JPH0681733A - エンジンの油槽式エアクリーナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンの油槽式エアクリーナ内で外気を旋
回させて大質量の塵埃を外側へ押しやるとともに、霧状
のオイルを発生させて小質量の塵埃を捕捉流出させ、エ
アクリーナの濾過効率を向上させる。 【構成】 エアクリーナ１のケース本体２の下部に油槽
３を着脱可能に装着する。そのケース本体２内に下から
順に、外気反転室４・フィルタ室５及び浄気出口室６を
連通状に配設し、ケース本体２の上部の外気吸入口７と
上記外気反転室４とを、上記ケース本体２の中心部を縦
通する外気吸入路８で連通する。 この外気吸入路８内
に外気旋回用案内羽根９を設けるとともに、前記油槽３
の中央部に上向き皿状の外気反転用受皿１０をその外気
吸入路８の出口に臨ませて設ける。この外気反転用受皿
１０の皿底部１１を上記油槽３内のオイルに浸漬させ、
この皿底部１１に上記油槽３内のオイルを上記外気反転
用受皿１０上に補給するオイル補給孔１２を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの油槽式エア
クリーナに関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジンの油槽式エアクリーナは、従来
技術では、例えば図５に示すように、次のように構成さ
れたものがある。すなわち、エンジンの油槽式エアクリ
ーナ１のケース本体２の下部に、油槽３を着脱可能に装
着する。そして、上記ケース本体２内に下から順に、外
気反転室４・フィルタ室５及び浄気出口室６を順次連通
状に配設する。さらに、上記ケース本体２の上部に外気
吸入口７を設け、この外気吸入口７と上記外気反転室４
とを、上記ケース本体２の中心部を縦通する外気吸入路
８で連通して構成したものである。上記油槽式エアクリ
ーナ１のケース本体２内へ吸入される外気は、外気吸入
口７から入り外気反転室４に向かって外気吸入路８を下
向きに吹きおろす。そして、外気反転室４内で油槽３内
のオイルに当って反転して上向きになり、フィルタ室５
内のフィルタ５ｂを通過して浄気出口室６から出て行
く。この外気が油槽３内のオイルの油面に当って反転す
る時、外気中の塵埃のうち大質量のものは慣性のため直
進して油槽３内のオイルに飛び込んで集まるが、小質量
のものは反転した外気とともに上向きになり、フィルタ
室５へ向かう。上記フィルタ室５内のフィルタ５ｂには
オイルを含ませてあり、上記小質量の塵埃はこのフィル
タ５ｂ内のオイルに捕捉される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では次
の問題がある。フィルタ室５内のフィルタ５ｂに含ませ
たオイルは流れ出す事が無く、長時間の運転でそのオイ
ルが乾燥したりフィルタ５ｂが多くの塵埃で詰るなどし
て劣化し、エアクリーナの濾過効率が低下する。このた
め、定期的にフィルタ５ｂを新品と取り替える必要があ
る。本発明は、外気中の大質量の塵埃を旋回する外気に
より遠心力を与えて外側へ押しやるとともに、霧状のオ
イルでフィルタを湿潤させて捕捉した小質量の塵埃を、
そのオイルで流し出して油槽へ集める事によりフィルタ
の劣化を防止し、エアクリーナの濾過効率を向上させる
ことを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
において、上記課題を達成するために、例えば図１乃至
図４に示すように、次の改良構造を追加したものであ
る。 ○第１発明（図１参照） 外気吸入路８内に外気旋回用案内羽根９を設けるととも
に、油槽３の中央部に上向き皿状の外気反転用受皿１０
を上記外気吸入路８の出口に臨ませて設ける。そして、
この外気反転用受皿１０の皿底部１１を上記油槽３内の
オイルに浸漬させ、この皿底部１１に上記油槽３内のオ
イルを上記外気反転用受皿１０上に補給するオイル補給
孔１２を設ける。 ○第２発明（図２参照） 前記第１発明のエンジンの油槽式エアクリーナにおい
て、外気吸入路８の途中部８ａに、外気吸入路８内の旋
回外気を外気吸入路８の外周に吹き出させる複数のオイ
ル排除管１３…を、外気反転室４内でフィルタ室５の直
下に設ける。 ○第３発明（図３参照） 前記第１発明又は第２発明の油槽式エアクリーナにおい
て、外気反転用受皿１０のオイル補給孔１２を、皿底部
１１から導出した湾曲管１４内に形成し、このオイル補
給孔１２の出口を旋回外気と対向する方向に開口させ
る。 ○第４発明（図４参照） 前記第１発明乃至第３発明の油槽式エアクリーナにおい
て、フィルタ室５の室底面５ａをその中央部から周辺部
に向かって下降する傾斜状に形成するとともに、その室
底面５ａから滴下するオイルを前記外気反転用受皿１０
の外側に分離させる滴下オイル分離板１５を、上記室底
面５ａの周辺部の直下に設ける。

【０００５】

【作用】本発明は次のように作用する。 ○第１発明（図１参照） 外気吸入口８から流入した外気は、外気吸入路８内を下
向きに通過する間に外気旋回用案内羽根９により回転力
を与えられ、外気反転室４内へ旋回しながら吹き出す。
そして、外気中の大質量の塵埃はこの旋回する外気によ
り遠心力を与えられて外側へ押しやられるとともに、外
気反転用受皿１０上にあるオイルは上記外気吸入路８か
ら下向きに吹き出す外気により加圧されて受皿１０の縁
から周囲ヘ溢れ出し、共に油槽３のオイル内へ集められ
る。さらに、外気反転用受皿１０上にあるオイルのレベ
ルが周囲の油槽３内のオイルのレベルよりも低くなるた
め、油槽３内にあるオイルは、外気反転用受皿１０の皿
底部１１に設けたオイル補給孔１２から、外気反転用受
皿１０上に噴出する。そして、前記外気吸入路８から下
向きに旋回しながら吹き出す外気と衝突して細粒化し、
霧状となって外気反転用受皿１０で反転した外気により
外気反転室４の上方のフィルタ室５へ運ばれる。この霧
状のオイルはフィルタ室５内のフィルタ５ｂを湿潤させ
ながら次々と補給されるうちに、フィルタ室５内を通過
する外気中の小質量の塵埃を捕捉して外へ流れ出して、
油槽３内へ集められる。 ○第２発明（図２参照） 前記第１発明において、フィルタ室５の直下で外気吸入
路８の外周に設けたオイル排除管１３…から吹き出す外
気の一部は、前記の外気中の塵埃を捕捉してフィルタ５
ｂ外へ流れ出したオイルを、フィルタ室５の直下で壁側
へ吹き流して油槽３内へ滴下させる。 ○第３発明（図３参照） 前記第１発明又は第２発明において、湾曲管１４内に形
成したオイル補給孔１２から外気反転用受皿１０上に旋
回外気に向かって噴出するオイルは、その旋回外気と真
正面に衝突するから細粒化し易く、より細かい霧状とな
ってフィルタ室５へ運ばれる。 ○第４発明（図４参照） 前記第１発明又は第２発明若しくは第３発明において、
前記の外気中の塵埃を捕捉してフィルタ５ｂ外へ流れ出
したオイルは、フィルタ室５の室底面５ａの周辺部に向
かって下降する傾斜に沿って外気反転室４の壁側へ流れ
る。そして、その周辺部の直下に設けた滴下オイル分離
板１５の外側から、外気反転用受皿１０上のオイルに混
入する事なく油槽３内へ滴下する。

【０００６】

【発明の効果】本発明は、上記のように構成され作用す
ることから、次の効果を奏する。 ○第１発明 吸入空気が外気吸入路８を下向きに旋回しながら下降す
るから、外気中の大質量の塵埃はこの旋回する外気によ
り遠心力を与えられて外側へ押しやられる。さらに、こ
の下向きに旋回しながら下降する吸入空気と、オイル補
給孔１２から外気反転用受皿１０上に噴出するオイルと
を衝突させるから、霧状のオイルが発生する。この霧状
のオイルがフィルタ室５内のフィルタ５ｂを湿潤させな
がら次々と補給されるうちに、フィルタ室５内を通過す
る外気中の小質量の塵埃を捕捉して外へ流れ出して、油
槽３内へ集める。 ○第２発明 外気中の塵埃を捕捉してフィルタ５ｂ外へ流れ出したオ
イルを、フィルタ室５の直下でオイル排除管１３…によ
り壁側へ吹き流すから、塵埃を捕捉したオイルは容易に
油槽３内へ滴下する。 ○第３発明 外気反転用受皿１０上で湾曲管１４内に形成したオイル
補給孔１２から旋回外気に向かって噴出するオイルは、
その旋回外気と真正面に衝突するから細粒化し易く、よ
り細かい霧状となってフィルタ室５へ運ばれる。 ○第４発明 外気中の塵埃を捕捉してフィルタ５ｂ外へ流れ出したオ
イルは、フィルタ室５の室底面５ａの周辺部に向かって
下降する傾斜に沿って外気反転室４の壁側へ流れ、その
周辺部の直下に設けた滴下オイル分離板１５の外側か
ら、外気反転用受皿１０上のオイルに混入する事なく油
槽３内へ滴下する。上記のように、外気中の大質量の塵
埃を旋回する外気により遠心力を与えて外側へ押しやる
とともに、濾過室の濾過体を霧状のオイルで湿潤させて
捕捉した小質量の塵埃をそのオイルで流し出す事により
濾過体の劣化を防止し、エアクリーナの濾過効率を向上
させる事ができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面で説明する。 ○第１発明（図１参照） 図１は、エンジンの油槽式エアクリーナの要部断面図で
ある。図において、エンジンの油槽式エアクリーナ１の
ケース本体２の下部に、油槽３を着脱可能に例えばスナ
ップ式の固定手段３ａで装着してある。上記ケース本体
２内に下から順に、外気反転室４・フィルタ室５及び浄
気出口室６を順次連通状に配設してある。このフィルタ
室５には例えばスチールウールなどのフィルタ５ｂを収
容してある。そして、上記ケース本体２の上部に外気吸
入口７を設け、この外気吸入口７と上記外気反転室４と
を、上記ケース本体２の中心部を縦通する外気吸入路８
で連通して構成してある。さらに、前記外気吸入路８内
に外気旋回用案内羽根９を設けるとともに、前記油槽３
の中央部に上向き皿状の外気反転用受皿１０を上記外気
吸入路８の出口に臨ませて設けてある。そして、この外
気反転用受皿１０の皿底部１１を上記油槽３内のオイル
に浸漬させ、この皿底部１１に上記油槽３内のオイルを
上記外気反転用受皿１０上に補給するオイル補給孔１２
を設けてある。

【０００８】○第２発明（図２参照） 図２は図１に相当する図である。前記第１発明のエンジ
ンの油槽式エアクリーナ１において、外気吸入路８の途
中部８ａに、外気吸入路８内の旋回外気を外気吸入路８
の外周に吹き出させる複数のオイル排除管１３…を、外
気反転室４内でフィルタ室５の直下に設けてある。

【０００９】○第３発明（図３参照） 図３は図１に相当する図である。前記第１発明又は第２
発明の油槽式エアクリーナ１において、外気反転用受皿
１０のオイル補給孔１２を、皿底部１１から導出した湾
曲管１４内に形成し、このオイル補給孔１２の出口を旋
回外気と対向する方向に開口させてある。

【００１０】○第４発明（図４参照） 図４は図１に相当する図である。前記第１発明乃至第３
発明の油槽式エアクリーナ１において、フィルタ室５の
室底面５ａをその中央部から周辺部に向かって下降する
傾斜状に形成するとともに、その室底面５ａから滴下す
るオイルを前記外気反転用受皿１０の外側に分離する滴
下オイル分離板１５を、上記室底面５ａの周辺部の直下
に設けてある。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１発明実施例を示し、エンジンの油槽式エア
クリーナの要部断面図である。

【図２】第２発明実施例を示し、図１に相当する図であ
る。

【図３】第３発明実施例を示し、図１に相当する図であ
る。

【図４】第４発明実施例を示し、図１に相当する図であ
る。

【図５】従来例を示し、図１に相当する図である。

【符号の説明】

１…油槽式エアクリーナ、２…ケース本体、３…油槽、
４…外気反転室、５…フィルタ室、５ａ…室底面、６…
浄気出口室、７…外気吸入口、８…外気吸入路、８ａ…
途中部、９…外気旋回用案内羽根、１０…外気反転用受
皿、１１…皿底部、１２…オイル補給孔、１３…オイル
排除管、１４…湾曲管、１５…滴下オイル分離板。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジンの油槽式エアクリーナ(１)のケ
   ース本体(２)の下部に油槽(３)を着脱可能に装着し、 上記ケース本体(２)内に下から順に、外気反転室(４)・
   フィルタ室(５)及び浄気出口室(６)を順次連通状に配設
   し、 上記ケース本体(２)の上部に外気吸入口(７)を設け、こ
   の外気吸入口(７)と上記外気反転室(４)とを、上記ケー
   ス本体(２)の中心部を縦通する外気吸入路(８)で連通し
   て構成したエンジンの油槽式エアクリーナにおいて、 前記外気吸入路(８)内に外気旋回用案内羽根(９)を設け
   るとともに、前記油槽(３)の中央部に上向き皿状の外気
   反転用受皿(１０)を上記外気吸入路(８)の出口に臨ませ
   て設け、 この外気反転用受皿(１０)の皿底部(１１)を上記油槽
   (３)内のオイルに浸漬させ、 この皿底部(１１)に上記油槽(３)内のオイルを上記外気
   反転用受皿(１０)上に補給するオイル補給孔(１２)を設
   けたことを特徴とするエンジンの油槽式エアクリーナ。
2. 【請求項２】 外気吸入路(８)の途中部(８ａ)に、外気
   吸入路(８)内の旋回外気を外気吸入路(８)の外周に吹き
   出させる複数のオイル排除管(１３…)を、外気反転室
   (４)内でフィルタ室(５)の直下に設けたことを特徴とす
   る請求項１に記載のエンジンの油槽式エアクリーナ。
3. 【請求項３】 外気反転用受皿(１０)のオイル補給孔
   (１２)を、皿底部(１１)から導出した湾曲管(１４)内に
   形成し、このオイル補給孔(１２)の出口を旋回外気と対
   向する方向に開口させたことを特徴とする請求項１又は
   請求項２に記載のエンジンの油槽式エアクリーナ。
4. 【請求項４】 フィルタ室(５)の室底面(５ａ)をその中
   央部から周辺部に向かって下降する傾斜状に形成すると
   ともに、その室底面(５ａ)から滴下するオイルを前記外
   気反転用受皿(１０)の外側に分離させる滴下オイル分離
   板(１５)を、上記室底面(５ａ)の周辺部の直下に設けた
   ことを特徴とする請求項１乃至請求項３に記載のエンジ
   ンの油槽式エアクリーナ。