JPH0669411B2 - ソファーベッド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、折曲げ状態を変更することにより、床置き形
のソファーおよびベッドとして使用することができるよ
うにしたソファーベッドに関するものである。

［従来の技術］ この種のソファーベッドとして、細長い座と、この座と
同様な細長形状をなす背もたれとを具備し、その背もた
れを前記座の後縁にロック可能な蝶番を介して連設した
ものが知られている。そして、前記座を床に載置して背
もたれを立てることによりソファーとなり、前記背もた
れを床面まで倒すことによりベッドとなる。

しかして、従来のものは、上面側の外装材の端縁部分を
下面側へまわし、その端縁と下面側外装材の端縁とを内
部のフレーム等に止着したり、その端縁同士をファスナ
で接続するようにしている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、この種のソファーベッドにおける外観上の優
劣は、その周縁部上面側の形状が整ったものであるか否
かによって大きく左右される。すなわち、この種のソフ
ァーベッドは、低い位置に載置して使用されるものであ
るため、その周縁部上面側に凹凸があると、看者に全体
が歪んでいるような印象を与え易い。なお、周縁部の形
状は、クッション材を包み込む外装材の張力と、そのク
ッション材の弾性反発力との兼ね合いにより決定される
ものであり、外装材の張力が高い部分は凹み、張力が低
い部分は膨出する。そのため、かかるソファーベッドの
外観を整えるには、その張力を加減しながら外装材の端
縁をフレームに順次止着することが必要となる。ところ
が、従来のものは、前述したように、外装材の端縁をベ
ッドの下面側に止着するようにしているので、周縁部上
面側の凹凸具合を観察しながら止着作業を進めるのが困
難である。仮に、そのような作業姿勢を採ることが可能
であるとしても、外装材の端縁と周縁部上面を包む部位
との間には、周縁部下面側のコーナが介在しているの
で、周縁部上面における外装材の張力を端縁の引き具合
により調節することは難しい。また、上面側外装材と下
面側外装材とをファスナにより接続するようにしたもの
は、以上のような張力の調節を行うことはできない。ま
た、このようにすると、ファスナ部分が目立ち易いとい
う不具合がある。

本発明は、このような不具合を解消することを目的とし
ている。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、かかる目的を達成するために、次のような構
成を採用したものである。

すなわち、請求項１記載のソファーベッドは、相互に蝶
着した座と背もたれとを備え、それら座および背もたれ
における各構造体の上、下面にそれぞれクッション材を
介して上面側外装材および下面側外装材を外装してなる
ものにおいて、前記構造体を合板を備えてなるものにす
るとともに、前記座および背もたれの上面における周縁
近傍部にクッション材を除去することにより凹溝を形成
し、この凹溝内に前記上面側外装材および下面側外装材
の端縁を挿入し、少なくとも下面側外装材の挿入端を凹
溝の底面をなす構造体の合板に止着していることを特徴
する。

また、請求項２記載のソファーベッドは、外装材の端縁
近傍部に、凹溝の開口端を塞ぐ玉縁を設けたことを特徴
とする。

そして、請求項３記載のソファーベッドは、上面側外装
材の挿入端縁を、ファスナを介して構造体の上面に着脱
可能に止着していることを特徴とする。

［作用］ このような構成のものであれば、上面側外装材および下
面側外装材の端縁を共に凹溝内に挿入するようにしてい
るので、構造体の上面側に端縁を止着しているにも拘ら
ず、その止着箇所を外部に露出しないように隠すことが
できる。

しかも、上面における周縁近傍部に形成した凹溝内で、
下面側外装材の端縁を構造体に止着するようにしている
ので、該ソファーベッドの周縁部上面を見下しながら、
上面側からその止着作業を進めることができる。そし
て、このようにすれば、下面側外装材の周縁部上面に対
応する部位と、止着すべき端縁とが接近したものとな
り、端縁の引っ張り具合を加減することにより、周縁部
上面における下面側外装材の張力を直接的に調節するこ
とが可能となる。そのため、周縁部上面の形状を整えつ
つ、下面側外装材の端縁を構造体に止着することが容易
になる。

特に、本発明では、外装材の端縁同士をクッション材の
内部で遊動可能に連結するのではなく、その端縁を構造
材の合板に止着するものであるため、一旦止着した後
は、その止着位置が移動することがなく、形くずれが生
じない。しかも、止着対象が構造材の合板であるため、
強く押圧しても遊動するようなことがない。そのため、
前記外装材の端縁をタッカー等を用いて簡単かつ確実に
固定することができるため、外装材張設作業を効率よく
行うことができるものである。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。

このソファーベッドは、座本体11の両端に座折曲部12を
ロック可能な第１の蝶番３を介して連設してなる座１
と、背本体41の両端に背折曲部42をロック可能な第２の
蝶番６を介して連設してなる背もたれ４とを具備してな
る。

座本体11は、パイプ構体13上に合板14をねじ止めして構
成した構造体15を有し、その構造体15の上、下面および
外周にシート状のクッション材16、17を二重に被覆した
細長形状のものである。パイプ構体13は、複数の金属製
パイプのそれぞれの一端を接合して一体化したもので、
他端側の連結端13aをそれぞれ自由端としてある。

座折曲部12は、金属製パイプを縦横に接合してなるパイ
プ構体18上に合板19をねじ止めしてなる構造体20を有
し、その構造体20の上下面および外周にシート状のクッ
ション材16、17を二重に被覆したもので、パイプ構体18
が前記第１の蝶番３を介して前記座本体11のパイプ構体
13の連結端13aに蝶着されている。第１の蝶番３は、い
わゆるラチェット蝶番と称される構造のもので、座折曲
部12の構造体20を座本体11の構造体15に対して約90°の
角度範囲で折曲動作させ得るようにしており、その角度
範囲に存在する複数段のロック位置のいづれかにロック
することができるようになっている。そして、座折曲部
12の構造体20を表面側の限界位置まで折曲げることによ
って、そのロックを解除することができ、その構造体20
を座本体11の構造体15と同一平面上に設定される始点方
向に復帰させることができるようになっている。

背本体41は、パイプ構体43上に合板44をねじ止めして構
成した構造体45を有し、その構造体45の上、下面および
外周にシート状のクッション材16、17を二重に被覆した
細長形状のものである。パイプ構体43は、複数の金属製
パイプの一端を接合して一体化したもので、その他端側
の連結端43aをそれぞれ自由端としてある。

背折曲部42は、金属製パイプを縦横に接合してなるパイ
プ構体48上に合板49をねじ止めしてなる構造体50を有
し、その構造体50の上、下面および外周にシート状のク
ッション材16、17を二重に被覆したもので、パイプ構体
48が前記第２の蝶番６を介して前記背本体41のパイプ構
体43の連結端43aに蝶着されている。第２の蝶番６は、
同じくラチェット蝶番と称されるもので、背折曲部42の
構造体50を背本体41の構造体45に対して約90°の角度範
囲で折曲動作させ得るようにしており、その角度範囲に
存在する複数段のロック位置のいづれかにロックするこ
とができるようになっている。そして、背折曲部42の構
造体50を表面側の限界位置まで折曲げることによって、
そのロックを解除することができ、その構造体50を背本
体41の構造体45と同一の平面上に設定される始点方向に
復帰させることができるようになっている。

そして、前記座本体11のパイプ構体13の連結端13aと背
本体41のパイプ構体43の連結端43aとを第３の蝶番７を
介して連結している。第３の蝶番７は、同じくラチェッ
ト蝶番と称される構造のもので、背本体41を座本体11に
対して約90°だけ表面側に折曲げ得るように設定されて
いる。すなわち、この第３の蝶番７により、背本体41の
構造体45を座本体11の構造体15に対して、始点から約90
°の角度範囲で折曲動作させ得るようにしており、その
角度範囲に存在する複数段のロック位置のいづれかにロ
ツクすることができるようになっている。

また、座折曲部12の構造体20と、これらの構造体20に近
接する背折曲部42の構造体50との間には、外方に拡開す
る略三角形の構造体切欠域８を設けてある。具体的に
は、座折曲部12および背折曲部42の構造体20、50を、そ
れぞれ近接する側で斜めに切除した台形状に形成し、各
切欠端20a、50aの外縁まで各パイプ構体18、48を延出さ
せている。そして、各構造体20、50の外縁を結ぶ線と、
両切欠端20a、50aとで包囲して形成される平面略三角形
の部分を構造体切欠域８とし、この構造体切欠域８に幌
布81を張設してある。幌布81の外縁は、前記パイプ構体
18、48の先端間に張設したチェーン82に保持させてあ
り、両方の内縁側は近接する各構造体20、50の合板19、
49にタッカー止めしてある。そして、各幌布81の上、下
面には、座折曲部12から背折曲部42にかけての面が略面
一なるように、平坦および波形のクッション材16、83を
座折曲部12および背折曲部42のクッション材16、17に連
続させて止着してある。

また、このソファーベッドの表面側には、周縁近傍部96
に沿ってクッション材16、17、83を除去した連続的な凹
溝９を形成してある。そして、この凹溝９内に上面側外
装材91の端縁91aおよび下面側外装材92の端縁92aを挿入
し、それぞれの端縁91a、92aを凹溝９の底面をなす各構
造体15、20、45、50の上面に止着している。すなわち、
各構造体15、20、45、50に対応する下面側外装材92の端
縁92aは、各合板14、19、44、49の上面14a、19a、44a、
49aに連続的にタッカー止めしてある。また、上記凹溝
９における各合板14、19、44、49の上面14a、19a、44
a、49aには、外側のクッション材16を覆う内布93の周端
93aも連続的にタッカー止めしてある。この内布93の周
端93aおよび略中間部には、ファスナ94の片半部94aを縫
着してあるとともに、略中間部に配設したファスナ94の
片半部94aに対応する箇所の裏側には、布93bの一端縁を
縫着してある。そして、この布93bの他端縁を、座本体1
1の構造体15と背本体41の構造体45との隙間を介して構
造体15の裏側へ導出させているとともに、合板14の下面
14bに連続的にタッカー止めすることにより、略中間部
に設けたファスナ94の片半部94aを裏側へ引き寄せてあ
る。

前記上面側外装材91の端縁91a近傍部の外側には、連続
的な玉縁95を設けてあり、内部には、薄手のクッション
材91bを設けてある。玉縁95は、前記凹溝９の開口縁を
塞ぐためのもので、凹溝９の開口幅に対応する径からな
り、内部にクッション材製の連続的な芯材を有してい
る。また、この上面側外装材91の端縁91aおよび中間部
には、前記ファスナー94の他方の片半部94bを止着して
ある。そして、このファスナー94を介して前記内布93の
上面側に上面側外装材91を着脱自在に装着してある。

このような構成のものであれば、下面側外装材92の端縁
92aを構造体15、20、45、50に止着する場合には、ソフ
ァーベッドの周縁近傍部96の上面を見下しながら、上面
側からその止着作業を進めることができる。そして、こ
のように、ソファベッドの周縁近傍部96と下面側外装材
92の止着すべき端縁92aとが近接していると、周縁近傍
部96における下面側外装材92の張力とクッション材16の
弾性反発力との均り合いを微調節し易い上に、表面の凹
凸の存否を観察しつつ止着作業を行うことができる。こ
のため、ソファーベッドの周縁近傍部96全体を見栄えよ
く整えることができると同時に、下面側外装材92の止着
作業を円滑に進めることができる。

しかも、下面側外装材92の端縁92aおよび上面側外装材9
1の端縁91aを凹溝９に挿入し、その凹溝９の開口縁を玉
縁95により塞いであるので、双方の端縁92a、91aを構造
体15、20、45、50の上面側に止着しているにも拘らず、
これらの止着箇所が外部に露出するようなことがなく、
外観を損なうようなこともない。

また、上面側外装材91は、前記凹溝９内でファスナ94を
介して止着してあるため、容易に着脱することができ
る。このため、上面側外装材92のみを取り外して洗浄す
ることも可能であり、維持面においても有益となる。

そして、この実施例では、上面側外装材91とクッション
材16との間に内布93を介在させて両者間に若干の滑りが
生じるようにしてある。このため、使用頻度の多い箇所
における上面側外装材91およびクッション材16、17のへ
たりを効果的に抑制できるという利点もある。

また、このソファーベッドには、座本体11の両側と背本
体41の両側に座折曲部12と背折曲部41とをそれぞれ設け
てあるともに、座折曲部12と背折曲部42との間に構造体
切欠域８を設けてある。このため、第７図に示すよう
に、背もたれ４を折曲げてソファーとして使用する場合
に、座折曲部12を表面側へ折曲げた上に、背折曲部42を
表面側へ折曲げても、これらが相互に干渉することがな
い。しかも、構造体切欠域８に張設した幌布81およびチ
ェーン82は、クッション材16、83および外装材91、92の
形状変化に追従するため、座折曲部12および背折曲部42
の折曲態様が制限されることがなく、着座者の姿勢に応
じた最適な形態を採ることができる。そして、座折曲部
12と背折曲部42とを折曲げた場合には、構造体切欠域８
に存在する外装材91、92およびその内部のクッション材
16、83などが二つ折れになって外側に突出することにな
るが、この突出部97は上方からの荷重に対して比較的腰
の強い形状をなしているので、この突出部97も肘掛け等
としての機能を営むことになる。

また、第８図に示すように、前記座１および背もたれ４
を平面状にしてベッドとして使用する場合、一方の座折
曲部12および背折曲部42を所望角度だけ表面側に折曲げ
てロックすると、それぞれが枕として利用できる。この
場合、座折曲部12と背折曲部42との間には、構造体切欠
域８が位置しているため、枕の中央部分が柔軟性を有し
たものとなる。そして、座１および背もたれ４を床面に
展開した場合には、チェーン82が緊張して直線状となる
ため、構造体切欠域８の外装材91、92およびクッション
材16、83が姿勢を矯正されて、ベッド全体がゆがみのな
い長方形となる。

以上、本発明の一実施例について述べたが、本発明は上
記実施例に限定されないのは勿論である。例えば、内布
や座折曲部、背折曲部等は必ずしも必要ではないが、こ
れらを設けておけば、叙述の効果を得ることができる。
また、玉縁は、凹溝の開口端における下面側外装材に設
けてもよい。

［発明の効果］ 以上のような構成からなる本発明によると、周縁部にお
ける下面側外装材の張り具合を観察しつつ、該下面側外
装材を装着することができるので、周縁部の表面を整っ
たものにすることができる。

特に、本発明では、外装材の端縁を構造材の合板に止着
しているため、座に対する背もたれの折り曲げ操作等に
より外装材に種々の張力が作用しても、その止着位置が
不当に移動することがなく、形くずれを招くことがない
という効果を奏する。しかも、止着対象が合板であるた
め、前記外装材の端縁をタッカー等を用いて簡単かつ確
実に構造材に固定することができる。したがって、外装
材張設作業を効率よく行うことができ、短時間で外観の
良好なものに仕上げることができるものである。

また、下面側外装材および上面側外装材の端縁は、周縁
近傍に設けた凹溝内に挿入し、その凹溝の開口端を玉縁
により塞ぐようにすれば、これらの止着箇所が外部に露
出するようなことがなく、外観的にも優れたものとな
る。

しかも、上面側外装材は、ファスナを介して着脱可能に
装着してあるとともに、そのファスナ部分は前記凹溝内
に位置させてあるので、上面側外装材等のメンテナンス
を向上できる上に、継目部分等が目立たたず、外観的に
優れたソファーベッドを提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図は構造体を示す
平面図、第２図はソファーベッドの概略的な横断面図、
第３図は要部を示す断面図、第４図は構造体切欠域部分
の断面図、第５図はソファーベッドの平面図、第６図は
ソファーベッドの下面図、第７図はソファーとしての使
用態様示す斜視図、第８図はベッドとしての使用態様を
示す斜視図である。 １……座、３、６、７……蝶番 ４……背もたれ、９……凹溝 11……座本体、12……座折曲部 14、19、44、49……合板 15、20……座の構造体 16、17、83……クッション材 41……背本体、42……背折曲部 45、50……背もたれの構造体 91……上面側外装材、91a……端縁 92……下面側外装材、92a……端縁 94……ファスナ、95……玉縁 96……周縁近傍部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】相互に蝶着した座と背もたれとを備え、そ
   れら座および背もたれにおける各構造体の上、下面にそ
   れぞれクッション材を介して上面側外装材および下面側
   外装材を外装してなるソファーベッドにおいて、前記構
   造体を合板を備えてなるものにするとともに、前記座お
   よび背もたれの上面における周縁近傍部にクッション材
   を除去することにより凹溝を形成し、この凹溝内に前記
   上面側外装材および下面側外装材の端縁を挿入し、少な
   くとも下面側外装材の挿入端を凹溝の底面をなす構造体
   の合板に止着していることを特徴とするソファーベッ
   ド。
2. 【請求項２】外装材の端縁近傍部に、凹溝の開口端を塞
   ぐ玉縁を設けたことを特徴とする請求項１記載のソファ
   ーベッド。
3. 【請求項３】上面側外装材の挿入端縁を、ファスナを介
   して構造体の合板に着脱可能に止着していることを特徴
   とする請求項１又は２記載のソファーベッド。