JPH067580Y2 - 電気リセプタクル接触子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電気リセプタクル接触子に関し、さらに詳し
くは、プラグ接触子のプラグ部が挿入するようにチャン
ネル状に形成されているリセプタクル部を有する該接触
子に関する。

（従来技術と課題） 従来、この種の接触子であって、リセプタクル部の基板
から切り起し加工で形成された弾性舌片と、該舌片の所
定部位にエンボス加工で形成された突起とを有し、該リ
セプタクル部内にプラグ接触子のプラグ部を挿入して該
舌片に接触させ、かつ、該突起を該プラグ部の透孔に係
合させるリセプタクル接触子が知られている。一般に、
前記リセプタクル部の前端開口部は、前記プラグ部の挿
入容易性などをはかることなどのため、該プラグ部の幅
よりも広く形成されている。また、前記突起は、前記プ
ラグ部が前記リセプタクル部から不用意に抜脱するのを
未然に防止し、両者の接続・接触信頼性を高めるために
設けられている。

しかしながら、前記突起を前記舌片の所定部位にエンボ
ス加工で形成されたものにあっては、前記透孔の内側面
と接触する該突起の外側面が断面円弧面ないし傾斜面に
形成されている。そのため、前記突起に前記透孔を係合
させた状態で、かつ、前記突起の円弧ないし傾斜外側面
と前記透孔の内側面とが圧接した状態で、なんらかの外
力により、たとえば、前記プラグ部が、前記突起を中心
として該プラグ部の側縁と前記リセプタクル部の前記側
壁の前端内側面との間隙範囲で、左右方向（時計・反時
計）へ旋回すると、前記透孔の下縁が該突起の円弧ない
し傾斜側面を滑りながら該突起を押し下げる。その結
果、前記プラグ部の下面から前記舌片の上面が離れて、
該プラグ部と該舌片との電気接触状態が不良になりまた
は断たれ、かつ、その離れた状態で該プラグ部に後方向
への引っ張り力が加えられると、前記突起と前記透孔と
の係合が完全に解かれて、該プラグ部が前記リセプタク
ル部から抜脱する。したがって、こうしたリセプタクル
部を有する接触子は、前記プラグ部との接続・接触信頼
性に欠ける。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するため、本考案は、基板の両側から起
立して自由縁部が前記基板の内方へ折曲げられた側壁
と、前記基板の前端近傍から後方向へ延びるとともに上
面に突起を有する弾性舌片とを備え、前記自由縁部と前
記弾性舌片との間に挿入される相手のプラグ接触子の透
孔又は凹部と前記突起とが係合する電気リセプタクル接
触子を前提とする。

前記前提の構成において、前記突起は、その前端から後
端へ漸次高くなるように傾斜するとともに末広がりの平
面扇形に形成され、かつ、その後端円弧状部分の外側面
の曲率が前記透孔又は凹部の曲率よりも大きくされると
ともに前記外側面がその後側面から両側面へかけて前記
弾性舌片に対して実質的に垂直に形成されることを特徴
とする。

（実施例） 以下、図面を参照して、本考案に係る電気リセプタクル
接触子を説明する。

第１図において、リセプタクル接触子は、導電性の薄い
金属板から作られている。リセプタクル部１１は、基板
１２と、該基板の両側から起立する側壁１３と、該側壁
が内方へ折曲する自由縁部１３ａと、舌片１４とを有す
る。舌片１４は、基板１２から切り起されて形成され、
該基板の前端近傍から後方向へ延び、後端に上方向へ折
曲する操作部１５と、所定部位の上面にエンボス加工で
形成された突起１６とを有する。リセプタクル部１１の
後端からは、電線をかしめる連結部１７が延出してい
る。

プラグ接触子は、前記リセプタクル接触子よりも若干厚
い導電性の金属板から作られている。プラグ（タブ）部
１８は、所定部位に突起１６に係合する透孔１９を有す
る。透孔１９は、その内側面がプラグ部１８に対して実
質的に垂直に形成され、突起１６に係合しうる限り、凹
部であってもよい。

リセプタクル部１１の両側壁１３の内側面間の幅Ｗ
_１は、プラグ部１８の幅Ｗ_２よりも広く形成されてい
る。これは、プラグ部１８のリセプタクル部１１内に対
する挿入を容易ならしめることなどによる。したがっ
て、プラグ部１８は、該プラグ部を自由縁部１３ａと舌
片１４との間に挿入し、突起１６に透孔１９を係合させ
た状態で、左右方向への押圧力により、該突起を中心と
して左右方向へ所定角度で、すなわち、該プラグ部の両
側縁が側壁１３の前端にそれぞれ衝接するまで旋回せし
められる。

第２図および第３図に示すように、突起１６は、その前
端から後端へ漸次高くなるとともに末広がりの平面扇形
状に形成され、かつ、透孔１９の内側面に接触する後端
円弧上部分の外側面１６ａの曲率が透孔１９のそれより
も大きく形成されるとともに外側面１６ａが舌片１４に
対して実質的に垂直に形成されている。外側面１６ａ
は、突起１６の後側面から両側面へかけて形成されてい
る。外側面１６ａの平面円弧方向の長さは、前記プラグ
部１８の前記旋回時に、該外側面が透孔１９の内側面に
接触する範囲にわたって、換言すれば、該プラグ部の一
側縁が一方の側壁１３（第１図参照）の前端に衝接する
位置から該プラグ部の他側縁が他方の該側壁の前端に衝
接する位置までの範囲にわたって、形成されている。外
側面１６ａは、このように形成されていることが係合安
定性、強度などのうえで好ましいが、透孔１９の内側面
と接触する部分が前記垂直に形成されている限り、該外
側面の平面形状、長さ、角度、曲率などは任意である。

第４図において、突起１６に透孔１９を係合させてある
状態を示してあり、この状態で、かつ、該突起の外側面
１６ａと該透孔の内側面とが圧接した状態で、なんらか
の外力により、たとえば、該突起を中心としてプラグ部
１８が左右方向へ旋回せしめられるときでも、該突起の
外側面１６ａと該透孔の内側面とが単に相対的に摺接す
るだけで、該透孔の内側面が該突起を下方向へ押し下げ
ることがない。互いに接触する突起１６の外側面１６ａ
と透孔１９の内側面とは、前者が舌片１４に対して、か
つ、後者がプラグ部１８に対して、それぞれ実質的に垂
直だからである。

なお、突起１６と透孔１９との係合状態は、前記操作部
１５（第１図参照）を舌片１４の弾性力に抗して押し下
げることによってなされる。また、図示してないが、操
作部１５は、前記リセプタクル接触子をハウジングに装
填した状態で、該ハウジングに設けられた可撓性ないし
弾性操作部を介して前記押し下げるようにすることがで
きる。

（考案の効果） 本考案に係るリセプタクル接触子は、請求の範囲に記載
の特徴部分の構成を有するので、次の効果を奏する。

プラグ接触子を回動しても、リセプタクル接触子の突起
の最も垂直高さの高い後端近傍とプラグ接触子の透孔又
は凹部とが常に適正に係合する。そのため、両者の接続
が外れにくく、電気的信頼性が高い。

しかも、突起は、その傾斜面でプラグ接触子を円滑に摺
動案内するとともに、その摺動につれて徐々に増す抵抗
が急になくなる終端で透孔又は凹部に一挙に落ち込んで
係合する。そのため、操作者は、その係合の手応えを十
分に感知して、プラグ接触子がリセプタクル接触子に完
全に挿入接続したことを確認することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、リセプタクル接触子とプラグ接触子の分離斜
視図。 第２図は、舌片上の突起部位の斜視図。 第３図は、舌片上の突起部位の平面図と、その前側面図
（ただし、舌片は断面）。 第４図は、前記突起とプラグ部の透孔との係合状態の前
側部断面図（ただし、該突起は断面せず）。 １２：基板 １３：側壁 １３ａ：自由縁部 １４：弾性舌片 １６：突起 １６ａ：外側面 １８：プラグ部 １９：透孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基板の両側から起立して自由縁部が前記基
   板の内方へ折曲げられた側壁と、前記基板の前端近傍か
   ら後方向へ延びるとともに上面に突起を有する弾性舌片
   とを備え、前記自由縁部と前記弾性舌片との間に挿入さ
   れる相手のプラグ接触子の透孔又は凹部と前記突起とが
   係合する電気リセプタクル接触子において、 前記突起は、その前端から後端へ漸次高くなるように傾
   斜するとともに末広がりの平面扇形に形成され、かつ、
   その後端円弧状部分の外側面の曲率が前記透孔又は凹部
   の曲率よりも大きくされるとともに前記外側面がその後
   側面から両側面へかけて前記弾性舌片に対して実質的に
   垂直に形成されることを特徴とする前記接触子。