JPH0665781U - 熱交換器等の管台構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的はサーマルスリーブと管台の接
続部への熱応力を緩和して信頼性の高い熱交換器等の管
台構造を提供するものである。 【構成】 本考案は熱交換器等の容器本体１内に流体を
導入するための管台２内に、該管台２径より小径の筒体
からなり、かつ基部７ａが上記管台２上流側の内周壁に
取り付けられたサーマルスリーブ７を設けた熱交換器等
の管台構造において、上記サーマルスリーブ７の基部７
ａと上記管台２の接続部８近傍に断熱コーティング９を
施したことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は石油・化学・エネルギー関連産業で使用されている圧力容器や熱交換 器等の容器本体内に熱交換用流体を導入するための管台構造に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

図２に示すように、従来の圧力容器や熱交換器等の容器本体１には高温流体及 び低温流体を外部からそれぞれ導入させるための管台２が備えられている。この 管台２は一端が容器１の導入孔３に溶接などによって接合されると共に、他端に フランジ４を形成し、流体を導入する流体配管５を容器１に一体的に接続するよ うになっている。また、容器１の管台取付部６には導入される外部流体と、内部 流体及び容器本体１との温度差による熱膨張、収縮に伴う大きな熱応力が加わる ため、管台２の内部には管台２より小径のサーマルスリーブ７が設けられており 、容器１の管台取付部６に加わる熱応力を緩和する働きをなしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述したように従来の管台２はサーマルスリーブ７を設けることで 、管台取付部６に加わる熱応力の低減は達成されるが、逆にサーマルスリーブ７ の基部７ａと管台２の接続部８側に大きな熱応力がかかってしまい、サーマルス リーブ７が管台２より脱落してしまうといった問題点が生じてきた。

【０００４】 そこで、本考案はこの問題点を有効に解決するために案出されたものであり、 その目的はサーマルスリーブと管台の接合部への熱応力を緩和して信頼性の高い 熱交換器等の管台構造を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案は、熱交換器等の容器本体内に流体を導入す るための管台内に、該管台径より小径の筒体からなり、かつ基部が上記管台上流 側の内周壁に取り付けられたサーマルスリーブを設けた熱交換器等の管台構造に おいて、上記サーマルスリーブの基部と上記管台の接続部近傍に断熱コーティン グを施したものである。

【０００６】

【作用】

本考案は上述したように、サーマルスリーブの基部と管台の接続部近傍に断熱 コーティングを施したことにより、サーマルスリーブの基部と管台の接続部に直 接、高温あるいは低温流体が接触しなくなるため、この接続部の温度変化が緩和 される。従って、熱応力も低減され、サーマルスリーブの脱落等の事故を未然に 防止することができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面を参照しながら詳述する。

【０００８】 図１に示すように、本考案に係る管台２は、熱交換器等の容器本体１に形成さ れた導入孔３に溶接等によってその一端が接続され、他端がこれより容器本体１ 外に延出されており、さらにその先端部にはフランジ４が形成されている。そし て、この管台２のフランジ４に、流体を容器本体１内に送り込むための流体配管 ５がボルト１０などによって連結されるようになっている。また、この管台２の 内部には、この管台２の内径より小径で、かつ両端が開口した筒体状のサーマル スリーブ７が管台２の上流側から導入孔３を通過して容器本体１内部に臨むよう に設けられており、その基部７ａが管台２上流側の内周壁に、溶接等によってこ れと一体的に取り付けられている。

【０００９】 また、図２に示すように、このサーマルスリーブ７の基部７ａと管台２の接続 部８近傍には、その内周面に沿って断熱コーティング層９が形成されている。こ の断熱コーティング層９は化学的に安定で、高い耐熱性及び断熱性を備えた材料 であれば特に限定されるものではないが、例えば多孔質セラミック等の耐熱材料 が好ましい。この場合、コーティング層９の形成方法としてはセラミック粉末を 溶媒中に混入してペースト状にした後、これを刷毛等を用いてサーマルスリーブ ７の基部７ａと管台２の接続部８近傍に、所定厚さになるように塗布し、乾燥固 化する方法が一般的である。また、この断熱コーティング層９の厚さは、厚くな るほど断熱効果が高くなるが、反対に剥離を生じるため、図２に示すように、サ ーマルスリーブ７の肉厚の１０％程度以内に設定することが好ましい。

【００１０】 以上において、図１に示すように、流体配管５から管台２内に流れた流体はサ ーマルスリーブ７の基部７ａよりサーマルスリーブ７内を通過して容器本体１内 に流れ込むことになるが、この時、流体とサーマルスリーブ７の基部７ａとの間 の温度差が大きいほどサーマルスリーブ７の基部７ａ付近の熱膨張あるいは熱収 縮が大きくなる。しかしながら、図２に示すように、サーマルスリーブ７の基部 ７ａと管台２の接続部８近傍には、その内周面に沿って断熱コーティング層９が 形成されているため、この接続部８には流体からの熱が直接伝わることがなく、 この部分の温度変化は緩やかなものとなる。従って、熱膨張あるいは熱収縮によ る熱応力も低減されるため、サーマルスリーブ７の脱落等の事故を未然に防止す ることができる。しかも、本考案は、従来の管台構造をそのまま利用することが できるため、安価で高い断熱効果を得ることができる。

【００１１】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、サーマルスリーブの基部と管台との接続部の熱 応力が緩和されるため、サーマルスリーブの脱落等の事故を未然に防止すること ができ、管台の信頼性が向上する等といった優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の熱交換器等の管台構造を示す断面図であ
る。

【図２】本考案の一実施例を示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 ２ 管台 ６ 取付部 ７ サーマルスリーブ ８ 接続部 ９ 断熱コーティング層

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱交換器等の容器本体内に流体を導入す
   るための管台内に、該管台径より小径の筒体からなり、
   かつ基部が上記管台上流側の内周壁に取り付けられたサ
   ーマルスリーブを設けた熱交換器等の管台構造におい
   て、上記サーマルスリーブの基部と上記管台の接続部近
   傍に断熱コーティングを施したことを特徴とする熱交換
   器等の管台構造。