JPH0668293B2 - 船舶の制御装置 - Google Patents

船舶の制御装置

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JPH0668293B2
JPH0668293B2 JP61008061A JP806186A JPH0668293B2 JP H0668293 B2 JPH0668293 B2 JP H0668293B2 JP 61008061 A JP61008061 A JP 61008061A JP 806186 A JP806186 A JP 806186A JP H0668293 B2 JPH0668293 B2 JP H0668293B2
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clutch
engine
speed
hydraulic pressure
propeller
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利彰 小林
啓次 手島
和好 原田
光 古門
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ヤンマーディーゼル株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トローリング船等、プロペラをエンジンの最
低回転数より低い回転数で回転させて、船舶を低速ない
し停止状態に操船する漁船や作業船等の制御装置に関す
るものである。
〔従来技術の問題点〕
例えば、トロール船等のエンジンにおいては、プロペラ
の回転を前進、後進に切り換えたり、エンジンの回転中
にプロペラの回転を停止させたりするためのクラッチと
して油圧クラッチが従来から使用されている。この油圧
クラッチを操作するときに、油圧クラッチの接続が急激
であると、プロペラが急に回転を開始したり、回転を逆
転することとなるためにギア音が出たり、人体にショッ
クを与えたりして乗り心地が悪いばかりでなく、機関に
対しても好ましいものではない。この油圧クラッチの嵌
入時に生ずるショックを防止する方法として、調圧弁構
造を応用した緩嵌入弁を採用したものがあるが、この場
合、前進、後進用シリンダに油圧回路が開かれたときよ
り低圧になり、嵌入時間が長く掛り過ぎるという問題が
ある。
又、トローリング位置による嵌入を行わせることによ
り、嵌入時のショックを防止する方法も使用されている
が、この場合も上記と同様に嵌入時間が掛りすぎるとい
う問題があり、加えてトローリング位置にレバーを手操
作する難しさがあるという欠点がある。
このような問題を解決するために、本出願人は、油圧ク
ラッチの嵌入ショック防止装置なる発明を出願した(特
願昭58−64433号、特開昭59−190519号)。
この発明は、その特許請求の範囲や図面(第1図の番号
18)に示すように、油圧クラッチの切り換えを電気的に
行っているため、例えば、電気回路が何等かの理由で故
障し機能しなくなったときには、最早クラッチを切り換
えることができないという問題がある。
更にクラッチの持つ問題として、エンジンの回転数が比
較的低いときには、プロペラ軸やエンジンの動力伝達軸
のトルク変動によって、減速ギヤに共振音が発生し、ガ
ラガラと音を立てることがある。この音を通常ガラ音と
いっており、船舶の乗心地を悪くしたり、漁船にあって
は、このガラ音で魚が逃げてしまって漁に悪影響を及ぼ
したりしていた。
又、上記のような船舶のエンジンの回転数は、通常、燃
料噴射ポンプに設けたガバナをコントロールすることに
より燃料供給量をコントロールしてエンジンの出力回転
数を制御するが、従来、これには電気的又は機械的なリ
モートコントロールによりレギュレータハンドルの位置
を操作するようにするものと、機関回転数を測定してフ
ィードバッグ制御によるものとがある。
しかしながら、従来のリモートコントロールによるもの
では、回転設定器に対してガバナレバーの位置が一対一
で対応しているために、レギュレータハンドルの動きが
ダイレクトに燃料噴射ポンプのコントロールラックに伝
えられ、例えば海中に投じた漁網を引く場合等の負荷投
入により機関の回転ダウンを生じるなど、機関運転時に
おける負荷の変動による回転数のずれの問題があった。
又、後者の回転数のフィードバッグ制御方式では、機関
停止時にガバナレバーを制御できないため、ガバナレバ
ーがアイドル位置にあると冬期において始動不可能な場
合があるという、機関停止時からの始動に問題があっ
た。
更に、前記のものは、レギュレータハンドルを急激に加
速の方向へ動かすと、一度に大量の燃料が燃焼室に過供
給されて不完全燃焼を起し、黒煙が発生するという問題
の外、燃費が必要以上に多くなったり、エンジンの出力
効率が低下してしまう等の問題があった。
そして、これらクラッチ操作とエンジン回転制御装置と
を総合してトロール船のように極低速で操船する作業船
を好適に制御する制御装置は未だ得られていない。
〔発明の目的〕
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、トロ
ーリング等の極微速で安定した操業を可能にし、そし
て、油圧クラッチの嵌入時のショックを防止すると共
に、嵌入時間の短縮を計る外、エンジン回転数が比較的
低いときにガラ音の発生を防止でき、且つエンジンから
プロペラへの回転数伝達率を最大とし、また、プロペラ
の回転数を極低い値に制御でき、しかも、エンジンの負
荷変動に対してエンジン回転数に変動がなく、而も冬期
のエンジン始動に支障がなく、且つ、エンジンの出力回
転数の急激な上昇が指示されたとしても、燃料の急激な
過供給を緩和して常に燃料の完全燃焼を計り、しかも故
障に対して強く、万一の場合でも手動でクラッチの切り
換え及びエンジン回転数の制御ができる等の総合的な船
舶の制御のできる制御装置を提供することを目的として
いる。
〔目的を達成するための手段〕
この目的を達成するための、本発明は第1図の機能ブロ
ック図に示すように構成される。即ち、エンジンaとプ
ロペラbとの間に介装された油圧クラッチcへの供給油
圧を増減する第一電動駆動装置dと、エンジンaの燃料
噴射ポンプeに設けたメカニカルガバナfを駆動する第
二電動駆動装置gとを有する船舶において、上記第一電
動駆動装置dを作動させるときの油圧クラッチcの油圧
を検出する油圧検出手段hと、エンジンaの回転数を設
定するエンジン回転数設定手段iと、プロペラの回転数
を設定するプロペラ回転数設定手段jと、油圧クラッチ
cを機械的に切り換えるクラッチ切換手段kと、このク
ラッチ切換を検出するクラッチ切換検出手段mと、エン
ジンaの回転数を検出する手段nと、プロペラpの回転
数を検出する手段pと、上記クラッチ切換検出手段kに
よりクラッチオンが検出されたときは、上記第一の電動
駆動装置dを駆動して設定プロペラ回転数が極低いレベ
ルのときは低いレベルのオフ時油圧とし、そうでないと
きは高いレベルのオフ時油圧とするオフ時調圧手段q
と、クラッチオンが検出されたときは、所定の時間待機
してから上記第一電動駆動装置dを作動させて一旦低い
レベルの第一の油圧とし、その後動力伝達を維持する第
2の油圧とする二つの油圧を、上記第一の油圧を緊急に
動力伝達をするときは通常時よりも高く、又、設定プロ
ペラ回転数が極低いレベルのときは通常より低い値と
し、上記第二の油圧は、ガラ音の発生を防止するときは
動力伝達率を最大とするに足る油圧とし、設定プロペラ
回転数が極低いレベルのときは、上記伝達率を最大とし
ない油圧とするオン時油圧とするオン時調圧手段rと、
クラッチ切換手段kが次のクラッチオフを検出するまで
は上記第2の油圧を、ガラ音防止の際は上記伝達率を最
大とし、プロペラ回転数が設定されているときは検出プ
ロペラ回転数を設定プロペラ回転数に一致させる油圧に
維持する油圧維持手段とsと、エンジンaの停止時に、
エンジン回転数設定手段kに対応するガバナレバー位置
と、ガバナレバー位置検出手段tによる検出ガバナレバ
ー位置とを比較する比較手段uと、エンジンaの運転時
に、設定エンジン回転数の変動検出手段vが回転数設定
値が安定していることを検出したときの検出エンジン回
転数と上記エンジンの設定回転数とを比較する比較手段
wと、上記比較手段u又は上記比較手段wとによって一
致しないことが検出されたとき第二電動駆動装置gを駆
動して一致させる通電手段xと、エンジンaの運転時
に、上記変動検出手段vが回転数設定値が変動している
ことを検出したときに必要な通電時間を算出し燃料の過
供給による不完全燃焼を発生させない速度で第2電動駆
動装置に通電してエンジンの回転数を設定値に一致させ
る断続通電手段yとを備えたことを特徴とする船舶の制
御装置。
即ち、本発明の油圧クラッチの切り換え時の制御は、ク
ラッチオンが検出されたとき各操作モードに対応するオ
フ時油圧とし、オンが検出されたときには、所定時間T1
だけ時間を置いた後、一旦低いレベルの第1の油圧と
し、それから所定の操作モードに対応する第2の油圧を
油圧クラッチに与えることを基本としている。
そして前記操作モードとは、通常の操作モード、緊急に
プロペラの回転を変化させる緊急モード、比較的低速、
且つガラ音を発生させないで航走するモードであり、
又、極く低いプロペラ回転数時とは例えばトローリング
漁を行う場合等エンジンの最低回転数より低いプロペラ
回転数、例えば30rpm〜200rpm等の回転数でプロペラを
回転させるときを意味している。
更に、上記緊急時には、急停止して漁網を海中に投入す
る場合等の作業上の目的を含んでいる。
本発明において、上記変動検出手段fが回転数設定手段
gの設定回転数の変動を検出したときの通電時間算出
は、この変動後の回転数を実現するのに必要な上記噴射
ポンプのコントロールラックの作動を達成するため、電
動駆動手段eへの必要とされる通電時間を算出して、通
電断続手段iに与えるものであり、この通電時間が長い
ほどガバナレバーの回転角の変化が激しく、それだけ不
完全燃焼になり易いため、通電時間が長いほどデューテ
ィ比の小さい断続的な通電信号を上記電動駆動装置eに
与える不完全燃焼を防止するものである。
〔実施例〕
以下、本発明をトロール船に搭載したディーゼルエンジ
ンについて実施した一実施例につき図面を参照して詳述
する。
第2図において、Eはディーゼルエンジン、Cは油圧ク
ラッチ、Pはプロペラ軸であり、又、リモコンハンドル
Aにはトロールハンドル1が備えられており、リモコン
ハンドルBにはクラッチ切換ハンドル2とレギュレータ
ハンドル3とが設けられている。
まず、クラッチ関係から説明する。クラッチ切換ハンド
ル2は、前後にシフトすることにより油圧クラッチをオ
ンオフ切換させるもので、オン時には前進時と後進時と
の2通りがある。このクラッチ切換ハンドル2には、プ
ッシュプルケーブル4が取り付けられ、このプッシュプ
ルケーブル4の先端は、クラッチアクチュエータ5の切
換レバー6の先端に固定されている。
第3図は、クラッチアクチュエータ5を示すもので、切
換レバー6は第3図の実線で示す位置がニュートラル、
鎖線で示す位置のうち、上が前進、下が後進となってい
る。この切換レバー6の軸7には、第4図に示すロータ
リー部8が取り付けられ、このロータリー部8は、クラ
ッチアクチュエータ5の本体内に回動自在に支持されて
いる。このロータリー部8には、互いに90度の角度をな
すクラッチ油路9、10が窄設され、このクラッチ油路
9、10と等角度をなす位置にはセンサ油路11が窄設さ
れ、これら油路9、10、11はロータリー部8の中心で連
通している。
このロータリー部8に対し、クラッチアクチュエータ5
の本体側には、左方向にクラッチ作動油路12、上方向に
は前進クラッチ油路13、下方向には後進クラッチ油路1
4、右方向には互いに平行する前進センサ油路15及び後
進センサ油路16が窄設されている。上記油路12には、減
圧弁28で元油圧を減圧したクラッチ作動油が供給され、
この加圧油は上記クラッチ油路9、10を介して前進クラ
ッチ油路13又は後進クラッチ油路14に供給されるほか、
上記センサ油路11を介して前進センサ油路15又は後進セ
ンサ16に供給される。前進クラッチ油路13、後進油路14
はそれぞれ油圧クラッチの前進用シリンダ17、後進シリ
ンダ18に連通し、上記前進センサ油路15、後進センサ油
路16の先には、それぞれ前進クラッチ嵌入センサ19、後
進クラッチ嵌入センサ20が設けられている。
この両センサ19、20は、第4図に示すように、ピストン
弁21、ロード22及び弁バネ23等が備えられており、各セ
ンサ19、20内に圧入される加圧油がバネ23に抗してピス
トン弁21及びロッド22を移動させることにより、前進ク
ラッチあるいは後進クラッチの嵌入を検知するようにな
っていて、この検知信号が前進嵌入信号あるいは後進嵌
入信号として制御部24に与えられ、油圧クラッチの切り
換えが行われる。両信号とも与えられないときがクラッ
チオフ状態である。このクラッチアクチュエータ5と上
記クラッチ切換ハンドル2とによって、第1図のクラッ
チ切換手段kが構成される。
そして、クラッチ切換ハンドル2を前進に切り換える
と、クラッチアクチュエータ5の切換レバー6は、第3
図の上方の位置迄回動され、ロータリー部8は、第4図
に示すような油路の結合状態となって、加圧油は作動油
圧油路12、クラッチ油路9、10、前進クラッチ油路13を
介して前進用シリンダ17に送出され、油圧クラッチが前
進状態に嵌入される。
クラッチアクチュエータ5には、第3図に示すように、
モータ25とコントロールシャフト位置センサ26とが設け
られ、このモータ25は制御部24からの駆動信号によって
駆動され、モータ25の回転駆動軸にはギヤ機構27を介し
てコントロールシャフト29が前後動可能に設けられ、こ
のコントロールシャフト29の前後動により減圧弁28が作
動して油圧が調整される。このコントロールシャフト29
の基端部は斜めに切欠されてカム面29aが形成され、こ
のカム面29aには、差動トランスより成る上記コントロ
ールシャフト位置センサ26の可動鉄心の先端の検出用ガ
イドピン26aが可動鉄心と共に上下動し、この可動鉄心
の位置が作動トランスよりなるコントロールシャフト位
置センサ26のコイルで検出され、コントロールシャフト
29の位置検出信号として上記制御部24に与えられる。
以上の説明によって理解されるように、コントロールシ
ャフト29の位置は、そのままクラッチに加えられる油圧
に対応しているので上記信号によって油圧クラッチの油
圧の検出が行われる。以上によって、上記モータ25が第
1図の電動駆動装置dに対応し、コントロールシャフト
位置センサ26が同じく第1図の油圧検出手段hに対応す
る。油圧を検出する手段として通常の油圧計を使用する
こともできるが、これでは検出遅れが大きくなり、直接
減圧弁の弁の位置を検出することがより適確な制御を可
能にする。
トローリングハンドル1は、プッシュプルケーブル32を
通じてトローリングレバー位置センサ33のレバー33aに
接続され、ここでトローリングハンドル1の回動角を電
気的に検出して、制御部24によって上記クラッチアクチ
ュエータ5のモータ25が駆動されて、トローリングのた
めの半クラッチ状態が実現される。即ち、このトローリ
ングハンドル1及びトローリングセンサ33が、第1図の
プロペラ回転数設定手段jに対応している。
制御部24は、CPU40、ROM41、RAM42を含み、CPU40は、RO
M41にメモリされたプログラムに基づいて各種制御処理
を行い、その結果データ等がRAM42にメモリされる。こ
の制御部24は、クラッチ嵌入センサ19、20から嵌入信号
が与えられると、コントロールシャフト位置センサ26か
らのその時の油圧値を示すコントロールシャフト位置検
出信号で、油圧値を確認しながらモータ25を駆動して油
圧を増減圧する。
一方、モードスィッチ43は、通常の操船に使用するニュ
ートラルモード(N)、急発進、急停止等の緊急モード
ン(H)及びガラ音発生防止モード(L)の各モードに
切り換えるスィッチであり、このモードスィッチ43のオ
ン信号は、制御部24に与えられる。
本実施例では、上記したように、前進・後進のクラッチ
嵌入センサ19、20を設けたが、これらを前進後進に関係
なく同時に作動させて、クラッチ嵌入信号の検出をより
確実にすることができる。このようにすることにより、
誤作動による危険性を確実に無くすことができる。
次に、エンジンEの制御系統について説明する。上記レ
ギュレータハンドル2は、上記クラッチ切換ハンドル2
と同様に前後にシフトすることによりエンジンの回転数
を設定するもので、このレギュレータハンドル2には、
プッシュプルケーブル45が取り付けられ、その先はアク
セルセンサ46のアクセルレバー47に取り付けるられてい
る。このアクセルセンサ46では、アクセルレバー6の回
動位置が電気的に検出され、これがエンジンの設定回転
数データとして上記制御部24に与えられる。このアクセ
ルセンサ46と上記レギュレータハンドル3とによって、
上記したエンジン回転数設定手段kが構成される。
制御部24では、後述するフローに基づいて与えられる設
定回転数データに応じ、不完全燃焼を起さない範囲で断
続的な通電信号が生成されて、レギュレータアクチュエ
ータ48のDCモータ49に与えられる。
DCモータ49は、上述の第二電動駆動装置gを構成してお
り、具体的には上記第3図に示したクラッチアクチュエ
ータ5の駆動部と同様の構成のものを使用し上記コント
ロールシャフト28は、本レギュレータアクチュエータ49
のコントロールシャフト50に該当する。このコントロー
ルシャフト50は、リンク51を介して燃料噴射ポンプ52に
設けられたメカニカルガバナ53のガバナレバー54が連結
され、このガバナレバー14の回動によりエンジンEへの
燃料供給量がコントロールされ、エンジンEの出力回転
数が制御される。
前記レギュレータアクチュエータ48に設けられたセンサ
は、上記コントロールシャフト位置センサ26と同様の構
成であり、これがコントロールシャフト50と一対一に対
応して動作するがガバナレバー位置センサ55を構成し、
第1図のガバナレバー位置検出手段tに対応する。
制御部24では、このガバナレバー位置検出信号に基づい
てエンジンEの回転数が上記レギュレータハンドル2に
よって設定した設定回転数に達ししたか否かの判別が行
われ、設定回転数に達すると、モータ49への通電が停止
される。
上記エンジンEの図示されていないクランク軸によって
駆動される燃料噴射ポンプ52の駆動軸56に設けられた電
磁ピックアップ等より成るエンジン回転センサ57が対設
され、このセンサ57の検出信号は、制御部24に与えら
れ、エンジンEの回転数の検出が行われる。上記の設定
回転数に達したか否かの判別は、このエンジンEの検出
回転数に基づいてもよい。ただし、レギュレータハンド
ル2の急激な動きに対してエンジンEの追従は遅れるの
で、ガバナレバー54の位置検出によって回転数を検出す
る方が適切な制御を行うことができる。
次に、第5図〜第9図に示すフローチャートを参照して
本実施例の動作について述べる。本実施例の制御部24
は、第5図〜第8図に示す油圧クラッチの制御と、第9
図に示すエンジンの制御との二つの制御を平行して行う
ものである。なお、上記フローチャート中のNeはエンジ
ンEの回転数検出値、Npはプロペラの回転数検出値、Np
sはプロペラの回転数設定値、P1はクラッチオフ時油圧
値、P2は通常モード時のクラッチオン時の第1の油圧、
P2Hは通常モード時のクラッチオン時の第1の油圧、P2J
はトローリングモード時のクラッチオン時第1の油圧、
P5は通常及び緊急モード時のクラッチオン時第2の油
圧、Prstはトローリングモード時の第2の最低油圧値、
T1はクラッチオフ時の待機時間、T2はクラッチオン時第
1から第2油圧に移る際の待機時間をそれぞれ表す。
いま、クラッチ切換ハンドル2がオフの状態にあると、
クラッチ嵌入センサ19、20からの信号が与えられないの
で、制御部24はステップでクラッチのオフを検出し
て、元油圧をクラッチオフ時油圧に減圧する第6図に示
すプログラムPを実行する。即ち、ステップP1でエンジ
ンの回転数が航走に適する回転数(本実施例では1500rp
m以上)であるか否かを判別する。yesなら、制御部24
は、ステップP2でモータ25を駆動してオフ時油圧P1を維
持(この油圧は通常の漁船等のエンジンEでは15kg/cm
2以上が適当じあり、本実施例では20kg/cm2とした。)
し、noならトローリングするか否かを判別する(ステッ
プP3)。
ステップP3では、エンジン回転数が判別基準値(本実施
例では200rpm)を越えてトローリングしないことが検出
されたら上記同様にP1に調圧し、トローリングることが
検出されたらステップP4で停止であるか否か(本実施例
では30rpm以下)を判別し、停止でなければクラッチが
辷りながら動力を伝達するオフ時油圧P2Tに調圧する。
この場合クラッチアクチュエータ5のモータ10を前後に
駆動して油圧を脈動させて間歇駆動による動力伝達方法
により制御することができる。以上の各ステップが第1
図のオフ時調圧手段kに対応する。そしてステップに
戻る。
次いで、クラッチ切換ハンドル2を前進に切り換える
と、前進クラッチ嵌入センサ19より嵌入信号が与えられ
るので、制御部24はステップでクラッチオンを検出し
て、第7図のクラッチオン時調圧手段nが実行される。
まず、制御部24は、ステップQ1で時間T1だけ作動を待機
する。
上記のT1時間により、油圧クラッチ31内に高い油圧のオ
イルが勢いよく加圧油が送り出されその分、嵌入時間は
短くなる。そのままではクラッチbが接続されクラッチ
嵌入ショックが発生するので、これを和らげるためにそ
の直後に油圧を急激に低下される。これは後進時でも同
じである。
次にステップQ2で再び、エンジンの回転数が航走に適す
る回転数(本実施例では1500rpm以上)であることを判
別する。yesなら、制御部24は、ステップQ3でモード選
択スィッチ43で選ばれているモードを検出する。
いま、ステップQ3で、モードスィッチ38がオンされ緊急
モード(H)にセットされていることが検出されたとき
は、制御部24は、モータ25を駆動させて油圧クラッチの
オン時第2の油圧P2Hまで低下させる(ステップQ4)。
本実施例では、この第2の油圧をほぼ2.8kg/cm2と比較
的高い低圧レベルとした。
次いで、制御部24は、ステップQ5で時間T2だけ待機した
後、ステップQ6で、オン時第2の油圧P5まで油圧を上
げ、以降は次回クラッチがオフされるまでこの高圧P1
維持する(ステップQ6、7)。
以上の各ステップが緊急時のオン時調圧手段n及び油圧
維持手段pに対応する。この緊急時における制御の様子
を第10−1図〜第10−3図に示すタイムチャートによっ
て説明する。
第10−1図の縦軸はプロペラの回転数検出値を示し、第
10−2図の縦軸はクラッチに加えられる各油圧を示し、
第10−3図のクラッチの嵌入状態を示している。図中緊
急時の各極線はH極線によって示されている。図中各数
値は上記した値をそれぞれあらわしている。又、点線は
従来の油圧クラッチによるショック状態を示している。
第10−1図について両者を比較することにより本実施例
の緊急時のショックは、本実施例の場合にも観察される
が、H曲線に示すようにそのショックは従来の場合より
も遥かに和らげられる。なお、第9−1図右部に示すの
は、前進から後進への切り換えを示すものである。即
ち、漁網を海に投入する時の作業においても従来より作
業者にとってショックの感じ方はソフトなものとなる。
次に、上記ステップQ3で、上記モードスィッチ43が通常
モード(N)、ガラ音防止モード(L)にあることが検
出されると、制御部24は、オン時第1の油圧P2まで低下
させる(ステップQ9)。本実施例では、この油圧値をほ
ぼ2kg/cm2と上記緊急モードより低い値が選択されてお
り、クラッチ嵌入時間が緊急時より長くなることで、よ
りショックを和らげるようにされている。
次いで、制御部24は、モータ25の駆動をステップQ10で
時間T2だけ待機した後、ステップQ11で、選択されたモ
ードが通常モード(N)がガラ音防止モード(L)かが
判別され、通常モード(N)であることが検出されたと
きは、ステップQ6で上記と同様にオン時第2の油圧P5
調圧され、次いで次回クラッチオフされるまでこの油圧
が維持される。
このときのプロペラ回転数、油圧クラッチに送られる油
圧及びクラッチ嵌入状態のタイムチャートは、上記第10
−1図〜第10−3図のN極線として示した。なお、図中
右のN曲線は前進から後進に変化する際の図である。何
れの場合も従来の場合(点線)と異なりショックがなく
スムースにクラッチ切り換え操作を行うことができる。
又、上記ステップQ11において、ガラ音防止モード
(L)であることが検出されると、制御部24は、ステッ
プQ12でエンジン回転センサ19より得られる回転数デー
タによって、ガラ音を発生せず、而もエンジン15からプ
ロペラ17への伝達率を最大の「1」とするオン時第2の
油圧P3を算出して、第10−2図の二点鎖線で示すよう
に、上記P5の油圧より低いP3の油圧まで上げる。エンジ
ンの回転数が低いときは、プロペラ軸35の負荷も小さ
く、その分伝達率は最大の「1」としたまま、油圧クラ
ッチ16の油圧を下げてやることができ、油圧P3は、この
限界の油圧として算出されるものである。
こうして、エンジン15の回転数が低く、油圧クラッチ16
の油圧が大きいときに発生するガラ音について、その発
生を防止することができる。以上の各ステップによって
クラッチオン時の調圧手段nが実行される。
そして、制御部24は、ステップQ13でクラッチがオフが
検出されるまで、この上記P3の油圧レベルを維持され
る。このステップが第1図の油圧維持手段pに対応す
る。
クラッチがオフされると、ステップQ13でそのことが検
出され、プログラムは第6図のプログラムPが実行さ
れ、再びP1のオフ時油圧に調圧される。
制御部24が、第7図のステップQ8において、トローリン
グハンドル31がシフトされ、低いレベルの設定プロペラ
回転数が選択されたことを検出したときは、プログラム
Tが実行される。
即ち、制御部24は、ステップT1において、モータ25を駆
動してオン時第1の油圧P2Tにクラッチ油圧を調圧す
る。本実施例ではオン時第2の油圧もP2Tが採用され、
待機時間T2が省略されている。
ステップT2において制御部24は、設定プロペラ回転数が
極く低いレベル(本実施例の場合30rpm以下)以上であ
るか否かを判別し、yesのときは、更にプロペラの回転
が停止していないことを判別し(ステップT3)、yesな
ら設定プロペラ回転数に一致させるプロペラ回転数Npに
よるフィードバック制御による制御が行われる。
又、上記ステップT3でプロペラの回転が停止しているこ
とが検出されると、プロペラは完全に辷った状態となっ
ているので、制御部24は、モータ25を駆動して一旦油圧
を上昇させ(ステップT6)、ステップT7でプロペラの回
転が設定回転数に達していることを判別し、一致するま
でこの高い圧力を維持し、一致が検出れたなら、ステッ
プT8で当初の油圧値P2Tの油圧に戻した後、ステップT4
のプロペラの回転数によるフィードバック制御を実行す
る。この様子を第10−1図のトローリング曲線Aによっ
て示した。なお、上記T6〜T8のステップを第7図のステ
ップQ13の次に入れて最大伝達率維持をすることもでき
る。このときはステップT7はNp=Nesとなる。
このフィードバック制御を上記間歇駆動による実施で
は、上記油圧の脈動周期を調節する等の方法によって回
転数制御を実施することができる。
又、制御部24が、上記ステップT2で設定プロペラ回転数
が30rpm以下であることを検出すると、ステップT9にお
いて上記オン時第2の油圧を最低圧Prstに調圧し、船は
実質的に停止する。このときの様子を第9−1図の曲線
Bによって示す。
以上の各ステップによって、トローリングモード時の上
記クラッチオン時における調圧手段nが実行される。
そして、制御部24は、ステップT5において、設定プロペ
ラ回転数がトローリングモード即ち、本実施例では220r
pm以上であるか否かを判別し、トローリングを続行する
220rpm以下であることが検出されたときは、上記各ステ
ップを繰り返し実行する。この各ステップが第1図の油
圧維持手段pに対応する。
本実施例の上記のオフ時第1の油圧から第2の油圧に移
行するときの待機時間T2をもうけないで本発明を実施し
ても良い。
次に第9図のフローチャートによってエンジンの調速制
御の動作について述べる。なお、第5図中、Pgはガバナ
レバー位置、Pgsは目標ガバナレバー位置、Neは機関回
転数、Nesは機関回転数設定値を表す。
まず、ステップにおいて、機関停止か否かが判別され
る。これについては、機関回転数検出器20の出力を用い
ることによって機関が停止しているか、それとも運転中
かを判断することができる。
いま、機関が停止しており、ステップでの判別結果が
yesのときは、Pgsの計算を行い、そして、Pg=Pgsか否
か、PgがPgsより大きいか否かを判別するステップ以
下の処理に進む。即ち、ステップにおいては、設定さ
れた設定回転数Nesから計算して得た目標ガバナレバー
位置Pgsがガバナレバー位置Pg(検出値)と等しいか否
かを判別し、その判別結果がnoの場合は、ステップで
両者の比較を行い、PgがPgsより大きいかそうでないか
を判断するのである。
このように、機関回転数の設定及び機関回転数の測定が
行えると共に、メカニカルガバナ13のガバナレバー14を
操作するレギュレータアクチュエータ8を有する内燃機
関の調速装置において、ガバナレバー3の位置を検出す
るようにし、機関停止時には、設定回転数から目標ガバ
ナレバー位置Pgsを求め、これを測定ガバナレバー位置P
gと比較してその大小関係を求めるようにする。そし
て、PgがPgsよりも大きくてステップの判別結果がyes
のときはステップでガバナレバー3を減速側に動かす
ように、又、そうでなくてnoの判別結果が得られたとき
にはステップでガバナレバー3を増速側に動かすよう
に、上記DCモータ6に制御信号を送出したこれを駆動す
る。このような処理をステップにおいてyesの判別結
果が得られるまで実行する。即ち、目標ガバナレバー回
転角度Pgsとガバナレバー回転角度Pg(検出値)が一致
するようにガバナレバー3を回転させるのであり、この
ようにして機関停止時にはレバー位置に基づく回転数の
期待値制御を行うことができる。
一方、機関運転時には、エンジンの回転数設定値の変動
が安定しているか否かを判別する。これについては、ス
テップでアクセルセンサ6の変動が安定しているか否
かが判別され、yesならステップ以降で回転数検出に
基づく制御を行う。
即ち、この場合は、ステップ、を実行し、設定され
た設定回転数Nesと機関回転数Ne(検出値)の大小関係
に応じて、ステップ又はを実行するのである。ステ
ップにおいて、Ne=Nesか否かを判別し、noの判別結
果のときは、ステップでNeがNesより大きいか否かを
判別し、大きければガバナレバー3を減速側に動かすよ
うに、又、そうでないときは、増速側に動かすようにDC
モータカ6に制御信号を送出するのである。このような
処理はNe=Nesになるまで行われ、このように機関回転
時には、設定された設定回転数Nesと機関回転数Ne(検
出値)が一致するようにガバナレバー3を回転させる。
更に、上記ステップで、エンジンの回転数が安定せ
ず、急激に変動したためにnoの判別結果が得られるとプ
ログラムはステップが実行される。
即ち、ステップでは、作動トランス18より与えられる
コントロールシャフト11の位置検出信号に基づいてエン
ジン16の出力回転数データNeを算出し、これとアクセル
センサ5からの設定回転数データNesとを対比し、両デ
ータに差が生じないかを常時検出している。
ここでいま、レギュレータハンドル2を急に加速方向に
シフトしたものとする。すると、制御装置は、上記ステ
ップで、設定回転数データNesと出力回転数データNe
との両データの差に応じたレギュレータアクチュエータ
8のモータ9への通電時間t1を算出する。この通電時間
t1は、両データの差が大きいほどコントロールシャフト
11を大きく動かさなくてはならないから、それだけ大き
い値となる。
次いで、ステップで、上記算出した通電時間t1に基づ
き、この通電によってエンジン16への急激な燃料の過供
給による不完全燃焼を生じない範囲で、通電を断続させ
るための通電デューティ比x%を算出する。ここで、デ
ューティ比とは、パルス信号の一周期に対するハイレベ
ルの時間割合をいう。この通電デューティ比x%は、通
電時間t1が長いほどコントロールシャフト11が大きく動
いて燃料噴射ポンプ15のラックの変化も大きくなり、そ
の分不改善燃焼になり易くなるため、それだけ小さな比
率となる。
そして、制御装置はステップで、出力回転数データNe
に対して設定回転数データNesが小さいか否かを判断さ
れる。いま、加速の方向であるから、設定回転数データ
Nesの方が大きいため、ステップに進んで、レギュレ
ータアクチュエータ8のモータ9に対し、加速方向に上
記算出デーティ比で断続通電をt1秒間行う。
これにより、モータ9は間歇駆動され、それにより、コ
ントロールシャフト11ガ徐々に駆動され、その結果燃料
噴射ポンプ15のコントロールラックを徐々に動かして、
燃焼室に対する燃料の急激な過供給が緩和され、不完全
燃焼が防止される。
そして、ステップで再び出力回転数Neが設定回転数Ne
sに達したか否かが判別され、設定回転数に達するまで
上記ステップ〜が繰返し実行される。この繰返し通
電時間t1は、最初に算出されたものより徐々に短いもの
となっていく。
又、上記ステップで、出力回転数Neより設定回転数Ne
sの方が小さいことが判別されると、この場合は減速処
理となるが、減速の場合は燃料の過供給ということがあ
り得ないので、ステップに進んで断続通電はなされ
ず、デューテヘ比100%の通電信号がt1秒間出力され
る。何れの場合も設定回転数に機関回転数が達したこと
が確認された場合はステップに戻る。
本発明の制御装置は、油圧クラッチとエンジンとの双方
を制御する構成としたために、以上のほか各種の応用や
変形を行うことができる。例えば、油圧クラッチケース
c内の油温を検出する温度センサ58を設け、制御部24に
その検出信号を与えることによりトローリング中のドに
おける油温の監視を行い、上限値に達したら警報を発す
るように構成することができる。
その警報の方法として、クラッチの油圧維持手段におい
て、油温が許容限界に幅を設け、下限値以下ならトロー
リング操業を継続し、上記限界幅内に油温が達したら第
二の油圧値を最低値Prstとして一旦船を停止させて操船
者に以上を伝え、なお油温が上昇して上限値を達したら
半クラッチを100%嵌入に切り換える制御を行うことに
より油圧クラッチのフェツイルセーフを行うことができ
る。
また、エンジン回転数がトローリング作業を断続するの
に上昇し過ぎたとき、上記と同様にエンジン回転数の許
容限界に幅(例えば、1400〜1500rpm)を持たせ、上記
と同様な制御を行うことによりエンジンの設定回転数が
必要以上に高くしないようにすることができると共に、
トローリングハンドルを操作せずに緊急に航走に切り換
えることが可能となる。
又、クラッチが切り離され、又は嵌入されたときには、
エンジンの負荷が急変するためにエンジンの回転数が変
化する。そのためにクラッチが一旦オフされたとき、エ
ンジン回転数の検出値から予めエンジンの回転数変化を
予想して、第二電動駆動装置に通電する必要補償通電時
間を算出し、クラッチ嵌入ご増速なら増速側に、又減速
なら減速側に第二電動駆動装置を駆動し、その後エンジ
ン回転数設定値と検出値とを比較し、不一致のとき上記
と同様に必要修正通電時間を算出し、必要とする増減方
向に第二電動駆動装置に通電することもできる。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明は、油圧クラッチの切り換え
を機械的に行い、且つ制御装置によりクラッチオフ時に
は、クラッチの油圧を高圧のオフ時油圧とし、クラッチ
がオンされたことが検出されたときには、短時間待機し
て油圧クラッチにオイルを圧入した後、クラッチの油圧
を一旦オフ時第2の油圧に下げた後、選択された操作モ
ードに適合する第2の油圧に調圧するようにし、更に、
次にクラッチがオフされるまでその油圧を維持する構成
とし、エンジンの回転数制御をメカニカルガバナのガバ
ナレバーを制御する構成としたので、次の効果を奏する
ことができる。
(1) 機関停止時には、ガバナレバーに基づく回転数
の期待値制御を行うことができるので機関停止時の始動
予備動作を行うことができ、例えば、冬期においても確
実な機関の始動を可能とし、又、始動時の滑らかな立ち
上がりを行わせることができ、 (2) クラッチオン時にはオフ時油圧による油圧によ
って勢いよく加圧油が送り出されて嵌入時間が短くな
り、その直後に油圧をオン時第1の油圧に一旦下げてか
ら、選択された各モードに適合するオン時第2の油圧と
されるため、クラッチ嵌入時のショックも和らげられる
ことになり、船舶に於ける操船のフィーリング及び乗心
地を高めることができる。
しかも、このような構成に、トローリング時の油圧維持
手段を組み合せたために、上記実施例にも示したように
0〜200rpmの広い範囲のプロペラ回転数が精度よく得ら
れる。
(3) 而も、前記第2の油圧を高いレベルにすること
により、漁網を海中に投入したり、急発進したりする緊
急な操船をする際にも従来より遥かに小さなショックと
することを可能とする。
(4) エンジンの回転数が比較的低く、油圧クラッチ
の油圧が大きいときに発生するガラ音につき、前記オン
時第2の油圧をエンジンからプロペラへの回転伝達率を
「1」とするに足る低い油圧とすることによりガラ音の
発生を防止することができ、その結果、船舶の乗心地を
悪くしたり、漁船にあってはガラ音で魚が逃げてしまう
といったことを防止することができる。
(6) 機関運転時でエンジンの回転数設定値の変動が
安定しているときは、回転数検出手段に基づく制御動作
を行うことができるので航走時には、負荷の変動による
機関回転数のずれの補正ができ、機関回転数を一定にす
ることによってきめの細かな機関回転数の調整を行うこ
とができる。
(7) 機関運転時でエンジンの回転数設定値の変動が
急激なときは、噴射ポンプの燃料供給量をメカニカルガ
バナによりコントロールしてエンジンの出力回転数を制
御装置する電動駆動装置への必要な燃料の過供給による
不完全燃焼を発生させない範囲で断続させるようにして
から、燃焼の急激な過供給を緩和して、常にエンジンの
完全燃焼を計ることができ、燃料の急激な過供給による
黒鉛の発生を防止することがてき、この結果、燃費が必
要以上に大きくなったり、エンジンの出力効率が低下し
てしまうことがなく、大変経済てきである。
(8) 更に、本発明に使用するガバナはメカニカルガ
バナであるので、シケ等の予想外の原因で制御部で故障
したとしても、手動コントロールに切り換えることがで
き、更に、クラッチ切換手段を機械的に構成したため、
電磁弁等で切り換えを行うもののように電気的に構成し
たものが、塩水等で故障して機能しなくなってしまうと
いうことがなく、安全な航走を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を示す機能ブロック図、第2図は
一実施による制御装置やの全体構成図、第3図はクラッ
チアクチュエータ5の全体概観図、第4図はクラッチア
クチュエータの要部断面図、第5図〜第8図はクラッチ
の油圧の調圧処理のフローチャート図、第9図はエンジ
ンの回転数制御のフローチャート図、第10−1図〜第10
−3図は各モードのタイムチャート図である。 1……トロールハンドル、2……クラッチ切換ハンド
ル、3……レギュレータハンドル、5……クラッチアク
チュエータ、6……切換レバー、19……前進嵌入セン
サ、20……前進嵌入センサ、24……制御部、25……DCモ
ータ、26……コントロールシャフト位置センサ、33……
トロールハンドルセンサ、36……プロペラ回転センサ、
43……モード切換スィッチ、48……レギュレータアクチ
ュエータ、49……DCモータ、53……メカニカルガバナ、
54……ガバナレバー、55……ガバナレバー位置センサ、
57……エンジン回転センサ、E……エンジン、C……ク
ラッチケース、P……プロペラ軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古門 光 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ーデイーゼル株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−167937(JP,A) 特開 昭62−165026(JP,A) 特開 昭59−226745(JP,A) 特開 昭59−190519(JP,A) 実開 昭61−91500(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンとプロペラとの間に介装された油
    圧クラッチへの供給油圧を増減する第一電動駆動装置
    と、エンジンの燃料噴射ポンプに設けたメカニカルガバ
    ナを駆動する第二電動駆動装置とを有する船舶におい
    て、上記第一電動駆動装置を作動させるときの油圧クラ
    ッチの油圧を検出する油圧検出手段と、エンジンの回転
    数を設定するエンジン回転数設定手段と、プロペラの回
    転数を設定するプロペラ回転数設定手段と、油圧クラッ
    チを機械的に切り換えるクラッチ切換手段と、このクラ
    ッチ切換を検出するクラッチ切換検出手段と、エンジン
    の回転数を検出する手段と、プロペラの回転数を検出す
    る手段と、上記クラッチ切換検出手段によりクラッチオ
    フが検出されたときは、上記第一の電動駆動装置を駆動
    して設定プロペラ回転数が極低いレベルのときは低いレ
    ベルのオフ時油圧とし、そうでないときは高いレベルの
    オフ時油圧とするオフ時調圧手段と、クラッチオンが検
    出されたときは、所定の時間待機してから上記第一電動
    駆動装置を作動させて一旦低いレベルの第一の油圧と
    し、その後動力伝達を維持する第二の油圧とする二つの
    油圧を、上記第一の油圧を緊急に動力伝達をするときは
    通常時よりも高く、又、設定プロペラ回転数が極低いレ
    ベルのときは通常より低い値とし、上記第二の油圧は、
    ガラ音の発生を防止するときは動力伝達率を最大とする
    に足る油圧とし、設定プロペラ回転数が極低いレベルの
    ときは、上記伝達率を最大としない油圧とするオン時油
    圧とするオン時調圧手段と、クラッチ切換手段が次のク
    ラッチオフを検出するまでは上記第2の油圧を、ガラ音
    防止の際は上記伝達率を最大とし、プロペラ回転数が設
    定されていのときは検出プロペラ回転数を設定プロペラ
    回転数に一致させる油圧に維持する油圧維持手段とと、
    エンジンの停止時に、エンジン回転数設定手段に対応す
    るガバナレバー位置と、ガバナレバー位置検出手段tに
    よる検出ガバナレバー位置とを比較する比較手段と、エ
    ンジンの運転時に、設定エンジン回転数の変動検出手段
    が回転数設定値が安定していることを検出したときの検
    出エンジン回転数と上記エンジンの設定回転数とを比較
    する比較手段と、上記比較手段又は上記比較手段とによ
    って一致しないことが検出されたとき第二電動駆動装置
    を駆動して一致させる通電手段と、エンジンの運転時
    に、上記変動検出手段が回転数設定値が変動しているこ
    とを検出するときに必要な通電時間を算出し燃料の過供
    給による不完全燃焼を発生させない速度で第2電動駆動
    装置に通電してエンジンの回転数を設定値に一致させる
    断続通電手段とを備えたことを特徴とする船舶の制御装
    置。
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