JPH068025Y2 - 把手付き樽形合成樹脂製容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は近時ビール容器として用いられている把手付きの
樽形合成樹脂製容器に係る。

「従来の技術」 容器本体上部に嵌合部材を嵌着させて全体形状を樽形と
なし、その嵌合部材を利用して把手を装着することが行
われている。

例えば実開昭58−180129号の容器は、その嵌合部材後面
下部にＵ字状板を付設することで上下両面開口の透孔を
形成し、又弯曲板前面中間から前方へ張出し板を突出し
てその前端から上記透孔内へ抜出し不能に嵌合させた返
し付きの逆Ｕ字状係止板を垂下し、かつ弯曲板上端から
係合板を垂下してその係合板と弯曲板の上端部とで上記
嵌合部材の後方上端部を挟持させた把手を設けている。

「考案が解決しようとする課題」 上記の従来の容器は、樽状容器体に対する把手の装着が
容易で、かつ把手構造も簡易とすることが出来る利点が
あるが、容器体に対する把手の連結を、主として嵌合部
材後面に付設して透孔を形成するＵ字状板と、把手の弯
曲板中間部から前方突出する張出し板の前端から、上記
透孔内へ嵌合させて逆Ｕ字状に垂下し、その下端外面に
透孔下端外縁に係合する返しを付設した係止板とで行う
ため、容器体の容量が大となり、収納液体により重量が
増すとその連結が不安定となり易い欠点があった。

本案はその連結部の構造を確実かつ簡易とし、又容器体
に対する把手の装着も極めて容易に行えるよう設けたも
のである。

「課題を解決するための手段」 胴部２上端から肩部を介して口頸部を起立させた合成樹
脂製容器本体１と、該容器本体の上部へ周壁４下部を嵌
着させると共に、該周壁の任意に定めた後部外面に上下
両端面開口の筒部５を縦設させ、かつ該筒部の後壁６に
は該後壁上部に非穿設板部７を残して後壁下端から上方
へ切欠き溝部８を穿設させた嵌合部材３と、上記筒部５
へ装着させた取付け部の上部後面から後方張出し部を介
して握持部14を垂下する合成樹脂製の把手９とからな
り、上記取付け部は、上記後方張出し部を上端部に有し
て筒部５の後壁６後面へ当接させた前板部10の左右方向
中間から、切欠き溝部８内を通って前方突出する連結板
部11前面に係合板部12を付設して、該係合板部の左右両
側部12a,12aと前板部10の左右両側部とで切欠き溝部８
両側の後壁左右両側板部6a,6aを、又上記係合板部12を
弾性弯曲可能に上方延長して該延長部の上端後面に付設
した突条13と上記連結板部11の上端面とで上記非穿設板
部７を、それぞれ挟持させて形成した。

「作用」 把手９の装着は、第１図が示すように容器本体１上部へ
嵌着させた嵌合部材３の筒部５下方に把手９の取付け部
を位置させ、係合板部12の上方延長部をその弾性に抗し
て筒孔５ａ内へ、かつ連結板部11を切欠き溝部８内へ、
それぞれ嵌合させ、又前板部10を筒部５の後壁６後面へ
当てて、そのまま把手９を筒部５に対して押上げる。連
結板部11上端が非穿設板部７下面へ接したとき、係合板
部12の上方延長部の上端後面に付設した突条13は弾性復
元により非穿設板部７の上端面へ係合して、それ等連結
板部11上端と係合板部12上端の突条13とが非穿設板部７
を挟持することとなり、又切欠き溝部８両側に位置する
後壁６の左右両側板部６ａ，６ａを、係合板部12の左右
両側部12a,12aと前板部10の左右両側部とが挟持するこ
ととなるため、把手の取付け部を嵌合部材の筒部５へ確
実に装着させることが出来る。

「実施例」 本案容器は、合成樹脂製容器本体と、合成樹脂製嵌合部
材と、合成樹脂製把手とからなる。

合成樹脂製容器本体１は、胴部２上端から肩部を介して
口頸部を起立させたものである。該容器本体は飽和ポリ
エステル樹脂製の二軸延伸壜で形成している。

合成樹脂製嵌合部材３は、上記胴部の上部へ周壁４下部
を嵌着させると共に、該周壁の任意に定めた後部外面に
上下両端面開口の筒部５を縦設させ、かつ該筒部の後壁
６には該後壁上部に非穿設板部７を残して後壁下端から
上方へ切欠き溝部８を穿設させて形成させている。

嵌合部材３の周壁上端からは下内方へ内向きフランジ状
壁４ａが垂下させてあり、そのフランジ状孔に容器本体
口頸部を貫通させて、フランジ状孔周縁を口頸部に係合
させている。口頸部にはキャップ16を嵌合させている。
筒部５を設けた周壁部分と対向する周壁前部上縁には液
体注出用切欠き部４ｂが形成させてある。

合成樹脂製把手９は、上記筒部５へ装着させる取付け部
の上部後面から後方張出し部を介して握持部14を垂下す
るもので、上記取付け部は、上記筒部５の後壁６後面へ
当接させる前板部10の左右方向中間から、切欠き溝部８
内を通って前方突出させる連結板部11前面に、第３図が
示すように係合板部12を付設したもので、その係合板部
の左右両側12a,12aと上記前板部10の左右両側部とで、
切欠き溝部８両側に位置する後壁６の左右両側板部６
ａ，６ａを挟持可能とする。又係合板部12は前板部10上
端よりも上方まで弾性弯曲可能に延長形成してその上端
後縁に突条13を付設する。該突条は第２図が示すように
連結板部11上面を切欠き溝部８上端まで押上げたとき、
その突条13が非穿設板部７上面へ係合するよう設ける。

把手９の前板部10左右両側縁からは、筒部５の左右両側
壁外面に係合させた側板15,15を前方へ突出させてい
る。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、容器本体１上部へ嵌着さ
せた嵌合部材３の周壁４後部に上下両端面開口の筒部５
を縦設し、かつその筒部の後壁６に、上部に非穿設板部
７を残して下端から上部まで切欠き溝部８を穿設してお
き、又把手９は、上記筒部５の後壁６後面へ当接させた
前板部10の左右方向中間から、切欠き溝部８内を通って
前方突出する連結板部11前面に係合板部12を付設して、
該係合板部の左右両側部12a,12aと前板部10の左右両側
部とで、上記切欠き溝部８両側の後壁左右両側板部６
ａ，６ａを挟持させ、かつ上記係合板部12を弾性弯曲可
能に上方延長して、該延長部の上端後縁に付設した突条
13と上記連結板部11上端とで非穿設板部７を挟持させ
て、上記筒部５への取付け部となし、上記前板部10の上
端部から後方張出し部を介し、握持部14を垂下して形成
したから、筒部５に対する把手の連結を確実とすること
が出来、又その装着も係合板部12の上方延長部を弾性弯
曲させて筒孔５ａ内へ下方から嵌合させ、又連結板部11
を切欠き溝部８内へ嵌合させてそのまま把手９を筒部５
上方へ押上げるだけで行えることとなり、よって極めて
容易かつ迅速に行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案容器の分解斜視図、第２図はその容器の斜
視図、第３図はその要部拡大断面図である。 １…容器本体、３…嵌合部材 ９…把手

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】胴部２上端から肩部を介して口頸部を起立
   させた合成樹脂製容器本体１と、該容器本体の上部へ周
   壁４下部を嵌着させると共に、該周壁の任意に定めた後
   部外面に上下両端面開口の筒部５を縦設させ、かつ該筒
   部の後壁６には該後壁上部に非穿設板部７を残して後壁
   下端から上方へ切欠き溝部８を穿設させた嵌合部材３
   と、上記筒部５へ装着させた取付け部の上部後面から後
   方張出し部を介して握持部14を垂下する合成樹脂製の把
   手９とからなり、上記取付け部は、上記後方張出し部を
   上端部に有して筒部５の後壁６後面へ当接させた前板部
   10の左右方向中間から、切欠き溝部８内を通って前方突
   出する連結板部11前面に係合板部12を付設して、該係合
   板部の左右両側部12a,12aと前板部10の左右両側部とで
   切欠き溝部８両側の後壁左右両側板部6a,6aを、又上記
   係合板部12を弾性弯曲可能に上方延長して該延長部の上
   端後面に付設した突条13と上記連結板部11の上端面とで
   上記非穿設板部７を、それぞれ挟持させて形成したこと
   を特徴とする把手付き樽形合成樹脂製容器。