JPH0666793A - リウマチ疾患のみに特異的に発現する蛋白質に対して特異な抗体 - Google Patents

リウマチ疾患のみに特異的に発現する蛋白質に対して特異な抗体

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JPH0666793A
JPH0666793A JP4334889A JP33488992A JPH0666793A JP H0666793 A JPH0666793 A JP H0666793A JP 4334889 A JP4334889 A JP 4334889A JP 33488992 A JP33488992 A JP 33488992A JP H0666793 A JPH0666793 A JP H0666793A
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rheumatoid
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specific protein
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Naoki Yamanaka
直樹 山中
Hajime Yoshida
一 吉田
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MEDEKUSU KK
Asahi Kasei Medical Co Ltd
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MEDEKUSU KK
Asahi Medical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リウマチ患者血漿中から単離、精製したリウ
マチ疾患のみに特異的に発現する蛋白質に対して特異的
な抗体を得て、簡便で、特異性、再現性に優れた高感度
なリウマチ特異蛋白質の免疫学的測定法を確立する。 【構成】 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で1
50,000〜170,000分子量を示し、蛋白変性
剤を用いない2次元電気泳動における等電点が7.3〜
7.8、移動度(アルブミン最先端部の移動度を1.0
として)が0.30〜0.45で、かつ特定のアミノ酸
組成を有するリウマチ疾患のみに特異的に発現する蛋白
質に対して特異的な抗体。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、慢性関節リウマチ等の
リウマチ患者血漿中から単離・精製したリウマチ疾患の
みに特異的に発現する蛋白質に対して特異的な抗体に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】現在リウマチの診断は、一般に11項目
から成るアメリカリウマチ協会の診断基準に基づいて行
われている。しかし、この診断基準は医師の所見や患者
主訴に負うものが多く、そのため、診断は主観的かつ定
性的に行われているのが実情である。したがって、この
アメリカリウマチ協会の診断基準に基づくリウマチ因子
に代わる客観的かつ定量的に測定できるリウマチ診断の
ためのパラメーターが嘱望されている。 【0003】本発明者らは、多数のリウマチ患者および
他の疾患患者、健常人の血漿について研究した結果、リ
ウマチ患者血漿中に、他の疾患患者や健常人の血漿中に
は認められない新規蛋白質(リウマチ特異蛋白質)が高
率に発現されていることを、蛋白変性剤を用いない2次
元電気泳動法(以下の2次元電気泳動はすべて蛋白変性
剤を用いていない)により発見し、さらに、このリウマ
チ特異蛋白質測定の慢性関節リウマチ診断における有用
性について報告した。(1983.5.生化学会) 【0004】ところで、2次元電気泳動法は、研究的に
は非常に有効な測定方法ではあるが、検体処理能力が低
い、手間がかかる、操作に熟練を要する等、通常の臨床
検査法として広く一般に用いられる方法とはいえない。
この問題点を解決して、臨床検査法として広く一般に用
いられる方法を確立するためには、リウマチ特異蛋白質
に対する特異抗体を作成することが重要である。なぜな
ら、リウマチ特異蛋白質に対する特異抗体を用いること
によって、簡便で、特異性、再現性に優れた高感度なリ
ウマチ特異蛋白質の免疫学的測定法を確立できるからで
ある。 【0005】一般に抗体は、抗原となる蛋白質等を動物
(例えばウサギ等)に免疫して、その動物の血清より得
ることができる。しかしながら、この時免疫する抗原の
純度が低く、目的とする抗原以外の共雑物が多く含まれ
ていると、その目的とする抗原以外の共雑物に対する抗
体(非特異抗体)もまた同時に作られ、最終的に得られ
る抗体の抗原に対する特異性は低くなってしまう。その
ために、この抗体を用いた抗原の免疫学的測定法もま
た、特異性が低くなる。つまり、特異性に優れた抗原の
免疫学的測定法の確立には、特異性の高い抗体が必要で
あり、特異性の高い抗体を得るためには高純度に精製さ
れた抗原が必要である。したがって、特異性の高いリウ
マチ特異蛋白質の免疫学的測定法の確立のためには、特
異性の高い抗体が必要であり、特異性の高い抗体の作成
には高純度に精製されたリウマチ特異蛋白質(すなわ
ち、精製リウマチ特異蛋白質)が必要である。よって、
リウマチ診断において、精製されたリウマチ疾患のみに
特異的に発現する蛋白質を得ることは重要である。 【0006】本発明の抗体の特異的抗体であるリウマチ
疾患のみに特異的に発現する蛋白質は、リウマチ患者血
漿を2次元電気泳動する時、等電点(pI)7.3〜
7.8、移動度(アルブミン最先端部の移動度を1.0
として)0.30〜0.45の範囲に単一のスポットと
して認められる、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動による分子量が150,000〜170,000の蛋
白質であり、健常人血漿では認められない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】リウマチ疾患のみに特
異的に発現する蛋白質は、本発明者らの研究によって、
ヒト免疫グロブリンG(IgG)と類似した性質をもつ
蛋白質であることが解明された。 【0008】 【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記課題を解決するため鋭意研究の結果、リウマチ疾患
のみに特異的に発現する蛋白質の簡便で優れた精製法の
開発に成功し、高純度に精製したリウマチ疾患のみに特
異的に発現する蛋白質(以下、抗リウマチ特異蛋白質ま
たは精製リウマチ特異蛋白質という)を得ることに成功
し、本発明の抗体を得るに至った。 【0009】本発明の抗体は次のようにして得ることが
できる。リウマチ患者血漿の25〜35%飽和硫酸アン
モニウムで塩析される沈殿について(他の硫酸ナトリウ
ム等通常塩析に使用される塩を用いることができる。あ
るいは一般に行われているエチルアルコールやアセトン
等の有機溶媒等を用いた溶媒沈澱法によっても可能であ
る。)、例えば、DEAE−セファデックスA−50
(ファルマシア社製、スウェーデン)等のような陰イオ
ン交換ゲルによるイオン交換クロマトグラフィーを行
い、塩化ナトリウム等の塩濃度0.3M以下の低塩濃度
で溶出される分画を除去した後、塩化ナトリウム等の塩
濃度0.5Mで溶出される分画を回収する。次に、例え
ば抗ヒトIgG抗体、あるいはスタフイロコッカス由来
のヒトIgGとの結合性を有するプロテインAを、臭化
シアン等のリガンドによってセファロース4B(ファル
マシア社製、スウェーデン)等のようなゲルに結合させ
る。そのゲル〔抗ヒトIgG抗体(あるいはスタフイロ
コッカス由来プロテインA等)を結合したセファロース
4B等のゲル〕を詰めたカラム(アフィニティーカラ
ム)に、上記DEAE−セファデックスA−50のよう
な陰イオン交換ゲル等によるイオン交換クロマトグラフ
ィーによって粗精製したリウマチ患者の蛋白質を通す。
アフィニティーカラムをよく洗浄の後、グリシン緩衝液
等によってpHを変える方法、あるいは尿素等を用いる
穏やかな蛋白変性作用による方法等、通常アフィニティ
ーゲルからの蛋白質溶出法に用いられる方法によって、
アフィニティーカラムからリウマチ疾患に特異的に発現
する蛋白質を分離し、それを回収することによって精製
リウマチ特異蛋白質を得ることができる。 【0010】かくして得られた精製リウマチ特異蛋白質
は、例えばポリアクリルアミドゲル等の電気泳動支持体
を用いて電気泳動し、その後、コマシー・ブリリアント
・ブルー等の蛋白染色剤によって染色、脱色した支持体
をデンシトメーター(常光社製、日本)等によって測定
する時、純度90%以上である。 【0011】また、この精製リウマチ特異蛋白質は、2
次元電気泳動する時、等電点(PI)7.3〜7.8、
移動度(アルブミン最先端部の移動度を1.0として)
0.30〜0.45の範囲の単一スポットとして検出で
き、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって
測定する時、150,000〜170,000の分子量
を示す。また、この蛋白質を予め2−メルカプトエタノ
ール等の還元剤で還元した後に、SDSポリアクリルア
ミドゲル電気泳動法によって分子量を測定する時、2
5,000〜30,000および55,000〜60,
000の2種の分子量を示す。 【0012】かくして精製リウマチ特異蛋白質に特異な
抗体、すなわち、本発明の抗リウマチ特異蛋白質抗体
は、精製リウマチ特異蛋白質を例えばフロインド( Fre
und )の完全アジュバント等と共に免疫可能な動物に免
疫して、その免疫動物から抗血清を採取して精製する抗
体作成の一般的方法によって得ることができる。抗血清
からの抗体の精製は、抗原である精製リウマチ特異蛋白
質を臭化シアン等のリガンドによってセファロース4B
(ファルマシア社製、スウェーデン)等のゲルに結合さ
せ、そのゲルを詰めたカラムに抗血清を通し、よく洗浄
の後、グリシン緩衝液等によりカラムから抗体を分離す
る免疫吸着法等によって行うことができる。あるいは通
常のIgGの精製法、すなわち塩析の後、陰イオン交換
クロマトグラフィーによりIgG分画を回収することに
よっても行うことができる。 【0013】さらに、上記抗体は、リウマチ疾患のみに
特異的に発現する蛋白質のヒトIgGとの共通抗原性部
分に対する抗体をまた含んでいるため、例えば次のよう
にしてヒトIgGとの交差反応性を除去することができ
る。ヒトIgGを臭化シアン等のリガンドによってセフ
ァロース4B(ファルマシア社製、スウェーデン)等の
ゲルに結合させ、そのゲルを詰めたカラムに上記抗体を
通して、ヒトIgGとの反応成分を除去することによっ
て、抗リウマチ特異蛋白質抗体を得ることができる。あ
るいは上記抗体にヒトIgGを加えて一定時間反応させ
た後、ヒトIgGと反応した抗体を除去することによっ
ても得ることができる。このようにして得た抗リウマチ
特異蛋白質抗体は、一般的な特異抗体の確認法、例えば
免疫電気泳動や免疫沈降反応等によって、精製リウマチ
特異蛋白質と特異的に反応することが確認できる。 【0014】 【発明の効果】精製リウマチ特異蛋白質抗体を用いるこ
とによる血漿中のリウマチ疾患のみに特異的に発現する
蛋白質の測定は、現在一般に行われている特異抗体を用
いた抗原測定の方法、例えば、寒天等のゲルを用いた二
重免疫拡散法や、ラテックスや赤血球等に抗リウマチ特
異蛋白質抗体を固定して行う各種凝集反応、ビーズやマ
イクロプレート等の固相に抗リウマチ特異蛋白質抗体を
吸着させて酵素やラジオアイソトープ等を用いる免疫測
定法等により行うことができる。このような測定方法等
によって、本発明の精製リウマチ特異蛋白質抗体を用い
て精製リウマチ特異蛋白質が簡便に測定でき、したがっ
て、リウマチ診断のための日常検査法として本発明のリ
ウマチ特異蛋白質抗体は重要である。 【0015】 【実施例】 <精製リウマチ特異蛋白質の取得>慢性関節リウマチ患
者に血漿交換療法を施した結果生じた排血漿(1リット
ル)の、25%飽和硫酸アンモニウムによって析出した
沈澱を8,000×g,20分の遠心分離によって除
き、上清にさらに硫酸アンモニウムを加えて、35%飽
和硫酸アンモニウムとし、析出した沈澱を8,000×
g,20分の遠心分離により回収した。この沈澱を0.
05M塩化ナトリウムを含む0.02Mリン酸緩衝液
(pH7.2)で溶解し、セファロン膜(ビスキングカ
ンパニー社製,米国)により、0.05M塩化ナトリウ
ムを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)で一晩
透析して硫酸アンモニウムを除去した(回収量:波長2
80nmにおけるOD95.2、液量90ml)。次に、
あらかじめ0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)で平
衡化したDEAE−セファデックスA−50(DEAE
−Sephadex A−50 ファルマシア社製、スウェーデ
ン)を用いてイオン交換クロマトグラフィーを行った。
濃度0.3M以下の塩化ナトリウムを含む0.02Mリ
ン酸緩衝液(pH7.2)によって溶出される分画に
は、2次元電気泳動法でリウマチ疾患のみに特異的に発
現する蛋白質が認められず、よって、この分画は除去し
た。濃度0.3Mの塩化ナトリウムを含む0.02Mリ
ン酸緩衝液(pH7.2)で十分に溶出した後、0.5
M塩化ナトリウムを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH
7.2)によって溶出される分画にリウマチ疾患のみに
特異的に発現する蛋白質が含まれていることを2次元電
気泳動法によって確認し、この分画を回収した(回収
量:波長280nmにおけるOD0.35、液量100
ml)。 【0016】別に、臭化シアン活性化セファロース4B
(CNBr−activated Sepharose4B,ファルマシア
社製、スウェーデン)2gに、抗ヒトIgG抗体(ヤギ
血清IgG分画,マイルス社製,米国,製造元能書によ
れば蛋白量およそ9.6mg,内特異抗体2.9mg)を反
応させて、抗体結合ゲルを作成した。この抗体ゲルをカ
ラムに詰め、0.05M塩化ナトリウムを含む0.02
Mリン酸緩衝液(pH7.2)で洗浄した後、先にイオ
ン交換クロマトグラフィーによって回収したリウマチ疾
患のみに特異的に発現する蛋白質分画を抗体結合ゲルに
吸着させた。0.05M塩化ナトリウムを含む0.02
Mリン酸緩衝液(pH7.2)で、リウマチ疾患のみに
特異的に発現する蛋白質を吸着させた抗体結合ゲルを十
分に洗浄した後、pH2.3のグリシン緩衝液(0.1
7M)で溶出した。溶出された蛋白質分画を回収し、そ
れに直ちに1/10量のpH11.5のグリシン緩衝液
(1M)を加えて中和した。この時得られた蛋白質分画
を精製リウマチ特異蛋白質とした。得られた精製リウマ
チ特異蛋白質は、マイクロビウレット法によって蛋白量
2.7mgと測定できた。 【0017】この精製リウマチ特異蛋白質を検体とし
て、以下のように2次元電気泳動を行った。精製リウマ
チ特異蛋白質60μリットル(蛋白濃度0.40mg/m
l)を、アンフォライン〔 Ampholine,ファルマシア社
製,6.25w/v%(pH3.5−10:pH3.5
−5=4:1)〕を含むポリアクリルアミドゲル上で
0.01Mリン酸液と0.04N水酸化ナトリウム液を
用いて、はじめ一定電流(2mA)で泳動し、電圧が2
20Vに達した後、220Vの一定電圧で20時間泳動
した。次に、この泳動ゲルを4%から17%の濃度勾配
をもつポリアクリルアミド・スラブゲル上に置いて、一
定電流(27mA)で20時間泳動した。泳動液には、
0.05Mトリス−0.384Mグリシン緩衝液を用い
た。2次元電気泳動した後、ゲルは、0.025%コマ
シー・ブリリアント・ブルー( Coomersie Brilliant B
lue R−250),50v/v%メタノール,7v/v
%酢酸液で8時間染色し、7v/v%酢酸、10v/v
%メタノール液で3日間脱色して観察した。(泳動像を
図1に示す。) 【0018】泳動像は等電点(蛋白の泳動位置に相当す
るpHをその蛋白の等電点とした)7.3〜7.8、移
動度(アルブミン最先端部の移動度を1.0として)
0.30〜0.45の範囲内に、単一のスポットとして
得られ、このことよりリウマチ疾患のみに特異的に発現
する蛋白質であることを確認した。この時、2次元電気
泳動ゲル上には、上記範囲外に蛋白のスポットは認めら
れなかった。 【0019】参考までに、慢性関節リウマチ患者血漿お
よび健常人血漿を同様の方法によって2次元電気泳動し
た場合の泳動像を、それぞれ図2および図3に示す。慢
性関節リウマチ患者血漿の2次元電気泳動像には、等電
点7.3〜7.8、移動度(アルブミン最先端部の移動
度を1.0として)0.30〜0.45の範囲内にリウ
マチ特異蛋白質のスポットがみられる(破線で禍根だ部
分)。しかしながら、健常人血漿の2次元電気泳動像に
は、等電点7.3〜7.8、移動度(アルブミン最先端
部の移動度を1.0として)0.30〜0.45の範囲
内に蛋白質のスポットは全く認められない。 【0020】得られた精製リウマチ特異蛋白質(0.5
mg/ml)10μリットルを、4〜17%の濃度勾配をも
つポリアクリルアミド・スラブゲルによって電気泳動し
た。次に、泳動ゲルを0.025%コマシー・ブリリア
ント・ブルー( Coomersie Brilliant Blue R−25
0),50v/v%メタノール,7v/v%酢酸液で8
時間染色し、7v/v%酢酸、10v/v%メタノール
液で3日間脱色した。その後、泳動ゲルをデンシトメー
ター( DENSITRON IM 、常光社製,日本)によって測定
した。この時、精製リウマチ特異蛋白質の純度は92%
と測定できた。 【0021】また、精製リウマチ特異蛋白質はSDSポ
リアクリルアミドゲル電気泳動で分子量約160,00
0、2−メルカプトエタノールによって還元した後に行
ったSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分子量約
28,000および約60,000の2サブユニットと
測定できた。 【0022】さらに、精製リウマチ特異蛋白質を6N塩
酸で110℃で24時間加水分解後、アミノ酸分析機
(KLH−5、日立社製、日本)によってアミノ酸の分
析を行った。この時得た結果は、次のようであった(単
位 mole %)。 【0023】 Lysine 6.6 Histidine 1.9 Arginine 4.0 Aspartic acid 7.0 Threonine 8.5 Serine 10.0 Glutamic acid 10.0 Proline 7.9 Glycine 10.4 Alanine 4.7 Cysteine/2 1.0 Valine 7.5 Methionine 1.6 Isoleucine 2.9 Leucine 8.3 Tyrosine 4.5 Phenylalanine 2.9 Tryptophane 測定せず 【0024】<抗リウマチ特異蛋白質抗体の作成>精製
リウマチ特異蛋白質1ml(蛋白量0.30mg)とフロイ
ンド( Freund )完全アジュバント1mlを混ぜ合わせ
て、安定な油中水型エマルジョンを作成し、成熟家兎皮
下に注射した。1ケ月後に、精製リウマチ特異蛋白質1
ml(蛋白量0.30mg)とフロインド( Freund )完全
アジュバント1mlを混ぜ合わせて、安定な油中水型エマ
ルジョンを再度作成し、同じ家兎に皮下注射した。さら
に2週間後に、上記と同様にして再度家兎に免役し、そ
の3日後に採血して抗血清を得た。 【0025】抗血清からの抗体の精製は次のようにして
行った。まず抗血清に硫酸アンモニウムを加えて、35
%飽和硫酸アンモニウム濃度とし、析出した沈澱を8,
000×g,20分の遠心分離により回収した。この沈
澱を0.05M塩化ナトリウムを含む0.02Mリン酸
緩衝液(pH7.2)で溶解し、セロファン膜(ビスキ
ングカンパニー社製,米国)により、0.05M塩化ナ
トリウムを含む0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)
で一晩透析して硫酸アンモニウムを除去した。次に、あ
らかじめ0.05M塩化ナトリウムを含む0.02Mリ
ン酸緩衝液(pH7.2)で平衡化したDEAE−セフ
ァデックスA−50(DEAE−Sephadex A−50
ファルマシア社製、スウェーデン)を用いてイオン交換
クロマトグラフィーを行い、IgG分画を回収した。抗
血清20mlから蛋白量で220mgが回収できた(波長2
80nm,E=14.0として)。 【0026】別に、臭化シアン活性化セファロース4B
(CNBr−activated Sepharose4B,ファルマシア
社製、スウェーデン)10gに、ヒトIgG70mgを結
合させて、ヒトIgG結合ゲルを作成した。このIgG
結合ゲルをカラムに詰め、0.05Mの塩化ナトリウム
を含む0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)で洗浄し
た後、イオン交換クロマトグラフィーによって回収した
上記IgG結合ゲルに通して、ヒトIgGと交差反応す
るIgGを吸着除去した。ヒトIgG結合ゲルとの非反
応分画を回収して抗リウマチ特異蛋白質抗体とした。最
終的に得られた抗体は、蛋白量で150mgであった。 【0027】<抗リウマチ特異蛋白質抗体の確認>抗リ
ウマチ特異蛋白質抗体は、免疫電気泳動法によって確認
した。ガラス板(7.5×5.2×0.15cm)に1%
アガロース〔 agarose, (半井化学社製)1gを100
mlのベロナール緩衝液(pH8.6,イオン強度0.0
5)に溶解したもの〕を流し、固化したものを泳動ゲル
とした。泳動ゲルの中央付近に直径約3mmの穴をあけ、
検体およそ10μリットルを加えて泳動した。検体とし
ては、精製リウマチ特異蛋白質(0.3mg/ml)、精製
リウマチ特異蛋白質と2次元電気泳動によってリウマチ
特異蛋白質陰性と判定されたヒト血漿の混液(精製リウ
マチ特異蛋白質の終濃度0.3mg/ml,血漿終濃度2倍
稀釈)を用いた。250V定電圧で90分間泳動した
後、各泳動位置の横に幅約1mmの溝をカミソリであけ、
抗リウマチ特異蛋白質抗体または抗ヒト全血清抗体(カ
ペル社製、米国)およそ200μリットルを加えて泳動
蛋白と反応させた。1日室温に静置後、3日間脱蛋白を
行い、その後0.025%コマシー・ブリリアント・ブ
ルーで染色、脱色して沈降線を観察した。泳動像を図4
に示す。図中a,bは、それぞれ精製リウマチ特異蛋白
質、精製リウマチ特異蛋白質と2次元電気泳動によって
リウマチ特異蛋白質陰性と判定されたヒト血漿の混液、
c,dはそれぞれ抗リウマチ特異蛋白質抗体および抗ヒ
ト全部血清抗体の添加位置、1,2,3,4は、それぞ
れリウマチ特異蛋白質、IgG、トランスフェリン、ア
ルブミンの沈降線である。なお、bとdとの反応による
沈降線は、代表的なもののみを示した。 【0028】精製リウマチ特異蛋白質と抗リウマチ特異
蛋白質抗体の反応は、β2位からγ位にかけて単一の沈
降線が認められた。精製リウマチ特異蛋白質と2次元電
気泳動によってリウマチ疾患のみに特異的に発現する蛋
白質が陰性と判定されたヒト血漿の混液と、抗リウマチ
特異蛋白質抗体の反応もまた、β2位からγ位にかけて
の沈降線が認められたのみであった。本結果より、抗リ
ウマチ特異蛋白質抗体は精製リウマチ特異蛋白質と特異
的に反応してβ2位からγ位にかけて沈降線を形成する
ことがわかる。 【0029】精製リウマチ特異蛋白質と抗リウマチ特異
蛋白質抗体との反応では、β2位からγ位にかけての沈
降線が同様に観察できた。これは、リウマチ疾患のみに
特異的に発現する蛋白質とヒトIgGが免疫学的に一部
共通な構造をもつため、精製リウマチ特異蛋白質が抗リ
ウマチ特異蛋白質抗体中の抗ヒトIgG抗体と反応する
ことによってできた沈降線である。 【0030】対照として、精製リウマチ特異蛋白質と2
次元電気泳動によってリウマチ疾患のみに特異的に発現
する蛋白質が陰性と判定されたヒト血漿の混液と、抗リ
ウマチ全血清抗体との反応も図4に示した。 【0031】<抗リウマチ特異蛋白質抗体による血中リ
ウマチ疾患に特異的に発現する蛋白質の測定>抗リウマ
チ特異蛋白質抗体による血中リウマチ特異蛋白質の測定
は、二重免疫沈降反応(オクタロニー法)によって行っ
た。まず、直径約5mmの穴をあけた1%アガロースゲル
( agarose, 半井化学社製)の各穴に、検体または陽性
対照である精製リウマチ特異蛋白質を加えて、別の穴に
加えた抗リウマチ特異蛋白質抗体と反応させた。反応後
3日間脱蛋白を行い、その後0.025%コマシー・ブ
リリアント・ブルーで染色、脱色して沈降線を観察し
た。陽性・陰性は沈降線によって判定した。測定結果を
表1に示す。 【0032】 【表1】 【0033】この時、リウマチ因子と抗リウマチ特異蛋
白質抗体との反応による偽陽性を防ぐために、次の操作
を試験に先だって行った。各検体に、検体100μリッ
トル当たり、免疫吸着剤〔旭化成工業(株)製、特開昭
57−122875号〕40μリットルを加え、室温で
1時間反応させた。その後3,000rpm ×10分間遠
心して免疫吸着剤を除去することによって、それに結合
したリウマチ因子を除き、その上清を回収して試験に用
いた。 【0034】慢性関節リウマチ患者100例のうち62
例で陽性と判定できた。それに対して健常人40例、癌
患者(胃癌、肝癌、大腸癌、悪性リンパ腫、メラノー
マ)76例、肝疾患患者(肝硬変、肝炎)48例、腎不
全患者16例ではすべて陰性と判定できた。つまり、慢
性関節リウマチ患者における陽性率が62%であったの
に対して、健常人、癌患者、肝疾患患者および腎不全患
者では陽性率が0%であり、よって、慢性関節リウマチ
診断における抗リウマチ特異蛋白質抗体の有用性は明ら
かである。
【図面の簡単な説明】 【図1】精製リウマチ特異蛋白質の2次元電気泳動図で
ある。 【図2】慢性関節リウマチ患者血漿の2次元電気泳動図
である。 【図3】健常人血漿の2次元電気泳動図である。 【図4】免疫電気泳動の泳動結果を示す泳動像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/564 B 9015−2J

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で150,00
    0〜170,000の分子量を示し、蛋白変性剤を用い
    ない2次元電気泳動における等電点が7.3〜7.8、
    移動度(アルブミン最先端部の移動度を1.0として)
    が0.30〜0.45の範囲にあり、かつアミノ酸組成
    が以下のとおりであるリウマチ疾患のみに特異的に発現
    する蛋白質に対して特異な抗体。 アミノ酸組成:Lysine 6.6; Histidine 1.9; Arginin
    e 4.0; Aspartic acid 7.0;Threonine 8.5; Serine 1
    0.0; Glutamic acid 10.4; Proline 7.9;Glycine 10.
    4; Alanine 4.7; Cysteine/2 1.0; Valine 7.5;Met
    hionine 1.6; Isoleucine 2.9; Leucine 8.3; Tyros
    ine 4.5;Phenylalanine 2.9; Tryptophan 測定せず
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015519360A (ja) * 2012-05-31 2015-07-09 エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ 多様な官能基を有する粒子による免疫グロブリンg調製物のクロマトグラフィー精製

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CHEMICAL ABSTRACTS *

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