JPH067308A - 血圧測定装置におけるアーチファクトの検出方法 - Google Patents

血圧測定装置におけるアーチファクトの検出方法

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JPH067308A
JPH067308A JP5077000A JP7700093A JPH067308A JP H067308 A JPH067308 A JP H067308A JP 5077000 A JP5077000 A JP 5077000A JP 7700093 A JP7700093 A JP 7700093A JP H067308 A JPH067308 A JP H067308A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血圧測定装置における人為的アーチファクト
を検出/抑止する信頼性の高い方法を提供すること 【構成】 血圧測定装置におけるアーチファクトの検出
方法であり、特に、侵襲式血圧測定装置における血液サ
ンプル採取又は瀉水に起因するアーチファクトの検出方
法である。この方法は、或る時間順の血圧サンプルが或
る平均値より大きい場合と、その血圧サンプルが所定の
限界値を超えた場合と、その血圧サンプルの勾配が前記
とは別の限界値(22)を超えた場合とからなる条件の全て
が所定時間(28)に亘って該当した場合に前記測定装置に
関連するアラームをディセーブルにする。血圧サンプル
の勾配が或る限界値以下となり、又は脈動が検出され、
又は絶対値が所定時間に亘りある限界値以下となり、又
はロングタイムアウト(24)が発生した場合に、アーチフ
ァクトの終了を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療モニタ分野に関し、
特に血圧のモニタに関する。詳細には、本発明は血圧測
定装置における人為的アーチファクトの検出方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医療モニタの主な目的は、患者の心電
図、呼吸、血圧等の生命徴候を(グラフ又は数値形式
で)表示又は記録するばかりではなく、生理学的パラメ
ータが疑わしいパターン又は病理的パターンを示した場
合に医療従事者の関心を喚起することにある。看護婦又
は医師に警報を発し又は注意を喚起するための通常の技
術は、生理学的なパラメタが所定の(及び/又は調整可
能な)限界を超えた場合に起動される(モニタ画面上の
点滅する数値及び/又はカラー表示される数値、又はブ
ザー等の)音響又は視覚アラーム装置である。このアラ
ームは例えば心拍数又は血圧が上限を超え、又は下限を
下回った場合に生成される。
【0003】このようなアラームは患者の看護及び安全
にとって不可欠なものである。従ってアラーム装置は通
常はアラーム条件の発生に極めて敏感なものである。
【0004】しかし、アラーム感度の高いモニタを行う
ということは、患者の重大な危険を実際には示していな
い状態でアラーム装置がトリガされてしまう場合がある
ということも意味する。このようなアラームは偽・肯定
(false-positive)アラームと呼ばれる。これは医療従事
者を混乱させて一層重要な仕事への従事を妨げ、また多
数の偽−肯定アラームが発生することによってモニタの
アラーム能力の信頼性が損なわれる恐れがある。更に不
都合なことに、頻繁に発生する偽−肯定アラームに慣れ
てくると、本当のアラーム(即ち、患者の危険な状態を
実際に表示し、即座に処置することを要求するアラー
ム)が無視されたり、そうでなくとも、医療従事者の関
心を免れてしまう恐れがある。このような慣れによる影
響が患者にとって重大な危険を意味することは言うまで
もない。
【0005】従って医療用モニタ装置の主な設計上の目
的は、偽−肯定アラーム数をできる限り少なく保つこと
にある。
【0006】アラーム装置の感度を低下させる(例え
ば、実施される検査数の縮減又はアラーム限界を一層感
度の低いものとすること)手段はどのようなものであっ
ても、直面する問題の適切な解決策でないことは明白で
ある。これは、そのような手段が本当のアラームをも抑
止してしまう可能性があるからである。しかし、モニタ
されたパラメタとは無関係な事象により偽−肯定アラー
ムが発生する場合が頻繁にある。このような事象は、例
えば患者が動いた場合のように患者自身に起因すること
も、電気メスを用いた手術(電子手術)等の外的処置に
起因することもあり、又、その他の原因(例えば環境の
ノイズ)により発生する場合もある。このような事象に
は、電子装置によって検出可能な特性パターンを生成す
るものもある。例えば、電子手術は、心電図の有用なス
ペクトル成分とは異なる周波数範囲のノイズを生成し、
この場合は、有用信号とノイズとは、適切な帯域限界を
有するフィルタによって分離することができる。
【0007】生理学的信号とは無関係な成分を抑止する
(ひいては偽−肯定アラームを防止するのに有用な)技
術は、「アーチファクト抑止」として公知である。前述
の考察は、妨害信号(アーチファクト)が有用信号の成
分と少なくとも部分的に異なる成分を含む場合に限り、
そのような技術を導入できることを示している(このよ
うな異なる成分はスペクトル成分であったり、又、時間
領域における特性であったりする)。このような差異
は、時間領域及び/又は周波数領域における基本的に周
知の成分を有する妨害信号を発生する外部ノイズ源から
発せられるノイズ(以後「人為的アーチファクト」と称
す)において特に発生する、ということが理解されよ
う。
【0008】アーチファクトを抑止することの利点は否
定できないものの、この方法は実際にはこれまであまり
採用されなかった。その主な理由は、アーチファクトの
検出に伴う技術上の問題である。大部分の事例では、ア
ーチファクトの時間/周波数特性は精確には知られてお
らずまた再現性がなく(即ち事例によって著しく異な
る)、また(少なくともある事例では)有用な生理学的
信号と部分的に重複する。後者の場合には、「実際の」
生理学的アラームを抑止してしまい、救急状態が認識さ
れなくなるというリスクがあるので、アーチファクト検
出/抑止方法は全く採用できない。
【0009】従って、アーチファクト抑止は、極めて敏
感な技術であり、現在のところ前述の電子手術の信号の
抑止の場合のように、アーチファクトと有用な生理学的
信号とを明確且つ容易に分離できる状況においてのみ採
用されている。現在採用されているアーチファクト抑止
技術の内容は、I.J.Rampil著の「Intelligent Detectio
n of Artifact(アーチファクトの知的な検出)」と題す
る論文(Gravenstein等編「The Automated Anesthesia
Record System and Alarm System(麻酔自動記録装置と
アラーム装置)」(1987年Butterworths出版刊、所収))
に記載されている。
【0010】本発明は特に(例えば動脈の)侵襲式血圧
測定装置における人為的アーチファクトの検出/抑止に
関する。現在利用可能な血圧モニタの大部分は、制動過
剰又は制動不足のチューブ(tubing)装置やカテーテルの
瀉水(flushing)等によって引き起こされる相当量の偽−
肯定アラームを発生するものである。この点の詳細につ
いては上記Rampil氏の文献を参照されたい。
【0011】Rampil氏は、動脈血圧モニタ装置における
アーチファクト抑止の幾つかの公知技術、即ち、血圧と
振幅限界との比較、圧力誘導(pressure derivative)法
の検討、周波数分析、バターン探索、又は適応フィルタ
等について論及している。これらの公知の技術は、全て
信頼性に欠け、及び/又は時間を浪費し及び実施につき
高コストを要するものとなる。例えば、振幅制限方法
は、制限された振幅のノイズを発生する妨害源を考慮し
ておらず、また生理学的なアラームを抑止してしまうこ
とさえある。同様のことが圧力誘導法にも当てはまる。
即ち、ほとんどの妨害源が生理学的領域内でアップエッ
ジ及びダウンエッジを生成する。また、周波数分析方法
では高速フーリエ変換又はワルシュ(Walsh)変換を必要
とし、これは多くのプログラミング努力及びCPU時間
を要することを意味する。このことはディジタルフィル
タリングにも該当し、更に双方の方法とも生理学的なア
ラームを抑止してしまう危険に対して安全なものではな
い。同様のことがパターン探索方式にも当てはまり、こ
れは、整合のとれたフィルタ又は同様の要素を必要と
し、また(出願人の知る限りでは)未だ実際にテストさ
れていない。ELLISの適応フィルタ(米国特許第4,667,6
80号を参照のこと)はあらゆる種類の妨害源を抑止する
ようには設計されてはいない。事実、最も重大な妨害ノ
イズ源、即ちサンプルの抽出及びカテーテルの瀉水(以
下の説明を参照のこと)は、ELLISのフィルタによって
検出/抑止することができない。実際に出願人がその所
有するモニタでELLISの方法を用いたところ、血圧の計
算には有用であることが実証されたものの、アーチファ
クト抑止技術が別に必要であることが判明した。本発明
はまさにELLISの方法の欠点を克服する試みにおいて達
成されたものである。
【0012】従って、血圧測定装置において、従来技術
に伴う欠点を部分的に又は全面的に防止する、改良され
たアーチファクト検出技術に対する必要性が依然として
存在する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主な
課題は、上述の種類の血圧測定装置における人為的アー
チファクトを検出/抑止する信頼性の高い方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記課
題は次のステップにより解決される。即ち、生命体、好
適にはヒトの実際の血圧を表す時間順のサンプルを獲得
するステップと、先行する血圧値に基づいて平均値を計
算するステップと、前記時間順のサンプルの少なくとも
一つと前記平均値とを比較するステップと、所定数のサ
ンプル又は所定時間だけ、前記比較ステップ、又は、前
記計算ステップ及び比較ステップを繰り返すステップ
と、サンプルの値が前記平均値を超えることが基本的に
前記比較の全てにより示された場合に人為的アーチファ
クトの存在を示すステップである。
【0015】患者の実際の血圧を表す時間順のサンプル
は、圧力変換器によりディジタル化されたサンプルでも
よい。しかし、事前処理されたサンプルも使用可能であ
ることが理解されよう。事前処理には例えばフィルタリ
ングや平均化が含まれる。例えば、出願人のモニタは
(125Hzに対応する)8msec間隔で血圧のサンプル抽出を
行う。しかし、本発明では125Hzのサンプル抽出速度は
必要ないことが判明している。従って、32msec間隔で時
間順の(平均化された)サンプルを作成するために4つ
の(オリジナルの)サンプルが平均化される。基本的に
は、CPU時間を節減するために、平均化期間をできる
だけ長く(即ち、本発明の方法の効率に影響を及ぼさな
いように)することが有利である。従って、「実際の」
という用語は、サンプルが処理される時点と全く同じ時
点でサンプルが抽出されなければならないということを
意味するものではない。実際には、血圧サンプルの実際
の出現と、時間順でのサンプルの出現との間には(例え
ばCPUの過負荷等により発生する)かなりの時間的遅
延が生ずることがあってもよい。
【0016】上記以外の事前処理方法(利得調整、50Hz
ノッチフィルタリング等)を利用することも可能であ
る。
【0017】次いで、先行する血圧値に基づいて平均値
が算出される。この平均値を以降で「比較値」と称する
ことにする。比較値を算出する目的は血圧の長期又は中
期の平均値を提供することであり、即ち、その平均値は
血圧の履歴を表している。
【0018】本発明の好適実施例では、平均血圧値は、
検出された各心拍間で(即ち各脈動間で)算出される。
これは「心拍間平均血圧」とも呼ばれる。この心拍間平
均血圧を算出するのに、前述のELLISの特許(米国特許
第4,667,680号、ここでは本引用をもってその全てを包
含させるものとする)に開示された方法が利用される。
ここでの「平均」とは、一回の脈動中の平均血圧が算出
されることを意味する(この場合には心臓収縮期並びに
弛緩期の血圧も算出されるが、本発明の好適実施例では
弛緩期の血圧は採用しない)。
【0019】上述の心拍間平均血圧は比較値を算出する
ために用いられる。この比較値を得るために16の連続
する心拍間平均血圧が平均化されることが好ましい。し
かし、平均化される心拍間平均血圧値の数は用途上の必
要性に応じて変更することも可能である。
【0020】上記平均化方法は本発明の好適実施例と関
連するものである。発明者が実施した広範なテストによ
り、「移動平均」法(即ち一定のタイムウィンドウに亘
って算出された平均値)がアーチファクト検出の必要性
を満たす最良の方法であることが明らかとなった。これ
は、その結果として得られる比較値が、患者の血圧の履
歴を精確に反映し、しかも血圧の変化を充分に迅速に追
跡するからである。このような移動平均値は下記の公式
によって特徴づけられる。
【0021】
【数1】
【0022】ここで、バーm(t)は平均値即ち比較値で
あり、mi(パルス)は心拍間平均血圧値である。前述の
ように、nとして16を選択することが好ましい。
【0023】しかしながら、平均値即ち比較値を比較す
るための別の方法も採用可能である(但し上述の移動平
均法ほど有効でない可能性がある)ことが理解されよ
う。例えば、下記の公式によって帰納的平均値を算出す
ることができる。
【0024】
【数2】
【0025】しかし、平均値(比較値)は、心拍間平均
血圧に基づいて計算するだけでなく、上述の時間順のサ
ンプルを利用して(例えば充分な長さの平均化期間を選
択することにより)算出することも可能である。また、
血圧に関する別のパラメータ(例えば心臓収縮期の血圧
の端数(fraction))も利用することができる。しかし、
上述の時間順のサンプルと平均値(比較値)の基本的な
相違は、後者が長期間に亘って平均化されること、即ち
かなり高い時定数を以て平均化されることである。言い
換えると、平均値は時間順のサンプルと比較してかなり
長期に亘る血圧の履歴、もしくはかなり多くの先行する
血圧値を示すものである。これは、平均値(比較値)が
時間順のサンプルと比較して長期の平均値であることを
意味する(勿論、これが当てはまるのは、そもそも時間
順のサンプルが平均化される場合だけである)。
【0026】次のステップでは、前記時間順のサンプル
の少なくとも一つが平均値(比較値)と比較される(同
様に、時間順のサンプルから導出された値、例えは短期
の平均値、又はその他の導出値を比較値と比較すること
も可能であることが理解されよう)。この比較における
条件が「真」である場合、それは、時間順のサンプルの
値が長期又は中期の比較値を超えたというオーバーシュ
ートを示し、これはひいては人為的アーチファクトの
(最初の)指示となり得る。
【0027】しかし、このようなオーバーシュートは通
常の動作中にも発生し得る。従って、本発明では時間修
飾子が与えられる。即ち、上記の条件は一定時間に亘っ
て基本的に中断なく「真」でなければならない。これ
は、一旦検出されたオーバーシュートの「確認」と呼ば
れる。時間修飾子は、一組の後続のサンプルについて上
述の比較を単に行うことによって実現することができ
る。これらの比較の結果の全てによって、個々の時間順
のサンプルが比較値より大きい振幅を有していることが
判明した場合、これは、アーチファクトの明白かつ確実
な指示であるとみなされる(これは、別の実施例では、
特定の大多数の比較により肯定の結果が判明した(即ち
時間順のサンプルの値が比較値を超えた)だけでも充分
である)。
【0028】確認用の期間、即ち以下の方程式が「真」
でなければならない期間は、用途上の特定の必要性に応
じて選択できる。
【0029】
【数3】
【0030】(ここで、s(t)は時間順のサンプルの値
を表し、m(t)は平均値を表す) 本発明の場合には2秒の期間が優れた結果をもたらすこ
とが判明した。
【0031】前記期間中に上記方程式の有効性の検査を
行う好適な方法は、所定期間に亘って、比較ステップ
を、又は計算及び比較ステップを反復することである。
例えば、時間順のサンプルは特定の期間で計算すること
ができ、同じ時点で平均値(比較値)が計算され、比較
が行われる(本発明の特定実施例ではこの期間は32ms
ecに選択された。この期間は、人為的アーチファクトを
確実に検出するのに充分な分解能であり、しかも、費や
されるCPU時間は僅かである。しかし、これが限定的
な例示ではないことは理解されよう)。
【0032】また代替的に、期間の最初に一度だけ平均
値を算出し、この値を時間ウィンドウ中の時間順のサン
プル用の基準値として用いることも可能である。これら
の実施例は全て本発明に含まれる。
【0033】期間の判定基準(例えば2sec)を選択する
上述の方法は、疑わしいアーチファクトの有効性(確
認)をチェックする1つの解決方法に過ぎない。例え
ば、所定数のサンプルの比較等の同様の判定基準も利用
可能であることが理解されよう。
【0034】好適には、アーチファクトの指示をアラー
ムの抑止又はディセーブルに利用して、偽−肯定アラー
ムに関する上述の問題が軽減又は除去されるようにす
る。
【0035】本発明は、測定された血圧の振幅が、殆ど
の人為的アーチファクトに起因して急激に上昇すること
になる、という発見にある程度基づくものである。しか
し、このような急激な上昇(即ち時間に関する血圧の追
跡の最初の派生物(derivative))は以下の2つの理由か
ら充分な判定基準とはならない。
【0036】第1に、正常な血圧も場合によっては急激
に上昇する。従って、血圧の(時間に関する)追跡の派
生物はどのような場合であっても高くなり得るものであ
り、(最初の)派生物に基づく人為的アーチファクトの
検出方法は時として「実際の」アラームをも抑止してし
まうことがある(本当の緊急時には抑止されてはならな
いことに留意されたい)。
【0037】第2に、派生物自体が人為的アーチファク
トの原因に応じて著しく変化することがある。例えば、
カテーテルの瀉水により、血液サンプルの採取よりもか
なり急な勾配が生ずる。従って、人為的アーチファクト
のあらゆる場合をカバーする一方で生理学的な波形と競
合しない派生物の「帯域」を特定することは困難であ
る。
【0038】ベースラインのシフトその他の影響により
アーチファクトの検出が損なわれ、また緊急アラームを
抑止することさえ有り得るので、単に振幅限界を適用す
ることもまた適切ではない。
【0039】本発明は、血圧波形の「オーバーシュー
ト」は人為的アーチファクトを示すが、それは下記の2
つの条件が加わった場合だけである、という発見に基づ
くものである。
【0040】即ち、第1に、オーバーシュートの継続期
間が相当長くなければならない。従って、本発明に基づ
く方法はオーバーシュート条件が「真」である時間(例
えば2秒)をチェックする。
【0041】第2に、「オーバーシュート」自体の判定
(もしくは定義)は、特定の生理学的波形に適応されな
ければならない。これは、平均値(比較値)を血圧波形
の履歴に適応させることによって達成される。従って、
平均値は、生理学的信号(血圧波形)の変化、例えばベ
ースラインのシフト又は低周波数の変動に「自己適応」
する。
【0042】本発明の方法は多様な人為的アーチファク
トの検出に利用できるが、この方法は、侵襲式血圧測定
装置におけるサンプル抽出又はカテーテルの瀉水に起因
するアーチファクトの検出に特に有効であることが実証
されている(実際に、本発明は、瀉水及びサンプル採取
の抑制の研究の過程で成されたものである。) 本発明による主な達成事項は、瀉水及びサンプル採取が
(それらのパターンが血圧波形中で異なるにも関わら
ず)実際の(生理学的)アラーム条件でトリガを行うこ
となく高い信頼性で検出されることにある。即ち、医学
的な信頼性が本発明の最も重要な利点である。これは、
既知のアーチファクト検出方法が信頼性に欠けるために
失敗し又は全く利用されないような状況、即ち、瀉水及
びサンプル検出及び抑止の状態であっても利用可能であ
る。
【0043】本発明の別の利点は、既存の血圧測定装置
であっても僅かな(プログラミングの)努力のみで容易
に実施できることにある。
【0044】更に、本発明の方法は僅かなCPU時間し
か必要としないので、血圧測定装置のハードウェア部品
に関する付加的な必要性(例えばより高速のプロセッサ
又は別のプロセッサ等の必要性)がない。
【0045】本発明による方法は、変化する生理学的波
形に自動的に適応する。即ち、患者に特別に適応させな
くても使用できる(例えば、成人と乳児とを区別する必
要がない)。更にこの方法は、筋肉のアーチファクト等
の高振幅を有する不慮の事例ではトリガを行わない。
【0046】本発明の更に別の利点は、特別の適応措置
を講じなくとも、医療の現場で利用されるあらゆる種類
の侵襲的な血圧に適することにある。この種の血圧に
は、例えば平均動脈血圧(ABP)、肺動脈圧(PA
P)及び中央静脈圧(CVP)等がある。
【0047】本発明の上記の利点の全てはまた、本発明
が解決する課題でもあることが理解されよう。
【0048】上記に概略的に説明したように、平均値
(比較値)を算出する好適な方法は、心拍間平均血圧の
移動平均を利用することである。特に、移動平均は、他
の性能特性に影響を及ぼすことなくベースラインの変動
又はシフトに迅速且つ容易に適応する。
【0049】本発明の好適実施例では、(上述の要件に
加えて)基本的に所定数のサンプルの全て又は所定時間
中のサンプルの全てが所定のしきい値を超えるか又はそ
れに等しい場合に限り、アーチファクトであることが示
される。即ち、以下の数4に示す判定基準とそれに関連
する時間修飾子とに加えて以下の数5に示す条件が
「真」とならなければならない。
【0050】
【数4】
【0051】
【数5】
【0052】最小判定基準を別に設定する目的は、偽−
肯定アラームの数を更に低減し、この場合はSminであ
る一定レベル以下のパターンがアーチファクトとして判
定されることがないようにすることである。実際には、
min=4kPa(30mmHg) が極めて有効であることが実証
されている。最小判定基準には時間修飾子を加えること
が好ましい。即ち、所定期間に亘って上記条件が「真」
となった場合にのみアーチファクトであることが示され
ることになる。
【0053】本発明の別の最も有利な特徴によれば、基
本的に全てのサンプルとそのサンプルに対して時間的に
先行するサンプルとの差が所定の限界以上である場合に
のみ、人為的アーチファクトの存在が示される。この場
合、前記サンプルは、前記所定数のサンプルから抽出し
たサンプルであるか、又は前記所定期間中に採取された
サンプルである。この条件は、前述の第1の条件、又は
第2の条件、又その双方に加えて適用可能なものであ
る。前述と同様に、この条件に時間修飾子を加えること
もできる。
【0054】実際に、この時間修飾子の基準は次の関係
式によって表すことができる。
【0055】
【数6】
【0056】あるいは、同じ期間が与えられた場合には
実質的に下記と同一となる。
【0057】
【数7】
【0058】この付加的な判定基準により、急な負の勾
配によってアーチファクトの検出が行われることがなく
なる。これは、急な正の勾配でトリガを行うために利用
されることはない。事実、△minの値を僅かに負とする
ことさえできる。好適な値は、△min=−650Pa(-5mmHg)
である。
【0059】上記の尺度及び条件は全て別個に又は任意
の有用な組み合せで用いることができるが、それらの全
てを組み合わせることによって瀉水及びサンプルの検出
率が93%以上となる優れた結果が得られることが判明し
ている。即ち、下記の数8の条件を組み合わせることが
特に有利で信頼性が高いことが判明した。
【0060】
【数8】
【0061】更に、アーチファクトに対する感度を高め
るために、本発明による方法の感度を血圧波形の履歴に
好適に適応させることができる。これは、先に検出され
たアーチファクトに応じて前記平均値の振幅を変更する
ことにより達成される。特に、所定の期間に亘ってアー
チファクトが検出されなかった場合に平均値の振幅を増
大させることができる。これによりアーチファクト検出
の感度が低下する。これに対し、アーチファクトが検出
され又は終了してから短時間しか経過していない場合に
は、アーチファクトの「バースト」(それ以降のカーテ
ルの瀉水等)が発生する状況での感度を高めるために、
平均値の振幅を低減させることができる。アーチファク
トの終了の検出は、その開始の検出と同様に重要であ
る。その理由は、アラームの反応ひいては医療上の信頼
性がそれに左右されるからである。本発明の個々の好適
実施例では、下記の条件の内の一つが発生した場合にア
ーチファクトの表示が解除され及び/又はアラームが再
びイネーブルになる。即ち、 a)サンプルとそれに先行するサンプルとの差が所定の
限界値以下に低下した場合。
【0062】b)アーチファクトの終了後に(血液の)
脈動が検出された場合。
【0063】c)サンプル、又は所定数のサンプル、又
は所定の時間ウィンドウ中のサンプルの値が所定の限界
値以下に低下した場合、及び/又は、 d)アーチファクトが最後に始まってから所定期間が経
過した場合、である。
【0064】これらの条件は全て、アーチファクトの終
了を示すことができる。条件a)は急な負の勾配を示
し、条件b)は生理学的事象を示し、条件c)はアーチ
ファクトが存在しないことを示し、条件d)は安全措置
である(この期間は異常な環境をもカバーするために通
常は極めて長い期間が選択され、例えば2分となる)。
【0065】好ましい実施例では、上記の条件のいずれ
もが、検出されたアーチファクトの終了を示す(即ち上
記の条件は論理和接続される)。しかし、本発明は上記
修飾子の他の任意の論理接続(例えば論理積接続等)を
も用いることができる。
【0066】本発明はまた、血圧測定装置、特に侵襲式
血圧測定装置に関するものである。この侵襲式血圧測定
装置は、血圧変換器から生物の血圧を表す電子信号を受
信するように設定された血圧検知手段と、前記血圧検知
手段から受信した電子信号から血圧、特に心拍間平均血
圧を計算する血圧計算手段と、計算された前記血圧が少
なくとも一つの所定のアラーム条件を満たした場合、特
に血圧値が所定の限界より低下したか又はその限界を超
えた場合にアラームを生成するように設定されたアラー
ム生成手段と、人為的アーチファクト検出手段とからな
り、この人為的アーチファクト検出手段が、前記生物の
実際の血圧を表すサンプルとそれに先行する血圧に基づ
く平均値とを比較し、所定数のサンプルについて前記の
比較を反復し、基本的に前記比較の全てによってサンプ
ルの値が前記平均値を超えることが判明した場合に人為
的アーチファクト指示信号を生成するものであって、前
記人為的アーチファクト指示信号が前記アラーム生成手
段に供給され、前記人為的アーチファクト指示信号が能
動状態にある限り前記アラーム生成手段がアラームを抑
止するようになっている、侵襲式血圧測定装置である。
【0067】本発明は、単独であれ、他のいずれかの又
は任意の組合せであれ、上記の特徴の全ての有用な組合
せにも関するものであることが理解され、明白となるこ
とであろう。
【0068】
【実施例】図1は、例えば平均動脈血圧(ABP)を測
定するための侵襲式血圧測定装置の基本部品を示してい
る。注入溶液が容器1(通常は図1に点線で示すバッグ
1a、圧力計1b及び加圧源1cから成る加圧バッグで加圧さ
れた注入ボトル)内に貯蔵され、圧力カフ2を経て弁3
と連結されている。図1には弁3の半開状態が示されて
いる。更に圧力カフは、弁3を血圧変換器5と(符号4
を参照のこと)3路コック6とに接続する。3路コック
は、通常はカテーテル(図示せず)を介して患者7と接
続される。
【0069】動作時には、血圧変換器5が患者の血圧を
測定するように3路コック6が(図1に示すように)閉
じられる(即ち、注入溶液の圧力は測定に影響を及ぼさ
ないようになっている)。しかし、その状況は、血液サ
ンプルが採取される場合には異なる。これを図2に示
す。
【0070】便宜上、血液サンプルを採取するためにチ
ューブ装置が使用される。3路コック6がひねられて、
注入溶液と患者との接続が遮断される。その代わりに、
コックは、患者の血液循環系に「外側」から直接アクセ
スすることを可能にする。図2には、血液サンプルを採
取するために3路コック6の開放口と接続された注射器
8が示されている。
【0071】血液採取中には、血圧変換器5は患者とは
接続されずに注入溶液容器1とだけ接続されることが示
されている。図1の実施例ではカテーテルが連続的な瀉
水を生ずるように容器1は加圧されている(例えば典型
的には40KPa=300mmHg)。しかし、図2に示すように3路
コック6が閉鎖されると、容器1中の圧力が血圧変換器
5に作用することが判る。しかし、弁3が半開状態であ
るので、血圧変換器5に瞬時的な圧力上昇が生ずること
はなく、血圧変換器5での血圧は基本的に一定の限定さ
れた比率で上昇する。この作用を時間tに関する患者の
動脈血圧p(t)のグラフとして図4に示す。同図におい
て、図1の動作状態に対応する規則的な血液の脈動を符
号9a〜9fで示す。t=t1で血液サンプルが採取され
る。その結果として生ずる血圧変換器5における血圧の
上昇を符号10で示す。血液採取処置が終了すると、血圧
は符号11で示すように急激に低下する。同図は更に第2
の血液サンプルの採取(符号12)も示している。
【0072】t=t1とt=t2との間、即ち血液サンプ
ルが採取されている間、血圧は16KPaの限界値を超え
る。p=16KPaの限度値がアラーム限界値を表す場合に
は、血液のサンプル抽出に起因するアーチファクトによ
って(光学式又は音響式の)アラームが生成されることに
なる。本発明は、生理学的事象に関係のないそのような
アラームを抑止する方法に関するものである。
【0073】図3は、血圧測定装置の別の動作状態を示
している。チューブは、血液採取後にヒトの血液を受容
する一方、それにより凝血塊が形成される場合があるの
で、(進行する継続的な瀉水とは対照的な)高圧の強い
瀉水が必要である。この目的のため、3路コック6が元
の位置に戻され、弁3は数秒間の間だけ完全に開放され
る。加圧バッグによって加えられる高圧により、血液の
粒子は全て除去される。
【0074】カテーテルの瀉水作用は図4のグラフにも
示されている。符号13〜16は瀉水に起因するアーチファ
クトに関する波形である。(正及び負の)勾配が極めて
急であることがわかる。符号13〜16の最大圧力は、容器
1の周囲の加圧バッグ1aの圧力と対応する。
【0075】アーチファクト10〜16はそれらを生理学的
信号と区別する波形を有している。しかし、特に、患者
の安全を図るために、疑わしいパターン又は病理学的パ
ターンに起因するアラームは決して抑止されてはならな
い場合には、高信頼性をもって上記区別を行うことは必
ずしも容易ではない。
【0076】図5は本発明による瀉水及びサンプル検出
/抑止の基本動作を示すフローチャートである。モニタ
は血圧波形を8msec毎にサンプル抽出する。これらのサ
ンプルは図5でSi(t)と示されている。
【0077】しかし、瀉水及びサンプル検出を高信頼性
をもって行うためには8msec間隔の分解能は必要ないこ
とが判明した。従って、CPU(中央処理装置)時間を
節減するため、図5のステップ17に示すように平均値バ
ーs(t)が算出される。本実施例において説明する特定
の実施例(後で詳述する)では、平均値バーs(t)は4
つのサンプルに亘り算出される。
【0078】図5のフローチャートの次のステップ18
は、△(t)で示す△値の算出ステップである。△(t)は、
ステップ17の平均化されたサンプルの一つ及びその先行
するサンプルの差として定義される。即ち、
【0079】
【数9】
【0080】ここで、動作は、アーチファクトの開始と
終了との何れを探索するかに応じて2つの異なる経路を
たどる。アーチファクトの検出器がアーチファクトの開
始または発現を探索する場合は、経路19に沿って進行す
る。それ以外の場合、即ちアーチファクトがすでに検出
されている場合には、経路20に沿って進む。
【0081】検出器がアーチファクトの開始を探索して
いるものと想定する。この場合、平均値即ち比較値を計
算するために、例えば前述の米国特許第4,667,680号に
記載の圧力検出器によって生成された心拍間平均血圧が
利用される。図5において、心拍間平均血圧はmi(パル
ス) で示され、また平均化は(例えば16の心拍間平均血
圧値に亘る)移動平均値バーm(t)を与えるボックス21で
示されている。
【0082】ここで、動作はボックス22へと進む。アー
チファクトの開始を検出するためにテストが行われるさ
れる主な判定基準は以下のとおりである。
【0083】1.平均化された時間順のサンプルバーs
(t)と、平均値m(t)との比較、即ち、
【0084】
【数10】
【0085】であるかどうかをテストする。実際の血圧
サンプル値の「オーバーシュート」が発生した場合、そ
の結果は肯定となる。ここでバーm(t)は血圧の履歴を
表し、これは一般に移動平均値として算出される。
【0086】2.テストされる別の条件は次の通りであ
る。
【0087】
【数11】
【0088】この場合、時間順のサンプルが最小振幅値
に関してテストされる。sminは、例えば4KPa(30mmHg)
とすることができる。
【0089】3.第3の条件により、全体的な傾向が少
なくとも僅かに正になることが確実化され、この場合に
は小さい波形は許容される。その条件とは次の通りであ
る。
【0090】△(t) ≧ △min 波形が小さいので、△minは僅かに負の値であっても良
い。このような値によっても、急な負の勾配が存在しな
いことが確実化される。
【0091】瀉水又はサンプルを検出するためには上記
の条件の全てが満たされなければならないこと、即ちそ
れら条件を論理積で結合させることを強調する必要があ
る。
【0092】動作は次いでブロック23へと進む。これ
は、一旦検出された疑わしいアーチファクトを「確認」
するステップである。このステップは基本的に、ブロッ
ク22の条件が所定期間(本実施例では2sec)に亘って
肯定であるかどうかをチェックする。
【0093】疑わしいアーチファクトが確認されなかっ
た場合、動作は図5のフローチャートの一番上に戻る。
そうでない場合にはアーチファクトが示される(図5の
「F/Sを示す」を参照のこと。ここでF/Sは「瀉水
/サンプル」を意味する)。
【0094】F/S表示信号は次いで、血圧測定装置の
アラームをディセーブルにするのに用いられる。通常の
血圧モニタはとりあえずアラーム遅延手段を備えてい
る。即ち、アラームは、アラーム条件の検出から所定時
間の経過後にのみ起動される。アラーム遅延時間は通常
8secである。従って、アーチファクト検出器がアーチ
ファクトを示す状態の発生から2秒以内にアラームをデ
ィセーブルにするので、アラームは全く発生しないこと
になる。しかし、血圧モニタのアラーム処理機構がアラ
ーム遅延機能を全く備えていない場合であっても、アラ
ームはたかだか短時間生成されるだけであり、これは、
医療従事者がその応答動作を行う前にディセーブルとな
ることになる。
【0095】血液のサンプル採取又はカテーテルの瀉水
等のアーチファクトの終了を検出することも同様に重要
である。その理由は、できる限り速くアラームを再びイ
ネーブルにしなければならないからである。これに関す
る手順の経路を図5のステップ20に示す。アーチファク
ト検出器によりチェックされる条件はボックス24に示さ
れている。これらの終了条件は、ボックス22中の条件
とは対照的に、論理和で接続されることに留意された
い。即ち、ボックス24中の条件の内の一つが発生する
だけで、アーチファクトの終了を示すのに充分である。
【0096】特に、血圧波形の勾配が、次式で表すよう
に、所定の限界値以下となった場合に、アーチファクト
の終了が検出される。
【0097】△(t) ≦ △lim 好適実施例では、その限界値は△lim=−3.3kPa(-25mmH
g)と設定される。この限界値は32msecの期間に亘る値で
あり、従って急な負の勾配の特徴を有する。
【0098】別の条件として血液の脈動の検出がある。
これは、アーチファクトのノイズ中に生理学的波形がも
はや含まれていないことをその検出が意味するからであ
る。
【0099】更に別の条件は、次式に示すように、時間
順のサンプル値が特定の限界値以下に降下することであ
る。
【0100】
【数12】
【0101】ここで、sminは、4kPa(30mmHg) であるこ
とが好ましい。
【0102】最後の条件は、アーチファクト検出器が
(いかなる理由があろうと)その初期状態に戻らない場
合の安全措置である。即ち、アーチファクトの開始後に
特定の時間が経過した場合にアーチファクト検出器が無
条件にリセットされる。この判定基準は「ロングタイム
アウト」と呼ばれる。この時間は2分間であることが好
ましい。
【0103】上述の終了条件の内の一つが検出された場
合、アーチファクトの終了が示される(図5の「F/S
をリセット」を参照のこと)。血圧測定装置はこの信号
を用いてアラームを再びイネーブルにする。
【0104】図6ないし図9のフローチャートは、アー
チファクト検出器の動作を詳細に説明するものである。
「START」(符号25)に入った後、いくつかの8ms
ec間隔の血圧値の平均値バーs(t)が算出される(ボッ
クス26)。値si(t)の数mは典型的にはm=4であり、
従ってバーs(t)は32msecの時間間隔に関する血圧を
表すものである。バーs(t)が移動平均値であることに
留意されたい。
【0105】次のステップ(ボックス27)では、平均化
された血圧値とそれに先行する平均化された血圧値との
差が計算される。この差を△(t)と示す。
【0106】ステップ28は、F/S_Flagと呼ばれるフラ
グをテストする。これは検出されたアーチファクトを示
すフラグであり、即ち、F/S_Flag=TRUEは、アーチファ
クトすでに検出されたことを意味し、F/S_Flag=FALSE
はアーチファクトが存在しないことを示す。
【0107】アーチファクトが未だ検出されていないも
のと仮定する。この場合、検出器はボックス29に進んで
アーチファクトの開始を探索する(終了の検出のための
経路であるラベル「A」に至る経路30については後述す
ることとする)。
【0108】ボックス29で行われる動作は平均値即ち比
較値バーm(t)の計算である。図示の例では、平均値は1
6の心拍間平均血圧値の移動平均として算出される。即
ちn=16である。しかし、ここで用いる心拍間平均血圧
値mi(パルス)は、任意に選択可能なものの1つであ
り、ここでは心拍間平均血圧値を生成する血圧計算器が
利用可能となったためにその値を選択したに過ぎないこ
とにに留意されたい(前述の米国特許第4,667,680号を
参照のこと)。移動平均値バーm(t)を計算するため
に、別の血圧値を同様に良好に用いることが可能であ
る。
【0109】ここで、動作がステップ31に進んで、In_
FS_Flagと称するフラグがテストされる。これは、検出
されたアーチファクトの終了時に、所定期間例えば4秒
間だけセットされるフラグである。言い換えると、In_
FS_Flag=TRUEとは、アーチファクトが最近発生したこ
とを意味している。
【0110】ステップ31でのテストが否定である(In_
FS_Flag=FALSE)場合、平均値バーm(t)は係数αだけ
増大される。αは1より大きい定数である。これは好適
には1.5(150%)である。平均値バーm(t)を増大すること
により、アーチファクト検出器の感度が低下する。これ
に対応する動作を図6に符号32で示す。
【0111】In_FS_Flagがセットされた場合、動作は
ステップ33に進む。このステップでは、Long_Timer_F
lagと称する別のフラグがテストされる。このフラグが
セットされるのは、ロングタイムアウト状態が発生した
場合、即ち、瀉水又はサンプルの終了を示す他の判定基
準を伴わずに何らかの異常な条件に起因してアーチファ
クト検出器のリセットが行われた場合である。既に説明
したように、このような事態はアーチファクトの開始後
に2分で発生し得る(なお、Long_Timer_Flagは後述
するように別のアーチファクトが検出されると直ちにリ
セットされる)。
【0112】ロングタイムアウト状態が発生した場合、
即ちLong_Timer_Flagがセットされた場合も動作はボ
ックス32に進み、即ち検出器の感度が低下される。それ
以外の場合は、ボックス34の処理によって検出器の感度
増大される。ボックス34中の定数βは1未満であり、
好適には0.95(95%)となる。次いで双方の経路がノード3
5で結合される。
【0113】ステップ36で、バーs(t)が平均値即ち比
較値バーm(t)と比較される。バーs(t)がバーm(t)未
満である場合、即ちオーバーシュートが認められない場
合、動作はラベル「C」に進む。これは、アーチファク
トが検出されなかった場合にたどられる経路である。
【0114】そうではない場合には、有効なアーチファ
クトが示される前に満たされなければならない別の条件
がテストされる。これは図7へと続くラベル「B」に至
る経路である。ボックス37で示すように、次のテストは
s(t)の最小値のチェックを行う。sminは例えば4kPa(3
0mmHg)とすることができる。このテスト結果が否定であ
る場合、動作はノード38(アーチファクトなし)に進
む。そうではない場合は次の必要条件がテストされる。
【0115】この条件は、ステップ39で、正の又は少な
くともほんの僅かに負の勾配に関して行われるテストで
ある。△minは好適には-0.66kPa(-5mmHg)である。ボッ
クス39でのテストが否定である場合、アーチファクトは
存在せず、動作はノード40に進む。
【0116】また、ボックス39でのテストが肯定である
場合には、アーチファクトの検出を肯定する全ての条件
により、結果が肯定であることが判明する。上述のよう
に、ここで、これらの条件が特定期間に亘って安定状態
を保っているかどうかがテストされる。このテストは、
ステップ41で「Conf_Timer」と呼ばれるカウンタをイ
ンクリメントし、そのカウンタ値をステップ42で最大値
CTMAXと比較することによって行われる。CTMAXは好
適には2秒に相当する値となる。
【0117】Conf_Timerがその最大値に達した場合、
アーチファクトが肯定されたことが示される。これは、
ボックス43に示すように、F/S_Flagを設定することに
より行われる。アーチファクトの検出後に必要な更に別
の動作は次のとおりである。即ち、In_FS_Flagのセッ
ト(ボックス44)、In_FS_Timer(即ちIn_FS_Flag
を制御するのに必要なタイマ:ステップ45)のリセッ
ト、及びLong_Timer_Flagのリセット(ステップ46)
である。
【0118】次に、Conf_Timerがリセットされる(ボ
ックス47)。アーチファクトの検出が否定された場合
も、Conf_Timerはリセットされる(経路48及びノード4
9)。
【0119】全てのアーチファクト条件(ボックス36,3
7,39)によって結果が肯定であることが判明したが、2
秒間の間隔が未だに継続中である場合(Conf_Timer<
CTMAX)、Conf_Timerはリセットされず(経路50)、
動作はノード51に進む。ラベル「D」は後述するように
フローチャートの出口へと続く(図9)。
【0120】ボックス29から始まりノード51で終わるフ
ローチャートの各部は、有効なアーチファクトを検出す
るのに必要な重要なステップの全てから成っている。そ
のルーチン全体は32msec毎に処理されるので、CTMAX
を64に選定することができる。この場合、64×32msec=
2048msecの期間の後に有効なアーチファクトが検出され
ることになる。
【0121】基礎となる動作原理に影響を及ぼさずに図
6及び図7のフローチャートに種々の修正を加えること
が可能であることが了解されよう。例えば、血液の脈動
の指示が得られない場合には、平均値バーm(t)は上記
の32msecではなく、より長い期間、好ましくは4秒の期
間で算出することができる。図8はアーチファクト状態
の終了を判定するために必要なステップを示している。
ステップ28(図6)のテストにより結果が肯定であるこ
とが判明した場合に、ラベル「A」のステップに入る。
【0122】図8のステップ52,53,54,55において種々
のテストが行われる。しかし、それら条件の内の一つだ
でもアーチファクトの終了を示すことができることに
留意されたい。これは、複数の条件が同時に満たされな
ければならないアーチファクトの開始の検出とは対照的
である。
【0123】ステップ52では、△(t) が限界値に対して
テストされる。△limは、-3.3kPa(-25mmHg) であること
が好ましい。ステップ52で行われたテストの結果が肯定
である場合、これは血圧波形の勾配が大きな負であるこ
とを示し、ひいてはアーチファクト状態の終了を明確に
示すものである。このようにして、動作は経路56を介し
てノード57に進む。
【0124】次のテスト(ステップ53)は脈動に関する
ものである。脈動が検出されなかった場合だけ動作は次
のステップ(ステップ54)に進む。また、脈動が検出さ
れた場合には、生理学的な信号が再び存在し、アーチフ
ァクトの終了が示される(ノード57)。なお、脈動の再
出現は、例えば、△(t)を一定の限界値(例えば-800Pa=
-6mmHg)と比較することによって、及び/又は、バーs
(t)≦6.65kPa=50mmHg等の平均条件によって検出するこ
とができる。その代替策として、アーチファクトに先だ
って、△(t)及び/又はバーs(t)の範囲を記憶してお
き、それらの後の値を前記範囲と比較することにより、
脈動の再出現を判定することもできる。この解決法によ
り、アーチファクト後の血圧波形が確実にアーチファク
ト前の血圧波形と等しくなる。
【0125】ステップ54でのテストは、最大条件、即ち
バーs(t)≦sminに関するテストである。sminは4kPa
(30mmHg)とすることができる。このテスト結果が肯定で
ある場合、これは血圧波形の振幅が小さいことを示す。
【0126】しかし、このような条件は、所定期間に亘
ってその条件が安定している場合にのみ有効となる。こ
の期間は「Delay_Timer」と呼ばれるタイマによって制
御され、このタイマはステップ58でインクリメントされ
る。次にステップ59で前記期間が最大値DTMAX(これは
好適には1秒に相当する)と比較してテストされる。タ
イマ条件が未だ満たされていない場合、動作はノード60
に進む。また、タイマ条件が満たされた場合には、アー
チファクトの終了が検出されたことになり、動作はノー
ド61へと続行する。
【0127】ここでノード60の後の経路に再び注目す
る。「Long_Timer」がステップ62でインクリメントさ
れ、次にステップ55でLong_Timerが限界値LTMAX(典
型的には2分間に相当する)と比較されてアーチファク
トの終了に関する最後のテストが行われる。この条件も
該当しない場合、「アーチファクトの終了」が検出され
なかったことになり、動作はラベル「D」に進む(図9
及び下記説明を参照のこと)。
【0128】ここで、アーチファクトの終了が実際に発
見された場合に戻る。これはノード63及びラベル「E」
を含む経路である。基本的にノード63に到達する経路は
2つある。その1つは、最初の3つの条件(ステップ5
2,53,54)の内の一つが該当する場合であり、この場合
はLong_Timer_FlagがFALSEにセットされる(ボックス
64)。もう1つの経路はロングタイムアウトが発見され
た場合である。この場合は、Long_Timer_FlagがTRUE
にセットされる(ボックス65)。
【0129】既に説明したように、ラベル「E」に至る
経路はアーチファクトの終了が検出された場合にたどら
れる経路である。この経路は図9に続く。この場合、F/
S_Flagがリセットされ、即ちFALSEにセットされる(図
9のボックス66を参照のこと)。更に、Long_Timerが
リセットされ(ボックス67)、Delay_Timerもリセット
される(ボックス68)。ここで動作はノード69に進む。
【0130】このノード69は、動作フローチャートの全
経路が再結合するノードである。ノード69には、ラベル
「D」、即ち動作フローチャートの別の部分の出口を経
ても到達できることが分かる(図7及び図8を参照のこ
と)。動作フローチャートの残りの部分は全経路に対し
て共通である。それは単に、アーチファクトの終了後に
一定時間だけ活動状態となるフラグを制御するために設
けられている。そのフラグは、上記で「In_FS_Flag」
と呼ばれてきたフラグである。
【0131】先ず最初に、In_FS_Flagがセットされた
かどうか、即ちそのフラグがTRUEであるかどうかがテス
トされる(ステップ70)。In_FS_Flagの期間はアーチ
ファクトの終了後にしか開始されないので、FS_Flagは
FALSEでなければならない。この条件はステップ71でテ
ストされる。その結果が肯定であることが判明すると、
In_FS_Flagに関連する「In_FS_Timer」と称するタ
イマがインクリメントされる(ボックス72)。その後、
その値は最大値IFTMAXに関して比較テストが行われ
る(ステップ73)。IFTMAXは、アーチファクトの終了
から4秒後にIn_FS_Flagがリセットされるように選定
されることが好ましい。動作の処理時間が32msecである
ため、IFTMAXは128に設定することが好ましい。これ
により期間が128×32msec=4069msecとなる。
【0132】In_FS_Timerがその最大値に達した場合
(これはIn_FS_Flagの期間が終了したことを意味す
る)、動作がボックス74に進んで、In_FS_FlagがFALS
Eにセットされる。更に、In_FS_Timerがリセットされ
る(ボックス75)。
【0133】全ての経路は(それらがIn_FS_Timerを
インクリメントさせたか、またIn_FS_Flagをリセット
したか否かに関わらず)ノード76で終了する。このフロ
ーチャートはラベル「RETURN」77で終了する。
【0134】図10は、本発明によるアーチファクト検出
器を備えた侵襲式血圧チャネルを有する医療用モニタ装
置を示すブロック図である。複数のフロントエンドチャ
ネル即ちモジュール78a〜78cがインタフェース79と接続
されている。フロントエンド装置の内の一つは血圧チャ
ネル即ちモジュール78bである(「BP」は血圧を示し
ている)。
【0135】フロントエンドモジュール78a〜78cはイン
タフェース79を経てCPU(中央処理装置)80と通信を
行う。CPU80は複数のモジュールの制御下で動作す
る。まず第1に、基本動作機能を与えるオペレーティン
グ装置81aがある。その他のモジュールは、ECG(心電
図)ハンドラ81b、血圧ハンドラ81c及びアラームハンド
ラ81d等のパラメータモジュールである。その他にも例
えば呼吸、体温、血液ガスその他の生理学的パラメータ
等のフロントエンドチャネルに割り当てられた幾つかの
モジュールが配設可能であるが、これらは特に図10には
図示しない。
【0136】血圧ハンドラ81cは2つの基本モジュール
を含んでいる。その一つは、平均血圧値並びに収縮期及
び弛緩期の血圧値を算出する血圧計算器82aである。対
象とする血圧を平均動脈血圧、肺動脈圧又は中央静脈圧
とすることもできる。血圧計算器82aの動作は米国特許
第4,667,680号で開示されている。その血圧計算器は更
に「波形処理」例えば波形サンプルの基準化及び利得調
整を行う。
【0137】血圧ハンドラ81cのもう1つの基本モジュ
ールはアーチファクト検出器(ここではF/Sプロセッ
サと称す)82bである。これは、特に上記でmi(パルス)
と示した心拍間平均血圧値を受信するために、バッフ
ァ83を介して血圧計算器82aと通信を行う。
【0138】F/Sプロセッサ82bは、基本的に図5の
ステップ17と図6のステップ26とを実行する平均化装置
84を備えている。その他の構成要素には△計算器85があ
る(図5の符号18と図6の符号27を参照のこと)。
【0139】図10に示すアーチファクト即ち瀉水及びサ
ンプル検出器86は、基本的に図5のステップ22、又は図
6及び図7のステップ36,37,39を実行し、即ちアーチフ
ァクトを示す可能性のある条件をテストする。前述のよ
うに、これらの条件は確認されなければならない。即
ち、それらの条件は一定期間に亘って肯定されなければ
ならない。この機能はF/S確認器87によって提供され
る(図5の符号23及び図7の符号41,42を参照のこ
と)。
【0140】最後に、重要であることは、F/Sプロセ
ッサ82bがアーチファクトの終了をも検出しなければな
らないことである。この機能はF/S終了検出器89によ
って提供される(図5の符号24と図8全体を参照のこ
と)。
【0141】F/Sプロセッサ82bが有効なアーチファ
クトを検出する毎、上述のF/S_Flagがセットされる。
このフラグの状態がアラームハンドラ81dに伝送され
て、図10の経路90で示すように、それがセットされてい
る間、アラームハンドラの動作が禁止される。
【0142】また、CPU80は、音響及びシステムアラ
ーム(符号91)又は光学式アラーム(符号92)等のアラ
ームを指示する。光学的アラームは、ビデオグラフィッ
クメモリ93を介して画面94、例えばCRT(陰極線管)
に伝送される。
【0143】図11は生理学的な血圧波形95と平均値即ち
比較値バーm(t)96とを示し、後者は点線で示してあ
る。また、図12はF/S_Flagの状態を示すもので、F/S_
Flag=1はアーチファクトが検出された状態を示し、F/S
_Flag=0はアーチファクトが認められない状態を示す。
【0144】ここで、血圧波形95の符号97における正の
勾配について考察する。これは血液サンプルの採取に起
因して発生したアーチファクトを示している。その開始
から2秒以内に、アーチファクト検出器が(t=t0で)トリ
ガを行ってアラームをディセーブルにする。同様に、そ
れに続くカテーテルの瀉水(符号98)によってアーチフ
ァクト検出器はトリガを行ってアラームをディセーブル
にする。上述の双方の場合とも、アーチファクトに関す
る条件は全てTRUEである。特に、血圧波形95は2秒以上
に亘って比較値96を超えており、これは実際に本発明に
より提供される基本機能である。
【0145】同様のことが、符号99,100における血液サ
ンプル採取、及び符号101におけるカテーテルの瀉水に
も該当する。符号102における僅かな血圧上昇がアーチ
ファクトとして検出されることがないこと、即ち生理学
的な事象であるものと解釈されることに留意されたい。
【0146】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したので、血
圧測定装置における人為的アーチファクトを検出/抑止
する医学的に信頼性の高い方法を提供することが可能に
なる。また、本発明を用いた人為的アーチファクト検出
/抑止装置は、既存の血圧測定装置に僅かな改造(プロ
グラミング)を施すだけで容易に実施することができ
る。更に、本発明の方法は僅かなCPU時間しか必要と
しないので、血圧測定装置のハードウェア部品に関する
付加的な必要性(例えばより高速のプロセッサ又は別の
プロセッサ等の必要性)がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】侵襲式血圧測定装置の基本構成を示す概略図で
ある。
【図2】図1の侵襲式血圧測定装置の血液サンプル採取
時の状態を示す概略図である。
【図3】図1の侵襲式血圧測定装置の瀉水時の状態を示
す概略図である。
【図4】任意の人為的アーチファクトを含む血圧波形を
示すグラフである。
【図5】本発明全体を簡素化して示すフローチャートで
ある。
【図6】本発明を詳細に示すフローチャートである(1
/4)。
【図7】本発明を詳細に示すフローチャートである(2
/4)。
【図8】本発明を詳細に示すフローチャートである(3
/4)。
【図9】本発明を詳細に示すフローチャートである(4
/4)。
【図10】血圧測定装置を備えた医療用モニタ装置の構
成要素、特に、アーチファクトの抑止に関する構成要素
を示すブロック図である。
【図11】血圧測定装置によりサンプリングされた血圧
波形を示すグラフである。
【図12】図11と対応してアーチファクト抑止結果を
示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
81c 血圧ハンドラ 82a 血圧計算器 82b F/Sプロセッサ 83 バッファ 84 平均化装置 85 △計算器 86 F/S検出器 87 F/S確認器 89 F/S終了検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル・ポール・ビーチ イギリス国ブリストル・ビーエス12・8デ ィーエイチ,ブランドレイ・スクエア, ザ・ウォーシーズ・59

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血圧測定装置における人為的アーチファク
    トの検出方法であり、特に侵襲式血圧測定装置における
    サンプリング又は瀉水に起因するアーチファクトの検出
    方法であって、この方法が、 生命体、好適にはヒトの実際の血圧を表す時間順のサン
    プルを獲得し、 先行する血圧の値に基づいて平均値を計算し、 前記時間順のサンプルの内の少なくとも1つを前記平均
    値と比較し、 前記比較ステップ、又は前記計算及び比較ステップを、
    所定数のサンプルについて又は所定時間に亘って繰り返
    し、 前記サンプルが前記平均値を超えていることが基本的に
    前記比較結果の全てにより示された場合に人為的アーチ
    ファクトを示す、というステップより成ることを特徴と
    する、血圧測定装置におけるアーチファクトの検出方
    法。
JP07700093A 1992-04-02 1993-04-02 血圧測定装置におけるアーチファクトの検出方法 Expired - Lifetime JP3441758B2 (ja)

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