JPH0676793A - イオンビーム分析装置 - Google Patents

イオンビーム分析装置

Info

Publication number
JPH0676793A
JPH0676793A JP4226089A JP22608992A JPH0676793A JP H0676793 A JPH0676793 A JP H0676793A JP 4226089 A JP4226089 A JP 4226089A JP 22608992 A JP22608992 A JP 22608992A JP H0676793 A JPH0676793 A JP H0676793A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
sample
accelerator
ion beam
sample chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4226089A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Fukuyama
博文 福山
Kaneo Yamada
包夫 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP4226089A priority Critical patent/JPH0676793A/ja
Publication of JPH0676793A publication Critical patent/JPH0676793A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速器と試料チャンバとの間に、対物コリメ
ータ、ウイーン型質量分析器、イオン選別スリットおよ
び四重極電磁石レンズを列設してなるビーム処理ライン
を備えるイオン分析装置について、加速器からら発射さ
れたイオンのうちで中性化して高速で直進する粒子が試
料チャンバ内の試料に衝突することを回避できる構成と
する。 【構成】 対物コリメータ(2) に続くウイーン型質量分
析器(3) よりも後流側に位置するイオン選別スリット
(4) 、四重極電磁石(5) レンズおよび試料チャンバ(6)
を、加速器(1) から発射されるイオンビームBのビーム
中心線Sに対して所定の傾斜角度θで傾く傾斜軸線S’
上に沿わせて列設し、試料チャンバ(6) 内の試料(10)位
置を発射イオンビームBのビーム中心線Sから偏心させ
る。 【効果】 中性粒子の衝突に起因する分析精度の低下を
防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体技術分野をはじ
め医療・バイオ技術等の分野において、高エネルギー荷
電ビームを用いて素子や生成物等の微小領域の物性や組
成を分析するイオンビーム分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体技術分野では、膨大な量の情報を
コンピュータで処理するため、記憶容量の増大と情報処
理速度のより高速化が求められている。そのため、IC
の高集積化がLSIからVLSIへ、更には三次元IC
へと開発が進められ、これに伴って、個々の素子やその
配線等は、極微小化および多層化され、かつその表面か
ら極めて浅い領域が使われるようになっている。そし
て、このようなICの開発やプロセス研究では、ミクロ
な領域における原子分布の分析が重要であり、最近で
は、高エネルギー(MeV) の軽イオンビームを用いるラザ
フォード後方散乱法(RBS)や粒子励起X線分光法
(PIXE)などの分析手法の有効性が認識され、これ
ら分析の可能なイオンビーム分析装置が広く用いられる
ようになると共に、それら装置の機能向上が図られつつ
ある。
【0003】〔図3〕に従来のイオンビーム分析装置の
構成配置の代表的1例を示す。この例の分析装置では、
加速器(21)のイオン源(21a) で発生し、加速管(21b) で
加速されて発射された高エネルギーのイオンビームB
は、まず偏向分析電磁石(22)によって15度以上の角度に
振られてイオン種・エネルギーを選別され、次に対物コ
リメータ(23)によって数十μm に絞られ、続いて 2〜 5
mのドリフト空間を経た後、四重極電磁石レンズ(24)に
よって集束され、試料チャンバ(25)内の試料(20)上にビ
ームスポットを結ばされる。そして、このイオンビーム
の入射により試料(20)表面から放散されるイオン・電子
・光子等を、試料チャンバ(25)内の検出器(26)で検出
し、その種類・エネルギー・角度等を解析することで、
試料の極表面近傍または表面から内部にかけての原子分
布情報を得る。
【0004】また、この分析装置では通常、試料に照射
するイオンビームのイオン種としては水素やヘリウム等
の軽イオンが良く用いられる。そして、RBS分析法で
は、高速のイオンが試料の原子との衝突現象においてエ
ネルギー保存則と運動量保存則を保ったエネルギー減少
をもつて散乱するので、その散乱イオンのエネルギーか
ら試料の原子の質量を判断する。また、PIXE分析法
では、高速で衝突するイオンが試料の原子のまわりの電
子を弾きだし、その空いた軌道に外殻電子が遷移して特
性X線が放出され、またそのエネルギーは元素特有であ
ることから、放出された特性X線のエネルギーから試料
原子の元素を同定する。
【0005】一方、この従来の分析装置では、加速器か
ら試料チャンバに到るビーム経路が長く、しかも偏向分
析電磁石にてイオン種・エネルギーを選別するには、加
速器からのビームを15度以上の角度に偏向させる必要が
あるため、平面的に広い拡がりをもつスペースを占拠す
る大掛かりな設備となり、しかも広い範囲に配置された
各構成部間のアライメントを、イオンビームを微小サイ
ズのスポットビームとして試料上に結ばせるに必要な精
度に調整・保持することが非常に困難になるという問題
点がある。そこで、よりコンパクトな構成のもとで微細
領域の分析や微細加工が可能な装置について各方面から
検討が加えられ、それを具現化するものとして、例え
ば、〔図4〕に示すイオンビーム分析装置が提案(特開
平3-74037 号公報)され、かつ実用に供されている。
【0006】〔図4〕に示す従来のイオンビーム分析装
置では、加速器(31)のすぐ下流に対物コリメータ(32)を
配すると共に、この対物コリメータ(32)と四重極電磁石
レンズ(35)との間にウイーン(E×B)型質量分析器(33)お
よびイオン選別スリット(34)を配し、これにより加速器
(31)と試料チャンバ(36)との間に直線光学系のビーム処
理ラインを構成している。
【0007】この分析装置では、加速器(31)のイオン源
(31a) で発生させ、加速管(31b) で加速して発射させた
高エネルギーのイオンビームBを、まず直接、対物コリ
メータ(32)によって数十μm に絞り、続いて、このイオ
ンビームBを、すなわちイオン源(31a) で発生した不要
なイオン種(例えば、二価イオン等の不純物イオンや分
子状イオン)を含むものを、ウイーン型質量分析器(33)
の磁場によるローレンツ力および電場によるクーロン力
によって不要なイオン種のビーム軌道を曲げ、続くイオ
ン選別スリット(34)に衝突させて中和・排除する一方、
所定のイオン種のみを直進させて質量分離する。そし
て、選別されたイオンビームを四重極電磁石レンズ(35)
によって集束し、試料チャンバ(36)内の試料(30)上にビ
ームスポットを結ばせ、このイオンビームの入射により
試料(30)表面から放散されるイオン・電子・光子等を、
試料チャンバ(36)内の検出器(37)で検出し、その種類・
エネルギー・角度等を解析する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記後者の従
来のイオンビーム分析装置(特開平3-74037 号公報)
は、装置全体の構成を集約・コンパクト化できると共
に、その構成アライメントの精密化が容易となり、これ
により試料に入射させるビームスポツトの径を小さくし
て分析機能を向上させることができるものの、特定種の
分析においては、その分析精度を低下させるという問題
点を内在している。
【0009】すなわち、加速器(31)から試料チャンバ(3
6)に向かうビームが、イオンビームであればウイーン型
質量分析器(33)の偏向磁場や電場によって偏向させて選
別できるが、中性粒子の場合は、偏向磁場や電場によっ
て曲げることができないため、直線光学系ラインに形成
されたビーム処理ラインを直進・通過して試料チャンバ
(36)に向かうことを阻止できない。一方、加速器(31)の
イオン源(31a) で発生した中性粒子は、加速管(31b) で
加速されないのでビーム処理ラインを経て試料チャンバ
(36)までとどくことはないが、イオン源(31a) で発生し
加速管(31b) で加速して発射されて、対物コリメータ(3
2)に当たったイオンのうちで、その速度・方向を失わず
に中性化したものは、そのまま直進し、加速された速度
でもって試料チャンバ(36)内の試料(30)に衝突すること
になる。ここで、中性化した粒子が必要とするイオンビ
ームと同じ質量で、同じエネルギーのものであれば分
析、特にRBS分析には問題とならないが、二価のヘリ
ウムイオンビームを用いる分析では、分析スペクトル上
に試料に衝突した中性粒子の散乱粒子を検出することに
なり、これが分析上のノイズとして同じエネルギー位置
にくる測定目的の散乱粒子の検出を妨害し、その分析精
度を低下させる。
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点を解消す
べくなされたものであって、集約・コンパクト化された
構成のもとで微細領域の物性・組成等の分析ができ、し
かも、試料に対する中性粒子の衝突を確実に回避でき
て、その分析機能を向上させることのできるイオンビー
ム分析装置の提供を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、加速器から発
射された高エネルギー・イオンビームを、対物コリメー
タ、ウイーン型質量分析器、イオン選別スリットおよび
電磁石レンズを列設してなるビーム処理ラインによって
イオン種・エネルギーを選別すると共にスポットビーム
に集束し、その後流側に列設された試料チャンバ内の試
料に入射させて微小領域の物性や組成等の分析を行うイ
オンビーム分析装置において、上記の目的を達成するた
めに、次の技術的手段を講じている。すなわち、請求項
1記載の発明は、ウイーン型質量分析器よりも後流側に
位置するイオン選別スリット、電磁石レンズおよび試料
チャンバを、それぞれの光学的軸線を加速器から発射さ
れるビームの中心軸線に対して所定角度で傾く直線上に
沿わせて列設し、試料チャンバ内の試料位置を前記発射
ビームの中心軸線から偏心させたことを特徴とする。
【0012】また、請求項2記載の発明は、対物コリメ
ータよりも後流側に位置するウイーン型質量分析器、イ
オン選別スリット、電磁石レンズおよび試料チャンバ
を、それぞれの光学的軸線を加速器から発射されるビー
ムの中心軸線に対して所定角度で傾く直線上に沿わせて
列設し、試料チャンバ内の試料位置を前記発射ビームの
中心軸線から偏心させたことを特徴とする。
【0013】
【作用】加速器から発射された高エネルギーのイオンビ
ームは、ある一定の方向性のもとである広がり(エミッ
タンス)をもって直進するが、加速器から発射されたイ
オンビームのなかで中性性化した粒子は、加速器の加速
管による加速方向、すなわち発射時のビームの中心軸線
に沿って直進するのみである。また、イオンビームは偏
向磁場や電場によって曲げられるが、中性性粒子は曲げ
られない。従って、発射された方向に直進する中性粒子
はそのまま直進させる一方、ある広がりをもって直進す
るイオンビームのうちの、発射時のビームの中心軸線に
対して傾きをもつものを分析に用いことで、試料に入射
されるイオンビームラインを、発射された方向のみに直
進する中性粒子ビームラインに対して傾斜・偏心させ
て、試料に中性粒子が衝突することを回避できる。
【0014】すなわち、請求項1記載の発明では、ウイ
ーン型質量分析器よりも後流側に位置するイオン選別ス
リット、電磁石レンズおよび試料チャンバを、それぞれ
の光学的軸線を加速器から発射されるビームの中心軸線
に対して所定角度で傾く直線上に沿わせて列設するの
で、加速器から発射されたイオンビームを、対物コリメ
ータにて所定径に絞った後、ウイーン型質量分析器によ
って偏向させてその一部のイオン種を選別をすると共
に、ウイーン型質量分析器を通過し、ある広がりをもっ
て直進するイオンビームのうちの、加速器から発射され
るビームの中心軸線に対して所定角度で傾くイオンビー
ムについて、そのイオン種をイオン選別スリットで選別
し、このイオンビームを電磁石レンズによって集束し
て、試料チャンバ内の試料上にビームスポットを結ば
せ、これにより所期の分析を行うことができる。また、
このような配列構成をとることにより、試料チャンバ内
の試料位置を前記発射ビームの中心軸線から偏心させ、
つまり試料と発射ビーム中心軸線との間に間隔をとり、
加速器から発射されて対物コリメータに当たったイオン
のうちで速度・方向を失わずに中性化し、発射ビーム中
心軸線に沿って直進する中性粒子が試料に衝突すること
を回避できる。
【0015】請求項2記載の発明では、対物コリメータ
よりも後流側に位置するウイーン型質量分析器、イオン
選別スリット、電磁石レンズおよび試料チャンバを、そ
れぞれの光学的軸線を加速器から発射されるビームの中
心軸線に対して所定角度で傾く直線上に沿わせて列設す
るので、加速器から発射されたイオンビームを、イオン
選別スリットにて所定径に絞ると共に、絞られた後にあ
る広がりをもって直進するイオンビームのうちの、加速
器から発射されるビームの中心軸線に対して所定角度で
傾くイオンビームを、ウイーン型質量分析器およびイオ
ン選別スリットによってイオン種を選別し、このイオン
ビームを電磁石レンズによって集束して、試料チャンバ
内の試料上にビームスポットを結ばせ、これにより所期
の分析を行うことができる。また、このような配列構成
をとることにより、試料チャンバ内の試料位置を前記発
射ビームの中心軸線から偏心させ、つまり試料と発射ビ
ーム中心軸線との間に間隔をとり、加速器から発射され
て対物コリメータに当たったイオンのうちで速度・方向
を失わずに中性化し、発射ビーム中心軸線に沿って直進
する中性粒子が試料に衝突することを回避できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。〔図1〕は本発明の第1実施例のイオンビーム分
析装置の構成配置図である。
【0017】〔図1〕に示す本実施例のイオンビーム分
析装置は、加速器(1) と試料チャンバ(6) との間に、対
物コリメータ(2) 、ウイーン(E×B)型質量分析器(3) 、
イオン選別スリット(4) および四重極電磁石レンズ(5)
を列設してなるビーム処理ラインを配した構成とされ、
加速器(1) のイオン源(1a)で発生したイオンを加速管(1
b)で加速し、数 MeVの高エネルギーのイオンビームBと
して発射させ、このイオンビームBを上記ビーム処理ラ
インにてイオン種・エネルギーを選別すると共に 1μm
オーダの微細なイオンビームB’に集束して、試料チャ
ンバ(6) 内の試料(10)上に入射させる。そして、このイ
オンビームB’の入射により試料(10)の表面から放散さ
れるイオン・電子・光子等を、試料チャンバ(6) 内の検
出器(7)で検出することでRBS法やPIXE法による
分析を行う。
【0018】また、本実施例の分析装置では、ウイーン
(E×B)型質量分析器(3) よりも後流側に位置するイオン
選別スリット(4) 、四重極電磁石レンズ(5) および試料
チャンバ(6) は、それぞれの光学的軸線を加速器(1) か
ら発射されるイオンビームBのビーム中心軸線Sに対し
て所定角度で傾く傾斜軸線S’上に沿わせて列設されて
ある。また、その傾斜軸線S’の傾斜角度θは、試料(1
0)中心点からビーム中心軸線Sに対する垂線がなす軸線
間辺Hの長さが試料(10)の半径よりも大きくなる角度に
設定され、かつ、その条件を満たす限りにおいて、でき
るだけ小さな角度とされる。
【0019】上記構成の本実施例のイオンビーム分析装
置では、加速器(1) のイオン源(1a)に例えばヘリウムガ
スを用いるとHe+ と He2+ を含むイオンがつくられ、加
速管(1b)に例えば 1MeV の加速電圧を印加すると、これ
らは加速され、He+ は 1MeV、He2+は 2MeV のエネルギ
ーをもつ高エネルギーのイオンビームBとなって高速で
発射される。そして、これらは直接、対物コリメータ
(2) に供給され十数μmに絞られた後、ウイーン(E×B)
型質量分析器(3) に入る。ウイーン(E×B)型質量分析器
(3) では、電磁石コイル(3a)と窓型電磁石ヨーク(3b)で
つくられる磁場および側壁の対の分析電極(3c)それぞれ
に電圧+V/2 、−V/2 を印加することでつくられる電場
の一定の条件のもとに、He+ イオンだけが直進し、他の
イオンは偏向されて、分析電極(3c)またはその出側に配
されたイオン選別スリット(4) に衝突し、電荷を中和さ
れて排気ガスとして系外に排出される。
【0020】ここで、加速器(1) から発射されるイオン
ビームBは、前述したように、ある広がり(エミッタン
ス)をもって直進し、またウイーン(E×B)型質量分析器
(3)を通過するHe+ イオンビームも同様にある広がりを
もって直進する。一方、イオン選別スリット(4) 、四重
極電磁石レンズ(5) および試料チャンバ(6) は、ビーム
中心軸線Sに対して傾斜角度θで傾く傾斜軸線S’上に
配されてあり、イオン選別スリット(4) は、ウイーン(E
×B)型質量分析器(3) を通過したイオンのうちの、ビー
ム中心軸線Sに対して傾斜角度θで傾く方向、すなわち
傾斜軸線S’に沿う方向に向けて進むHe+ イオンを選択
的に通過させる。
【0021】続いて、この選別されたHe+ イオンビーム
B’が、入側に偏向電極(5a)を備えた四重極電磁石レン
ズ(5) によって集束され、試料チャンバ(6) 内の試料(1
0)上に 1μm オーダのビームスポットとなって入射され
る。そして、このHe+ イオンビームの入射により試料(1
0)から放散されるイオン・電子・光子等を試料チャンバ
(6) 内の検出器(7) で検出し、その種類・エネルギー・
角度等を解析することで試料の物性データを得る。
【0022】一方、加速器(1) の加速管(1b)で加速して
発射され、対物コリメータ(2) に当たったイオンのうち
で、その速度・方向を失わずに中性化した粒子は、四重
極電磁石レンズ(5) で曲げられることなく、そのままビ
ーム中心軸線Sに沿って直進し、傾斜軸線S’上に位置
する試料(10)とは間隔を隔てた位置を通過する。従っ
て、本実施例のイオンビーム分析装置では、高速な中性
粒子が試料に衝突することがなく、その衝突に起因する
分析上のトラブルを回避できて、分析精度を安定して高
めることができる。
【0023】〔図2〕は本発明の第2実施例のイオンビ
ーム分析装置の構成配置図である。なお、本実施例のイ
オンビーム分析装置は、加速器から発射されるイオンビ
ームの中心軸線に対して傾斜させる構成部が異なる点を
除き、上記第1実施例のものと基本的構成は同じであ
り、ここでは〔図1〕と等価な各部に同符号を付して説
明を省略し、その差異点のみを要約して説明する。
【0024】〔図2〕に示す本実施例のイオンビーム分
析装置では、対物コリメータ(2) より後流側に位置する
ウイーン(E×B)型質量分析器(3) 、イオン選別スリット
(4)、四重極電磁石レンズ(5) および試料チャンバ(6)
を、それぞれの光学的軸線を加速器(1) から発射される
イオンビームBのビーム中心軸線Sに対して傾斜角度
θ’で傾く傾斜軸線S’上に沿わせて列設し、これによ
り試料チャンバ(6) 内の試料(10)位置をビーム中心軸線
Sから偏心させて、中性粒子が試料(10)に衝突すること
を回避する構成とされている。
【0025】本実施例の分析装置では、加速器(1) から
発射され、対物コリメータ(2) で絞られたイオンビーム
Bのうちの、ビーム中心軸線Sに対して傾斜角度θ’で
傾く傾斜軸線S’の方向にむけて進むイオンビームを、
ウイーン(E×B)型質量分析器(3) およびイオン選別スリ
ット(4) によってイオン種を選別し、これを四重極電磁
石レンズ(5) によって微細なイオンビームB’に集束し
て試料チャンバ(6) 内の試料(10)上に入射させる。
【0026】なお、対物コリメータ(2) で絞られた後、
上記傾斜軸線S’の方向以外の方向に向けて直進するイ
オンビームは、ウイーン(E×B)型質量分析器(3) の分析
電極(3c)またはその出側に配されたイオン選別スリット
(4) に衝突し、電荷を中和されて排気ガスとして系外に
排出される。また、その傾斜軸線S’の傾斜角度θ’
は、試料(10)の中心点からビーム中心軸線Sに対する垂
線がなす軸線間辺Hの長さが試料(10)の半径よりも大き
くなる角度に設定して、試料(10)とビーム中心軸線Sと
の間に一定の間隔をとる。
【0027】このように構成された本実施例のイオンビ
ーム分析装置では、第1実施例のものと同様に高速な中
性粒子が試料に衝突することを確実に回避でき、その分
析精度を安定して高めることができる。
【0028】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係るイオ
ンビーム分析装置は、集約・コンパクト化された構成の
もとで微細領域の物性・組成等の分析ができ、しかも、
試料に対する中性粒子の衝突を確実に回避できて、その
分析機能を向上させることのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のイオンビーム分析装置の
構成配置図である。
【図2】本発明の第2実施例のイオンビーム分析装置の
構成配置図である。
【図3】従来のイオンビーム分析装置の構成配置図であ
る。
【図4】従来の別のイオンビーム分析装置の構成配置図
である。
【符号の説明】
(1) --加速器 (1a)--イオン源 (1b)--加速管 (2) --対物コリメータ (3) --ウイーン(E×B)型質量分析器 (3a)--電磁石コイル (3b)--窓型電磁石ヨーク (3c)--分析電極 (4) --イオン選別スリット (5) --四重極電磁石レンズ (5a)--偏向電極 (6) --試料チャンバ (7) --検出器 (10)--試料 B -- イオンビーム B' --イオンビーム H -- 軸線間辺 S -- ビーム中心軸線 S'-- 傾斜軸線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加速器から発射された高エネルギー・イ
    オンビームを、対物コリメータ、ウイーン型質量分析
    器、イオン選別スリットおよび電磁石レンズを列設して
    なるビーム処理ラインによってイオン種・エネルギーを
    選別すると共にスポットビームに集束し、その後流側に
    列設された試料チャンバ内の試料に入射させて微小領域
    の物性や組成等の分析を行うイオンビーム分析装置にお
    いて、ウイーン型質量分析器よりも後流側に位置するイ
    オン選別スリット、電磁石レンズおよび試料チャンバ
    を、それぞれの光学的軸線を加速器から発射されるビー
    ムの中心軸線に対して所定角度で傾く直線上に沿わせて
    列設し、試料チャンバ内の試料位置を前記発射ビームの
    中心軸線から偏心させたことを特徴とするイオンビーム
    分析装置。
  2. 【請求項2】 加速器から発射された高エネルギー・イ
    オンビームを、対物コリメータ、ウイーン型質量分析
    器、イオン選別スリットおよび電磁石レンズを列設して
    なるビーム処理ラインによってイオン種・エネルギーを
    選別すると共にスポットビームに集束し、その後流側に
    列設された試料チャンバ内の試料に入射させて微小領域
    の物性や組成等の分析を行うイオンビーム分析装置にお
    いて、対物コリメータよりも後流側に位置するウイーン
    型質量分析器、イオン選別スリット、電磁石レンズおよ
    び試料チャンバを、それぞれの光学的軸線を加速器から
    発射されるビームの中心軸線に対して所定角度で傾く直
    線上に沿わせて列設し、試料チャンバ内の試料位置を前
    記発射ビームの中心軸線から偏心させたことを特徴とす
    るイオンビーム分析装置。
JP4226089A 1992-08-25 1992-08-25 イオンビーム分析装置 Pending JPH0676793A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4226089A JPH0676793A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 イオンビーム分析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4226089A JPH0676793A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 イオンビーム分析装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0676793A true JPH0676793A (ja) 1994-03-18

Family

ID=16839653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4226089A Pending JPH0676793A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 イオンビーム分析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0676793A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113692101A (zh) * 2020-05-19 2021-11-23 四川智研科技有限公司 一种紧凑型电子加速器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113692101A (zh) * 2020-05-19 2021-11-23 四川智研科技有限公司 一种紧凑型电子加速器
CN113692101B (zh) * 2020-05-19 2023-06-16 四川智研科技有限公司 一种紧凑型电子加速器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5063294A (en) Converged ion beam apparatus
TWI330861B (en) Analysing system and charged particle beam device
US5128543A (en) Particle analyzer apparatus and method
JP6301269B2 (ja) 粒子分光計のための分析装置
US8309913B2 (en) Angled dual-polarity mass spectrometer
US20130126727A1 (en) Time-of-Flight Electron Energy Analyzer
US5665967A (en) Apparatus and method for surface analysis
US20180247805A1 (en) Spectrometry method and spectrometer device
JP2002521799A (ja) 粒子ビーム電流モニタリング技術
CN112305002A (zh) 光谱学和成像系统
JP4606270B2 (ja) 試料イオンの飛行時間測定用装置,飛行時間型質量分析装置,飛行時間型質量分析方法
JP2016197124A (ja) 粒子分光計のための分析装置
JPH0676793A (ja) イオンビーム分析装置
JPS63276860A (ja) 表面解析装置
JP3405919B2 (ja) 大気圧イオン化質量分析計
JP3938323B2 (ja) 平行磁場型ラザフォード後方散乱分析装置,それを用いた散乱イオンのエネルギースペクトル測定方法,それを用いた試料の結晶軸検出方法
JP5815826B2 (ja) 粒子分光計のための分析装置
JPH0729544A (ja) 電子エネルギ損失同時計測装置
SU957318A1 (ru) Квадрупольный масс-спектрометр
JP2018119974A (ja) 粒子分光計のための分析装置
JPH01200546A (ja) 電子ビーム装置
JPH0640477B2 (ja) 集束イオンビーム装置
JPH08106879A (ja) 飛行時間型質量分析計
JPS6319746A (ja) 表面解析装置
JPH03145046A (ja) 大立体角静電分析器

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010327