JPH0680247A - 自動販売機の商品送出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 付勢バネ等を用いること無く、ストッパーに
よる最下位商品、或いは次販商品の係止保持を確実に達
成することができる自動販売機の商品送出装置を提供す
る。 【構成】 商品送出装置６の制御装置１２は上下移動自
在に設けられて連結部１５が回動自在に連結されたピス
トン２７と、電磁ソレノイド１７によって回転駆動され
るクランク２５と、クランク２５とピストン２７とを連
結してクランク２５の回転運動をピストン２７の上下往
復運動に変換する連接棒２８とを具備する。ピストン２
７の上下往復運動の下死点においてストッパー１１の下
係止部１３は最下位の商品を係止保持すると共に、上死
点において上係止部１４は次販商品を係止保持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、缶飲料等の商品を販売
する自動販売機の商品送出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりこの種自動販売機、特に缶飲料
等の商品を販売するものにおいては、例えば特開昭６４
−７６１９３号公報（Ｇ０７Ｆ１１／２４）に示される
ように、商品を一列に収納して商品取出口に通じるよう
に延在した商品通路の出口部に商品送出装置を設け、販
売指令に基づいて最下位の商品を一個つづ下方の商品取
出口に送出するように構成されている。

【０００３】従来の商品送出装置は、それぞれ先端が商
品通路内に出没可能なように取り付けられた主ストッパ
ー、及びこの主ストッパーの上に設けられた補助ストッ
パーと、主ストッパーを商品通路へ向けて突出するよう
に常時付勢する付勢バネと、両ストッパーを交互に商品
通路内に突出した位置に係止させる制御部材と、制御部
材を駆動する電磁ソレノイドとから構成されていた。そ
して、待機状態では付勢バネにより主ストッパーを商品
通路内に突出させて商品通路内の最下位商品を係止保持
し、販売時には付勢バネの弾性力に抗して電磁ソレノイ
ドのプランジャーを吸引し、制御部材により主ストッパ
ーを商品通路より退避させて最下位商品を送出し、代わ
りに補助ストッパーを商品通路内に突出させて次販商品
を係止保持するように動作する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、係る従
来の商品送出装置によると、主ストッパーを退避させて
最下位の商品を送出する際、電磁ソレノイドは付勢バネ
の弾性力に抗してプランジャー吸引しなければならず、
主ストッパーの退避動作が緩慢となって商品の送出が遅
れるようになると共に、電磁ソレノイドとしても吸引力
の大きなものを用いなければならなくなる問題があっ
た。

【０００５】また、付勢バネは補助ストッパーを退避さ
せる方向に弾性力を及ぼすので、次販商品を係止するた
めに格別なロック機構によって補助ストッパーが退避し
ないように保持して置く必要があった。本発明は係る従
来の技術的課題を解決するために成されたものであり、
付勢バネ等を用いること無く、ストッパーによる最下位
商品、或いは次販商品の係止保持を確実に達成すること
ができる自動販売機の商品送出装置を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の自動販売機の商
品送出装置６は、下係止部１３と上係止部１４とそれら
の中間部より延在する連結部１５とから成り、中間部を
回動自在に枢支されて上下係止部１３、１４を商品通路
２内へ出没自在に設けられたストッパー１１と、上下係
止部１３、１４を交互に商品通路２内へ出没制御する制
御装置１２とを備えており、制御装置１２は、上下移動
自在に設けられ、連結部１５が回動自在に連結されたピ
ストン２７と、駆動装置（電磁ソレノイド）１７によっ
て回転駆動されるクランク２５と、このクランク２５と
ピストン２７とを連結してクランク２５の回転運動をピ
ストン２７の上下往復運動に変換する連接棒２８とを具
備し、ピストン２７の上下往復運動の下死点において下
係止部１３は最下位の商品を係止保持すると共に、上死
点において上係止部１４は次販商品を係止保持するよう
構成されているものである。

【０００７】

【作用】本発明の自動販売機の商品送出装置によれば、
制御装置１２を構成するピストン２７の上下往復運動の
下死点においてストッパー１１の下係止部１３が最下位
の商品を係止保持するので、商品の重量により下係止部
１３が下方に押されてもピストン２７は移動不能であ
り、その状態で待機状態を安定的に維持することができ
る。また、上死点において上係止部１４が次販商品を係
止保持するので、この状態で同様にピストン２７は移動
不能であり、次販商品の落下を確実に防止することがで
きる。従って、以上の一連の動作において従来の如きス
トッパー１１の状態維持のための付勢バネ等は不要とな
る。

【０００８】

【実施例】次に、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は本発明の自動販売機１の商品送出装置６の
側面図、図２は自動販売機１の縦断側面図である。図２
において、自動販売機１の庫内には屈曲しながら上下に
延在し、円筒状の商品Ｇを一列に収納する商品通路２を
有したサーペンタイン式の商品収納棚３が設けられてお
り、前面には開閉可能な扉４が設けられている。扉４に
は図示しない貨幣投入口及び商品選択スイッチが設けら
れると共に、その下部には商品取出口５が設けられてい
る。また、商品通路２の下端の出口部７にはケース内に
格納された本発明の商品送出装置６が取り付けられると
共に、更に出口部７の下方には商品取出口５に向けて低
く傾斜したシュート８が取り付けられている。

【０００９】図１において商品送出装置６（図１では前
記ケースは削除されている）は、水平方向の回転軸１０
によって鉛直方向に回動自在に枢支されたストッパー１
１と、制御装置１２とから構成されている。ストッパー
１１は長尺の下係止部１３と、この下係止部１３の上方
に位置する上係止部１４とを有しており、前記回転軸１
０は上下係止部１３、１４の中間部に位置すると共に、
上下係止部１３、１４は回転軸１０を中心として鈍角を
構成する。上下係止部１３、１４は回転軸１０から商品
通路２側に位置しており、更にストッパー１１にはその
回転軸１０部分から商品通路２とは反対方向に延在する
連結部１５が形成されている。

【００１０】制御装置１２はプランジャー１６を有した
電磁ソレノイド１７と、プランジャー１６の下端に接続
され、上下方向の通路１８内に上下移動自在に挿通され
た上下棒１９と、この上下棒１９に鉛直方向に回動自在
取り付けられた作用杆２１と、この作用杆２１の先端部
上方に設けられた第１の歯車２２と、この第１の歯車２
２と同軸的に回転する第２の歯車２３と、この第２の歯
車２３に噛み合う第３の歯車２４と、この第３の歯車２
４と同軸的に回転するクランク２５と、これも上下方向
の通路２６内に上下移動自在に挿通されたピストン２７
と、このピストン２７と前記クランク２５とを連結する
連接棒２８とから構成される。

【００１１】前記上下棒１９には底辺を水平としてやじ
り状に切り欠かれた切欠２９が形成され、この切欠２９
内に位置して前記作用杆２１は取り付けられている。そ
して、作用杆２９はコイルバネ３１によって常時前記底
辺に押し付ける方向の力を受けている。前記第１の歯車
２２は等間隔の角度で形成された４個の歯を具備してお
り、作用杆２１が上昇するとこの第１の歯車２２の一つ
の歯を下から上に押し上げる位置関係とされている。ま
た、第１及び第２の歯車２２、２３の共通の回転軸には
クラッチ３２が取り付けられており、それによって第１
及び第２の歯車２２、２３は図１中反時計回りには回転
可能であるが、時計回りには回転できないように構成さ
れている。

【００１２】第３の歯車２４は第２の歯車２３の図１中
反時計回りの回転に伴い図１中時計回りに回転し、クラ
ンク２５及び連接棒２８はこの第３の歯車２４の回転運
動をピストン２７の上下往復運動に変換する。また、前
記ストッパー１１の連結部１５は前記ピストン２７に左
右移動及び回動自在に連結されており、ピストン２７の
上下往復運動によってストッパー１１が回転されるよう
に構成されている。ストッパー１１が回転されることに
よって上下係止部１３、１４は商品通路２内に交互に出
没され、下係止部１３が商品通路２内に突出した状態で
は商品通路２内の最下端の商品Ｇ１を落下不能に係止保
持し、上係止部１４が商品通路２内に突出した状態では
商品通路２内の次販商品Ｇ２を落下不能に係止保持す
る。

【００１３】以上の構成で本発明の商品送出装置６の動
作を説明する。図１の如くストッパー１１の下係止部１
３が商品通路２内に突出した待機状態では、下係止部１
３は前述の如く最下端の商品Ｇ１を係止保持している。
このとき、ピストン２７はその上下往復運動の下死点に
位置しており、クランク２５はその回転軸より鉛直に垂
れ下がっている。従って、商品Ｇの重量によってストッ
パー１１の下係止部１３が下方に押しさげられる作用力
を受けても、ピストン２７は移動不能であるので、スト
ッパー１１が回転することはなく、それによってストッ
パー１１は下係止部１３により安定的に商品Ｇを係止保
持することができる。また、このとき上下棒１９は下方
に落下しており、作用杆２１は第１の歯車２２の下方に
位置している。

【００１４】この状態で顧客により貨幣が投入されて商
品Ｇが選択されると、図示しない制御回路に販売信号が
入力され、制御回路は電磁ソレノイド１７に通電し、プ
ランジャー１６を吸引して上下棒１９を図３中矢印の如
く引き上げる。この上下棒１９の上昇により作用杆２１
も上昇し、第１の歯車２２の歯に当接して第１及び第２
の歯車２２、２３を図３中反時計回りに１／４回転だけ
回転させる。この第２の歯車の２３の回転により第３の
歯車２４は図３中時計回りに１／２回転だけ回転する。
それによってクランク２５はその回転軸より垂直に起立
した状態となり、ピストン２７はその上下往復運動の上
死点の位置まで持ち上げられる。

【００１５】係るピストン２７の上昇によってストッパ
ー１１は図３中反時計回りに回転され、下係止部１３は
鉛直方向に垂下して商品通路２より退避し、それによっ
て最下端の商品Ｇ１は商品通路２の出口部７よりシュー
ト８上に落下して商品取出口５に排出される。一方、上
係止部１４は商品通路２内に突出し、次販商品Ｇ２の側
面下部に当接して係止保持するが、このときピストン２
７はその上下往復運動の上死点に位置しているので、商
品Ｇ２の重量によってストッパー１１の上係止部１４が
上方に押し上げられる作用力を受けても、ピストン２７
は移動不能であり、従って、ストッパー１１が回転する
ことはなく、ストッパー１１は上係止部１４により安定
的に次販商品Ｇ２を係止保持することができる。それに
よって、１回の送出によって多数の商品Ｇが排出されて
しまう事故を確実に防止することができる。

【００１６】また、以上の送出動作中電磁ソレノイド１
７の吸引動作に対抗する作用力を及ぼす付勢バネ等は存
在しないので、ストッパー１１は迅速に動作することが
できると共に、電磁ソレノイド１７として吸引力の大き
いものを使用する必要もなくなる。更に、ピストン２７
をその上下往復運動における上下死点に位置させること
により、ストッパー１１の上下係止部１３、１４による
商品通路２内の最下端の商品Ｇ１、或いは次販商品Ｇ２
の係止保持状態の維持を達成しているので、ストッパー
１１の回動を阻止する格別なロック機構も不要となる。

【００１７】ここで、前記制御回路は上下棒１９を一回
引き上げた段階で電磁ソレノイド１７の通電を解く。そ
れによってプランジャー１６の吸引力もなくなるので上
下棒１９は自重にて落下するが、第１の歯車２２はクラ
ッチ３２により図３中時計回りには回転不能とされてい
るので、作用杆２１はコイルバネ３１の付勢力に抗して
図３中時計回りに回転し、第１の歯車２２を逃げてその
下方に移動する。それによって上下棒１９は図１と同じ
位置まで落下する。

【００１８】そして、商品通路２内の最下端の商品Ｇ１
の送出が終了すると、前記制御回路はもう一回電磁ソレ
ノイド１７に通電し、プランジャー１６を吸引して上下
棒１９を引き上げ、作用杆２１により前述同様に第１及
び第２の歯車２２、２３を図３中反時計回りに１／４回
転だけ回転させる。この第２の歯車の２３の回転により
第３の歯車２４は同様に図３中時計回りに１／２回転だ
け回転し、それによってクランク２５はその回転軸より
鉛直に垂下した状態に戻され、ピストン２７はその上下
往復運動の下死点の位置まで降下して制御装置１２は図
１の待機状態に復帰する。

【００１９】尚、実施例では制御装置１２の駆動装置と
して電磁ソレノイド１７を用いたが、それに限らず、モ
ータ等の駆動手段を用いても差し支えない。

【００２０】

【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、ピス
トンの上下往復運動の下死点においてストッパーの下係
止部が最下位の商品を係止保持するので、商品の重量に
より下係止部が下方に押されてもピストンは移動不能で
あり、その状態で待機状態を安定的に維持することがで
きる。また、上死点において上係止部が次販商品を係止
保持するので、この状態で同様にピストンは移動不能で
あり、次販商品の落下を確実に防止することができる。
従って、係る一連の商品送出動作において従来の如きス
トッパーの状態維持のための付勢バネやロック機構が不
要となり、駆動装置による商品送出動作を迅速に行える
ようになるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動販売機の商品送出装置の待機状態
の側面図である。

【図２】自動販売機の縦断側面図である。

【図３】ストッパーが次販商品を係止保持した状態の商
品送出装置の側面図である。

【符号の説明】

２ 商品通路 ６ 商品送出装置 １１ ストッパー １２ 制御装置 １３ 下係止部 １４ 上係止部 １５ 連結部 １７ 電磁ソレノイド ２５ クランク ２７ ピストン ２８ 連接棒 Ｇ 商品

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今村 浩志 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三洋 電機株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下係止部と上係止部とそれらの中間部よ
   り延在する連結部とから成り、前記中間部を回動自在に
   枢支されて前記上下係止部を商品通路内へ出没自在に設
   けられたストッパーと、前記上下係止部を交互に前記商
   品通路内へ出没制御する制御装置とを備えた自動販売機
   の商品送出装置において、前記制御装置は上下移動自在
   に設けられ、前記連結部が連結されたピストンと、駆動
   装置によって回転駆動されるクランクと、該クランクと
   前記ピストンとを連結して前記クランクの回転運動を前
   記ピストンの上下往復運動に変換する連接棒とを具備
   し、前記ピストンの上下往復運動の下死点において前記
   下係止部は前記商品通路内の最下位の商品を係止保持す
   ると共に、上死点において前記上係止部は前記商品通路
   内の次販商品を係止保持するよう構成したことを特徴と
   する自動販売機の商品送出装置。