JPH0682122B2 - 煙の濃度測定方法及び測定装置 - Google Patents

煙の濃度測定方法及び測定装置

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JPH0682122B2
JPH0682122B2 JP63248439A JP24843988A JPH0682122B2 JP H0682122 B2 JPH0682122 B2 JP H0682122B2 JP 63248439 A JP63248439 A JP 63248439A JP 24843988 A JP24843988 A JP 24843988A JP H0682122 B2 JPH0682122 B2 JP H0682122B2
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敬三 斉藤
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は光透過方式を用いた煙の測定方法及び装置に
関するものである。
このような煙の測定技術はディーゼルエンジン、ガスタ
ービン等の各種排気煙の測定、濃度規制、低減化研究等
の用に供することができる。
[従来の技術] 近年、環境汚染が大きな社会問題となっており、ディー
ゼルエンジン、ガスタービン或いはスターリングエンジ
ン等の各種排気煙は、その排出条件を調節することによ
り、その微粒状成分物質の濃度や含有比をコントロール
する必要がある。
煙濃度を測定するための一技術としては、従来から光透
過式煙測定装置(スモークメータ)がある。
この従来の光透過式煙測定装置は試料煙の通路をはさん
で一対の光源と受光装置を備え、光源から受光素子に至
る光路を試料煙の通路と交差させ、光路中の煙濃度を透
過光の減衰から測定するものである。
この装置は実時間で連続的に煙濃度を測定可能な長所を
もつ。
[発明が解決しようとする課題] しかし、排気煙中の微粒状物質は、固体状のドライスー
ト(dry soot)成分と液体状のソフ(sof,有機可溶)成
分とからなっており、ドライスート成分は主にカーボン
であって黒色、ソフ成分は未燃焼の燃料や潤滑油であっ
て白っぽく半透明である。
このため透過光の減衰はドライスート成分の濃度とソフ
成分の濃度の含有比に大きく左右され、例えば、ドライ
スート成分が少なく従って透過光の減衰が少ない場合で
も、ソフ成分は多いという場合があり、正しい判断や調
節のためには、ドライスート成分とソフ成分を分離して
測定する必要がある。
この発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものであっ
て、煙のドライスート成分とソフ成分との濃度を別々
に、実時間で、連続的に測定し得る煙の濃度測定方法及
び装置を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] この目的に対応して、第1の発明の煙の濃度測定方法
は、T1を試料煙中のソフ成分の沸点としT2を酸化触媒が
作用した場合の前記試料煙中のドライスート成分の発火
点とするとき、前記試料煙の導入流路上の同一点で前記
試料煙を2分し、一方の試料煙をT1以上でT2より低い温
度に加熱しかつ酸化触媒を作用させることにより前記試
料煙中のソフ成分粒子を蒸発若しくは燃焼させたソフ成
分粒子処理煙を透過光減衰式煙濃度計で測定して前記試
料煙中のドライスート成分濃度を求め、かつその結果
と、他方の試料煙の濃度を透過光減衰式煙濃度計で直接
測定した結果とを比較することにより前記試料煙のソフ
成分濃度を求めることを特徴とし、また第2の発明の煙
の濃度測定装置は、試料煙を一方の試料煙と他方の試料
煙とに2分する分岐路と、一方の分岐路に沿って設けら
れている透過光減衰式煙濃度計と、前記透過光減衰式煙
濃度計への試料煙の導入流路に配設されたヒータと酸化
触媒とを備え、前記ヒータは前記導入流路内の温度を前
記試料煙中のソフ成分の沸点T1以上でかつ前記試料煙中
のドライスート成分の前記酸化触媒が作用した場合の発
火点T2より低い温度に上昇させ得ることを特徴としてい
る。
[作用] まず、第1及び第3の発明の作用を説明する。
試料煙は、温度T1(ソフ成分の沸点)以上で温度T2(ド
ライスート成分の酸化触媒が作用した場合の発火点)よ
り低い温度に加熱され、その中のソフ成分粒子がその表
面から蒸発してゆき蒸発し尽くされず当初より小さい粒
子となって残ったものは酸化触媒に接触して燃焼して、
ソフ成分粒子処理煙となる。しかし、試料煙中のドライ
スート成分は未燃焼のままソフ成分粒子処理煙中に残る
点が重要である。
次にこのソフ成分粒子処理煙を透過光減衰式煙濃度計で
測定すると、蒸発若しくは燃焼したソフ成分は透過光の
減衰にほとんど影響しないから、測定した結果はソフ成
分粒子処理煙中のドライスート成分の濃度であり、かつ
もとの試料煙中のドライスート成分の濃度であるから、
ここに試料煙中のドライスート成分濃度X1が求められた
ことになる。
また第2の発明によれば試料煙は2分され一方の試料煙
から上記第1の発明によりドライスート成分濃度X1が求
められ、他方の試料煙からドライスート成分とソフ成分
とによる透過光の減衰に対応する煙総量濃度(ドライス
ート+ソフ)X2が求められるから、差X2−X1に相当する
ソフ成分濃度を求めれば試料煙中のソフ成分濃度Y1が求
められる。
[実施例] 以下この発明の詳細を一実施例を示す図面について説明
する。
まず第1の発明の煙の濃度測定方法を第1図について説
明する。
第1の発明の煙の濃度測定方法は、ソフ成分粒子17とド
ライスート成分粒子18とを含む試料煙3aを、温度T1以上
で温度T2より低い温度に加熱しかつ酸化触媒10を作用さ
せて試料煙3a中のソフ成分粒子17を蒸発若しくは燃焼さ
せてソフ成分粒子処理煙3dとし、次のこのソフ成分粒子
処理煙3dを透過光減衰式煙濃度計2で測定して演算部15
により試料煙3a中のドライスート成分濃度X1を求めるも
のであり、更に詳細には、第3の発明の煙の濃度測定装
置とともに以下に説明する。
第2図において1は煙の濃度測定装置である。煙の濃度
測定装置1は煙のドライスート成分濃度X1を測定するた
めのものであって、透過光減衰式煙濃度計2と、排気管
4内の煙3の一部である試料煙3aを透過光減衰式煙濃度
計2へ導入する流路5を備える。
透過光減衰式煙濃度計2は、試料煙3aの通路6をはさん
で、一対の光源7と受光装置8を備え光源7から受光装
置8に至る光路11を通路6と交差させ光路11中の煙濃度
を透過光12の減衰から測定するように構成されている。
なお光源7や受光装置を清浄に保つため通路6の両端に
はエアーカーテン9を設けてある。
流路5の途中には蒸発・燃焼室14を設け蒸発・燃焼室14
の中には酸化触媒10が配設されている。酸化触媒10とし
ては例えば白金海綿を用いることができ、白金海綿は20
0℃程度の温度環境下でソフ成分粒子を燃焼可能であ
る。
蒸発・燃焼室14とその前後の流路5の壁の外囲にヒータ
13が配設され、ヒータ13は流路5内の温度を、ソフ成分
の沸点T1(約200〜250℃)以上かつドライスート成分の
酸化触媒10が作用した場合の発火点T2(約350〜450℃)
より低い温度に昇温させ得る。
ヒータ13の外囲は保温材15で被覆され流路5内が保温さ
れる。
以上説明した煙の濃度測定装置1においては、ソフ成分
粒子17の蒸発と燃焼を同一の蒸発・燃焼室14で行うよう
に構成されておりこれは構造が簡単である利点を有する
が、蒸発室と燃焼室を分離して構成してもよい。この場
合、蒸発室を燃焼室よりも流路5の上流側に設けてこの
部分をT1以上T2より低い温度に加熱し、ソフ成分粒子17
のなるべく多くの部分を蒸発により処理するようにし、
蒸発し尽くされず当初より小さい粒子となったソフ成分
粒子を流路5の下流側の燃焼室で燃焼処理するように構
成すれば、試料煙中の酸素が少ない場合でも完全に処理
し易く、またソフ成分の酸化触媒が作用した場合の発火
点は200℃位であるから燃焼室の外囲には新たにヒータ
はを設ける必要がなく保温材で蒸発室からの流路を保温
すればよい。
煙の濃度測定装置1を用いた煙の濃度測定方法は次の通
りである。
すなわち、ヒータ13により流路5内の試料煙3aに加熱し
て試料煙3aをそのソフ成分の沸点T1以上でしかもドライ
スート成分の酸化触媒10が作用した場合の発火点T2より
低い温度に昇温させ、かつ酸化触媒10を作用させること
によりソフ成分粒子17を蒸発若しくは燃焼させると、試
料煙3a中のドライスート成分18が未燃焼のまま残ったソ
フ成分粒子処理煙3dとなる。このソフ成分粒子処理煙3d
を透過光減衰式煙濃度計2で測定することにより、試料
煙3a中のドライスート成分濃度を測定するものである。
このような、煙濃度測定方法を用いれば試料煙中のドラ
イスート成分とソフ成分との濃度を別々に実時間で測定
可能な煙の濃度測定方法を得ることができる。
すなわち、第3図に示すように試料煙3aを2分して試料
煙3b,3cとし、一方の試料煙3bは前述の煙の濃度測定装
置1によりそのドライスート成分の濃度X1を測定し、他
方の試料煙3cは透過光減衰式煙濃度計2で直接測定し
て、ドライスート成分とソフ成分とによる透過光の減衰
に対応する煙総量濃度(ドライスート+ソフ)X2を測定
する。得られたX2とX1との差X2−X1は、試料煙3c中のソ
フ成分によるものであり、透過光減衰式煙濃度計2で
は、このソフ成分がドライスート成分とみなされた値で
ある。従って、透過光減衰式煙濃度計2によって測定し
たとき同じ光透過減衰を示すドライスート成分濃度とソ
フ成分濃度の換算を演算部16で行うことにより、容易に
ソフ成分濃度Y1を求めることができる。
[発明の効果] 以上の説明から明らかな通りこの発明によれば、煙のド
ライスート成分とソフ成分との濃度を別々に、実時間
で、連続的に測定し得る煙の濃度測定方法及び装置を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の発明の煙の濃度測定方法を示す説明図、
第2図は第3の発明の一実施例に係わる煙の濃度測定装
置を示す縦断面説明図、及び第3図は第2の発明を実施
するための煙の濃度測定装置を示す縦断面説明図であ
る。 1…煙の濃度測定装置、 2…透過光減衰式煙濃度計 3…煙、3a,3b,3c…試料煙、 4…排気管、5…流路、6…通路、 7…光源、8…受光装置、10…酸化触媒、 11…光路、12…透過光、13…ヒータ、 14…蒸発・燃焼室、15,16…演算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】T1を試料煙中のソフ成分の沸点としT2を酸
    化触媒が作用した場合の前記試料煙中のドライスート成
    分の発火点とするとき、前記試料煙の導入流路上の同一
    点で前記試料煙を2分し、一方の試料煙をT1以上でT2
    り低い温度に加熱しかつ酸化触媒を作用させることによ
    り前記試料煙中のソフ成分粒子を蒸発若しくは燃焼させ
    たソフ成分粒子処理煙を透過光減衰式煙濃度計で測定し
    て前記試料煙中のドライスート成分濃度を求め、かつそ
    の結果と、他方の試料煙の濃度を透過光減衰式煙濃度計
    で直接測定した結果とを比較することにより前記試料煙
    のソフ成分濃度を求めることを特徴とする煙の濃度測定
    方法
  2. 【請求項2】試料煙を一方の試料煙と他方の試料煙とに
    2分する分岐路と、一方の分岐路に沿って設けられてい
    る透過光減衰式煙濃度計と、前記透過光減衰式煙濃度計
    への試料煙の導入流路に配設されたヒータと酸化触媒と
    を備え、前記ヒータは前記導入流路内の温度を前記試料
    煙中のソフ成分の沸点T1以上でかつ前記試料煙中のドラ
    イスート成分の前記酸化触媒が作用した場合の発火点T2
    より低い温度に上昇させ得ることを特徴とする煙の濃度
    測定装置
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