる。
【0048】〔実施例 5〕図5は本発明の更に他の実
施例として静止誘導電器の異常現象の分類(教師でー
た)を示す。同図に示されている(出力層のみ図示)よ
うに出力層の教師データを局部過熱異常、アーク放電異
常、部分放電異常、異常なしの現象に分類し、さらに異
常の程度(程度大、程度小)も分類して学習させ、ケー
スデータに対する出力結果を7種の現象のうちどの程度
の異常であるかを出力するようにしたものである。診断
時のそれぞれの異常現象(局部過熱異常、アーク放電異
常、部分放電異常)について異常の状態、程度を診断す
ることにより、運転中の静止誘導電器の異常の進展状況
が把握でき、運転中止や、運転継続の対応が可能とな
る。
施例として静止誘導電器の異常現象の分類(教師でー
た)を示す。同図に示されている(出力層のみ図示)よ
うに出力層の教師データを局部過熱異常、アーク放電異
常、部分放電異常、異常なしの現象に分類し、さらに異
常の程度(程度大、程度小)も分類して学習させ、ケー
スデータに対する出力結果を7種の現象のうちどの程度
の異常であるかを出力するようにしたものである。診断
時のそれぞれの異常現象(局部過熱異常、アーク放電異
常、部分放電異常)について異常の状態、程度を診断す
ることにより、運転中の静止誘導電器の異常の進展状況
が把握でき、運転中止や、運転継続の対応が可能とな
る。
【0049】〔実施例 6〕図6は本発明の更に他の実
施例として静止誘導電器の局部過熱異常現象における温
度の分類(教師データ)を示す。同図に示されているよ
うに局部過熱異常現象の過熱温度(600℃以上、50
0〜600℃、400〜500℃、300〜400℃、
200〜300℃、120〜200℃、異常なし)を教
師データとし、分解生成物の生成量を入力データとして
学習させ、局部過熱異常時の温度を判定するようにした
ものである。局部過熱温度を推定することにより、異常
の程度を把握することができ、運転中の静止誘導電器の
運転可能期間の予測がしやすくなる。
施例として静止誘導電器の局部過熱異常現象における温
度の分類(教師データ)を示す。同図に示されているよ
うに局部過熱異常現象の過熱温度(600℃以上、50
0〜600℃、400〜500℃、300〜400℃、
200〜300℃、120〜200℃、異常なし)を教
師データとし、分解生成物の生成量を入力データとして
学習させ、局部過熱異常時の温度を判定するようにした
ものである。局部過熱温度を推定することにより、異常
の程度を把握することができ、運転中の静止誘導電器の
運転可能期間の予測がしやすくなる。
【0050】〔実施例 7〕図7は本発明の更に他の実
施例として静止誘導電器のアーク放電異常現象における
アークエネルギーの分類(教師データ)を示す。同図に
示されているようにアーク放電異常現象のアークエネル
ギー(300kJ以上、100〜300kJ、30〜1
00kJ、10〜30kJ、3〜10kJ、1〜3k
J、0.3〜1kJ)を教師データとして学習させ、診
断結果を出力させるようにしたものである。アークエネ
ルギーを推定することにより異常現象の規模が推定で
き、静止誘導電器を運転中止すべきか、またどの程度継
続可能かを判断できる。
施例として静止誘導電器のアーク放電異常現象における
アークエネルギーの分類(教師データ)を示す。同図に
示されているようにアーク放電異常現象のアークエネル
ギー(300kJ以上、100〜300kJ、30〜1
00kJ、10〜30kJ、3〜10kJ、1〜3k
J、0.3〜1kJ)を教師データとして学習させ、診
断結果を出力させるようにしたものである。アークエネ
ルギーを推定することにより異常現象の規模が推定で
き、静止誘導電器を運転中止すべきか、またどの程度継
続可能かを判断できる。
【0051】〔実施例 8〕図8は本発明の更に他の実
施例として静止誘導電器の部分放電現象における部分放
電エネルギーの分類(教師データを示す)。同図に示さ
れているように部分放電異常時の部分放電エネルギー
(100kJ、30〜100kJ、10〜30kJ、3
〜10kJ、1〜3kJ、0.3〜1kJ、0.1〜
0.3kJ)を出力層の教師データとして学習させ、診
断結果を出力させるようにしたものである。部分放電エ
ネルギーを推定することにより、絶縁劣化の進行状態を
把握でき、静止誘導電器の運転可能期間の予測がしやす
くなる。
施例として静止誘導電器の部分放電現象における部分放
電エネルギーの分類(教師データを示す)。同図に示さ
れているように部分放電異常時の部分放電エネルギー
(100kJ、30〜100kJ、10〜30kJ、3
〜10kJ、1〜3kJ、0.3〜1kJ、0.1〜
0.3kJ)を出力層の教師データとして学習させ、診
断結果を出力させるようにしたものである。部分放電エ
ネルギーを推定することにより、絶縁劣化の進行状態を
把握でき、静止誘導電器の運転可能期間の予測がしやす
くなる。
【0052】〔実施例 9〕図9は本発明の更に他の実
施例として静止誘導電器の異常現象における構成材料の
分類(教師データ)を示す。同図に示されているように
静止誘導電器内部の構成材料(銅、鉄、アルミニウム、
SUS、紙パルプ、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
アミド)を出力層の教師データとして学習させ、診断結
果を出力させるようにしたものである。採取した絶縁媒
体中に含まれる材料の推定ができれば静止誘導電器の材
料適用部位がわかっているので異常部位の推定が可能で
あり、修理対策時の材料調達が早期に行うことができ
る。
施例として静止誘導電器の異常現象における構成材料の
分類(教師データ)を示す。同図に示されているように
静止誘導電器内部の構成材料(銅、鉄、アルミニウム、
SUS、紙パルプ、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
アミド)を出力層の教師データとして学習させ、診断結
果を出力させるようにしたものである。採取した絶縁媒
体中に含まれる材料の推定ができれば静止誘導電器の材
料適用部位がわかっているので異常部位の推定が可能で
あり、修理対策時の材料調達が早期に行うことができ
る。
【0053】〔実施例 10〕図10は本発明の更に他
の実施例として油入変圧器の異常現象における部位の分
類(教師データ)を示す。同図に示されているように静
止誘導電器内部の部位(巻線、鉄心、高圧リード線、低
圧リード線、鉄心支持金具)を出力層の教師データとし
て学習させ、診断結果を出力させるようにしたものであ
る。部位によって適用材料が異なり、異常現象にも部位
の特徴が現れることから、異常部位の診断ができ、修理
対策がしやすくなる。
の実施例として油入変圧器の異常現象における部位の分
類(教師データ)を示す。同図に示されているように静
止誘導電器内部の部位(巻線、鉄心、高圧リード線、低
圧リード線、鉄心支持金具)を出力層の教師データとし
て学習させ、診断結果を出力させるようにしたものであ
る。部位によって適用材料が異なり、異常現象にも部位
の特徴が現れることから、異常部位の診断ができ、修理
対策がしやすくなる。
【0054】〔実施例 11〕図11は本発明の更に他
の実施例として静止誘導電器の異常診断のデータの自動
入出力系統を示す。同図に示されているいるように運転
中静止誘導電器の異常診断をオンライン化し、出力表示
を自動化して異常監視をするようにしたものである。す
なわち分解生成物検出センサーから生成量変換部、ニュ
ーラルネットワークコンピュータ、出力表示部、警報装
置を介して制御用出力するが、それぞれの間は第1、第
2、第3、第4、第5の通信回線1、2、3、4、5を
介して接続する。本発明の入力データあるいはケースデ
ータはどのような分析方法で得たものでも良いので、ガ
スセンサーの検知量を第1、第2の信号回線1、2を介
してニューラルネットワークコンピュータに取り込むこ
とができる。また、その診断結果は第3の信号回線3で
別の表示部、あるいは第4の信号回線4で警報装置に送
信できるので、静止誘導電器の異常を自動監視できる。
の実施例として静止誘導電器の異常診断のデータの自動
入出力系統を示す。同図に示されているいるように運転
中静止誘導電器の異常診断をオンライン化し、出力表示
を自動化して異常監視をするようにしたものである。す
なわち分解生成物検出センサーから生成量変換部、ニュ
ーラルネットワークコンピュータ、出力表示部、警報装
置を介して制御用出力するが、それぞれの間は第1、第
2、第3、第4、第5の通信回線1、2、3、4、5を
介して接続する。本発明の入力データあるいはケースデ
ータはどのような分析方法で得たものでも良いので、ガ
スセンサーの検知量を第1、第2の信号回線1、2を介
してニューラルネットワークコンピュータに取り込むこ
とができる。また、その診断結果は第3の信号回線3で
別の表示部、あるいは第4の信号回線4で警報装置に送
信できるので、静止誘導電器の異常を自動監視できる。
【0055】このように本実施例によれば静止誘導電器
の分解生成物の生成量をニューラルネットワークに入力
することにより、異常現象の種別、程度または規模、異
常を生じた材料の種別、異常部位などの診断結果を正確
で迅速に、且つ個人差のない判定を出力表示するので異
常診断の精度を向上させることができる。
の分解生成物の生成量をニューラルネットワークに入力
することにより、異常現象の種別、程度または規模、異
常を生じた材料の種別、異常部位などの診断結果を正確
で迅速に、且つ個人差のない判定を出力表示するので異
常診断の精度を向上させることができる。
【0056】
【発明の効果】上述のように本発明は、ニューラルネッ
トワークを使用し、局部過熱、局部過熱時の温度、部分
放電、部分放電時のエネルギー、アーク放電、アーク放
電時のエネルギー、適用部位、材料の種類による異常状
態について学習させ、この学習結果に基づいた出力結果
から異常診断を行うようにしたので、正しい出力が得ら
れるようになって、正しい異常診断ができるようにな
り、運転中の静止誘導電器の異常の種別、程度、異常個
所を速やかに、かつ判定の個人差をなくして正確に診断
することを可能とした静止誘導電器の異常診断方法を得
ることができる。
トワークを使用し、局部過熱、局部過熱時の温度、部分
放電、部分放電時のエネルギー、アーク放電、アーク放
電時のエネルギー、適用部位、材料の種類による異常状
態について学習させ、この学習結果に基づいた出力結果
から異常診断を行うようにしたので、正しい出力が得ら
れるようになって、正しい異常診断ができるようにな
り、運転中の静止誘導電器の異常の種別、程度、異常個
所を速やかに、かつ判定の個人差をなくして正確に診断
することを可能とした静止誘導電器の異常診断方法を得
ることができる。
【図1】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の一実施
例の異常診断に用いる入出力データの構成を示す説明図
である。
例の異常診断に用いる入出力データの構成を示す説明図
である。
【図2】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の他の実
施例として油入変圧器の異常診断におけるデータの学習
方法を示す説明図である。
施例として油入変圧器の異常診断におけるデータの学習
方法を示す説明図である。
【図3】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に他
の実施例としてパーフロロカーボン液を絶縁媒体とした
静止誘導電器の入力データの構成を示す説明図である。
の実施例としてパーフロロカーボン液を絶縁媒体とした
静止誘導電器の入力データの構成を示す説明図である。
【図4】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に他
の実施例としてSF6ガスを絶縁媒体とした静止誘導電
器の入力データの構成を示す説明図である。
の実施例としてSF6ガスを絶縁媒体とした静止誘導電
器の入力データの構成を示す説明図である。
【図5】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に他
の実施例として出力層の教師データとなる異常現象の分
類を示す説明図である。
の実施例として出力層の教師データとなる異常現象の分
類を示す説明図である。
【図6】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に他
の実施例として出力層の教師データとなる局部過熱異常
の温度の分類を示す説明図である。
の実施例として出力層の教師データとなる局部過熱異常
の温度の分類を示す説明図である。
【図7】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に他
の実施例として出力層の教師データとなるアーク放電異
常のアークエネルギーの分類を示す説明図である。
の実施例として出力層の教師データとなるアーク放電異
常のアークエネルギーの分類を示す説明図である。
【図8】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に他
の実施例として出力層の教師データとなる部分放電異常
の部分放電エネルギーの分類を示す説明図である。
の実施例として出力層の教師データとなる部分放電異常
の部分放電エネルギーの分類を示す説明図である。
【図9】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に他
の実施例として出力層の教師データとなる静止誘導電器
の構成材料の分類を示す説明図である。
の実施例として出力層の教師データとなる静止誘導電器
の構成材料の分類を示す説明図である。
【図10】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に
他の実施例として出力層の教師データとなる油入変圧器
の異常部位の分類を示す説明図である。
他の実施例として出力層の教師データとなる油入変圧器
の異常部位の分類を示す説明図である。
【図11】本発明の静止誘導電器の異常診断方法の更に
他の実施例として異常診断の自動化のための装置の構成
を示す説明図である。
他の実施例として異常診断の自動化のための装置の構成
を示す説明図である。
1…第1の通信回線、2…第2の通信回線、3…第3の
通信回線、4…第4の通信回線、5…第5の通信回線。
通信回線、4…第4の通信回線、5…第5の通信回線。
フロントページの続き (72)発明者 平石 清登 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 吉岡 芳夫 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内
Claims (15)
- 【請求項1】 静止誘導電器の絶縁媒体をガス分析し、
分解生成物の種類と生成量と生成比の変化から内部異常
を診断する静止誘導電器の異常診断方法において、ニュ
ーラルネットワークを使用し、局部過熱、局部過熱時の
温度、部分放電、部分放電時のエネルギー、アーク放
電、アーク放電時のエネルギー、適用部位、材料の種類
による異常状態ついて学習させ、この学習結果に基づい
た出力結果から異常診断を行うようにしたことを特徴と
する静止誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項2】 前記ニューラルネットワークが、複数の
分解生成物の生成量を入力層の入力データとし、これに
対応する異常現象の種別を出力層の教師データとして学
習し、異常種別を判定するようにされたものである請求
項1記載の静止誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項3】 前記入力データが、少なくとも鉱油中に
溶存、析出した分解生成物の生成量である請求項2記載
の静止誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項4】 前記入力データが、少なくともパーフロ
ロカーボン液中に溶存、析出した分解生成物の生成量で
ある請求項2記載の静止誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項5】 前記入力データが、少なくとも六弗化硫
黄ガス中に生成した分解生成物の生成量である請求項2
記載の静止誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項6】 前記入力データが、鉱油中に溶存した分
解生成ガスのうち少なくともCO、CO2、H2、C
H4、C2H2、C2H4、C2H6、C3H6、C3H8のガス
生成比と固体析出物の生成量である請求項2記載の静止
誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項7】 前記入力データが、パーフロロカーボン
液中に溶存した分解生成ガスのうち少なくともC2F4、
C2F6、C3F6、C3F8、HFのガス生成比と固体析出
物の生成量である請求項2記載の静止誘導電器の異常診
断方法。 - 【請求項8】 前記入力データが、六弗化硫黄ガス中に
生成した分解生成ガスのうち少なくともCO2、CO、
CH4、CF4、SO2、SF4、SO2F4のガス生成比と
固体析出物の生成量である請求項2記載の静止誘導電器
の異常診断方法。 - 【請求項9】 前記出力層の教師データが、局部過熱異
常、アーク放電異常、部分放電異常および異常なしであ
る請求項2記載の静止誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項10】 前記出力層の教師データが、複数段階
の局部過熱温度である請求項2記載の静止誘導電器の異
常診断方法。 - 【請求項11】 前記出力層の教師データが、複数段階
のアークエネルギーである請求項1記載の静止誘導電器
の異常診断方法。 - 【請求項12】 前記出力層の教師データが、複数段階
の部分放電エネルギーである請求項2記載の静止誘導電
器の異常診断方法。 - 【請求項13】 前記出力層の教師データが、採取した
絶縁媒体中に含まれる複数の構成材料である請求項2記
載の静止誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項14】 前記出力層の教師データが、採取した
絶縁媒体中の複数の構成材料の適用部位である請求項2
記載の静止誘導電器の異常診断方法。 - 【請求項15】 前記静止誘導電器に取付けたガス分析
装置とニューラルネットワークコンピュータと出力表示
装置とを信号系統で接続して内部異常を診断するように
されたものである請求項2記載の静止誘導電器の異常診
断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4225766A JPH0682405A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 静止誘導電器の異常診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4225766A JPH0682405A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 静止誘導電器の異常診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0682405A true JPH0682405A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=16834474
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4225766A Pending JPH0682405A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 静止誘導電器の異常診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0682405A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003207440A (ja) * | 2002-01-11 | 2003-07-25 | Chubu Electric Power Co Inc | 電気絶縁紙の劣化度測定方法 |
JP2006229148A (ja) * | 2005-02-21 | 2006-08-31 | Tottori Univ | 油入変圧器の劣化診断法 |
JP2011514968A (ja) * | 2008-03-10 | 2011-05-12 | エアセンス アナリティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 飛行機の内部空間におけるガスの検出及び同定のための、方法及び装置 |
CN106501435A (zh) * | 2016-11-01 | 2017-03-15 | 国网山西省电力公司电力科学研究院 | 一种变压器油色谱总线型初值分析系统 |
CN112834040A (zh) * | 2020-12-24 | 2021-05-25 | 合肥冬行信息科技有限公司 | 基于静止卫星的地面热异常识别算法 |
-
1992
- 1992-08-25 JP JP4225766A patent/JPH0682405A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003207440A (ja) * | 2002-01-11 | 2003-07-25 | Chubu Electric Power Co Inc | 電気絶縁紙の劣化度測定方法 |
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JP2011514968A (ja) * | 2008-03-10 | 2011-05-12 | エアセンス アナリティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 飛行機の内部空間におけるガスの検出及び同定のための、方法及び装置 |
US9020764B2 (en) | 2008-03-10 | 2015-04-28 | Airsense Analytics Gmbh | Method and device for the detection and identification of gases in airplane interior spaces |
CN106501435A (zh) * | 2016-11-01 | 2017-03-15 | 国网山西省电力公司电力科学研究院 | 一种变压器油色谱总线型初值分析系统 |
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