JPH067960B2 - 菌類利用の生物学的廃水脱色方法 - Google Patents

菌類利用の生物学的廃水脱色方法

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JPH067960B2 JP11156890A JP11156890A JPH067960B2 JP H067960 B2 JPH067960 B2 JP H067960B2 JP 11156890 A JP11156890 A JP 11156890A JP 11156890 A JP11156890 A JP 11156890A JP H067960 B2 JPH067960 B2 JP H067960B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、菌類を利用して有色物質を含む廃水の着色
成分を除去する方法に関し、特に多種類の染料、これら
の染料を含む染料廃水および糖蜜発酵廃液などの工業廃
水の脱色に応用する上で、pH値、菌体投入条件等に制約
されず容易に実行可能で二次公害のおそれのないミロテ
シウム(Myrothecium)属およびガノデルマ(Ganoderma)属
類の真菌の特殊な性質を利用して着色度が高い廃水を処
理して、廃水から有色物質を有効に除去し透明度を向上
させる菌類利用の生物学的廃水脱色方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、廃水から有色物質を除去する方法としては、微生
物利用の廃水脱色方法のほか、物理的方法と化学的方法
とがあった。化学的方法として常用されるものには凝集
沈殿法、酸化法があった。物理的方法としては、活性炭
または類似の吸着材料に有色物質を吸着させて、脱色す
る方法が主であった。また、放射線照射または超濾過法
を適用した後、さらに化学的方法または生物的方法で有
色物質を除去する方法もあった。
一方、微生物を利用して染料または液中の有色物質を除
去する方法としては、パルプ廃液の生物脱色方法におい
て、パルプ廃液中の主要な発色成分である重合、塩化さ
れ高度に酸化されたリグニンを白腐真菌類(whito-rot f
ungi)に属するファネロヘーテ・クリソースポリウム(Ph
anerohaete chryso-sporium)およびチンクトポリア・エ
スピー(Tinctporia sp.)を用いて脱色する方法が提案さ
れている。上記真菌類はいずれもリグニンを分解するの
に特に有効で、パルプ廃液中の有色物質を除去すること
ができ、脱色の目的を達成することができる。更に、白
腐真菌類のシゾフィラム・コムニ(Schizophyllum commu
ne)が砂糖きび滓をベースにしたパルプ廃液に含まれる
有色物質を除去するのに有効であることも報告されてい
る。
染料や染料廃水の脱色においては、アルカリ性染料は微
生物の活性を抑制するという報告があるが、ある種のア
ルカリ性染料は微生物によって分解され、例えば、ロー
ドコッカス(Rhodococcus)属が可溶性染料に、バチルス
(Bacillus cereus)属が酸性赤色染料に、プレシオモナ
ス(Plesiomonas)属およびアクロモバクター(Achromobac
ter)属が5種類のアゾ染料に有効な脱色作用があるとさ
れている。
また、日本特許第8704215号では、糖蜜廃水を生
物処理する目的で、糖蜜廃水中の有色成分である褐色色
素系のメラノイジンを除去可能なバスジオマイセテス(B
asidiomycetes)菌株を分離している。その後バスジオマ
イセテス(Basidiomycetes)菌株中から褐色色素を除去す
る菌類を抽出して、一株のバスジオマイセテス(Basidio
mycetes)菌類を得てコリオラス・エスピー(Coriolus s
p.)20が報告された。また、褐色色素に対する脱色能力
はソルボース・オキシダーゼ(Sorbose oxidase)という
一種の酵素によっていることも報告されている。
上記の糖蜜廃水を生物処理にて脱色する報告等は、その
後、糖蜜廃水を脱色する能力を備えた菌類の代表的なも
のとして、コリオラス・ベルシカラー(Coriolus versic
olor)Ps4a、マイセリア(Mycelia)D90、アスペルギルス
・フミガタス(Aspergillus fumigatus)G-2-6、アルペル
ギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)y-2-32およびラ
クトバチルス・ヒルガリディー(Lactobacillus hilgari
dii)W-NS等が分離、報告されている。
しかし、上記の報告は、いずれもほぼ実験室規模の簡単
なものであり、実験室規模では各種の生物処理方法が積
極的に進められており、連続培養、フィードバーチ培
養、固定化細胞さらに褐色色素分解酵素等いずれも試み
られて糖蜜廃水の微生物処理が行われてきたが、実際に
濃厚着色の工業廃水に対する生物脱色処理については、
パルプ廃水および糖蜜発酵廃水の処理方法として、例え
ばアメリカ特許No.4655926で一種の白腐菌を旋回生物膜
に付着させてパルプ廃水中の有色物質を往復除去する方
法が開示されているにすぎない。
また、廃水等の微生物的処理においては脱色目的以外に
も、BOD(生物化学的酸素要求量)およびCOD(化
学的酸素要求量)の低減にも期待が持たれており、各種
の微生物が分離抽出され、現在、分離抽出されている微
生物菌種の殆どは糖蜜廃水に対する脱色効果が40%以
上を達成している。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の各廃水脱色法を実用性の観点から
検討した場合、各方法とも改善の余地が残されている。
例えば、化学的方法の凝集沈殿法は脱色した後に大量の
汚泥を残すので、その汚泥処理が大きな問題となってい
る。またオゾン等を使用する酸化法は、コストがかかる
上に還元性染料廃水および硫化染料廃水には利用でき
ず、さらに酸化が不完全であると、流出水のCODを増
加させて流出水の浄化度を低下させるものとなってい
る。また物理的方法の高価格の活性炭を用いて有色物質
を吸着させる方法は、経済的でなくまた活性炭の頻繁な
交換および活性炭の再生利用設備を必要とするものであ
り、簡便で安価な方法が望まれている。
更に、染料廃水処理方法においては、公知技術の活性汚
泥法が染料廃水のCODおよびBODの除去に利用する
ことができるが、汚水処理場の廃棄汚泥および流水系の
嫌気沈澱汚泥が染料に対する強い吸着力と部分的な分解
能力の可能性があることが僅かに知られているだけで、
その着色物質を除去する能力については未だ明確な報告
はなされていない。
褐色色素の除去について、褐色色素を脱色する活性物質
が研究されているほか、糖蜜色素分解酵素の作用メカニ
ズムについて更に検討がなされている段階であるが、ま
だ十分には解明されていない。
上記の通りいずれにしても、従来の微生物脱色法は、実
験室レベルに止まっているものが大部分であり、前記ア
メリカ特許第4655926号においても、原廃液の有色物質
の何パーセントを生物法により除去できるかは数量化さ
れていないし、糖蜜廃水を実際に脱色処理するにあたっ
て褐色色素分解酵素をどのように利用するかについて
も、まだ実用的な応用の段階には到達していない。
〔発明の目的〕
本発明は、以上のような実情を背景としてなされたもの
で、特に多種類の染料、これらの染料を含む染料廃水お
よび糖蜜発酵廃液などの工業廃水を微生物処理により脱
色する方法で、pH値、菌体投入条件等に制約されず容易
に実行可能で、二次公害のおそれのないミロテシウム(M
yrothecium)属およびガノデルマ(Ganoderma)属類の真菌
の特殊な性質を利用して高着色廃水を処理して、廃水か
ら着色物質を有効に除去して透明度を向上させる微生物
利用の廃水脱色方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、有色物質を含む廃水中にミクロテシウ
ム・ベルカリア(Myrothecium verrcuaria)属および同種
属の菌体を加えて有色物質を除去することを特徴とする
菌類利用の生物学的廃水脱色方法が提供され、更に有色
物質を含む廃水中にガノデルマ(Gano-derma)属および同
種属の菌体を加えて有色物質を除去することを特徴とす
る菌類利用の生物学的廃水脱色方法が提供される。
本発明に使用される菌株は、ミロテシウム・ベルカリア
(Myrothecium verrcuaria)属および同種属のもの、並び
にガノデルマ(Ganoderma)属および同種属であって、有
色物質を含む廃水の中に菌体を加えると、有色物質を変
質および吸着除去して廃水の脱色を行う上で効果的であ
る。
本発明のミロテシウム・ベルカリア(Myrothecium verrc
uaria)属および同種属の菌体としては、後記する実施例
における表11に挙げたミロテシウム・ベルカリア(M.v
errcuaria)DCB D-1(ATCC9095つまりCCRC31545およびATC
C36315に相当する。)、ミロテシウム・ペルストニィー
(M.prestonii)(ATCC2442)、ミロテシウム・ロイコトリ
クム(M.leucotrichum)(ATCC16686)、ミロテシウム・エ
スピー(M.sp)(ATCC13667)、ミロテシウム・ペニシロイ
ド(M.penicilloides)(ATCC56896)、ミロテシウム・マソ
ニィー(M.masonii)(ATCC24426)、ミロテシウム・ストリ
アティスポラム(M.striatisporum)(ATCC18947)、ミロテ
シウム・ロリダム(M.roridum)(ATCC16297)およびミロテ
シウム・シンクタム(M.cinctum)(ATCC22270)が好まし
い。なお、ATCCはアメリカの寄託番号であり、CCRCは中
華民国(台湾)の菌種保存研究センターの寄託番号であ
る(以下同じ)。
本発明のガノデルマ(Ganoderma)属および同種属の菌体
は、後記の表12に挙げたガノデルマ・アップラナタム
(G.applanatum)(CCRC36066,36088,36097つまりTARI-87-
1-10,TARI-87-1-16,TARI-88-1-23,CCRT36113つまりCBS2
50.61,CCRC36128つまりATCC32586,CCRC3615つまりCBS18
7.31)、ガノデルマ・ルシダム(G.lucidum)(CCRC36021つ
まりTARI-87-1-1,CCRC36123つまりATCC32471,CCRC36143
つまりCBS104.19)、ガノデルマ・サブァンボイネンス・
レービスポラム変種(G.subamboinense var.laevisporu
m)(ATCC52419つまりCCRC36087)、ガノデルマ・オエルス
テニィー(G.oerstenii)(ATCC52411つまりCCRC36293)、
G.sessile(CCRC37028つまりTARI-87-1-8)、ガノデルマ
・トロピカム(G.tropicum)(CCRC37026,CCRC37029,CRC37
041つまりTARI-87-1-6,TARI-87-1-9,TARI-87-1-2)、ガ
ノデルマ・レシナシム(G.resinaceum)(CCRC36147,CCRC3
6149つまりCBS194.76,CBS352.74)、ガノデルマ・ウェベ
リナム(G.weberianum)(CCRC36145つまりCBS219.36)、ガ
ノデルマ・カロッサス(G.colossus)(CCRC36157つまりCB
S216.36)およびガノデルマ・エスピー(G.sp)(CCRC3606
6,37033,37049,37053,37054つまりTARI-87-1-10,88-1-3
0,88-1-50,88-1-54,88-1-55)が好ましい。なお、CBSは
オランダ菌株センターの寄託番号、TARIは中華民国(台
湾)台湾省農業試験所の寄託番号である。
次に、この発明に使用する菌株の菌学的性質を詳細に説
明する。
〈1〉野性菌株の由来 下記7か所から試料を採取し、染料脱色に有効な優良菌
のスクリーニングを行った。
1.台湾大学・農学部の農場、牧場など5か所の土壌 ……………64株菌 2.長炭素直鎖のジカルボン酸の生産培養菌 ……………74株菌 3.豚の糞尿 …………168株菌 4.台湾製糖株式会社の工場廃水………27株菌 5.中国石油化学株式会社の工場廃水……3株菌 6.台湾製糖株式会社のアルコール工場の廃水 ………………7株菌 7.染料廃水 ……………13株菌 合計419株菌。
〈2〉脱色菌株のふるい分け 1.菌株の分離と純化 (1)0.5mlの試料を取り、4.5mlの無菌水に入れ、均等に
攪拌混合した。
(2)系列的な稀釈を行った。
(3)各稀釈液から0.5mlずつ取り、栄養物寒天平板(nutri
ent agar plate;NA plate)およびバレイショ・デキスト
ロース寒天平板(potato dextrose agar plate;PDA plat
e)に入れた。なお、後者は抗生物質の添加で細菌の成長
を抑制した。
(4)単一群体を選んで斜面培地で純菌培養を行った。
2.菌株のふるい分け (1)3種類の染料について表1に示した6種類の異なっ
た寒天培地を調製した。
三種類の染料の原液濃度はそれぞれオレンジIIが2.4g
/、RS(H/C)が2.475g/、10B(H/C)が2g/
とした。なお、各染料の化学構造式は以下の通りであ
る。
オレンジII (2)菌株を培養皿に接種し、各培養皿は平均12株菌と
した。
(3)30℃の温度で3日間培養すると脱色を観察すると
共に外周に透明環を生成した。
(4)より分けた菌株を上記表1に示した20倍無菌の各
染料液中で30℃の温度で14日間、震盪培養を行うと
共に、吸光度(Optical Density)の変化を観察して液体
培養条件での脱色効果を観察した。
3.液体培養条件での脱色効果の実証 (1)脱色効果の良い菌株を栄養物ブロース(nutrient bro
th;NB)又はバレイショ・デキストロース・ブロース(P
DB)に入れて3〜5日培養した。成長の遅い菌種につ
いては皿に培養時間を延長した。収穫菌体の乾燥重量は
約1〜4g/となった。
(2)菌株種培養液を遠心分離した後、菌体を取り出し、
目盛りの付いた大型試験管に入れて均等にかき混ぜた。
(3)菌体10mlを同一体積の上記各染料の稀釈液中にお
いて濃縮培養した。
(4)各組の混合液5mlを試験管に入れて冷蔵庫に保管し
比較グループとした。また、菌体を添加しない染料液と
菌体と同量の水分との混合液を菌体が含む水分による稀
釈作用の修正用の比較グループとした。
(5)各試験グループは30℃で14日間震盪培養した。
(6)脱色結果について上記の比較グループと対比した。
以上の方法で、一株の優良な糸状菌をふるい分けてPD
B中に接種し、20〜35℃で震盪培養して大量に繁殖
するのを待って、菌体を含む液を遠心分離して菌体を分
離し、分離菌体を直に有色物質を含む廃液に入れて数日
間静置した。その結果、菌体の吸着および分解作用によ
り廃水中の有色物質を除去できた。また、この方法で処
理した染料廃水の流出液は、その吸光度により最高で9
8%の脱色率に達することが出来た。
〈3〉菌株の鑑定 1.菌株の鑑定 スライド培養技術を利用して胞子と菌糸が元来の完全性
を維持しながら(蔡文城、1987)菌体を前もって切断さ
れたサブロー・デキストロース寒天培地(Sabouraud dex
trose agar)(SDA)に接種し、スライド・ガラスに載せた
後カバーガラスをかぶせ、蒸留水を含む培養皿において
培養し、その成育状況を定期的に検査した。
(1)顕微鏡による菌体の形態の観察: 顕微鏡検査時にはラクトフェノール・コットン・ブルー
で染色して、菌糸や胞子の形態や大小、隙間や鞭毛の有
無などを観察した。
(2)直接観察法: 100倍率で胞子または胞子嚢および菌糸間の形態を観
察し、SDA上に成長した群体(colony)を直接10倍率
の対物レンズにより観察および撮影した。
2.群体形態の検査 群体がSDA上で成長する形態は、成長速度、外観、特
質、色合を定期的に観察および記録して、群体の特質お
よび色合に基づいて初歩的な分類をすることができた。
3.鑑定と確認: 菌体の成長および形成される胞子の形態ならびに大小か
ら観察して、文献(Preston,1943)記載を参考として、ふ
るい分けにより得られた菌は、ミロテシウム・ベルカリ
ア(Myrothecium verrucaria)DCB D-1と初歩的な確認を
得た。そこで、中華民国(台湾)食品工業発展研究所の
菌種保存センターからミロテシウム・ベルカリア(M.ver
rucaria)ATCC9095(CCRC31545)を入手して培養した結
果、菌体の成長および胞子形態がいずれも上記で得られ
たCDB D−1と完全に同一であることが確認され
た。さらに、後記の実施例1と同様な実験を行い下記表
2に示すように、前記ミロテシウム・ベルカリア(Myrot
hecium verrucaria)CDB D-1つまりATCC9095(CCRC31545)
とATCC36315とが類似の染料脱色能力を有していること
が確認できた。
以上の観察からふるい分けにより得られたDCB D-1がミ
ロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)であることを十
分に証明できた。文献において、この菌が強い繊維分解
酵素(セルラーゼcellulase)を持つことが知られている
(Herr,Luck and Dellweg,1987;Hulme and Stranks,197
1)。また、マクロサイクリック トリコスセッン(macro
cyclic tricothecene)を合成する可能性がある(Jarvis,
et al.,1984;Smitka,et al.,1980)。
この優良菌株は鑑定によってミロテシウム(Myrotheciu
m)属の糸状真菌であると確定されたので、この菌層の他
の菌株おび同じく白腐菌に属するガノデルマ(Ganoderm
a)属の糸状菌を選んで、上述と同一の条件で10B染料
平板および液体染料の有色物質を除去する実験を行っ
た。染料平板の実験では、ふるい分けられた上記DCB D-
1菌株の染料平板での成長および脱色状況が、菌糸が短
くて密集しており、胞子を用意に発生させ、その脱色能
力は菌糸が成長した場所のほかに群体の外側にも及んで
一つの透明リングを形成したのに対し、ガノデルマ(Gan
oderma)属の菌株は、菌糸が長くてまばらで、その脱色
能力は菌糸が成長した場所しか見られなかった。しか
し、後記実施例7で明らかなように、その液体濃縮培養
条件においては、脱色能力が非常に顕著であった。この
ことから本発明が観察した染料に対する有色物質吸着お
よび脱色能力が、ミクロテシウム(Myrothecium)属と同
属の菌株に広範囲に存在するほか、白腐菌にも一般的に
存在することが明らかである。
上記のように、高濃度に着色した染料廃水等をミロテシ
ウム(Myrothecium)属またガノデルマ(Ganoderma)属の菌
体により処理する本発明は消費エネルギーが少なくて、
菌体が容易に繁殖し、pHや通気の有無などの環境条件か
らの影響を受けることがない。また、その処理操作が簡
単で、前処理を必要とせず直接殺菌していない廃水に対
して実施できるという長所も有している。
〔実施例〕 以下、この発明にかかわる廃水着色物質の微生物脱色方
法は、数種類の染料液および染料廃水の脱色方法の実例
を具体的に説明する。
(実施例1) ミロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-1を利
用して前記3種類染料の表3に示した濃度に対する脱色
率の測定を行った。
実験方法: ミロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-1をP
DB中において3日間震盪培養して遠心分離した後、菌
体を取り出して、菌体(含水量98.5%)と染料液との重
量比が1:3となるように三角フラスコ内部で混合し、
28℃で一日間静置した後にそのOD(酸素要求量)値
を測定した。比較グループとしては、菌種のかわりに同
量の蒸留水を用いた。
なお、脱色率(%)=〔(処理前のOD−処理後のOD
/処理前のOD〕×100%とした。
その結果を表4に示した。
また、この脱色実験は次の表5に示すように良好な再現
性を示した。
(実施例2) 流出水として、染色整理工場からの下記6種類の異なっ
た染色整理廃水を得たが、その構成は下記の通りであっ
た。
廃水I:糸染工場からの塩基性染料残液 廃水II:糸染工場からの直接染料残液 廃水III:糸染工場からのT/R酸化脱パルプ残液および分散
性染料残液 廃水IV:反応性染料残液 廃水V:ナイロン酸性染料残液 廃水VI:硫化染料:反応性染料(インダンスレン)=
1:4の染料残液 これら6種類の残液は塩素イオン濃度が15%(重量/
容積)という高い値を示した外、下記表6に示した性質
を有していた。
実験方法1. ミクロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-1を
PDB中で3〜5日間培養して遠心分離した後に菌体を
取り出して表7に示した菌体と染料液の比率〔重量:体
積〕にて各廃水に投入した。
なお、比較グループにも同率に投入して比較できるよう
にした。
実験方法2. 試験及び比較グループとも28℃で1〜2週間静置した
後、その吸光波長においてOD値を測定し脱色率を算出
した。得られた脱色率とpH値とを表8に示した。また、
肉眼で色合い変化を観察した。
外観変化は下記のようであった。
廃水I:紺色→淡いピンク色→菌体が有色物質を分解し
て無色となった。
廃水II:赤黒色→菌体が有色物質を吸着して廃水は無色
となった。
廃水III:黒色→菌体が有色物質を吸着して廃水は無色
となった。
廃水IV:赤黒色→菌体が有色物質を分解して廃水は無色
となった。
廃水V:鮮紅色→菌体が有色物質を吸着して廃水はピン
ク色となった。
廃水VI:黒色→菌体が有色物質を吸着して廃水は無色に
近くなった。
(実施例3) 流出液として、染料工場から2種類の廃液、つまり混合
染料廃液および赤色染料廃液を得た。
混合染料廃液は、反応性、高級、直接、酸性などの各染
料残液からなるもので、そのpH値は8.5であった。
赤色染料廃液は、反応染料残液でpH値8.3であった。
実験方法: 従来の活性汚泥脱色法と本発明のミロテシウム・ベルカ
リア(M.verrucaria)DCB D-1脱色法とを同時に行って比
較した。
活性汚泥脱色法 曝(ばつ)気槽から濃縮汚泥を取り、廃水との比率が
1:1となるように混合した後、室温で十数日間曝気処
理した。
本発明の脱色法 菌体ミロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-1
をPDB中で培養して遠心分離した後に菌体を取りだ
し、菌体20gを、廃水原液または廃水を1:1で希釈
した稀釈廃液のそれぞれ20mlに投入して、28℃で1
〜2週間静置した以外は実施例2と同様に行い、同様に
ODを測定し脱色率を算出した。
その結果を表9に示した。
外観変化は下記のようであった。
活性汚泥脱色法:顕著な変化がなく、赤褐色を示し
た。
本発明脱色法:1:1稀釈廃液においては菌糸が有色
物質を分解して無色を示した。
(実施例4) 流出水として、グルタミンソーダ製造工場からの糖蜜発
酵廃水、pH=7.5、吸光波長=475nmを得た。
実験方法: ミロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-1をP
DB中で培養して遠心分離した後に菌体を取り出し、菌
体:廃水を1:1〔重量:体積〕の比率で菌体を廃水に
投入して、28℃で静置した。同時に、この混合廃液か
ら一試験管分を取り出して冷凍庫に保存し比較用とし
た。1〜2週間後に両者のOD値を測定し脱色率を算出
した。
その結果、最終pH=3.7、脱色率=41%に達した。ま
たアルコール発酵糖蜜廃液でもほぼ同様の結果が得られ
た。
(実施例5) ミロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-1菌体
を高温処理して酵素を破壊した後、染料液に投入して、
その脱色能力を観察した。
実験方法: RS赤色染料を脱色の対象として実施例1と同様な方法
で行った。但し、菌体と染料とを混合する前に下記表1
0に示した高温処理を行った上で、静置時間を5日間と
した。実施例1と同様にしてOD値を測定し、脱色率を
算出した。
その結果を表10に示した。
表10の結果から、染料の有色物質を脱色する初期メカ
ニズムは染料分子に対する強い吸着作用によるものと推
定される。
(実施例6) ミロテシウム(Myrothecium)属の表11に示した各菌株
がRS、10B及びオレンジIIの3種類の染料に対して
持つ脱色能力を検定した。
実験方法: 実施例1と同様にして、静置時間を2日間とした。同様
にOD値を測定し、脱色率を算出した。
その結果を表11に示した。
表11の結果からミロテシウム・ベルカリア(M.verruca
ria)DCB D-1のほかにもミロテシウム(Myrothecium)属の
他菌株も染料脱色能力を備えており、その脱色能力にも
優れたものがあることが判明した。従って、染料脱色能
力はミロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-1
に限られずこの属の全ての菌株が備えているものと確認
された。
(実施例7) ガノデルマ(Ganoderma)属はミロテシウム(Myrothecium)
属と同じく糸状真菌(Filamentous fungi)であると共
に、木材を腐食させる性質を有しているので、ミロテシ
ウム(Myrothecium)属以外に表12に示したガノデルマ
(Ganoderma)属菌体を選らび同様に3種類の染料に対す
る脱色能力の測定を行った。
実験方法: 表12に示した各ガノデルマ(Ganoderma)属菌体をPD
B中に接種して震盪培養を7〜14日間おこない、遠心
分離により菌体を取り出した後、実施例1と同様にして
実験を行い、静置日数を2日間とした。この実験の観察
結果によると、ガノデルマ(Ganoderma)属菌体のPDB
中での震盪培養において、その成長形態はミロテシウム
・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-1と非常によく似て
いた。つまり菌糸が結びついて球状となった。
また、その染料色素分子に対する吸着状況も類似してい
たが、ミロテシウム・ベルカリア(M.verrucaria)DCB D-
1と比べると、脱色能力においてわずかながら劣ってい
た。また、成長が遅いので培養時間も比較的長くかかっ
た。
実験結果、実施例1と同様にOD値を測定し、脱色率を
算出した。
その結果を表12に示した。
表12から糸状真菌の菌体が一般的に染料色素に対する
吸着性と脱色能力とを有していることが明らかである。
〔発明の効果〕
本発明の脱色方法は、多種類の染料、これらの染料を含
む染料廃水および糖蜜発酵廃液等の工業廃水である高濃
度着色廃水の脱色処理を、ミロテシウム(Myrothecium)
属およびガノデルマ(Ganoderma)属類の真菌の特殊な性
質を利用して処理するものであり、廃水のpH値や、また
菌体投入条件等に制約されず容易に脱色処理でき、かつ
二次公害のおそれがなく、廃水から有色物質を有効に除
去し透明度を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 キム・ケー リン 台湾 タイペイ、チャンシン ストリー ト、81号(番地なし)デベロップメント センター フォー バイオテクノロジー内 (72)発明者 ポール フォン 台湾 タイペイ、チャンシン ストリー ト、81号(番地なし)デベロップメント センター フォー バイオテクノロジー内 (72)発明者 ジュイン・ホエ チャン 台湾 タイペイ、チャンシン ストリー ト、81号(番地なし)デベロップメント センター フォー バイオテクノロジー内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有色物質を含む廃水中にミロテシウム・ベ
    ルカリア(Myrothecium verrcuaria)属および同種属の菌
    体を加えて有色物質を除去することを特徴とする菌類利
    用の生物学的廃水脱色方法。
  2. 【請求項2】有色物質を含む廃水中にガノデルマ(Ganod
    erma)属および同種属の菌体を加えて有色物質を除去す
    ることを特徴とする菌類利用の生物学的廃水脱色方法。
  3. 【請求項3】上記ミロテシウム・ベルカリア(Myrotheci
    um verrcuaria)属および同種属の菌体が、ミロテシウム
    ・ベルカリア(M.verrcuaria)DCB D-1、ミロテシウム・
    ペルストニィー(M.prestonii)、ミロテシウム・ロイコ
    トリクム(M.leucotrichum)、ミロテシウム・エスピー
    (M.sp)、ミロテシウム・ペニシロイド(M.penicilloide
    s)、ミロテシウム・マソニィー(M.masonii)、ミロテシ
    ウム・ストリアティスポラム(M.striatisporum)、ミロ
    テシウム・ロリダム(M.roridum)およびミロテシウム・
    シンクタム(M.cinctum)である請求項1記載の菌類利用
    の生物学的廃水脱色方法。
  4. 【請求項4】上記ガノデルマ(Ganoderma)属および同種
    属の菌体がガノデルマ・アップラナタム(G.applanatu
    m)、ガノデルマ・ルシダム(G.lucidum)、ガノデルマ・
    サブァンボイネンス・レービスポラム変種(G.subamboin
    ense var.laevisporum)、ガノデルマ・オエルステニィ
    ー(G.oerstenii)、ガノデルマ・セッシル(G.sessile)、
    ガノデルマ・トロピカム(G.tropicum)、ガノデルマ・レ
    シナシウム(G.resinaceum)、ガノデルマ・ウェベリナム
    (G.weberianum)、ガノデルマ・カロッサス(G.colossus)
    およびガノデルマ・エスピー(G.sp)である請求項2記載
    の菌類利用の生物学的廃水脱色方法。
  5. 【請求項5】上記有色物質が、有機化合物およびその混
    合物の発色団分子構造に由来する請求項1または2記載
    の菌類利用の生物学的脱色方法。
  6. 【請求項6】上記廃水が、染料および染料を含む廃水で
    ある請求項1または2記載の菌類利用の生物学的廃水脱
    色方法。
  7. 【請求項7】上記ミロテシウム・ベルカリア(Myrotheci
    um verrcuaria)属および同種属の菌体が、バレイショ・
    デキストロース・ブロースおよび一般の培養培地中で純
    種および濃縮培養を行ったものである請求項1記載の菌
    類利用の生物学的廃水脱色方法。
  8. 【請求項8】上記ガノデルマ(Ganoderma)属および同種
    属の菌体が、バレイショ・デキストロース・ブロースお
    よび一般の培養培地中で純種および濃縮培養を行ったも
    のである請求項2記載の菌類利用の生物学的廃水脱色方
    法。
  9. 【請求項9】上記培養された菌株が、菌体および酵素に
    分離されたもの、または培養液および菌体を分離した上
    澄液であり、該菌体が単一または混合物で且つ球状およ
    び糸状のいずれかの成長状態、生存および死滅のいずれ
    かの状態、または固定および懸濁のいずれかの状態であ
    る請求項7または8記載の菌類利用の生物学的廃水脱色
    方法。
  10. 【請求項10】上記有色物質を含む廃水が、pH値2〜1
    2、温度0〜65℃の範囲である請求項1または2記載
    の菌類利用の生物学的廃水脱色方法。
  11. 【請求項11】上記有色物質を含む廃水中に投入される
    菌種が、適度な酸素と栄養分とを添加することにより菌
    体の活性再生が促進される請求項1または2記載の菌類
    利用の生物学的廃水脱色方法。
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