JPH0674707B2

JPH0674707B2 - オイルの取出し装置とその方法

Info

Publication number: JPH0674707B2
Application number: JP63226313A
Authority: JP
Inventors: カルメロフロレスベルムデスシモン
Original assignee: Intevep SA
Current assignee: Intevep SA
Priority date: 1988-09-09
Filing date: 1988-09-09
Publication date: 1994-09-21
Anticipated expiration: 2009-09-21
Also published as: JPH0274785A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）この発明は、地層から原油を取り出す技術に関し、さら
に詳しくは井戸の製造及び／又は産油設備の保守に有益
な流体を井戸のなかに噴入する装置と方法に関する。こ
の発明による装置と方法によれば、井戸から原油を容易
に産出するために理想的な量の流体を噴入することがで
きる。

（従来の技術）従来の技術においては、流体は色々な方法で産油井戸の
なかに噴入されていた。例えば、第１図に示すように、
汲み上げられるオイルを希釈するための流体は井戸ケー
シングと産油チユーブの間の空間に噴入される。そし
て、希釈流体と原油はポンプの入口の下方で混合され
る。

しかし、この方法は、希釈流体の噴入圧と環状空間内に
既にある流体の静止圧が油床の産油圧を抑圧し、産油設
備の効率を低下させる。

第２図に示すように、産油パイプを通して井戸中に流体
を噴入させる方法も従来知られている方法である。

この方法においては、原油と流体の混合は通常産油ポン
プ上約50フイートに位置する貫通ニツプル内で行なわれ
る。そして、流体／原油の混合物は井戸ケーシングと産
油パイプの間の環状空間とニツプルの貫通孔を通つて地
表へ流出される。

（発明が解決しようとする問題点）しかし、この技術には幾つかの欠点がある。先ず、この
方法で希釈流体を井戸の中に噴入させると、それは産油
ポンプを通過しない。その結果、高粘度の原油によつて
ポンプ装置が劣化され、最終的にはポンプが使用不能に
なる。

次に、この装置では流体が産油ポンプを通過しないた
め、耐腐食流体や酸化防止剤のように保守流体を産油設
備内に噴入するのに使用できない。

更にこれら従来技術の他の欠点としては、汲み上げ工程
を容易に行なわせるために正確に、理想的な割合で補助
流体を供給できないことである。

そこでこの発明は、産油設備に悪影響を及ぼすことなく
補助及び／又は保守流体を正確な割合で産油ポンプ内に
導入することによりこれら従来技術の問題点を解決する
ものである。更に、詳しくは産油を抑圧するような負荷
圧力を発生することなく産油ポンプ内に流体を導入する
ものである。

（問題点を解決するための手段）この発明に係るオイルの取り出し装置は正確な割合の補
助、修理或は保守流体をオイルの入口レベルで順次産油
ポンプに導入する手段を備えている。そして、産油ポン
プは可動ピストン、ピストンを往復動させるための手
段、固定された入口バルブ、移動する出口バルブを備え
ている。導入手段は、流体がポンプに導入される際に通
過するポンプケーシングに設けられた開口、流体の供給
源に接続する手段、そして正確な量の流体を供給するた
めのチエツクバルブからなる。更に、好ましい実施例で
は流体の供給源は井戸ケーシングと産油チユーブの間の
環状の空間に噴入された流体で構成する。

（作用）運転中、流体は井戸ケーシングと産油チユーブの間の環
状の空間に噴入される。ピストンが上昇した第１段階で
はポンプの入口バルブは開き、原油はポンプ内に流入す
る。同時に、流体導入手段内のチエツクバルブが開き、
予め定められた量の流体がケーシングの開口を通してポ
ンプ内に導入される。この段階で、オイルと流体の完全
な混合が行なわれる。ピストンが降下すると、入口バル
ブとチエツクバルブが閉鎖され、圧縮状態となる。オイ
ル／流体の混合物の圧がピストン上方の圧より高くなる
と、ポンプの出口バルブが開き、オイル流体混合物はポ
ンプの外に流出する。そして、ピストンが上昇して、上
記工程は繰り返される。

この発明は、汲み上げられるオイルの粘度を低下させる
ため、ポンプ内に希釈流体を導入させるのに使用され
る。また、産油効率を改良するためにポンプ内に修理或
は保守流体をポンプ内に導入するために使用される。

したがつて、この発明の目的は原油取り出しの改良のた
めの装置と方法を提供するものである。

また、この発明は油床の産油圧を抑圧するような負荷圧
力を発生することなく産油設備に正確な量の補助流体を
供給できる装置と方法を提供することにある。

更に、この発明の目的は、産油設備に修理及び／又は保
守流体供給できる装置と方法を提供することにある。

更に、この発明の目的と効果は以下の実施例で明らかに
なるであろう。

（実施例）既に述べたように、この発明は原油を回収するための改
良した装置に関する。

第３図は、油床に開口した井戸の説明図である。井戸
は、通常オイルを井戸のなかに取り入れる複数の貫通孔
14を有する井戸ケーシング12を備えている。産油チユー
ブ16は井戸ケーシングの中央に位置してケーシング12と
の間に環状の空間18を形成する。環状の空間の底部は適
当なパツキング材20によつて地層の底部から隔離されて
いる。

底土ポンプ22は地層から地表にオイルを汲み上げるため
に産油チユーブ16内に位置する。ポンプ22は第５図に示
すようにケーシング乃至ジヤケツト24、固定された入口
バルブのような入口26、可動ピストン28と移動出口バル
ブのような出口30を備えている。ピストン28は上下往復
動が可能である。ピストンはこの図ではその概略を示す
にとどめる。ピストン28は第６図と第７図に示すように
環状部材29によつてチユーブ16内に隔離して位置してい
る。ピストンはロツドストリング31によつて吊下げら
れ、ロツドストリング31は図示されていないが、ピスト
ンを昇降させるための適当な手段に接続されている。

ここでは、通常の底土ポンプが示されている。このよう
なポンプにおいては、オイルはピストンの上昇によつて
入口バルブ26を通してケーシング24内に導入される。ピ
ストンが下降すると、圧縮状態が開始する。ケーシング
内のオイルの圧がピストン上方の圧より高くなると、出
口バルブ30は開き、オイルは産油チユーブ16内に流入し
て最終的に地表に流出される。

原油の粘度は非常に高く、産油量の高い井戸において
は、このためポンプ装置が著しく劣化し、ポンプが使用
不能の状態になる。この問題を解決するための一つの技
術は、オイルを流体で希釈して粘度の低いオイル／流体
混合物を形成することである。この技術を使用するに際
して重要なことは、（１）希釈流体をオイルに対して適
当な割合で加えること、（２）油床の産油圧方向（オイ
ルが地表に汲み上げられる方向）と反対方向に作用する
負荷圧を発生させないように希釈流体を加えることであ
る。

そこでこの発明では第３図と第４図に示すように、希釈
剤のような流体を正確な割合で導入するための手段32を
入口バルブ26のレベル或はそれより僅か上方のポンプ22
内に備え、これにより産油圧に対して負荷圧が発生しな
いようにしてある。そして、上記手段32はポンプケーシ
ングの側壁33に設けられた開口34により構成される。開
口34はポンプへ所定量の流体が流入するように予め定め
られた直径の適当なサイズにしておく。

開口34は環状の空間18内の流体36の供給源に流体路38で
接続されている。流体供給源を保持するのに環状の空間
18を使用する一つの利点は、環状の空間内に噴入された
流体の重さをポンプの下方約30フイートに位置している
パツキング材20で支えることができることである。な
お、ここでは示されていないが、従来公知の適当な手段
が環状の空間18内に流体36を噴入させるために使用され
ている。

通路38の入口には流体36中の微細物質のような混合物を
取り除くためにフイールター40が設けられる。通路38に
は更に開口34を通して正確な、所望量の流体が導入され
るようにチエツクバルブ42が設けられている。チエツク
バルブ42は流体開口45を有するバルブシート44、開口を
閉じるためのボール46、スプリング48から構成される。

第６図に示すように、ピストン28が上昇すると、オイル
と流体はそれぞれ入口バルブ26と開口34を通りポンプ22
内に流入する。このとき、チエツクバルブによつて流体
の導入量は理想的な流体‐原油混合物が生成されるよう
に規制される。同時に、ポンプ内にオイルと流体が送入
されてオイルと流体の混合が完全に行なわれる。第７図
に示すように、ピストン28が下降すると、圧縮状態が始
まる。この結果、入口バルブ26のボールが着座してオイ
ル入口を閉じる。また、チエツクバルブ42のボール46が
着座し、これにより開口34を通しての流体36の流れが停
止する。オイル／流体混合物50の圧がピストン上方より
高くなると、移動出口バルブ30が開き、オイル／流体混
合物50は産油チユーブ16内に流入する。

既に述べたように、流体36は原油の粘度を低下させ、地
表或はエマルジヨン分離器への汲み上げを容易に行なう
ために希釈剤のような補助流体を使用することができ
る。流体36はまた設備の保守に有益な腐食防止剤、酸化
防止剤のような流体を使用することができる。更に、流
体は修理流体或は上澄み除去剤（スキマー）、凝集剤
（フロキユレータ）、パラフイン防止剤、殺菌剤のよう
な他の化学物質を使用することができる。

この発明によれば、産油の要求に応じて補助、修理、或
は保守流体を規制された正確な量でオイルポンプ内に導
入することができる。

必要とあれば、ポンプに入る流体の規制は開口34を調整
することによつて及び／又はチエツクバルブの部材を調
整することによつて行なうこともできる。従来公知の適
当な手段を使用して開口34の調整及び／又はチエツクバ
ルブ部材の調整を行なうことができる。或は他の従来公
知の適当な配分方法を使用してオイル中の流体の量の割
合を調整することができる。

（発明の効果）この発明によれば、原油の汲み上げが非常に容易に行な
うことができる。また、この発明によれば、バーの浮
動、バルブの障害、希釈流体の不足、原油と流体の混合
不足等の問題を解消することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来行なわれていたオイル中に流体を加える
ための装置の概略図、第２図は、従来行なわれていた他
のオイル中に流体を加えるための装置の概略図、第３図
は、この発明によるオイルの取り出し装置の部分横断面
図、第４図は、この発明の補助／保守流体導入装置の分
解部品図、第５図は、この発明の装置に使用する産油ポ
ンプの説明図、第６図は、この発明の方法の第１段階の
説明図、第７図は、この発明の方法の第２段階の説明図
である。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】原油を導入するための入口バルブを有する
ケーシングと、該ケーシングから原油を排出するための
出口バルブを有する可動ピストンからなるポンプ手段を
備え、所定の地表下レベルに入口バルブを配置して地表
下の油床から原油を汲み上げる手段と、前記入口バルブと前記出口バルブとの間であって、前記
ケーシングの壁面の前記入口バルブの高さあるいはそれ
より僅かに高い位置に形成された開口を有し、前記入口
バルブ近傍から前記ケーシング内に流体を導入する流体
導入手段からなることを特徴とする粘度の高い原油の取
り出し装置。
【請求項２】前記開口が所定量の前記流体を導入する大
きさであることを特徴とする請求項１に記載の装置。
【請求項３】前記流体導入手段が、流体源と前記開口を
連通する流路と、前記開口に所定量の流体を導入するた
めに前記流路内に設けられたチェックバルブを有するこ
とを特徴とする請求項２に記載の装置。
【請求項４】前記原油汲み上げ手段が、前記可動ピスト
ンを前記ケーシング内で往復動させる手段を有し、前記
可動ピストンが上昇したときに、原油と流体が前記ケー
シング内に流入し、前記可動ピストンが下降したとき
に、前記入口バルブと前記チェックバルブが閉鎖して、
前記原油と前記流体の混合物が出口バルブから排出され
ることを特徴とする請求項３に記載の装置。
【請求項５】前記装置が、井戸ケーシングと、該井戸ケ
ーシングとの間に環状の空間が形成されるように井戸ケ
ーシング内に挿入される産油チューブと、前記環状の空
間内に前記流体を注入する手段とを備え、前記流体導入
手段が、前記環状の空間から前記流体を取り入れるため
の流体取入手段を有することを特徴とする請求項１に記
載の装置。
【請求項６】前記流体取入手段が、前記流体を濾過する
ための濾過手段を有することを特徴とする請求項５に記
載の装置。
【請求項７】前記環状の空間に注入された流体を該環状
の空間内に保持するために、前記入口バルブ下方の井戸
ケーシングと産油チューブの間にパツキング材を設けた
ことを特徴とする請求項５に記載の装置。
【請求項８】前記流体導入手段が、原油を希釈し、その
粘度を低下させるための流体を供給することを特徴とす
る請求項１に記載の装置。
【請求項９】前記流体導入手段が、前記原油汲み上げ手
段の劣化を防止するように流体を供給することを特徴と
する請求項１に記載の装置。
【請求項１０】入口バルブを有するケーシングと、出口
バルブを有する可動ピストンからなるポンプ手段を備え
るとともに、前記ケーシング内の前記入口バルブ近傍に
流体を導入する流体導入手段を備えた井戸を、前記入口
バルブが地表下の所定のレベルになるように配置する工
程と、前記入口バルブから前記ケーシング内に原油を導入する
とともに、前記流体導入手段によって前記ケーシング内
の前記入口バルブ近傍に流体を導入する工程と、前記原油と前記流体の混合物を前記出口バルブから排出
する工程からなる粘度の高い原油の取り出し方法。
【請求項１１】前記ケーシング内に原油と流体を導入す
る工程が、前記可動ピストンの上昇中に行われるととも
に、前記混合物を排出する工程が、前記可動ピストンの
下降中に行われることを特徴とする請求項10に記載の方
法。
【請求項１２】前記井戸が、井戸ケーシングと、該井戸
ケーシングとの間に環状の空間が形成されるように井戸
ケーシング内に挿入される産油チューブとを備え、前記
方法が前記環状の空間に流体を注入する工程を有し、前
記流体導入手段が、前記環状の空間に注入された流体を
前記ケーシング内に導入するとともに、導入される流体
の量を所定量に規制することを特徴とする請求項10に記
載の方法。
【請求項１３】前記流体が腐食防止剤であることを特徴
とする請求項10に記載の方法。
【請求項１４】前記流体が酸化防止剤であることを特徴
とする請求項10に記載の方法。
【請求項１５】前記流体がスキマーであることを特徴と
する請求項10に記載の方法。
【請求項１６】前記流体がエマルジョン分離剤であるこ
とを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項１７】前記流体がフロキュレータであることを
特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項１８】前記流体がパラフィン防止剤であること
を特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項１９】前記流体が殺菌剤であることを特徴とす
る請求項10に記載の方法。