JPH0665647B2 - 移植皮膚処置剤 - Google Patents
移植皮膚処置剤Info
- Publication number
- JPH0665647B2 JPH0665647B2 JP60126425A JP12642585A JPH0665647B2 JP H0665647 B2 JPH0665647 B2 JP H0665647B2 JP 60126425 A JP60126425 A JP 60126425A JP 12642585 A JP12642585 A JP 12642585A JP H0665647 B2 JPH0665647 B2 JP H0665647B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- skin
- nitroglycerin
- treatment agent
- transplantation
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は移植皮膚処置剤に係る。本明細書において「移
植皮膚処置」とは移植用皮膚の前処置及び植皮後におい
てその活着を促進する施療処置を指称する。
植皮膚処置」とは移植用皮膚の前処置及び植皮後におい
てその活着を促進する施療処置を指称する。
(従来の技術) 従来、皮膚移植に際しては、その活着率を向上させる目
的でホルモン例えば副腎皮質ホルモンを含有する軟膏剤
等が主として使用されてきた。
的でホルモン例えば副腎皮質ホルモンを含有する軟膏剤
等が主として使用されてきた。
(発明の背景) ニトログリセリンは冠血管拡張作用を有しており、狭心
症の発作時においてその抑制のために、及び発作予防を
目的として汎用されている。これらの目的で使用される
ニトログリセリン製剤は全身作用を対象としており、現
在我国においては経口剤又は坐剤の形態のものである。
症の発作時においてその抑制のために、及び発作予防を
目的として汎用されている。これらの目的で使用される
ニトログリセリン製剤は全身作用を対象としており、現
在我国においては経口剤又は坐剤の形態のものである。
しかしながら、欧米では経皮吸収により全身作用をもた
らすニトログリセリン外用製剤も市販されており、本出
願人会社も、このような外用剤の研究を従来から行って
おり(例えば特開昭55-2604及び同55-72108公報参
照)、現在も実用化に向けて研究開発中である。
らすニトログリセリン外用製剤も市販されており、本出
願人会社も、このような外用剤の研究を従来から行って
おり(例えば特開昭55-2604及び同55-72108公報参
照)、現在も実用化に向けて研究開発中である。
本発明者等はニトログリセリンの薬理作用について更に
研究を重ねた結果、少量を経皮吸収させる場合ニトログ
リセリンは皮膚呼吸の促進をもたらすことを見い出して
本発明の端緒を得た。
研究を重ねた結果、少量を経皮吸収させる場合ニトログ
リセリンは皮膚呼吸の促進をもたらすことを見い出して
本発明の端緒を得た。
即ち、移植皮膚の活着を目的として皮膚再生能を有する
ホルモン製剤を使用する場合には、或る程度連用するこ
とが要求されるので副作用が懸念されるが、少量のニト
ログリセリンであれば、その虞はなくなるからである。
ホルモン製剤を使用する場合には、或る程度連用するこ
とが要求されるので副作用が懸念されるが、少量のニト
ログリセリンであれば、その虞はなくなるからである。
(発明の目的) 従って、本発明の目的は、ホルモン製剤に代わる移植皮
膚処置剤を提供することにある。
膚処置剤を提供することにある。
(目的を達成するための手段及び作用) 本発明によれば、上記の目的は、少量のニトログリセリ
ンを主成分としている移植皮膚処置剤により達成され
る。
ンを主成分としている移植皮膚処置剤により達成され
る。
本発明による移植皮膚処置剤に配合されるニトログリセ
リンの量は適宜であるが、使用量としてはニトログリセ
リンとして1日当り6mg以下が好ましい。
リンの量は適宜であるが、使用量としてはニトログリセ
リンとして1日当り6mg以下が好ましい。
(発明の効果) 本発明による移植皮膚処置剤は、配合されているニトロ
グリセリンが少量であるにも拘らず、皮膚呼吸を促進す
る。従って、移植用に採取される部位における皮膚の前
処置及び植皮後にその活着を促進する施療処置に有効で
ある。
グリセリンが少量であるにも拘らず、皮膚呼吸を促進す
る。従って、移植用に採取される部位における皮膚の前
処置及び植皮後にその活着を促進する施療処置に有効で
ある。
従って、本発明は副作用が懸念されるホルモン系皮膚再
生剤と比較する場合に使用安全性において極めて優れて
いる。
生剤と比較する場合に使用安全性において極めて優れて
いる。
(製造例等) 次に、製造例及び薬理試験例により本発明を更に詳細に
且つ具体的に説明する。
且つ具体的に説明する。
製造例1(軟膏剤) 下記の諸成分を用い、常法により軟膏剤を製造した。こ
の軟膏剤は1g中にニトログリセリンを10mg含有してい
る。成 分 重量(g) ニトログリセリン・乳糖10倍散 100 25%加水ラノリン 600 白色ワセリン 残部 1000g 製造例2(液剤) 下記の諸成分を用い、常法により液剤を製造した。この
液剤は1ml中にニトログリセリンを10mg含有している。
の軟膏剤は1g中にニトログリセリンを10mg含有してい
る。成 分 重量(g) ニトログリセリン・乳糖10倍散 100 25%加水ラノリン 600 白色ワセリン 残部 1000g 製造例2(液剤) 下記の諸成分を用い、常法により液剤を製造した。この
液剤は1ml中にニトログリセリンを10mg含有している。
製造例3(クリーム剤) 下記の諸成分を用い、常法によりクリーム剤を製造し
た。このクリーム剤は1g中にニトログリセリンを5mg含
有している。
た。このクリーム剤は1g中にニトログリセリンを5mg含
有している。
薬理試験例 体重360±10gの雄性モルモット1群3例を用い、エーテ
ル麻酔下で背部を除毛し、電気ゴテにより1-2cm2範囲の
局所熱傷を受傷させ、受傷面にペニシリンプロカイン液
を塗布し、通気性テープで固定カバーした。
ル麻酔下で背部を除毛し、電気ゴテにより1-2cm2範囲の
局所熱傷を受傷させ、受傷面にペニシリンプロカイン液
を塗布し、通気性テープで固定カバーした。
受傷から7日後に、エーテル麻酔下で腹部にニトログリ
セリン軟膏50mg(製造例1による軟膏剤であって、ニト
ログリセリンとして0.5mg含有)を塗布し、その30分後
に軟膏残留物を拭き取り、洗浄し、次いで採皮刃にて皮
膚を1-2cm2程度採取し、これを専用ヘラに展張させ、採
皮部については常法により閉鎖処置した。
セリン軟膏50mg(製造例1による軟膏剤であって、ニト
ログリセリンとして0.5mg含有)を塗布し、その30分後
に軟膏残留物を拭き取り、洗浄し、次いで採皮刃にて皮
膚を1-2cm2程度採取し、これを専用ヘラに展張させ、採
皮部については常法により閉鎖処置した。
一方、前記の熱傷による壊死層については、同様に採皮
刃にて出血が認められる健常組織部に達する層部分に至
るまで切除し、壊死層の除去後にアドレナリン溶液を浸
したガーゼにて止血処置し、専用ヘラに展張させた上記
の皮膚片を移植した。移植皮膚の表面をガーゼにて圧迫
固定し、次いで上部に通気性テープを貼着して固定させ
た。植皮処置後12時間毎にパルビタールを2回にわたり
筋注することにより安静状態を保った。植皮から5日後
に植皮部を開被し、1日1回の割合で10日間にわたり製
造例3によるクリーム剤を塗布して施療すると共に、植
皮状況を観察した(クリーム剤の使用量は1回当り1g以
下であり、これはニトログリセリンとして5mg以下に相
当する)。
刃にて出血が認められる健常組織部に達する層部分に至
るまで切除し、壊死層の除去後にアドレナリン溶液を浸
したガーゼにて止血処置し、専用ヘラに展張させた上記
の皮膚片を移植した。移植皮膚の表面をガーゼにて圧迫
固定し、次いで上部に通気性テープを貼着して固定させ
た。植皮処置後12時間毎にパルビタールを2回にわたり
筋注することにより安静状態を保った。植皮から5日後
に植皮部を開被し、1日1回の割合で10日間にわたり製
造例3によるクリーム剤を塗布して施療すると共に、植
皮状況を観察した(クリーム剤の使用量は1回当り1g以
下であり、これはニトログリセリンとして5mg以下に相
当する)。
結果は下記の表に示される通りであり、未処置の対照群
及び移植用皮膚に前処理のみを施した試験群に、共に、
3例中1例の死亡例があったが、移植用皮膚に前処理を
施し且つ移植後にも施療した試験群には死亡例はなく、
又対照群においては植皮が不完全であったが、試験群で
は全例活着し、植皮に成功した。
及び移植用皮膚に前処理のみを施した試験群に、共に、
3例中1例の死亡例があったが、移植用皮膚に前処理を
施し且つ移植後にも施療した試験群には死亡例はなく、
又対照群においては植皮が不完全であったが、試験群で
は全例活着し、植皮に成功した。
Claims (1)
- 【請求項1】少量のニトログリセリンを主成分としてい
ることを特徴とする、移植皮膚処置剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60126425A JPH0665647B2 (ja) | 1985-06-12 | 1985-06-12 | 移植皮膚処置剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60126425A JPH0665647B2 (ja) | 1985-06-12 | 1985-06-12 | 移植皮膚処置剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61286327A JPS61286327A (ja) | 1986-12-16 |
JPH0665647B2 true JPH0665647B2 (ja) | 1994-08-24 |
Family
ID=14934858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60126425A Expired - Lifetime JPH0665647B2 (ja) | 1985-06-12 | 1985-06-12 | 移植皮膚処置剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0665647B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2588119A1 (en) * | 2004-11-17 | 2006-05-26 | Lindsey Berkson | Composition and method for facilitating the healing of non-healing and slow-healing wounds and ulcerations |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5738569B2 (ja) * | 1974-03-27 | 1982-08-16 | ||
JPS599539B2 (ja) * | 1979-11-13 | 1984-03-03 | 日本化薬株式会社 | ニトログリセリン水溶液及びその製造法 |
JPS5714529A (en) * | 1980-07-02 | 1982-01-25 | Nippon Kayaku Co Ltd | Stabilized nitroglycerin composition |
IL61721A (en) * | 1980-12-16 | 1984-03-30 | Blank Izhak | Nitroglycerin preparations |
-
1985
- 1985-06-12 JP JP60126425A patent/JPH0665647B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61286327A (ja) | 1986-12-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Neill | Sexual differences in the hypothalamic regulation of prolactin secretion | |
Juhlin et al. | A lidocaine-prilocaine cream for superficial skin surgery and painful lesions | |
US4438102A (en) | Method of promoting tissue growth | |
JPH0674208B2 (ja) | GHL−Cuの創傷治癒および抗炎症剤としての使用 | |
Levi-Schaffer et al. | Reduced Toxicity of Daunorubicin by Conjugation to Dextran ¹ | |
DE3856096D1 (de) | Verfahren zur Behandlung der mit dem Rauchstop verbundenen Entwöhnungssymptome sowie Mittel zur Verwendung in diesem Verfahren | |
GB2057263A (en) | Compositions containing methylsulphonylmethane | |
WO1997042963A2 (en) | Green ointment | |
JPH08502976A (ja) | カルシウムおよび硫酸塩を含有した組成物および複合体、その合成法、これを用いた治療法、これを含んでなる化粧用調製物 | |
RU98117135A (ru) | Композиция стабилизированного гормона роста и способ ее приготовления | |
JPS6016917A (ja) | 塩酸ニカルジピンまたはニフエジピンの軟膏剤 | |
JPS6185316A (ja) | 局部適用のための経皮的麻酔剤組成物 | |
JPH0665647B2 (ja) | 移植皮膚処置剤 | |
CA2102352A1 (en) | Medicinal salve composition | |
FRIEDMAN et al. | Further observations on the hypertensive properties of compound F acetate in the rat | |
Reiss et al. | The influence of the pituitary on phosphorus metabolism of brain | |
ATE59295T1 (de) | Prazosin-pirbuterol-mischung zur bronchendilatation. | |
Koyama et al. | Effect of systemic and topical application of testosterone propionate on the density of epidermal Langerhans cells in the mouse | |
RU2040252C1 (ru) | Ранозаживляющее средство | |
CA1316460C (en) | Use of glycerol ether for epidermal growth | |
US5122540A (en) | Method and composition for treating warts and throat soreness with DMSO and citric acid | |
SZEGO et al. | Estrogen activity in the eviscerated rat | |
ES449874A1 (es) | Procedimiento para la obtencion de un agente para el trata- miento de la mistitis bovina. | |
Ventura et al. | Corticosterone secretion after neurogenic stress in intact and hypophysectomized rats | |
Brush et al. | Wound healing studies on several substances recommended for the treatment of burns |