JPH0676357U - パルスcvi装置の反応チャンバー - Google Patents

パルスcvi装置の反応チャンバー

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JPH0676357U
JPH0676357U JP2277093U JP2277093U JPH0676357U JP H0676357 U JPH0676357 U JP H0676357U JP 2277093 U JP2277093 U JP 2277093U JP 2277093 U JP2277093 U JP 2277093U JP H0676357 U JPH0676357 U JP H0676357U
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reaction
tube
reaction chamber
pulse
gas
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JP2277093U
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Inventor
善弘 塩谷
聡浩 黒柳
Original Assignee
東海カーボン株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱的安定性とガス不透過性に優れ、反応空間
の内容積を小さく設計することができるパルスCVI装
置の反応チャンバーを提供する。 【構成】 反応管の一端にガス導入部14を備えたフラン
ジ13を、他端に封止用フランジ15を各結合して内部に反
応空間18を形成した反応チャンバーにおいて、反応管12
が金属Siを含浸したSiC管により構成され、管内の
両端部側に耐熱性区画材16、17を介在させて中央部に反
応空間18を形成した構造。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、炭素質系やセラミックス系などの多孔質基材に同質もしくは異種物 質を充填・被覆するためのパルスCVI装置に用いられる反応チャンバーに関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来、ある種の基材面に同質もしくは異種の物質を被覆するための化学的手段 として、還元反応、置換反応、不均化反応等を利用したCVD(Chemical Vapor Deposition) 法が有用されている。しかしながら、CVD法を適用して形成され る被覆層は基材との界面が明確に分離している関係で、加熱状態で使用すると熱 衝撃や相互の熱膨張差によって層間剥離現象が起こり易い欠点がある。
【0003】 このような欠点を解消して、基材組織の内部まで被覆物質を充填させて層間剥 離現象を防止し、かつ材質の緻密化を図る改良手段としてパルスCVI法が開発 されている。このパルスCVI(Pulse Chemical Vapor Infiltration) 法は原料 ガスを加熱基材にガス状態で接触させる操作を短周期の減圧、昇圧下で間欠的に 反復するプロセスでおこなわれるため、被覆物質を基材の組織内部まで円滑に充 填させることが可能となる。したがって、各種の多孔質基材を固相析出物で目詰 め、充填、緻密化する充填多孔質体の製造方法(特開昭62−205278号公報) や炭 素繊維強化炭素材に強固な耐酸化性SiC被覆層を形成する方法(特開平4−42 878 号公報) 等に利用されている。
【0004】 パルスCVI装置は図2(全体構成図)に示すように、反応チャンバー1に原 料ガス導入系列と排気ガス系列が接続されて構成されている。原料ガス導入系列 は、例えば還元ガス供給ライン2とキャリアガス供給ライン3が原料気化器4に 入り、原料混合ガスとしてリザーバータンク5から供給バルブ6を介して反応チ ャンバー1に導入するルートからなる。排気ガス系列は、例えば排気バルブ7を 介して真空タンク8からトラップ9、排気ポンプ10に通ずるルートからなって いる。パルスCVI操作は、反応チャンバー1の反応空間に被処理基材をセット し、外部の加熱手段11で所定の温度に加熱するともに、原料ガス導入系列およ び排気ガス系列を作動させながら供給バルブ6と排気バルブ7を開閉制御するこ とによっておこなわれる。
【0005】 ところが、パルスCVI法を工業的に適用する場合には、装置構造とくに反応 チャンバーの構成に解決すべき課題がある。まず第1に、反応チャンバーの材質 に問題がある。すなわち、従来、反応チャンバーは石英、アルミナまたはインコ ネルのような耐熱材料で構成されているが、石英管のものは破損し易いうえ、加 熱温度が1000℃を越えると変形が生じて使用に耐えなくなり、アルミナ管は 熱衝撃に弱いため苛酷なヒートサイクルを加えると材質割れが発生する危険性が あり、ガス不透過性も十分ではない。またインコネルのような金属製の反応チャ ンバーは耐蝕性に乏しく、高温下のパルス操作によって材質に疲労や変形が生じ るため耐久寿命に限界がある。
【0006】 第2に収納スペースの問題がある。すなわち、パルスCVI法を適用する場合 には条件として原料ガス導入−析出反応−減圧排気のパルスを5000〜100 00回反復する必要があるため、反応チャンバーが大型化して被処理基材を収納 する反応空間の内容積が大きくなるに従って原料ガス量の増大、排気時間の長時 間化、排気ポンプの容量増加、排気ガス量の増大といった問題が起こり、同時に パルス間隔も延びて制御が困難となる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
このようなことから、パルスCVI装置の反応チャンバーとしては耐熱性と耐 熱衝撃性に優れた材質で構成し、かつ反応空間が被処理基材の寸法より余り大き くならない構造に設計することが実用上から好ましい。
【0008】 本考案はかかる課題を解決するためになされたもので、その目的は、熱的安定 性とガス不透過性に優れ、反応空間の内容積を小さく設計することができるパル スCVI装置の反応チャンバーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本考案によるパルスCVI装置の反応チャンバー は、反応管の一端にガス導入部を備えたフランジを、他端に封止用フランジを各 結合して内部に反応空間を形成した反応チャンバーにおいて、前記反応管が金属 Siを含浸したSiC管により構成されており、管内の両端部側に耐熱性区画材 を介在させて中央部に反応空間を形成してなることを構成上の特徴とするもので ある。
【0010】
【作用】
本考案によるパルスCVI装置の反応チャンバーは、優れた耐熱性、耐蝕性、 耐熱衝撃性を備えるSiC管に金属Siを含浸して組織を緻密化した実質的にガ ス不透過性の材質で形成されているから、1000℃を越える温度域による苛酷 なヒートサイクルを与えても長期間安定した耐久性を発揮する。また、反応管の 両端部側に耐熱性区画材を介在させて中央部に反応空間を形成しているから、反 応空間は前記耐熱性区画材の介在度合を調整することにより適宜に被処理基材の 寸法に応じた小さな内容積に設計することができ、かつ反応空間の均熱性が効果 的に向上する。
【0011】 上記の機能および構造機構により、少ない原料ガス量で排気系統に無用な負荷 をかけることなく長期間に亘り効率的なパルスCVI操作をおこなうことが可能 となる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案を図1に示した1実施例に基づいて具体的に説明する。 図1は本考案に係るパルスCVI装置の反応チャンバーを断面図として示した もので、12は一端に原料混合ガスを導入するためのガス導入管14を備えたフ ランジ13と他端に封止用フランジ15を各結合した反応管である。該反応管1 2は金属Siを含浸したSiC管により構成されており、例えばSiC粉末をバ インダーとともにパイプ状に成形したのち焼結処理して製造したSiC管を溶融 Si中に浸漬するような方法で形成することができる。かかる反応管は、耐熱温 度1420℃、熱衝撃抵抗300℃以上で、完全なガス不透過性を示す。
【0013】 反応管12の内部には、両端部側に黒鉛もしくはセラミックス質断熱材のよう な耐熱性区画材16、17が介在されており、この中央部に反応空間18が形成 されている。したがって、反応空間18の内容積は介在させる耐熱性区画材16 および17の寸法によって適宜に変動させることができるが、反応空間の設置位 置は外部の加熱手段11により均等に加熱される長さの範囲内に形成するように 設計される。ガス導入管14を備えたフランジ13側の耐熱性区画材16には、 ガス導入管14と連通するガス流通孔19が形成されており、この通路を介して 吸排気がおこなわれる。なお、耐熱性区画材16と17は予め基材用台座20と 一体に形成しておくこともでき、この場合には被処理基材の寸法に応じた反応空 間のものを複数種類作成しておき、カートリッジ部材として使用することが実用 的である。
【0014】 使用に当たっては、反応チャンバーの構成部材を分解して反応空間18の内部 に支持脚21に載置した状態で被処理基材22をセットし、ついで図1の形態に 組み立ててパルスCVI操作を実施する。
【0015】 金属Siを含浸した直径200mm、長さ600mmのSiC管を反応管1とし、 その中央部200mmが反応空間18になるように両端部側に黒鉛材からなる耐熱 性区画材16、17を介在させ、反応空間内に縦横150mm、厚さ10mmの黒鉛 基材をセットして図1のように反応チャンバーを形成した。この反応チャンバー をパルスCVI装置に装備し、1400℃に昇温して2時間保持したのち、反応 チャンバー内を2Torr以下に減圧し、直ちにトリクロロメチルシラン(CH3SiCl3) とH2 の混合ガス(CH3SiCl3/H2モル比0.05) を720Torrになるように導入し保 持した。原料ガス流量は10l/min とし、1パルス時間を20秒に設定して10 00回のパルスを繰り返した。
【0016】 その結果、黒鉛板面に膜厚10μm の均質で耐剥離性の良好な炭化珪素被膜が 形成された。このパルスCVI操作を50回に亘って反復したが、反応チャンバ ーに亀裂、破損、変形等の異常現象は全く認められなかった。同様の操作を石英 ガラス管およびアルミナ管で構成された反応チャンバーを用いておこなったとこ ろ、石英ガラス管の場合には反応管に熱変形が生じ、アルミナ管の場合には反応 管に亀裂の発生が認められた。
【0017】
【考案の効果】
以上のとおり、本考案によれば高温苛酷なパルス条件においても長期間の安定 した耐久性が保証され、かつ少ない反応ガス量により効率的な被覆操作を進行さ せることができるパルスCVI装置の反応チャンバーが提供される。したがって 、炭素質系やセラミックス系などの多孔質基材に同質もしくは異種物質を充填・ 被覆するパルスCVI操作を工業的に実施する際の装置部材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るパルスCVI装置の反応チャンバ
ーを例示した断面図である。
【図2】パルスCVI装置の全体構成を示した系統説明
図である。
【符号の説明】
1 反応チャンバー 2 還元ガス供給ライン 3 キャリアガス供給ライン 4 原料気化器 5 リザーバータンク 6 供給バルブ 7 排気バルブ 8 真空タンク 9 トラップ 10 排気ポンプ 11 加熱手段 12 反応管 13 フランジ 14 ガス導入管 15 封止用フランジ 16 耐熱性区画材 17 耐熱性区画材 18 反応空間 19 ガス流通孔 20 基材用台座 21 支持脚 22 被処理基材

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応管の一端にガス導入部を備えたフラ
    ンジを、他端に封止用フランジを各結合して内部に反応
    空間を形成した反応チャンバーにおいて、前記反応管が
    金属Siを含浸したSiC管により構成されており、管
    内の両端部側に耐熱性区画材を介在させて中央部に反応
    空間を形成してなることを特徴とするパルスCVI装置
    の反応チャンバー。
JP2277093U 1993-04-06 1993-04-06 パルスcvi装置の反応チャンバー Pending JPH0676357U (ja)

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