JPH067314Y2 - 差圧式流量変換器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は例えば空気、ガスのような流体の流量を測定
する差圧式流量変換器に関する。

「従来の技術」 従来より第２図に示すような構造の差圧式流量変換器が
用いられている。この差圧式流量変換器は測定ユニット
１と、この測定ユニット１の両側に配置した整流管２
Ａ，２Ｂと、整流管２Ａ，2Bの両側に配置した継手３
Ａ，３Ｂと、測定ユニット１と整流管２Ａ，２Ｂのそれ
ぞれの間に形成したスリット４Ａ，４Ｂと、測定ユニッ
ト１の両端に発生する差圧を測定する差圧計５とによっ
て構成される。

測定管１及び整流管２Ａ，２Ｂは筒状体の中空部に内径
が例えば0.25〜0.35mm程度の細管６をすき間なく挿填し
た構造とされ、測定ユニット１では例えば継手３Ａ側か
ら被測定流体を与えるとき細管６の存在によってその両
端に差圧を発生させ、整流管２Ａと２Ｂは測定ユニット
１の上流と下流において細管６の存在によって流体に渦
流の発生を抑える働きを行なわせている。

「考案が解決しようとする課題」 第２図に示した構造において、測定ユニット１と整流管
２Ａ，２Ｂに挿填した細管６は整流管2A−測定ユニット
１−整流管２Ｂの全てを通して各１本毎が同一軸上に配
置されなければならない。つまり細管６の軸が整流管２
Ａ，２Ｂと測定ユニット１の相互において合致しないと
きはスリット４Ａと４Ｂの部分で渦流が発生し、流体の
流速と発生する差圧の関係が直線にならない不都合が生
じる。

このため従来は予め一体構造の管に細管６を挿填し、こ
の管を切断して測定ユニット１と整流管２Ａ，２Ｂを得
て、組立を行なうようにしているが、一度分離してしま
うと、組立時に細管６の相互の軸を合致させて組立るこ
とはむずかしい。

従って直線性のよい流量計を得るには分解組立を繰返
し、直線性のよい状態に組立てるまでに時間と手間が掛
る欠点がある。

また従来は筒状体を分断した後で整流管２Ａ，２Ｂの切
断面に凹部を形成し、この凹部の形成によってスリット
４Ａ，４Ｂを形成したからスリット４Ａ，４Ｂの間隙を
狭く作ることがむずかしい。スリット４Ａ，４Ｂの間隙
が広いと、この点で渦流が発生し、この点でも直線性が
悪くなる構造となっている。

「課題を解決するための手段」 この考案では、筒状体の中空部に細管を束ねて挿填し、
筒状体の管軸と直交する方向に少なくとも筒状体の管肉
の一部を残し、細管の過半数を切断するように形成した
二条のスリットを具備した内筒と、 この内筒の外周に嵌合し、二条のスリットの位置に対向
して差圧取出孔を持つ外筒と、 によって差圧式流量計用整流管を構成したものである。

この考案の構成によれば筒状体の中空部に予め細管を挿
填し、この状態で筒状体の管肉の一部を残して細管の過
半数を切断するようにスリットを形成して構成するもの
であるから測定ユニットと整流管は分離されることな
く、一体構造を保ったまま組立てられる。

よって細管の軸は全て合致した状態を保つため、一度の
組立工程で直線性のよい差圧式流量測定器を得ることが
できる。

「実施例」 第１図にこの考案の一実施例を示す。図中１１は内筒、
１２は外筒、３Ａ，３Ｂは継手を示す。

内筒１１は筒状体によって構成され、この筒状体の中空
部に細管６をすき間なく挿填する。11Aと１１Ｂは内筒
１１に形成したスリットを示す。このスリットは筒状体
に細管６を挿填した状態で円盤状のトイシを回転させた
切削機で形成する。この切込深さは細管６の過半数を切
断すると共に筒状体の管肉１１Ｃの一部が切断されずに
残る程度に選定する。従って細管６はその一部が切断さ
れずに継がった状態のものが少し有ってもよい。

スリット１１Ａ，１１Ｂの形成によって測定ユニット１
と整流管２Ａ，２Ｂが形成される。

外筒１２は内筒１１の外周に嵌合し、オーリング１３
Ａ，１３Ｂ，１３Ｃによってスリット11A，１１Ｂの相
互の間及びスリット１１Ａ，１１Ｂと外気の間を遮蔽す
る。更に外筒にはスリット11A，１１Ｂと対向する位置
に差圧取出孔１２Ａ，12Bが形成され、この差圧取出孔
１２Ａ，１２Ｂがスリット１１Ａ，１１Ｂに連通して差
圧を取出し、差圧計５に伝達する。

スリット１１Ａ，１１Ｂは回転トイシによって形成する
からその間隙の幅を0.5mm程度の狭い間隙に形成するこ
とができる。

「考案の効果」 以上説明したようにこの考案によれば一体の筒状体に予
め細筒６を挿填した状態で切削機によって筒状体を切離
すことなくスリット１１Ａ，11Bを形成し、このスリッ
ト１１Ａ，１１Ｂを形成した筒状体を内筒１１とし、こ
の内筒１１によって測定ユニット１と整流管２Ａ，２Ｂ
を形成したから、測定ユニット１と整流管２Ａ，２Ｂに
挿填された細管は相互に軸芯が合致して作られる。

よって一度の組立で流量変換特性の直線性がよい流量変
換器を得ることができる。

また組立も一度で済むから手間を大幅に省力化すること
ができるため製造コストを低減することができる。

更にスリット１１Ａ，１１Ｂの幅を狭く作ることができ
るから、この点でも直線性の向上が期待できる。

よって安価で然も直線性のよい流量変換器を提供するこ
とができ、その効果は実用に供して頗る大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第２図は従
来の技術を説明するための断面図である。 １：測定ユニット、２Ａ，２Ｂ：整流管、３Ａ，３Ｂ：
継手、１１：内筒、１１Ａ，１１Ｂ：スリット、１２：
外筒、１２Ａ，１２Ｂ：差圧取出孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】Ａ．筒状体の中空部に細管を束ねて挿填
   し、筒状体の管軸と直交する方向に少なくとも筒状体の
   管肉の一部を残し、細管の過半数を切断するように形成
   した二条のスリットを具備した内筒と、 Ｂ．この内筒の外周に嵌合し、上記二条のスリットの位
   置に対向して差圧取出孔を持つ外筒と、 Ｃ．この外筒に形成された差圧取出孔に接続されて上記
   二条のスリット間に発生する差圧を測定する差圧計と、 から成る差圧式流量変換器。