JPH0670376B2 - 触媒燃焼装置 - Google Patents

触媒燃焼装置

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JPH0670376B2
JPH0670376B2 JP61203747A JP20374786A JPH0670376B2 JP H0670376 B2 JPH0670376 B2 JP H0670376B2 JP 61203747 A JP61203747 A JP 61203747A JP 20374786 A JP20374786 A JP 20374786A JP H0670376 B2 JPH0670376 B2 JP H0670376B2
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    • F23RGENERATING COMBUSTION PRODUCTS OF HIGH PRESSURE OR HIGH VELOCITY, e.g. GAS-TURBINE COMBUSTION CHAMBERS
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    • F23R3/40Continuous combustion chambers using liquid or gaseous fuel characterised by the use of catalytic means

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はガスタービン燃焼器の低NOx燃焼を達成するた
めの触媒燃焼法に係り、特にタービンの起動から定格ま
で全域で低NOx、完全燃焼せしめ得るように創作した触
媒燃焼器に関するものである。
〔従来技術〕
触媒燃焼は従来の気相燃焼方式と比べて、NOx排出量を
大幅に少なくすることができる共に、一酸化炭素、未燃
炭化水素も少なくなり、燃焼器の圧損を増やすことな
く、燃焼量を上げることが出来る。
第2図には触媒燃焼の基本原理を示す。横軸はガス温度
で、縦軸は触媒単位体積当りの燃料の反応量である。ガ
ス温度が低い領域では、燃料の反応割合が触媒の表面で
起こる固有の化学変化、即ち反応律則となる。ここでは
触媒表面とガス流との間の物質移動あるいは熱移動が化
学反応速度に比べて速くなる。そのために、触媒反応表
面における温度分布と濃度分布は、ガス流の温度分布あ
るいは濃度分布と本質的には等しくなる。
この化学反応が律則となる温度範囲を越えると物質に固
有の化学反応速度がその最高速度にほぼ等しくなる領域
となる。この温度になると、触媒表面とガス流との間に
物質と熱の移動が生じはじめる。この状態では触媒表面
温度はガス温度よりも高くなり、したがつて、触媒表面
近傍での燃料濃度は主流のそれよりも低くなつてくる。
さらに温度が上昇すると、触媒表面に拡散してくる活性
物質の割合に比例して反応速度が急激に速くなる領域と
なる。この領域では活性物質が触媒表面に到達後、直ち
に反応するため、触媒表面での活性物質濃度はほとんど
存在しなくなる。即ち活性物質が触媒表面にいかに到達
するかが支配条件となる拡散律則の領域となる。この拡
散律則では物質のもつ拡散係数が重要となるが、この拡
散係数が温度の影響をあまり受けないために、広い温度
範囲にわたつて反応速度がほぼ一定となる。
さらに温度が上昇すると反応速度が急激に上昇し、つい
には気相反応となつてしまう。
以上に述べたことからも解る様に、触媒燃焼は拡散律則
となる温度あるいはそれ以上の温度で使うことが有利で
あり、このことが実用上必要である。
一方、上記条件での反応率を考えた場合、拡散律則とな
る温度条件の他に、拡散してくる活性物質を受け止める
十分な触媒表面が必要であることは言うまでもない。し
かし実際の燃焼器では、機体の寸法が小さいほど望まし
く、十分な触媒表面を得るために、触媒量を増やす方法
は望ましくない。そこで、拡散律則となる温度範囲とそ
れ以上の温度範囲とを組み合わせて燃焼器を作ることが
機体の寸法を小さくする有効な手段となる。
第3図は燃料濃度と触媒反応率との関係を示す。横軸は
ガス温度、縦軸は反応率で、濃度をパラメータとしてい
る。この図から、同じガス温度であつても、燃料濃度の
高い方が反応率が高くなることが解る。これは、燃料濃
度が高くなるほど、触媒表面での発熱温度が高くなり、
触媒表面付近のガス温度を上昇させ、拡散律則の温度範
囲を越えた領域、即ち均一気相反応が進む温度となる。
即ち、実際の触媒燃焼器を想定した場合の可燃範囲は燃
料希薄側では燃焼効率によつて制限され、燃料過濃側で
は触媒の耐熱温度によつて制限される。したがつて、両
者を満足する燃料濃度範囲は非常に狭いものとなつてし
まう。
第4図は一般の発電用ガスタービンにおける燃料濃度と
タービン負荷との関係を示している。タービン起動途上
では燃料濃度が1%〜2%の範囲にあり、負荷状態では
1%〜4%程度の範囲となる。このように燃料濃度が大
幅に変化する領域で触媒を使つた完全燃焼を達成するこ
とが大きな課題となる。
しかるに従来公表されているものでは、たとえば特開昭
58−92729に示されるように、燃料濃度変化に対しての
考慮が燃料過濃側、即ち触媒耐熱温度に重点が置かれ、
燃料希薄側になつた場合の燃焼性能に対しては特に述べ
られていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記特開昭58−92729に代表される様に、従来技術は耐
熱温度の違う触媒を複数個並べることによつて、燃料濃
度の変化する場合にも使用しようとしたものであるが、
個々の触媒には特有の完全燃焼可能な燃料下限濃度があ
り、その範囲をはずれるとどんな触媒であつても不完全
燃焼になつてしまい、したがつて所要のガス温度も得ら
れないという、重要な点については格別の考慮が為され
ていない。即ち、触媒にはそれぞれ固有の完全燃焼可能
な燃料下限濃度があり、ガスタービン用の燃焼器のよう
に燃料濃度の広い範囲で使用する場合に、いかにタービ
ン負荷全域で完全燃焼可能なシステムを組むかが課題と
なる。
本発明の目的は、同一の耐熱温度触媒を用い、あるは耐
熱温度の異なる少数種類の触媒を用いて、タービン負荷
全域でNOx発生を抑制しつつ完全燃焼を行わせ得る触媒
燃焼装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
先に述べたように触媒にはその触媒に固有の活性開始温
度と耐熱温度の限界とがある。限界付近で使用される場
合には燃焼効率も高くなるが、触媒活性開始温度付近で
使用される場合には燃焼効率は悪くなる。いいかえる
と、ある燃料濃度における燃焼温度が耐熱限界温度付近
になるという条件にあっては、上記燃料濃度よりも小さ
い燃料濃度で使用する場合には燃焼効率は低くなる。ガ
スタービンでは必ずしも耐熱限界温度付近となる燃料濃
度でのみ使用されることはなく、それ以外で使用される
場合が多い。この条件で燃焼効率を高める方法として、
触媒に供給される予混合気の燃料濃度を空気量の調節に
よつて一定にするという考えもあるが、構造が複雑とな
り、信頼性に欠けるという問題がある。
本発明では上記の様な欠点を解消し、タービン負荷全域
で完全燃焼するシステムを作るために、燃料濃度の低い
燃焼で発生する未燃の炭化水素を後流に設けた高温部で
再燃焼させ、しかもこの後流の高温部はNOxの発生の少
い触媒燃焼によつて得られるように構成したものであ
る。即ち、触媒層をガスの流れ方向に、複数段に分け、
各々の触媒層に燃料と空気との予混合気を別々に供給し
そのうちの少なくとも一つの予混合気濃度は、触媒出口
ガス温度が1000℃以上のパイロット炎となるように一部
の燃料を制御する。本発明においてパイロット炎とは、
運転されていたガスタービンが無負荷になったときも存
続し、負荷の増加に伴って増大して、当該ガスタービン
の熱エネルギ源となる火炎を言う。このパイロット炎が
存在し得る条件は、温度と燃料濃度(燃空比)とを座標
軸とする2次元図表上に一つの区域として表わされ、触
媒の種類によって異なる特性である。ただし、上記の区
域に温度の下限は有るが温度の上限は無い。濃度には上
限も下限も有る。従って、上記のパイロット炎の存在条
件を表わす区域は、燃料濃度が過度に小さい領域や過度
に大きい領域は(温度の如何に拘らず)カバーしていな
い。
〔作用〕
上記のように構成した触媒燃焼装置によれば、触媒層あ
るいは触媒層の一部をその触媒に固有の耐熱温度付近で
燃焼に関与させることによつて、そこから高温ガスを
得、その触媒層よりも上流で発生した未然の炭化水素
を、その高温ガスで再燃焼させ完全燃焼を達成すること
が出来る。即ち、前段の触媒層に供給された燃料は、部
分反応に必要な触媒体積によつて、特定の燃料濃度の場
合を除いては未然の炭化水素と一酸化炭素とに分解され
る。高温の未燃炭化水素と高温の一酸化炭素とに分解さ
れたガスは、後段の触媒を通過するときにさらに反応が
進むが、それでも反応しきらない燃料は後段触媒に存在
する高温のパイロット炎によつて再燃焼する。後段に設
けた高温の触媒燃焼によつて得られるパイロット炎は供
給燃料の一部を制御することで得ることができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。触媒
燃焼器は2段の触媒層により成り、前段触媒層1、後段
触媒層2の様にガスの流れ方向に必要な間隔を設けて配
列される。各々の触媒層は燃焼器ライナ3の内部に保持
されている。燃料の供給口は、前段触媒1の上流の供給
口4と、後段触媒の上流の供給口5、と燃焼器ライナの
頭部の供給口6とが設けられている。主なる燃焼空気口
は、燃焼器頭部に付けた燃料ノズル7の周囲から旋回羽
根を通して供給されるものと、燃焼器頭部の拡散燃焼で
得られるガス温度を適性温度にするための希釈空気孔8
から供給されるものと、後段触媒に供給する燃料濃度を
調整するための空気孔9から供給されるものなどがあ
る。燃焼器ライナー3の後流には尾筒12が連接され、タ
ービン入口に燃焼ガスを導く。燃焼器3と尾筒12とはケ
ーシング11内に収められている。燃焼用空気は圧縮機出
口デイフユーザ10から貯気槽14に供給され、そこで流動
方向を逆転して、燃料ライナ3とケーシング11とによつ
て形成される空間を流れながら燃焼器頭部に達する。
次に本発明による作動を説明する。ガスタービンがデイ
ーゼルエンジン等の外部動力で起動されると、該ガスタ
ービンは徐々に回転数を増し、無負荷の定格回転数の20
%程度になると、燃料ノズル6に燃料が供給され、点火
栓13により着火され、拡散燃焼による燃焼を開始して自
立運転に入る。更に燃料が徐々に増加すると、タービン
の回転数も増加し、圧縮機の吐出空気も徐々増加してく
る。無負荷の定格回転数付近になると、前段触媒1の入
口ガス温度が500℃程度になり、この高温ガスによつ
て、前段触媒1、後段触媒2が加熱され、ほぼ500℃近
くまで昇温する。この状態になると、前段触媒1、後段
触媒2とも活性開始が可能となる。そこで、前段触媒1
の上流の燃料ノズル4と後段触媒2の上流の燃料ノズル
5から燃料が供給され始める。この時、燃料ノズル5か
ら供給される燃料は、後段触媒の燃焼ガス温度が局部的
にその触媒の耐熱温度の限界付近(たとえば1000℃+α
℃)のパイロット炎15を形成する。この場合、パイロッ
ト炎15の温度は、未燃の炭化水素を再燃焼せしめるに足
りる温度であり、かつ、NOxの発生が極小である温度と
なるように設定する(温度調整は、後述の如く燃料供給
量を調節して行う)。
本発明を実施する場合、局部的に制御された燃料(即ち
広い立体的区域について全区域の燃料濃度の制御が為さ
れていない状態の燃料)を有効に燃焼させてパイロット
炎を形成するよう、触媒層に仕切りを設ける。上記の仕
切りは触媒層を半径方向に分割する構造や、円周方向に
分割する構造が適用できる。このように仕切を設ける
と、仕切って区分されたそれぞれの触媒層に流入する気
体の燃料濃度は不均一になる。その理由は、燃料ノズル
に近い触媒層に流入する気体の燃料濃度は濃くなり、燃
料ノズルから離れた触媒層に流入する気体の燃料濃度は
薄くなるからである。
このような燃料濃度の不均一を故意に生じさせておく
と、燃料濃度の平均値がパイロット炎の維持可能な範囲
から外れても、いずれかの個所の触媒層であって適正な
燃料濃度の気体の流入を受ける所でパイロット炎が保持
される。パイロット炎形成用燃料以外の燃料は、燃料ノ
ズル4ないし、燃料ノズル6から供給される。即ち、前
段触媒1の上流の予混合気濃度は約1%〜3%程度まで
大幅に変化するのに対し、燃料ノズル5から供給される
燃料の予混合気濃度は、ほぼ一定の値とする。
タービン負荷が約50%程度になると、前段触媒出口のガ
ス温度も上昇してくるため、前段触媒上流の予混合気を
予熱していた拡散燃焼も不必要となり、燃料ノズル6へ
の燃料供給は止めることができる。
前段触媒上流の予混合気濃度は負荷の変化などにより常
に変化しており、必ずしもその触媒の最適温度条件で使
用されない。そのために、前段触媒1における燃焼は必
ずしも完全燃焼しない。しかし、後段触媒の出口ガス温
度は必ずその触媒の最適温度条件で使用されており、10
00℃以上のガスが得られているために、前段触媒1で生
成される未燃分は後段触媒を通過しながら反応しついに
は完全燃焼する。
第5図に本実施例における燃料供給割合の制御例を示
す。タービン起動途上は燃料ノズル6からのみ必要量が
供給される。前段触媒の入口ガス温度が触媒活性に必要
な温度になると、燃料ノズル4,5から供給開始され、燃
料ノズル6の燃料は徐々に減らされてくる。この段階で
は、燃料ノズル5からの供給燃料量によつて、パイロツ
ト炎を形成するに必要な濃度にコントロールされる。タ
ービン負荷が80%以上になると空気量も増加するので、
それにみあつた量だけ、燃料ノズル5からの供給量も増
やす。
本実施例においては、触媒固有の最適燃料濃度以外で使
用しても、燃焼効率はタービン負荷全域で99.99%以上
を達成し、NOx排出量も数ppm以下におさえることができ
ることが確認された。しかも、少ない触媒層(本例にお
いて2層)で上記の効果を達成できるために、構造が簡
単になるとともに、触媒層の構成にかかる製造費用も少
なくてすむ。たとえば1300℃級のガス温度を使用温度範
囲の異なる触媒で構成する場合、1種類の触媒が適応し
得る燃料濃度範囲はせいぜい±5%程度(上限は耐熱性
で制限され、下限は触媒の活性保持で制限される)であ
るから従来技術によると触媒層は5段程度になる。これ
を本実施例によれば、2段触媒ですむことになる。
第6図は横軸に触媒層、縦軸に未燃炭化水素の排出量を
示す。前段の触媒から排出された未燃炭化水素は後段の
パイロツト炎で再燃焼されている。
第7図にその時のNOx排出量を示し、第8図にガス温度
を示した。NOx排出量が従来と比べ極端に少なくなつて
いる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明を適用すると、同一種類乃
至は少数種類の耐熱温度を有する触媒を用いて、ガスタ
ービン負荷の全域にわたつて、NOx発生を抑制するとと
もに完全燃焼を行わせることが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例の断面図である。第2図は触
媒における反応量と温度の関係を示す図表、第3図は燃
料濃度と反応量との関係を示す図表、第4図はタービン
負荷と燃料流量との関係を示す図表、第5図は前記実施
例における燃料制御の1例を示す図表、第6図はパイロ
ツト炎による再燃焼効果を示す図表、第7図はNOx排出
量を示す図表、第8図はガス温度を示す図表である。 1,2……触媒層、3……燃焼器ライナ、4,5,6……燃料ノ
ズル、8……希釈空気孔、9……空気孔、15……パイロ
ツト炎。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスタービンの燃焼器内に、ガス流方向に
    複数段の触媒層を設置した触媒燃焼器において、 上記複数段の触媒層のうち少なくとも1層の触媒層に仕
    切りが設けられており、 ガス流方向に最終段の触媒層の直近の上流側に燃料供給
    ノズルが設けられるとともに、該燃料供給ノズルの燃料
    流量を制御する手段が設けられていて、 前記複数段の触媒層のうち少なくとも最終段の触媒層の
    下流側にパイロット炎を形成し得るように構成されてい
    ることを特徴とする触媒燃焼装置。
JP61203747A 1986-09-01 1986-09-01 触媒燃焼装置 Expired - Lifetime JPH0670376B2 (ja)

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