JPH0673309A - 制振塗料 - Google Patents

制振塗料

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JPH0673309A
JPH0673309A JP28386991A JP28386991A JPH0673309A JP H0673309 A JPH0673309 A JP H0673309A JP 28386991 A JP28386991 A JP 28386991A JP 28386991 A JP28386991 A JP 28386991A JP H0673309 A JPH0673309 A JP H0673309A
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JP
Japan
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vibration
damping
piezoelectric
substance
conductive
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JP28386991A
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Yukihiro Tsuchiya
行宏 土屋
Takashi Hashimoto
隆 橋本
Hideo Okawa
秀夫 大川
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Idemitsu Fine Composites Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗膜が薄くても常時安定した制振性能が得ら
れるとともに調整が容易な制振塗料を提供すること。 【構成】 圧電性物質の粉体と導電性物質の粉体とを塗
料ビヒクル中に分散させ、あるいは圧電性物質を導電性
物質で被覆した複合粒子または導電性物質を圧電性物質
で被覆した複合粒子が塗料ビヒクル中に分散させる。 【効果】 圧電性物質および導電性物質により振動エネ
ルギを電気エネルギを経て熱エネルギに変換して発散す
ることで優れた制振性が得られ、塗膜を薄くでき、配合
により調製も容易になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振塗料に関し、各種機
械装置や建築構造物などの防音材や防振材として利用で
きる。
【0002】
【背景技術】近年、騒音や振動は公害として大きな社会
問題となっており、自動者などの車両、建物などの構造
物、住居で用いられる家庭電化製品、音響機器などの各
分野で防音性や防振性を高めるための対策がなされてい
る。また、精密機器や光学機器では振動等が動作に影響
を及ぼすことがあり、精度を向上するために防振性が要
求されている。
【0003】音や振動は発生源から空気や固体を介して
人体や他の機器等に伝播する振動エネルギであり、音や
振動による影響を防止するためには振動エネルギの吸収
や遮断による伝播の防止が主な対策となっている。例え
ば、振動が伝播する部材間では間に吸振材料を介装する
ことがなされており、振動する面材に対してはシート状
ないしフィルム状の制振材料を張ることがなされてい
る。
【0004】制振材料としては、振動の吸収性がよい各
種ゴム等のエラストマや質量が大きく振動しにくい材料
などが利用されているほか、近年では圧電効果を利用し
た圧電式の制振材料が開発されている。具体的には、PZ
T(ジルコン酸チタン酸鉛) 、PLZT( ジルコン酸チタン酸
ランタン鉛) 等のセラミックス圧電性物質の粒子と、カ
ーボンブラックや黒鉛等の導電性材料の粒子とを、PP(
ポリプロピレン) 等の熱可塑性樹脂に混練し、適宜形状
に成形した圧電式制振材料が知られている( 特公昭61-4
6498号公報、特開昭62-255135 号公報等参照) 。
【0005】このような圧電式制振材料においては、圧
電性物質が振動によって起電力を生じ、さらに起電力に
応じた電流が導電性粒子を流れることでジュール熱を生
じる。従って、この制振材料に加えられた振動エネルギ
は電気エネルギに変換され、続いて熱エネルギに変換さ
れて発散され、これにより振動エネルギの吸収遮断が行
われる。しかしながら、この圧電式制振材料は、熱可塑
性樹脂を基体としているため、その適用しうる部位や形
状及び機械的特性が熱可塑性樹脂の成形性や機械的特性
に依存し、必ずしも万能ではない。
【0006】一方、近年では、制振処理の適用部位や形
状などに関する自由度が高くできることから、塗装によ
り制振処理が行える制振塗料が注目されている。従来の
制振塗料は、塗料ビヒクル中に板状や繊維状等の充填剤
を配合し、塗装により塗膜を形成した際の全体的な重量
や剛性などを増加させ、振動に対する機械的性能を高め
ることにより制振効果を得ているものであり、圧電式等
の制振材料を塗料に応用した例は存在しない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の制振塗料においては、塗膜の重量および剛性によっ
て制振効果を得ているため、十分な制振効果を得るには
通常の塗料に比べて塗膜を格段に厚くする必要がある。
【0008】このため、塗装作業が困難になるうえ、塗
膜が厚くなることで仕上がりが不均一になり、制振効果
にもばらつきが生じやすいという問題がある。また、従
来の制振塗料は、塗膜の機械的性能を利用しているため
温度依存性が高く、狭い温度範囲でしか十分な制振効果
が得られないという問題がある。さらに、制振する振動
周波数が異なる場合、配合する充填剤の配合比率や種類
を変えているが、特定の振動周波数に対応させるための
調整が難しいという問題があった。
【0009】本発明の目的は、塗膜が薄くても常時安定
した制振性能が得られるとともに調整が容易な制振塗料
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋭意研究した
結果、圧電性物質と導電性物質とを塗料中に添加しても
塗料として機能することを見出してなされたものであ
り、圧電性物質と導電性物質とを含有することを特徴と
する制振塗料である。この際、圧電性物質の粉体と導電
性物質の粉体とが塗料ビヒクル中に分散させたもの、あ
るいは圧電性物質を導電性物質で被覆した複合粒子また
は導電性物質を圧電性物質で被覆した複合粒子が塗料ビ
ヒクル中に分散させたものとすることが望ましい。
【0011】圧電性物質としては次のようなものが利用
できる。無機系 PbTiO3系、Pb(Ti,Zr)O3 の二成分系( ジルコン酸チタン
酸鉛 PZT等) や三成分系( ジルコン酸チタン酸ランタン
鉛 PbLa(Ti,Zr)O3=PLZT等) 、LiNbO3系、LiTaO3系、Ba
TiO3系、ZnO 単結晶など。なかでもPb(Ti,Zr)O3 系や P
bLa(Ti,Zr)O3系が好ましく、これらは二種以上を混合使
用してもよい。有機系 ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFとトリフルオロエチ
レンとの共重合体、シアン化ビニリデンと酢酸ビニルと
の共重合体など。また、電界により分極の向きが反転す
る性質を有する他の強誘電体など、圧電効果を示すもの
など。
【0012】導電性材料としては次のようなものが利用
できる。金属、金属酸化物、カーボン、グラファイトな
ど。これらは二種以上混合使用してもよい。
【0013】塗料ビヒクルとしては次のようなものが利
用できる。瀝青系、エポキシ系、ウレタン系、フタル酸
系、エマルジョン系、塩ビ系、アクリル系、アクリルウ
レタン系、アルキド系など。塗料ビヒクルが制振性に影
響することはなく、その他のビヒクルでも圧電性物質お
よび導電性物質を配合しかつ塗膜を形成できるものであ
れば利用でき、被塗装面に応じて適宜選択すればよい。
【0014】これらの塗料ビヒクルに前述した圧電性物
質および導電性物質を配合する手段は特定されるもので
はなく、各々をそれぞれ微粒子化して塗料ビヒクル中に
分散させたり、各々を複合粒子として分散させる等の手
段が利用できる。
【0015】複合粒子とする方法は特に限定されない
が、例えば圧電性物質を粉体粒子とし、その表面に金属
メッキ、蒸着、ディッピング、塗装等により金属層など
の導電性材料の被膜を形成する方法、あるいは圧電性物
質または導電性物質の一方を粉体粒子とし、この粒子を
芯材として圧電性物質または導電性物質の他方を衝突な
いし接触させ、衝撃力や摩擦力により芯材表面に膜化固
定する方法 (メカノケミカル法) 等が利用できる。
【0016】本発明の塗料において、圧電性物質および
導電性物質の粉体または複合粒子の粒径は 100μm 以下
であることが好ましく、より小さいほうが塗膜外観 (光
沢、平滑性) を良好にできる。また、基本的な圧電性物
質の発電性能や導電性材料の表面電気抵抗値等は、制振
対象物やその振動状態といった実際の適用条件に応じて
適宜調整することが望ましい。
【0017】配合にあたっては、圧電性物質および導電
性物質の合計体積比率が全体の10〜60%であることが望
ましい。10%以下では十分な制振性能が得られず、60%
を超えると塗膜保持性が低下し、外観不良となる。
【0018】また、(圧電性物質/導電性物質)の体積
比率が95/5ないし20/80 となることが望ましい。95/5よ
り大きいと圧電性物質が変換した電気エネルギを効率よ
く熱エネルギに変換することができず、20/80 より小さ
いと振動エネルギを十分に電気エネルギに変換できず、
何れも制振効果が低下する。
【0019】さらに、本発明の塗料には、一般的な塗料
に用いられる顔料や充填剤、塗膜形成助要素としての可
塑剤、乾燥剤、硬化剤、皮張り防止剤、増粘剤、光沢付
与剤、はけ目防止剤、たれ防止剤、酸化防止剤、防食
剤、防かび剤、紫外線吸収剤等を適量添加してもよい。
【0020】
【作 用】このような本発明においては、制振対象物の
表面に塗布することで制振性の塗膜を形成し、当該対象
物に対する制振効果が得られる。すなわち、振動が加え
られると塗料被膜中に配合された圧電性物質が起電力を
生じ、導電性物質に電流が流れ、その電気抵抗に応じて
発熱を生じて元の振動エネルギを発散させ、これにより
振動が吸収される。
【0021】従って、本発明においては、充填材を配合
して塗膜の重量等を増す従来の制振塗料に比べて塗膜が
薄くても十分な制振性が得られ、塗膜の厚さによる不均
一性も解消される。また、電気的な振動エネルギ変換な
いし発散を行うため、温度に応じて塗膜の機械的性質が
変化しても電気的な制振効果には影響がなく、制振効果
が広い温度領域で常時安定して得られることになる。さ
らに、圧電性物質や導電性物質の基本的な発電性能や電
気抵抗値、配合比率等を変化させることで振動エネルギ
の変換状態や発散状態を幅広く調整可能であり、制振性
能の調整が簡単であり、これらにより前記目的が達成さ
れる。
【0022】
【実施例】実施例1〜7 圧電性物質にはPLZT粉体 (住友精化(株)製、粒径 5μ
m 、組成; Pb0.91La0.09(Zr0.65Ti0.35)0.9775O3) を用
いる。導電性物質にはカーボン粉末 (東海カーボン
(株)製、粒径0.03μm 、TOKAISEAST 300)を用いる。
塗料ビヒクルには市販のアクリルラッカー (クリア) を
用いる。そして、前述のアクリルラッカーに圧電性粉体
および導電性粉体を加え、スターラで約10分間混合して
制振塗料を製造した。各実施例の混合比率等は表1に示
す通りである。
【0023】比較例1〜4 実施例1〜7と同じ圧電性粉体、導電性粉体、塗料ビヒ
クルを用い、同様な手順で混合比率の異なるものを製造
した。各比較例の混合比率等は表1に示す通りである。
【0024】次に、各実施例1〜7および比較例1〜4
の塗料を、それぞれ平面40mm×15mmで厚さ0.2mm の鋼板
の表面に刷毛塗りし、約500 μm の塗膜を形成した。そ
して、各々の塗膜表面の外観状態を目視により観察して
各々の良否を判定するとともに、以下に述べる残留振動
測定試験を行って各々の減衰時定数を測定した。各々の
結果を表1に示す。
【0025】残留振動測定試験 試験には、図1に示す残留振動測定装置を用いた。
【0026】図1において、試験片10は固定台に一端を
片持ち支持され、他端側にはパルス駆動モータ11により
振動が加えられるようになっている。パルス駆動モータ
11には増幅器12を介して発振器13が接続され、パルス駆
動モータ11は発振器13で発生された基本振動信号に応じ
た振動を発生する。
【0027】発振器13にはオシロスコープ14が接続され
ており、オシロスコープ14には増幅器15を介して非接触
変位センサ16が接続されるとともに、解析用のコンピュ
ータ17が接続されている。非接触センサ16は試験片10の
他端側に近接配置され、パルス駆動モータ11で振動が加
えられた試験片10の振動変位を検出し、オシロスコープ
14に出力する。
【0028】オシロスコープ14は、発振器13が発生した
基本的な振動波形および非接触変位センサ16で検出され
た試験片10の振動波形をモニタ表示する。コンピュータ
17は、発振器13ないしパルス駆動モータ11を起動して試
験片10に振動を加え、その結果として生じる非接触セン
サ16からの試験片10の残留振動波形と比較することで試
験片10の減衰時定数を決定する。
【0029】このような測定装置により、実施例1〜7
および比較例1〜4に基づく各試験片に振動を加え、そ
の残留振動波形を測定し(図2参照)、そのピークを指
数関数近似し、減衰振幅A1が初期振幅A0の1/e になる時
間τ(msec)を算出した(図3参照)。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜7および比較例1〜4の考察 前述した試験の結果、実施例1〜7ではそれぞれ外観良
好かつ減衰時定数がτ=80〜160 となり、τ=210 以上
あるいは外観不良の比較例1〜4よりも優れていること
が判る。
【0032】このうち、実施例1〜4のように塗料ビヒ
クルと導電性物質および圧電性物質の和との比率が40/6
0 で同じである場合、導電性物質と圧電性物質との比率
が50/50 の実施例2、およびこの比率が80/20 の実施例
3で最も良好な制振性が得られている。しかし、この比
率が20/80 の実施例1では制振性がやや劣り、比率が10
/90 と圧電性物質に対して導電性物質が過多となる比較
例1ではτ=210 となり、十分な制振性が得られなくな
る。また、この比率が95/5の実施例3では制振性がやや
劣り、比率が97/3と圧電性物質に対して導電性物質が過
少となる比較例2ではτ=220 となり、やはり十分な制
振性が得られなくなる。
【0033】一方、実施例3、5〜7のように導電性物
質と圧電性物質との比率が80/20 で同じである場合、塗
料ビヒクルと導電性物質および圧電性物質の和との比率
が40/60 の実施例3ではτ=80、比率が60/40 の実施例
5ではτ=90と優れた制振性が得られている。しかし、
この比率が80/20 の実施例6ではτ=140 、比率が90/1
0 の実施例6ではτ=160 と制振性が低下し、比率が95
/5と塗料ビヒクルに対して導電性物質および圧電性物質
が僅かしかない比較例4ではτ=250 となり、十分な制
振性が得られなくなる。また、塗料ビヒクルに対して導
電性物質および圧電性物質がともに多い比較例3ではτ
=70となり、制振性は十分であるが塗装外観が劣るもの
になることが判る。
【0034】実施例8〜13 圧電性物質には PZT粉体 (富士チタン工業(株)製、PE
60A ) 、およびPLZT粉体 (住友精化(株)製、組成; Pb
0.91La0.09(Zr0.65Ti0.35)0.9775O3) を用いる。導電性
物質にはNiおよびCuを用い、前述の圧電性粉体に常法に
より無電解メッキを行って複合粒子とする。塗料ビヒク
ルには市販のアクリルラッカー (クリア) を用いる。そ
して、前述のアクリルラッカーに複合粒子を加え、スタ
ーラで約10分間混合して制振塗料を製造した。各実施例
の混合比率、膜厚等は表2に示す通りである。
【0035】比較例5〜6 実施例8〜13と同様な圧電性粉体、導電性物質、塗料ビ
ヒクルを用いて同様な手順で制振塗料を製造した。ただ
し、複合粒子の導電性物質の膜厚が異なるものとした。
各比較例の配合比率、膜厚等は表2に示す通りである。
【0036】次に、各実施例8〜13および比較例5〜6
の塗料を、それぞれ前述した実施例1〜7と同様な試験
片に塗布し、同様な塗装外観の判定および残留振動測定
試験を行った。各々の結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例8〜13および比較例5〜6の考察 前述した試験の結果、実施例8〜13ではそれぞれ外観良
好かつ減衰時定数がτ=65〜120 となり、τ=190 以上
の比較例5〜6より優れていることが判る。
【0039】このうち、複合粒子の大きさ、つまり基本
的な圧電性粉体の粒径が異なる実施例8と実施例9によ
れば、圧電性粒子と導電性物質との比率が81.6/18.4 な
いし85.5/14.5 と略同じであればτ=90〜85となり、共
に良好な制振性が得られている。しかし、複合粒子の導
電性物質の膜厚が薄く、圧電性粒子と導電性物質との比
率が96.1/3.9となる比較例5ではτ=190 と十分な制振
性が得られない。また、複合粒子の導電性物質の膜厚が
厚く、圧電性粒子と導電性物質との比率が18.7/81.3 と
なる比較例6でもτ=200 と十分な制振性が得られな
い。
【0040】一方、圧電性粉体がPZT およびPLZTで異な
る実施例9と実施例10とでは、PLZTのほうがやや良いも
ののτ=85〜75と共に良好な制振性が得られている。さ
らに、導電性物質がCuおよびNiで異なる実施例10と実施
例11とでは、Cuのほうがやや良いもののτ=75〜70と共
に良好な制振性が得られている。
【0041】また、塗料ビヒクルと複合粒子との配合比
率を変えた場合、この比率が70/30の実施例10ではτ=7
5であるが、比率が40/60 と複合粒子が多い実施例12で
はτ=65と一層良好になる。しかし、比率が80/20 と複
合粒子が少ない実施例13ではτ=120 と制振性がやや劣
る。ただし、比較例5〜6のτ=190 〜200 に比べれば
十分な制振性が得られている。
【0042】実施例14〜15 圧電性物質にはPLZT粉体 (住友精化(株)製、組成; Pb
0.91La0.09(Zr0.65Ti0.35)0.9775O3 )を用いる。導電性
物質にはFe粉末を用い、メカノケミカル法により複合粒
子を製造した。このうち、実施例14では圧電性粉体の表
面に導電製物質を被覆し、実施例15では逆に導電性粉末
の表面に圧電性物質を被覆した。処理には奈良機械
(株) 製ハイブリタイザーI型を用い、ハンマー回転数8
000rpm で3分間処理を行った。塗料ビヒクルには市販
のアクリルラッカー (クリア) を用いる。そして、前述
のアクリルラッカーに複合粒子を加え、スターラで約10
分間混合して制振塗料を製造した。各実施例の混合比
率、膜厚等は表3に示す通りである。
【0043】次に、各実施例14〜15の塗料を、それぞれ
前述した実施例1〜7と同様な試験片に塗布し、同様な
塗装外観の判定および残留振動測定試験を行った。各々
の結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】実施例14〜15の考察 前述した試験の結果、実施例14〜15ではそれぞれ外観良
好かつ減衰時定数がτ=110 〜130 となり、それぞれ前
述したτ=190 〜200 の比較例5〜6 (表2参照) 等よ
り優れていることが判る。ここで、実施例14では圧電性
粉体の表面に導電製物質が被覆され、実施例15では逆に
導電性粉末の表面に圧電性物質が被覆されており、複合
粒子としては圧電性物質と導電性物質とが芯材および被
覆の何れに配置されていても同じように良好な制振性が
得られることが判る。そして、実施例14での圧電性物質
と導電性物質との比率は41.9/58.1 であり、実施例15で
の圧電性物質と導電性物質との比率は69.1/30.9 であ
り、複合粒子としては前述した比較例5〜6のように偏
った比率にならなければ良好な制振性が得られることが
判る。
【0046】
【発明の効果】本発明の制振塗料によれば、圧電性物質
および導電性物質により振動エネルギを電気エネルギを
経て熱エネルギに変換して発散することで優れた制振性
が得られ、塗膜が薄くても常時安定した制振性能が得ら
れるとともに、圧電性物質および導電性物質の配合によ
り制振性の調整が容易にでき、さらに塗料であるため各
種形態の部位に対しても塗布により簡単に制振処理を行
うことができる。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の残留振動測定装置を示すブロ
ック図。
【図2】前記実施例の残留振動測定装置で検出する残留
振動波形を示すグラフ。
【図3】前記実施例の残留振動測定試験手順を示すグラ
フ。
【符号の説明】
10 試験片 11 パルス駆動モータ 13 発振器 14 オシロスコープ 16 非接触変位センサ 17 解析用のコンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性物質と導電性物質とを含有するこ
    とを特徴とする制振塗料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した制振塗料において、
    圧電性物質の粉体と導電性物質の粉体とが塗料ビヒクル
    中に分散されていることを特徴とする制振塗料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した制振塗料において、
    圧電性物質を導電性物質で被覆した複合粒子または導電
    性物質を圧電性物質で被覆した複合粒子が塗料ビヒクル
    中に分散されていることを特徴とする制振塗料。
JP28386991A 1991-10-03 1991-10-03 制振塗料 Withdrawn JPH0673309A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001040391A1 (fr) * 1999-12-02 2001-06-07 Shishiai-Kabushikigaisha Materiau pour revetement amortissant les vibrations
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CN102702900A (zh) * 2012-05-17 2012-10-03 青岛爱尔家佳新材料有限公司 一种新型水性阻尼吸音涂料及其制备方法
RU2580595C2 (ru) * 2013-11-13 2016-04-10 Российская Федерация, От Имени Которой Выступает Министерство Промышленности И Торговли Российской Федерации Вибродемпфирующее устройство для корпуса транспортного средства

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