JPH066635Y2 - 電灯線搬送制御装置の電源装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は電灯線を通信路として遠隔操作等を行う電灯線
搬送制御装置の電源装置に関わる。

従来の技術 一般に電灯線に信号を重畳して家庭内の機器の制御等を
行う電灯線搬送制御装置は、その信号周波数として商用
電源周波数に比して十分に高い周波数が使用され、電灯
線との信号結合に信号周波数に対し十分低いインピダン
スを有する結合コンデンサを介して結合トランスの出力
巻線に接続されている。一方、上記の重畳された信号を
解読する通信回路には上記電灯線より直接全波整流され
電源供給する回路方式が簡単な手段として用いられる。

考案が解決しようとする問題点 しかし乍らこの様な電源供給する方式を用いた場合、前
述の結合トランスの出力巻線と入力巻線は絶縁構造とな
らないため結合トランスの入出力巻線間が短絡した場
合、過大電流が流れ、電源回路の損傷，電源配線回路の
溶断等を招いていた。つまり結合トランスの絶縁破壊に
より整流器の破壊及びプリント箔の溶断が発生し、尚且
つ上述の破壊時には過大電流による火煙の発生による類
焼等の危険を有していた。通常、このような過大電流を
防ぐためには電源供給源に直列にインピダンス素子ある
いは電流ヒューズを挿入方法があるが、電灯線に直列に
インピダンス素子が介在すると信号送出のためのエネル
ギーが大きくなる欠点を有し、また電流ヒューズは前述
の過大電流の保護は可能であるが、この電流ヒューズが
低インピダンスであるところから、通信回路に直流電源
を供給する電源平滑回路等の通信信号に対するインピダ
ンスの影響を受け、受信信号が減衰するといった欠点を
有しており、別途前記電源回路のインピダンスを一定値
以上確保するため、インダクタ等の素子を電源回路に直
列に挿入することが必要となっていた。

本考案は上記の問題に鑑みてなされたもので、前述の結
合トランスの入出力巻線が短絡した場合に過大電流が流
れるのを防ぎ、尚且つ電灯線への通信信号に対して影響
を与えない保護回路を提供するものである。

問題点を解決するための手段 このような問題点を解決するために、本考案の電灯線搬
送制御装置の電源装置は、商用電源に結合コンデンサを
介して結合トランスの一次巻線を接続し、前記商用電源
に並列に全波整流器の入力端子を接続し、前記全波整流
器の出力端子を通信回路の電源供給入力端子に接続し、
前記結合トランスの二次巻線の一端を前記通信回路の信
号入力端子に接続し、他端を前記通信回路の電源供給入
力端子に接続し、前記商用電源の結合コンデンサに接続
された端子側から前記全波整流器を通って、前記結合ト
ランスの二次巻線の他端に接続された前記電源供給入力
端子に至る径路にヒューズ抵抗を介在させたものであ
る。

作用 この構成により、結合トランスの１次、２次巻線間に短
絡事故が発生した場合、ヒューズ抵抗により短時間で回
路を開放状態とするものである。

実施例 以下、本考案を一実施例に従い詳述する。図は本考案の
一実施例を示す電気線図である。図において、１は商用
電源で、電灯線に供給される。２は単一の結合コンデン
サで、通信信号と商用電源を分離する。３は結合トラン
スで、インピダンスのマッチング及び搬送周波数を選択
的に抽出するもので、１次巻線３ａ及び２次巻線３ｂを
有している。４は商用電源１に並列に接続される全波整
流器で、ダイオード４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄで構成され
ている。５は通信回路で、電源供給入力端子５ａに全波
整流器４の出力端子を接続し、信号入力端子５ｂには結
合トランス３の２次巻線３ｂが接続されている。６はヒ
ューズ抵抗である。ａ，ａ′及びｂ，ｂ′はヒューズ抵
抗６の挿入位置を示す端子である。すなわち、商用電源
１の結合コンデンサ２の挿入された端子側と全波整流器
４の入力端子との一端との接続間（ｂ，ｂ′間）、もし
くは結合トランス３の２次巻線３ｂと全波整流器４の出
力端子の一端との接続線間（ａ−ａ′間）に位置する。

上記構成において動作を説明する。商用電源１が投入さ
れると全波整流器４を介し通信回路５に電源供給され
る。この時、通信回路５の電源電流はヒューズ抵抗６を
通じて帰路が形成される。一方、前述の商用電源１には
結合コンデンサ２を介し通信信号が結合トランス３に与
えられ、選択された周波数の信号が通信回路５に入力さ
れ通常の通信動作を行う。ここで、結合トランス３の１
次、２次巻線３ａ，３ｂ間に短絡事故が発生した場合、
商用電源１から過大電流の流れる閉回路は商用電源１
（結合コンデンサ２の挿入されていない端子側）→結合
トランス３の１次巻線３ａ及び２次巻線３ｂの接地側→
ヒューズ抵抗６→ダイオード４ｂ→商用電源１の他端と
なり、ヒューズ抵抗６により短時間で回路は開放状態と
なる。又このヒューズ抵抗６を端子ｂ−ｂ′間に挿入し
た場合の商用電源から過大電流が流れる閉回路は、商用
電源１（結合コンデンサ２の挿入されていない端子側）
→結合トランス３の一次巻線３ａ及び二次巻線３ｂの接
地側→ダイオード４ｂ→端子ｂ−ｂ′間に挿入されたヒ
ューズ抵抗６→商用電源の他端となり、前記同様の効果
が得られる。なお通信回路５は、その内部に回路を構成
する部材があり、高インピダンスとなっているため、通
信回路の電源供給回路５ａから信号入力端子５ｂには短
絡電流は流れない。このようにヒューズ抵抗６を商用電
源の結合コンデンサ２の挿入された端子側と全波整流器
４の入力端子の一端との間、もしくは結合トランス３の
二次巻線３ｂと全波整流器４の出力端子の一端との間の
いずれかに介在させることにより、結合トランス３が短
絡してもヒューズ抵抗６により短絡電流の制限域は短絡
回路開放が可能となり、しかも正常時には電灯線への通
信に対して影響を与えない構成とすることができる。

考案の効果 以上述べたように本考案によれば、単一のヒューズ抵抗
を実施例で示される箇所に挿入することにより、電灯線
搬送制御回路の通信信号に全く影響を与えずに、結合ト
ランスに短絡事故が発生した場合すみやかに回路を遮断
し支障の拡大を未然に防ぐことができ、簡単な構成で安
全性の確保に寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す電源装置の電気結合線図で
ある。 １……商用電源、２……結合コンデンサ、３……結合ト
ランス、４……全波整流器、５……通信回路、６……ヒ
ューズ抵抗。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】商用電源に結合コンデンサを介して結合ト
   ランスの一次巻線を接続し、前記商用電源に並列に全波
   整流器の入力端子を接続し、前記全波整流器の出力端子
   を通信回路の電源供給入力端子に接続し、前記結合トラ
   ンスの二次巻線の一端を前記通信回路の信号入力端子に
   接続し、他端を前記通信回路の電源供給入力端子に接続
   し、前記商用電源の結合コンデンサに接続された端子側
   から前記全波整流器を通って、前記結合トランスの二次
   巻線の他端に接続された前記電源供給入力端子に至る径
   路にヒューズ抵抗を介在させてなる電灯線搬送制御装置
   の電源装置。