JPH0671173U - シャ−プペンシル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 芯保護管を先端部に有し、該芯保護管内面に
基材を介して芯と同等のもしくは芯より固い表面を有す
る粉体を分散付着させたシャ−プペンシルにあって、前
記粉体を破砕形粉体とし、また芯保護管を先端部に有
し、該芯保護管内面に基材を介して芯と同等のもしくは
芯より固い表面を有する粉体を分散付着させたシャ−プ
ペンシルにあって、前記芯保護管内面に環状の芯保持部
材を配置し、該芯保持部材の内面に基材を介して芯と同
等のもしくは芯より固い表面を有する破砕形粉体を分散
付着させたシャ−プペンシル。 【効果】 従来、残芯として排出されていた芯も有効に
使える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、芯を有効に活用することができるシャ−プペンシルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から芯が短くなった場合、この芯は、芯の把持をする三割チャック、ボ− ルチャックなどのチャックから開放される。チャックから開放された芯は、チャ ック先端からシャ−プペンシル（芯保護管）先端までの間に残ることになる。こ の残った芯（以下残芯という）は、芯戻り止目部材に軽く保持されているだけで あるから、この残芯心部分で筆記を行うと芯が回転してしまい、筆記感が悪くな り、一般的には後続芯により押出し排出させたり、引き抜いたりして破棄すると いうものであった。また、芯戻り止め部材から外れた残芯であると、前記した現 象は顕著にみられ、芯が落下してしまうということも起こった。 そこで、この残芯を無くすか極力小にして芯を有効に活用するために芯保護管 に対する種々の提案がなされてきている。その代表例は、芯保護管先端をプレス 等で絞ることにより断面形状を非円形状とした実開昭５６ー１１５２８４号であ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

残芯を有効活用するために芯保護管に要求される機能は次の２点である。第１ 点は残芯が芯保護管内にあるとき落下しない芯保護管であること（芯保持機能が あること）である。第２点は残芯で筆記した際に残芯が回転しないような芯保護 管であること（残芯筆記機能があること）である。 前記実開昭５６ー１１５２８４号は、残芯筆記機能はある。ところが、芯保護 管を絞るため絞り時の内径寸法をかなり小さくしないと芯が回転してしまったり 、内径にバラツキが生じ、そのバラツキによって芯が詰まって出なくなるという 問題がある。即ち、芯保持機能を満足させるための精度上の問題がある。 上記問題点を解決するために本願出願人は、芯保護管内面に基材を介して粉体 を分散付着させた考案（実願平２−１４５６４号）をなしたが、筆圧の高い人に よっては、芯が回転してしまう場合が有り、さらなる改善が必要になってきた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、芯保護管を先端部に有し 、該芯保護管内面に基材を介して芯と同等のもしくは芯より固い表面を有する粉 体を分散付着させたシャ−プペンシルにあって、前記粉体を破砕形粉体とし、ま た、芯保護管を先端部に有し、該芯保護管内面に基材を介して芯と同等のもしく は芯より固い表面を有する粉体を分散付着させたシャ−プペンシルにあって、前 記芯保護管内面に環状の芯保持部材を配置し、該芯保持部材の内面に基材を介し て芯と同等のもしくは芯より固い表面を有する破砕形粉体を分散付着させたこと を要旨とするものである。

【０００５】

【実施例】

参照符号１は、シャ−プペンシルの軸筒であり、該軸筒１内にはチャックリン グ２をその前方部外周に外嵌したチャック３（図中は三つ割チャックを示したが 、一般にボールチャックと称されるチャックであってもよい）を配置している。 軸筒１の前方には先部材４が螺着されているが、先部材４は軸筒１と一体であっ ても良い。更に、先部材２の先端には金属、合成樹脂、セラミックス等よりなる 芯保護管５が圧入されているが、先部材２と芯保護管５は一体であってもよい。 ６は芯Ｌを軽く保持している芯戻り止めであるが、その芯戻り止めは必ずしも必 要なものではない。

【０００６】 以上の構成は、従来の構成と同じである。本考案の特徴は、芯保護管５の内面 に残芯保持手段Ｘを設けた点にある。尚、残芯保持手段Ｘは、芯保護管５の全面 にわたってなしても良いし、一部になしても良いが、芯Ｌを極力有効に使用する ためには図１に示すように先端部になすのが良い。

【０００７】 以下、各実施例について詳細に説明する。 芯保護管５内面には、図２に示すように突起状の内面処理部６が形成されてい る。その内面処理部６は、基材７に芯と同等もしくは芯より硬い表面を有する砕 粉体８が分散付着されている。 また、図３示すように芯保護管５の内面全周にわたって、内面処理部６を形成 してもよい。 また、図４に示すように内面処理部６の芯保護管５への定着性を向上させるた めに、つまり剥離を防止するために、芯保護管５と内面処理部６との間に下塗層 ９を設けても良い。

【０００８】 前記破砕粉体８は、図５に示すように、表面に形成される凹凸の端の丸みを極 力無くし、その凹凸を鈍角あるいは鋭角状に形成した表面形状（破砕形）をして おり、例えば、スチレン、ナイロン、ポリオレフィン、シリコン、エポキシ、ポ リメタクリル酸メチルなどの樹脂粉体や、シリカ、アルミナ、ジルコニアなどの 無機粉体または、それらの粉体に、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系といっ た粉体塗料を被覆した破砕粉体（複合材）、更には、樹脂粉体にそれより小さな 無機粉体を自動乳鉢、ボ−ルミル、ジェトミル、アトマイザ−、ハイブリダイザ −（（株）奈良機械製作所製）等を利用して、樹脂粉体に無機粉体を吸着させた り打ち込んだりしたものを利用できる。 尚、破砕粉体８を付着させた後、めっきによって皮膜を形成してもよい。めっ き方法としては、電気めっきや無電解めっきといった湿式めっき、蒸着、スパッ タリング、イオンプレ−ティングといった乾式めっきが挙げられる。めっきの目 的は、表面硬度をさらに高めるためである。

【０００９】 １例として、芯保護管５の内面に破砕粉体を付着させる方法例について述べる 。 破砕粉体として樹脂粉体、または無機粉体の樹脂の被膜を形成したもの、また は樹脂粉体に無機粉体を吸着又は打ち込んだ場合の例を述べる。先ず、これらの 粉体を帯電させ（スプレー等を用いて吹き付ける際に帯電する）、一方、芯保持 管には、電荷をかけておき、芯保持管内面に帯電した粉体を電気的に付着させる 。 尚、付着方法としては、その他種々採用できるものであるが、内面処理部６は 、耐久性の点などより、柔軟性のあるものよりないものの方が好ましい。

【００１０】 また、図６、図７は、第２実施例を示すもので、芯保護管５の内面に、内面処 理部６が形成され、長手方向にスリット１０が形成された金属、合成樹脂などよ りなる環状部材１１を配置したものである。 その環状部材１１は、角部に丸みをもたせた断面略四角状のもの（図６参照） や、角部に丸みをもたせた断面三角状のもの（図７参照）など種々の形状のもの が採用可能である。要は、環状部材１１が弾性変形するために、長手方向に少な くとも一箇所以上のスリット１０が形成され、且つ、芯保護管５と環状部材１１ との間に遊び部１２が形成されれば良い。

【００１１】 次に作用について説明する。 本考案は、芯保護管（又は芯保持部材）の内面に設けた破砕粉体の表面が芯と 同等もしくは芯より硬いものである。よって、破砕粉体の表面（角）が残芯に微 小に食い込み、残芯が長手方向及び回転方向に滑りにくくなる。 尚、前述したように芯戻り止め６は、本考案では、該芯戻り止め６は必ずしも 必要ではない。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、芯保護管を先端部に有し、該芯保護管内面に基材を介して芯と同等 のもしくは芯より固い表面を有する粉体を分散付着させたシャ−プペンシルにあ って、前記粉体を破砕形粉体とし、また、芯保護管を先端部に有し、該芯保護管 内面に基材を介して芯と同等のもしくは芯より固い表面を有する粉体を分散付着 させたシャ−プペンシルにあって、前記芯保護管内面に環状の芯保持部材を配置 し、該芯保持部材の内面に基材を介して芯と同等のもしくは芯より固い表面を有 する破砕形粉体を分散付着させたので、従来、残芯として排出されていた芯も有 効に使えるばかりでなく、筆圧が高い人が使用しても残芯の回転を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す要部縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線横断面図である。

【図３】図２に相当する他の実施例を示す横断面図であ
る。

【図４】図２に相当するさらに他の実施例を示す横断面
図である。

【図５】破砕粉体を示す平面図である。

【図６】本願考案の第２実施例を示す図２に相当する横
断面図である。

【図７】図６に相当する他の実施例を示す横断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 軸筒 ２ チャックリング ３ チャック体 ４ 先部材 ５ 芯保護管 ６ 内面処理部 ７ 基材 ８ 破砕粉体 ９ 下塗層 １０ スリット １１ 環状部材（芯保持部材） １２ 遊び部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯保護管を先端部に有し、該芯保護管内
   面に基材を介して芯と同等のもしくは芯より固い表面を
   有する粉体を分散付着させたシャ−プペンシルにあっ
   て、前記粉体を破砕形粉体としたことを特徴とするシャ
   −プペンシル。
2. 【請求項２】 芯保護管を先端部に有し、該芯保護管内
   面に基材を介して芯と同等のもしくは芯より固い表面を
   有する粉体を分散付着させたシャ−プペンシルにあっ
   て、前記芯保護管内面に環状の芯保持部材を配置し、該
   芯保持部材の内面に基材を介して芯と同等のもしくは芯
   より固い表面を有する破砕形粉体を分散付着させたこと
   を特徴とするシャ−プペンシル。