JPH0673068A - 有機金属化合物の製造方法 - Google Patents

有機金属化合物の製造方法

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JPH0673068A
JPH0673068A JP22873992A JP22873992A JPH0673068A JP H0673068 A JPH0673068 A JP H0673068A JP 22873992 A JP22873992 A JP 22873992A JP 22873992 A JP22873992 A JP 22873992A JP H0673068 A JPH0673068 A JP H0673068A
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JP
Japan
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reaction
group
grignard reagent
organometallic compound
magnesium
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JP22873992A
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Kazuyuki Asakura
和之 朝倉
Toshinobu Ishihara
俊信 石原
Hiromi Osaki
浩美 大崎
Isao Kaneko
功 金子
Kohei Sato
幸平 佐藤
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安全に高収率に有機インジウム化合物を製造す
る方法を提供することを目的とする。 【構成】 エーテル溶媒中に、マグネシウムとともに反
応開始に必要な量のハロゲン化エチルを導入してグリニ
ャール試薬合成反応を開始させ、反応開始とともにその
反応液中に続けてハロゲン化エチルを追加し、前後を通
じて導入されるハロゲン化エチルに対し実質的にその1
/2〜2.0倍量で、炭素数1又は3以上のモノハロゲ
ン化有機物を加えて複数種のグリニャール試薬混合体を
合成し、次いでそのグリニャール試薬混合体と三ハロゲ
ン化インジウムとを脱ハロゲン化マグネシウムにより縮
合し、混成トリ有機インジウムを合成する。エーテル溶
媒はジエチルエーテルであるとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体を製造す
る金属化学蒸着法(MOCVD法 Metalorganic Chemi
cal Vapor Deposition) 等でエピタキシャル成長材料と
して有用な有機金属化合物について、グリニャール反応
を応用して製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機インジウム化合物はIII−V族化
合物半導体の製造にしばしば用いられる。このIII−
V族化合物半導体は、近年、II−VI族化合物半導体
とともに発光素子、マイクロ波トランジスタ等として広
い分野で用いられており、更に、その優れた特性を利用
して、高速コンピュータ用集積回路、オプトエレクトロ
ニクス集積回路にも使用されるようになってきた。
【0003】広範囲な用途に利用される上記のIII−
V族化合物半導体は、所定の有機金属化合物をMOCV
D法等によってエピタキシャル成長させて製造される。
このMOCVD法では、一般に、バブラー中に納められ
た有機金属化合物の表面下にキャリアガスを導入し、キ
ャリアガスの気泡によって有機金属化合物を均一に気化
する。
【0004】MOCVD法では、有機金属化合物にトリ
メチルインジウムなどの昇華性の固体有機金属化合物を
用い、それをバブラー中に導入して気化させるという方
法がある。固体有機金属化合物を用いるこの方法の場合
には、気化速度のコントロールが難しいという問題点が
ある。このような固体有機金属化合物の問題点を避ける
ため、それに代えて液体のトリエチルインジウムを用い
る場合がある。トリエチルインジウムは35℃でインジ
ウムに分解し始める。キャリアガスには通常、水素が用
いられ、水素ガスの存在下ではその分解温度が更に低く
なる。つまりトリエチルインジウムには、トリメチルイ
ンジウムに比べ熱安定性、化学的安定性が低く、非常に
扱いにくいという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】化合物半導体を得よう
とする場合、MOCVD法では、熱的化学的に安定で、
気化速度のコントロールも容易な液体の有機インジウム
化合物が必要となる。こうした需要を受け、特開平3-5
7188号公報等ではジメチルエチルインジウム、ジエチル
メチルインジウムをはじめとする、混成有機インジウム
化合物が開示されている。
【0006】これらの混成有機インジウム化合物は合成
が難しい。これまで報告されている合成方法は、先の公
開公報を含めほとんどの場合、同一のアルキル基が3結
合している異種類の有機インジウム化合物を混合し、結
合アルキル基を不均化するというものである。例えば、
トリメチルインジウムとトリエチルインジウムという2
種類の有機インジウム化合物を混合することで合成す
る。
【0007】不均化による合成方法では、原料となる有
機インジウム化合物を一定の比率で混合するのに正確な
計量操作が必要である。計量されるその有機インジウム
化合物は自然発火しやすく危険度が高い。その上、反応
後は、その反応系の中から未反応の結晶性のトリメチル
インジウムと、熱的にも化学的にも不安定なトリエチル
インジウムとを安全に単離しなければならないというよ
うな、いくつかの難しい工程がある。こうしたことから
この不均化による合成方法には、混成有機インジウム化
合物の合成方法として極めて多くの解決しなければなら
ない問題点がある。
【0008】本発明は、前記の課題を解決するためなさ
れたもので、安全に高収率に混成有機インジウム化合物
を製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明者は、広範囲の製造方法について鋭意研究を
重ねた結果、目的とする置換基を含んだグリニャール試
薬をもとにグリニャール反応を行うと、極めて効果的に
必要な混成有機インジウム化合物が得られることを見出
した。
【0010】すなわち本発明の有機インジウム化合物の
製造方法は、エーテル溶媒中に、マグネシウムとともに
反応開始に必要な量のハロゲン化エチルを導入してグリ
ニャール試薬合成反応を開始させ、反応開始とともにそ
の反応液中に続けてハロゲン化エチルを追加し、前後を
通じて導入されるハロゲン化エチルに対し実質的にその
1/2〜2.0倍量で、炭素数1又は3以上のモノハロ
ゲン化有機物を加えて複数種のグリニャール試薬混合体
を合成し、次いでそのグリニャール試薬混合体と三ハロ
ゲン化インジウムとを脱ハロゲン化マグネシウムにより
縮合し、混成トリ有機インジウムを合成する。
【0011】エーテル溶媒に導入するハロゲン化エチル
としては、塩化エチル、臭化エチル、沃化エチルが挙げ
られる。炭素数1又は3以上のモノハロゲン化有機物と
しては、ハロゲン化メチル、炭素数3以上の低級アルキ
ルハロゲニド、ハロゲン化フェニル、アルキル化フェニ
ルハロゲニド、シクロペンタジエニルハロゲニド、アル
キル化シクロペンタジエニルハロゲニドなどが挙げられ
る。ハロゲンは塩素、臭素、沃素のいずれでもよく、炭
素数3以上の低級アルキル基、フェニル基、アルキル化
フェニル基、シクロペンタジエニル基、アルキル化シク
ロペンタジエニル基などと結合している。
【0012】炭素数3以上の低級アルキル基としては、
炭素数3又は4の基、例えばn−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基などが挙げられる。アルキル化フェニル基
としては、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、
イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、i−
ブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、t−ブチル
フェニル基などが挙げられる。これらのアルキル化フェ
ニル基は更に新たな位置に他のアルキル基が置換してい
てもよい。アルキル化シクロペンタジエニル基として
は、メチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシク
ロペンタジエニル基、その他にも炭素数6個以下のアル
キル基で1又は2以上置換されたシクロペンタジエニル
基などが挙げられる。炭素数6個以下のアルキル基が2
以上置換している場合、それらは互いに同一でもよく、
異なっていてもよい。
【0013】ハロゲン化エチルとマグネシウムとを導入
するエーテル溶媒としては、例えばジエチルエーテルが
好ましい。テトラヒドロフランなど溶解度の高いエーテ
ルを用いることも可能ではあるが、これらは最終生成物
との錯体形成能が強い。その結果、高純度の有機金属化
合物を得ることが難しく、あまり好ましくない。
【0014】エーテル溶媒中に上記のハロゲン化エチル
とマグネシウムとを導入するにあたり、ハロゲン化エチ
ルはグリニャール試薬合成反応の開始に必要な量、すな
わち、エーテル溶媒1リットル当たり0.1〜0.3モ
ルで、マグネシウム1モルに対し0.05〜0.15モ
ルに当たる割合で導入し、グリニャール試薬合成反応を
開始させる。
【0015】グリニャール試薬合成反応が開始するや、
続けて継続的に必要量のハロゲン化エチルとモノハロゲ
ン化有機物とを反応溶媒中に導入する。ハロゲン化エチ
ルの導入量は、最終的にはマグネシウム1モルに対し1
/3〜2/3モルとし、ハロゲン化エチル以外のモノハ
ロゲン化有機物の導入量は、ハロゲン化エチル1モルに
対し実質的に1/2〜2.0モルとする。ハロゲン化エ
チルとハロゲン化エチル以外のモノハロゲン化有機物の
合計導入量は、最終的にマグネシウムと実質的に等モル
とする。
【0016】特に、ハロゲン化エチル以外で使用される
モノハロゲン化有機物の種類が1種類の場合、ハロゲン
化エチルの導入量は、最終的にはマグネシウム1モルに
対し実質的に1/3又は2/3モルとする。ハロゲン化
エチル以外のモノハロゲン化有機物の導入量は、ハロゲ
ン化エチル1モルに対し実質的に1/2又は2.0モル
とし、ハロゲン化エチルとハロゲン化エチル以外のモノ
ハロゲン化有機物の合計量は最終的にマグネシウムと実
質的に等モルとする。ハロゲン化エチル以外で使用され
るモノハロゲン化有機物の種類が2種類の場合、ハロゲ
ン化エチルとその他のモノハロゲン化有機物の導入量
は、最終的にはマグネシウム1モルに対し実質的にそれ
ぞれ各1/3モルずつとするとよい。
【0017】このようにするとグリニャール試薬混合体
のエーテル溶液が得られる。このエーテル溶液に三ハロ
ゲン化インジウムを導入する。三ハロゲン化インジウム
のハロゲンは塩素、臭素、沃素のいずれでもよい。三ハ
ロゲン化インジウムが導入されるとエーテル溶液中でマ
グネシウムハライドを副生しながら三ハロゲン化インジ
ウムとグリニャール試薬とが縮合し、混成トリ有機イン
ジウムの粗製物を含む反応液が得られる。
【0018】次いで、このようにして得られた上記の反
応液を40℃〜150℃、1気圧〜1/760気圧で蒸
留すると、エーテルと混成トリ有機インジウムとの錯体
が単離される。得られた錯体に生成物の沸点より30℃
〜50℃低い芳香族あるいはオレフィン化合物を加え、
更にそれを80℃〜200℃、1気圧〜1/760気圧
で蒸留すると、配位結合していた混成トリ有機インジウ
ムとエーテルとが分離し、高純度の混成トリ有機インジ
ウムが得られる。
【0019】合成して得られる有機インジウム化合物の
化学式の例を示す。
【0020】 R2 InC25 又は、 RIn(C252 上記式中、Rはそれぞれ、メチル基、炭素数3以上の低
級アルキル基、フェニル基、アルキル化フェニル基、シ
クロペンタジエニル基、アルキル化シクロペンタジエニ
ル基から選択される基である。1分子中の2つのRは互
いに同一でもよく異なっていてもよい。これらの化合物
の具体的な例としては、ジメチルエチルインジウム、ジ
エチルメチルインジウムが挙げられる。
【0021】このようにして得られた高純度の混成トリ
有機インジウムはエピタキシャル生長用の有機金属化合
物として好ましく利用される。
【0022】グリニャール試薬を用いて混成有機金属化
合物を製造する方法としては、別の方法を考えることも
できる。例えば合成の目標とする混成トリ有機インジウ
ムを設定し、インジウムに結合させようとする各置換基
を有するグリニャール試薬を、予めそれぞれ別々に調製
する。次いで、それらのグリニャール試薬を所定の比率
に混合してグリニャール試薬混合液を調製し、そのグリ
ニャール試薬混合液に金属ハロゲン化物を導入してグリ
ニャール反応させる。例えばこの方法でジメチルエチル
インジウムやジエチルメチルインジウムなどを合成しよ
うとすると、グリニャール試薬の合成反応で沃素や沃化
メチルを反応開始剤として使用することことが避けられ
ない。グリニャール試薬の合成反応の開始剤に例えば沃
化メチルを用いた場合、生成物にトリメチルインジウム
が混入してしまうおそれがある。また、所望の比率にグ
リニャール試薬の混合液を調整することは難しく、目的
の混成有機金属化合物を高純度、高収率で得ることが困
難である。
【0023】反応溶媒にジエチルエーテルを使うことも
一般にはほとんどできない。炭素数2以上のアルキルマ
グネシウムハライドはジエチルエーテルに対する溶解度
が低く、エチルマグネシウムハライドなどの合成反応が
開始しにくい。その結果、反応溶媒としてはテトラヒド
ロフランなどの溶解度の高いエーテルを用いることが必
要となる。溶解度の高いエーテルは、最終生成物との錯
体形成能が強く、目的の混成トリ有機インジウム化合物
を高純度で得ることは難しい。
【0024】このように、グリニャール試薬を予め調製
し、それを混合して混成有機金属を得ようとすることは
妥当でない。
【0025】
【作用】本発明の方法によれば、グリニャール試薬の調
製段階において、ハロゲン化エチルとハロゲン化アルキ
ルを必要な比率で混合する。危険度の高い有機金属化合
物、例えばアルキル金属やグリニャール試薬などの計量
工程はない。
【0026】危険度の高いトリメチルインジウム、トリ
エチルインジウムなどをはじめとする有機インジウム化
合物を原料としないし、合成反応としては不均化反応も
用いない。合成反応には手法として一般的なグリニャー
ル反応が用いられる。
【0027】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明は、
従来技術にあったような危険度の高い工程もほとんどな
く実施可能であって、計量の難しいグリニャール試薬に
ついてその計量を行なうことなく、エピタキシャル成長
材料として有用な有機金属化合物を安全に高収率に製造
することができ、産業上でも極めて有利に実施すること
ができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。 実施例1 乾燥窒素あるいはヘリウム雰囲気下で、次のようにして
ジメチルエチルインジウムを生成した。臭化エチル12
8g(1.18モル)を用意した。次いで、容量3リッ
トルの4つ口フラスコに、マグネシウム屑85g(3.
50モル)、ジエチルエーテル1400ミリリットルを
添加し、これをかき混ぜながら、この中に臭化エチル1
28gのうち10ミリリットルを加え、グリニャール試
薬の合成反応を開始させた。反応の始まったかき混ぜ溶
液に残りの臭化エチルを添加し、この後、塩化メチルを
20リットル(常圧)/Hrの速度で供給した。10時
間後にグリニャール試薬が得られた。
【0029】得られたグリニャール試薬に、これをかき
混ぜながら、三塩化インジウム250g(1.13モ
ル)を少量ずつ添加した。ハロゲン化マグネシウムを副
生させながらグリニャール試薬と三塩化インジウムとが
縮合し、混成トリ有機インジウムの粗製物が混合されて
いる反応液が得られた。
【0030】次いで得られた反応液を、ガラスビーズを
充填した30cm×1.5cmφのカラムを用いて蒸留
したところ、ジメチルエチルインジウムとジエチルエー
テルとの錯体が単離された。単離された錯体にベンゼン
400ミリリットルを添加し、次いでガラスビーズを充
填した50cm×1.5cmφのカラムを用いて蒸留し
た。ジメチルエチルインジウム160.1g(0.92
モル)が得られた。収率は81%(三塩化インジウム基
準)だった。
【0031】ガスクロマトグラフィーマススペクトロメ
ーターでジメルエチルインジウムの分子イオンピークm
/z=174が確認され、ジメチルエチルインジウムが
生成されていることが分かった。収率が高く、純度も高
いことが分かった。
【0032】実施例2 実施例1と同様にしたが、ジエチルメチルインジウムの
生成を目的にし、臭化エチルの量を128g(1.18
モル)でなく、85.3g(0.79モル)とし、グリ
ニャール試薬の合成反応時間を10時間でなく、5時間
とした。
【0033】このような結果、ジエチルメチルインジウ
ム169.2g(0.90モル)が得られた。収率は8
0%(三塩化インジウム基準)だった。ガスクロマトグ
ラフィーマススペクトロメーターでジエチルメチルイン
ジウムのイオンピークm/z=188が確認され、ジエ
チルメチルインジウムが生成されていることが分かっ
た。収率が高く、純度も高いことが分かった。
【0034】比較例1 乾燥窒素あるいはヘリウム雰囲気下で、次のようにして
ジメチルエチルインジウムを生成した。
【0035】臭化エチルと、グリニャール試薬であるメ
チルマグネシウムクロライドとを用意した。メチルマグ
ネシウムクロライドは沃化メチルを開始剤とし、塩化メ
チルとマグネシウムとを反応させて調製した。マグネシ
ウムにはマグネシウム屑56.6g(2.34モル)を
用いた。臭化エチルの準備量は42.7g(0.39モ
ル)とした。
【0036】次いで、容量3リットルの4つ口フラスコ
に、マグネシウム屑28.3g(1.17モル)、ジエ
チルエーテル450ミリリットルを添加し、これをかき
混ぜながら、この中に42.7gの臭化エチルの内、そ
の10ミリリットルを加え、グリニャール試薬であるエ
チルマグネシウムブロミドの合成反応を開始させた。合
成反応の始まったかき混ぜ溶液に続けて残りの臭化エチ
ルを添加した。
【0037】このようにして得られたエチルマグネシウ
ムブロミドの反応液と先に得られたメチルマグネシウム
クロライドの反応液とを混合してグリニャール試薬混合
液を調製し、これをかき混ぜながらその中に三塩化イン
ジウム250g(1.13モル)を少量ずつ添加して反
応させた。
【0038】ジメチルエチルインジウム119g(0.
69モル)が得られた。収率は60.5%(三塩化イン
ジウム基準)だった。ガスクロマトグラフィーマススペ
クトロメーターで分析した結果、ジメチルエチルインジ
ウムの分子イオンピークm/z=174が確認され、ジ
メチルエチルインジウムが生成されていることが分かっ
た。微量ながらトリメチルインジウムおよびジエチルメ
チルインジウムも生成されていることが確認された。収
率が低く、純度も低いことが分かった。
【0039】比較例2 ジメチルエチルインジウム 比較例2と同様にしたが、ジエチルメチルインジウムの
生成を目的にし、メチルマグネシウムクロライドの合成
あたり、マグネシウム屑の量を56.6gでなく、2
8.3g(1.17モル)とし、4つ口フラスコに添加
するマグネシウム屑の量を28.3gでなく56.6g
(2.34モル)とした。
【0040】ガスクロマトフィーマススペクトロメータ
ーでジエチルメチルインジウムのイオンピークm/z=
188が確認され、ジエチルメチルインジウムが生成さ
れていることが分かった。微量ながらトリエチルインジ
ウムおよびジメチルエチルインジウムも生成されている
ことが確認された。収率が低く、純度も低いことが分か
った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大崎 浩美 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 金子 功 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 佐藤 幸平 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エーテル溶媒中に、マグネシウムととも
    に反応開始に必要な量のハロゲン化エチルを導入してグ
    リニャール試薬合成反応を開始させ、反応開始とともに
    その反応液中に続けてハロゲン化エチルを追加し、前後
    を通じて導入されるハロゲン化エチルに対し実質的にそ
    の1/2〜2.0倍量で、炭素数1又は3以上のモノハ
    ロゲン化有機物を加えて複数種のグリニャール試薬混合
    体を合成し、次いでそのグリニャール試薬混合体と三ハ
    ロゲン化インジウムとを脱ハロゲン化マグネシウムによ
    り縮合し、混成トリ有機インジウムを合成することを特
    徴とする有機金属化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 エーテル溶媒がジエチルエーテルである
    請求項1に記載の有機金属化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 モノハロゲン化有機物が、ハロゲン化メ
    チル、炭素数3以上の低級アルキルハロゲニド、ハロゲ
    ン化フェニル、アルキル化フェニルハロゲニド、シクロ
    ペンタジエニルハロゲニド、アルキル化シクロペンタジ
    エニルハロゲニドから選択される請求項1又は2に記載
    の有機金属化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機金属化合物が、次式 R2 InC25 又は、 RIn(C252 (上記式中Rは、メチル基、炭素数3以上の低級アルキ
    ル基、フェニル基、アルキル化フェニル基、シクロペン
    タジエニル基、アルキル化シクロペンタジエニル基から
    選択される基)で示される化合物である請求項3に記載
    の有機金属化合物の製造方法。
JP22873992A 1992-08-27 1992-08-27 有機金属化合物の製造方法 Pending JPH0673068A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113801164A (zh) * 2021-10-08 2021-12-17 广东先导微电子科技有限公司 三甲基铋的制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113801164A (zh) * 2021-10-08 2021-12-17 广东先导微电子科技有限公司 三甲基铋的制备方法

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