JPH0678888A - インピーダンス計測用電極固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 人体頭部の電気インピーダンスを計測する電
極を被測定部位に固定する方法において、被測定部位に
当接させることにより電気的接続を行うことのできる電
極を、被測定者の頭部に装着可能な形状の固定具に伸縮
または摺動可能にとりつけ、固定具を被測定者の頭部に
装着し、電極に推進力を作用せしめて、電極を適宜の押
圧力をもって被測定部位に当接させ固定すること。 【構成】 固定具４に、人体頭部の被測定部位に当接さ
せることにより電気的接続を行うことのできる電極１
を、直動軸受２を介して軸方向に摺動可能に取り付け、
その被測定部位に当接させる一端と異なる一端に取り付
けられたおもり３に作用する重力を推進力として、電極
３が被測定者頭部５に押し当てられるように構成してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人体頭部の電気インピ
ーダンスを計測する電極を被測定部位に固定する装置に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】血液は人体の他の組織に比べて電気イン
ピーダンスが小さいため、人体の任意の部分における電
気インピーダンスを計測することにより、当該部分の血
流量を観測することができる。上記の原理に基づいて人
体頭部における電気インピーダンスを計測することによ
り、脳血流を観測することができる。従来においては、
人体頭部における電気インピーダンスの計測を行う場
合、４個を１組として使用する貼付け型の湿式電極を１
個１個被測定部位に貼付していた。しかしながら貼付け
型の電極は頭髪の影響による接触不良を起こしやすいこ
とに起因して、それぞれの電極を貼付する部位の表面の
付着物・油脂分を除去することを目的として個々の部位
に応じ丁寧に清拭する必要があるため測定の準備作業に
手間と時間を要するばかりでなく、電極の貼付に熟練を
要し、簡便に測定を行うことができなかった。また、測
定の都度測定者が電極を貼付するため、電極相互間の位
置関係に再現性が乏しかった。なお、上記４個の電極
は、計測器としての機能からは２個の電流供給電極と２
個の電圧測定電極とからなるが、全く同一のものを用い
ることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、測定
準備に手間と時間、熟練を要さず短時間の準備で簡便
に、かつ電極相互間の位置関係に再現性を保った人体頭
部のインピーダンス計測を行うためのインピーダンス計
測用電極固定装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のインピーダンス計測用電極固定装置におい
ては、人体頭部の被測定部位に電極を貼付するのではな
く、適宜の押圧力をもって人体頭部の被測定部位に押し
当てることにより電気的接続を行うことができるよう頭
髪の影響を受けにくい先端形状を有する電極を、被測定
者の頭部に装着可能なヘルメットに類似した形状の固定
具に伸縮または摺動可能に取り付け、該固定具を被測定
者の頭部に装着した状態において該電極に推進力を作用
せしめることにより、該電極を適宜の押圧力をもって被
測定部位に押し当てて固定することを特徴としている。

【０００５】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照しながら
詳述する。図１は本発明装置の１実施例の断面図であ
る。図１に示すように、電極１は固定具４にそれぞれ直
動軸受２を介して軸方向に摺動可能に取り付けてある。
電極１はそれぞれおもり３に作用する重力を推進力とし
て被測定者頭部５に押し当てられる。

【０００６】図１に示した実施例においては電極を被測
定者頭部の被測定部位に押し当てる推進力をおもり３に
作用する重力により発生させているが、空気圧シリン
ダ、油圧シリンダ、ソレノイド、電動機などのアクチュ
エータまたはばねなどを使用することも可能である。

【０００７】図２は電極先端部の基本形状例を示す正面
図で、断面は円形である。先端部分を軸部分より細くす
ることで毛髪の影響を軽減しかつ押圧力に対し座屈等を
生じることなく安定的に押圧することが可能となる。湿
式電極であり、先端部分に導電性ゼリーを塗布して使用
する。このとき、軸部分と先端部分との間の径の変化す
る段付き部分にゼリーが溜り、被測定部位と電極との間
の電気的接続の確実性を確保することができる。また被
測定部位の皮膚に直接接する最先端部にわずかな円みを
持たせることで電極が頭部に押し当てられることによる
被測定者の痛みや不快感を緩和・軽減することができ
る。

【０００８】図３は、図２に示した電極の基本形状を改
良した実施例における電極先端部の形状を示す断面図で
ある。段付部に凹部７を設けゼリー溜りとしたことによ
り、図２に示した先端形状の電極よりもゼリーが溜りや
すくなっている。

【０００９】図４は図３に示したゼリー溜り付電極にお
けるゼリー溜りの構造を改良したゼリー溜り付電極の電
極先端部の断面図である。ゼリー溜り外囲い６を電極本
体に着脱可能にビニール管等で別途製作し、はめ込んで
組み立てるように構成してあるため、使用前後における
電極の洗浄を容易に行うことができる。

【００１０】

【発明の効果】以上説明したように本発明のインピーダ
ンス計測用電極固定装置は、従来法に比べ被測定部位の
清拭に要する手間と時間が省かれ所要時間が短縮され、
被熟練者でも被測定部位の清拭を行うことができ、かつ
電極相互間の幾何学的関係が自動的に一定に保たれると
いう利点がある。すなわち、本発明においては被測定部
位に押し当てることにより電気的接続を行うことのでき
る電極を使用するため、１個１個の電極の固定される部
分ごとではなく、頭部の被測定部分を含む範囲全体を消
毒用酒精を含ませた脱脂綿で拭くなどの方法により一括
して清拭することができ、被測定部位の清拭に要する手
間と時間が省かれ所要時間が短縮される。かつ、非熟練
者でも被測定部位の清拭を行うことができる。また、電
極は固定具に取り付けられているため電極相互間の幾何
学的関係が自動的に一定に保たれ、頭髪の影響を受けに
くい先端形状を有する電極のため電極の取り付けに熟練
を要しない。このため、本発明のインピーダンス計測用
電極固定装置を使用することにより、従来法より簡便に
人体頭部の電気インピーダンスを計測することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の断面図である。

【図２】図１に示した実施例における電極先端部の基本
形状を示す正面図である。

【図３】図２に示した電極先端部の形状を改良した電極
先端部の断面図である。

【図４】図３に示した電極先端部の形状を改良した電極
先端部の断面図である。

【符号の説明】

１ 電極 ２ 直動軸受 ３ おもり ４ 固定具 ５ 被測定者頭部 ６ ゼリー溜り外囲い ７ 凹部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児玉 廣之 茨城県つくば市東１−１−４ 製品科学研 究所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 適宜の押圧力をもって人体頭部の被測定
   部位に押し当てることにより電気的接続を行うことがで
   きるよう頭髪の影響を受けにくい先端形状を有する電極
   を、被測定者の頭部に装着可能なヘルメットに類似した
   形状の固定具に伸縮または摺動可能に取り付け、該固定
   具を被測定者の頭部に装着した状態において該電極に推
   進力を作用せしめることにより、該電極を適宜の押圧力
   をもって被測定部位に押し当てて固定することを特徴と
   するインピーダンス計測用電極固定装置。