JPH0665250A - 新規ジベンゾペンタレン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
新規ジベンゾペンタレン誘導体及びその製造方法Info
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- JPH0665250A JPH0665250A JP25339092A JP25339092A JPH0665250A JP H0665250 A JPH0665250 A JP H0665250A JP 25339092 A JP25339092 A JP 25339092A JP 25339092 A JP25339092 A JP 25339092A JP H0665250 A JPH0665250 A JP H0665250A
- Authority
- JP
- Japan
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- formula
- dibenzopentalene
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- novel
- derivative
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】この発明は、機能性試薬として或はその電気化
学的特性を利用した応用が期待できる新規化合物を提供
することを目的とする。 【構成】次式(1): (式中、X及びYは夫々独立してイオウ原子若しくはセ
レン原子を表す。)で表されるジベンゾペンタレン誘導
体。
学的特性を利用した応用が期待できる新規化合物を提供
することを目的とする。 【構成】次式(1): (式中、X及びYは夫々独立してイオウ原子若しくはセ
レン原子を表す。)で表されるジベンゾペンタレン誘導
体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、機能性試薬として或
はその電気化学的特性を利用した応用が期待できる新規
ジベンゾペンタレン誘導体及びその製造方法に関するも
のである。
はその電気化学的特性を利用した応用が期待できる新規
ジベンゾペンタレン誘導体及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】チェノ[3,4−C]チオフェンは、共
鳴安定化のために硫黄の原子価拡大が関与しなければな
らず、これまで安定に単離された例としては、例えばテ
トラフェニルチェノ[3,4−C]チオフェンやテトラ
イソプロピルチオチエノ[3,4−C]チオフェン、テ
トラt−ブチルチオチエノ[3,4−C]チオフェン等
のようにアリール基、アルキルチオ基等の置換基を有す
るものしか知られていない。また、セレノ[3,4−
C]セレノフェンは、これまで種々の合成が試みられて
いるが、安定な形での単離例はない。
鳴安定化のために硫黄の原子価拡大が関与しなければな
らず、これまで安定に単離された例としては、例えばテ
トラフェニルチェノ[3,4−C]チオフェンやテトラ
イソプロピルチオチエノ[3,4−C]チオフェン、テ
トラt−ブチルチオチエノ[3,4−C]チオフェン等
のようにアリール基、アルキルチオ基等の置換基を有す
るものしか知られていない。また、セレノ[3,4−
C]セレノフェンは、これまで種々の合成が試みられて
いるが、安定な形での単離例はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、電気化学
的特性を利用した応用が期待できる新規ジベンゾペンタ
レン及びその製法を提供することを目的とする。
的特性を利用した応用が期待できる新規ジベンゾペンタ
レン及びその製法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、次式
(I): (式中、X及びYはイオウ原子若しくはセレン原子を表
す。)で表される新規ジベンゾペンタレン誘導体であ
る。
(I): (式中、X及びYはイオウ原子若しくはセレン原子を表
す。)で表される新規ジベンゾペンタレン誘導体であ
る。
【0005】また本発明は、次式(II): (式中、X及びYは前記意昧を表し、Rはフェニル基又
はメチル基を表す。)で表される化合物を、熱分解反応
させるか、或は紫外線を照射して光分解反応させること
を特徴とする次式(I): (式中、X及びYは前記意味を表す。)で表される新規
ジベンゾペンタレン誘導体の製造方法である。また本発
明は、次式(IV): で表されるチオスルホネートを、光分解反応させること
を特徴とする次式(Ia): で表される新規ジベンゾペンタレンの製造方法である。
はメチル基を表す。)で表される化合物を、熱分解反応
させるか、或は紫外線を照射して光分解反応させること
を特徴とする次式(I): (式中、X及びYは前記意味を表す。)で表される新規
ジベンゾペンタレン誘導体の製造方法である。また本発
明は、次式(IV): で表されるチオスルホネートを、光分解反応させること
を特徴とする次式(Ia): で表される新規ジベンゾペンタレンの製造方法である。
【0006】本発明の式 (l)で表される化合物は、
次の反応式に示す方法によって製造すことができる。 (I)X及びYがイオウ原子を表す場合
次の反応式に示す方法によって製造すことができる。 (I)X及びYがイオウ原子を表す場合
【0007】(II)Xがイオウ原子若しくはセレン原
子を表し、Yがセレン原子を表す場合
子を表し、Yがセレン原子を表す場合
【0008】上記反応式中、光分解反応(hν)は、例
えば高圧水銀灯を使用して紫外線を照射する公知の方法
で行うことができる。熱分解反応(A)(Δ)は、原料
物質を例ばパイレックスのような耐熱性容器中に入れて
直火で加熱すれば良い。
えば高圧水銀灯を使用して紫外線を照射する公知の方法
で行うことができる。熱分解反応(A)(Δ)は、原料
物質を例ばパイレックスのような耐熱性容器中に入れて
直火で加熱すれば良い。
【0009】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されない。例中、化合物
を表す記号は、上記反応式中の記号を使用した。 実施例 1:反応式(I)(1)の光分解反応 1,9−ビス(メチルチオ)ジベンゾチオフェン(II
a)に、400ワットの高圧水銀灯を10時間照射して
光分解反応を行った。本発明のジベンゾペンタレン誘導
体であるジベンゾ[bc,fg][1,4]ジチオペン
タレン(Ia)を11%の収率で得た。同時にチェノ
[2,3,4,5−lmn][9,10]ジチオフェナ
ンスレン(a)が16%の収率で生成した。上記化合物
の物性、恒数は次の通りであった。融点165℃(昇
華);1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ
7.73(d,J=7.7Hz,4H,Ar−H),
7.60(t,J=7.7Hz,2H,Ar−H);
13C−NMR(125MHz,CDCl3)δ14
1.6,135.7,128.3,116.2;MS
(m/z)214(M+);UV(CH3CN)λ
maxnm(ε)243(32000),270(43
00),329(1900);元素分析計算値(C12
H6S2として):C,67.25;H,2.82、実
測値:C,67.34;H,2.90
が、本発明はこの実施例に限定されない。例中、化合物
を表す記号は、上記反応式中の記号を使用した。 実施例 1:反応式(I)(1)の光分解反応 1,9−ビス(メチルチオ)ジベンゾチオフェン(II
a)に、400ワットの高圧水銀灯を10時間照射して
光分解反応を行った。本発明のジベンゾペンタレン誘導
体であるジベンゾ[bc,fg][1,4]ジチオペン
タレン(Ia)を11%の収率で得た。同時にチェノ
[2,3,4,5−lmn][9,10]ジチオフェナ
ンスレン(a)が16%の収率で生成した。上記化合物
の物性、恒数は次の通りであった。融点165℃(昇
華);1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ
7.73(d,J=7.7Hz,4H,Ar−H),
7.60(t,J=7.7Hz,2H,Ar−H);
13C−NMR(125MHz,CDCl3)δ14
1.6,135.7,128.3,116.2;MS
(m/z)214(M+);UV(CH3CN)λ
maxnm(ε)243(32000),270(43
00),329(1900);元素分析計算値(C12
H6S2として):C,67.25;H,2.82、実
測値:C,67.34;H,2.90
【0010】実施例2:反応式(I)(1)の熱分解反
応 1,9−ビス(メチルチオ)ジベンゾチオフェン(II
a)を長いパイレックスの管中に入れ、バーナーの炎で
穏やかに加熱した。反応混合物をカラムクロマトグラフ
イーで精製し、分取HPLCによって2種の生成物に分
離し、本発明のジベンゾペンタレン誘導体であるジベン
ゾ[bc,fg][1,4]ジチオペンタレン(Ia)
を得た。同時にチェノ[2,3,4,5−lmn]
[9,10]ジチオフェナンスレス(a)が多量に副生
した。上記化合物の物性、恒数を測定し、実施例1で得
られた化合物と同一であることを確認した。
応 1,9−ビス(メチルチオ)ジベンゾチオフェン(II
a)を長いパイレックスの管中に入れ、バーナーの炎で
穏やかに加熱した。反応混合物をカラムクロマトグラフ
イーで精製し、分取HPLCによって2種の生成物に分
離し、本発明のジベンゾペンタレン誘導体であるジベン
ゾ[bc,fg][1,4]ジチオペンタレン(Ia)
を得た。同時にチェノ[2,3,4,5−lmn]
[9,10]ジチオフェナンスレス(a)が多量に副生
した。上記化合物の物性、恒数を測定し、実施例1で得
られた化合物と同一であることを確認した。
【0011】実施例 3:反応式(II)の熱分解反応
(X=Seの場合 1,9−ビス(フェニルセレノ)ジベンゾセレノフェン
(IIb,X=Se)を、上記実施例2と同様に熱分解
して、本発明のジベンゾペンタレン誘導体である ジベ
ンゾ[bc,fg][1,4]ジセレノペンタレン(I
b,X=Se)を、無色針状晶として24%の収率で得
た。同時にセレノ[2,3,4,5−lmn][9,1
0]ジセレノフェナンスレン(IIIb,X=Se)を
28%の収率で得た。上記化合物の物性、恒数は次の通
りであった。融点201℃(昇華);1H−NMR(2
70MHz,CDCl3)δ7.77(d,J=7.8
Hz,4H,Ar−H),7.43(t,J=7.8H
z,2H,Ar−H);13C−NMR(68MHz,
CDCl3)δ145.9,134.5,127.3,
121.5;77Se−NMR(51MHz,CDCl
3)δ600.5;MS(m/z)310(M+);元
素分析計算値(C12H6Se2として):C,46.
78;H,1.96、実測値:C,46.60;H.
1.72
(X=Seの場合 1,9−ビス(フェニルセレノ)ジベンゾセレノフェン
(IIb,X=Se)を、上記実施例2と同様に熱分解
して、本発明のジベンゾペンタレン誘導体である ジベ
ンゾ[bc,fg][1,4]ジセレノペンタレン(I
b,X=Se)を、無色針状晶として24%の収率で得
た。同時にセレノ[2,3,4,5−lmn][9,1
0]ジセレノフェナンスレン(IIIb,X=Se)を
28%の収率で得た。上記化合物の物性、恒数は次の通
りであった。融点201℃(昇華);1H−NMR(2
70MHz,CDCl3)δ7.77(d,J=7.8
Hz,4H,Ar−H),7.43(t,J=7.8H
z,2H,Ar−H);13C−NMR(68MHz,
CDCl3)δ145.9,134.5,127.3,
121.5;77Se−NMR(51MHz,CDCl
3)δ600.5;MS(m/z)310(M+);元
素分析計算値(C12H6Se2として):C,46.
78;H,1.96、実測値:C,46.60;H.
1.72
【0012】実施例 4:反応式(II)の熱分解反応
(X=Sの場合) 1,9−ビス(フェニルレチオ)ジベンゾセレノフェン
(IIb,X=S)をベンゼン中で上記実施例 3と同
様に熱分解して、本発明のジベンゾペンタレン誘導体で
あるジベンゾ[bc,fg][1,4]セレノチオペン
タレン(Ib,X=S)を5%の収率で得た。上記化合
物の物性、恒数は次の通りであった。融点201℃(昇
華)、1H−NMR(270MHz,CDCl3)δ
7.75(dd,J1=7.6Hz,J2=1.1H
z,4H,Ar−H),7.51(t,J=7.6H
z,2H,ArH);13C−NMR(68MHz,C
DCl3)δ143.7,135.6,134.2,1
27.7;77Se−NMR(51MHz,CDC
l3)δ622.6;MS(m/z)262(M+);
元素分析計算値(C12H6SSeとして):C,5
5.18;H,2.32、実測値:C,54.89;
H,2.37
(X=Sの場合) 1,9−ビス(フェニルレチオ)ジベンゾセレノフェン
(IIb,X=S)をベンゼン中で上記実施例 3と同
様に熱分解して、本発明のジベンゾペンタレン誘導体で
あるジベンゾ[bc,fg][1,4]セレノチオペン
タレン(Ib,X=S)を5%の収率で得た。上記化合
物の物性、恒数は次の通りであった。融点201℃(昇
華)、1H−NMR(270MHz,CDCl3)δ
7.75(dd,J1=7.6Hz,J2=1.1H
z,4H,Ar−H),7.51(t,J=7.6H
z,2H,ArH);13C−NMR(68MHz,C
DCl3)δ143.7,135.6,134.2,1
27.7;77Se−NMR(51MHz,CDC
l3)δ622.6;MS(m/z)262(M+);
元素分析計算値(C12H6SSeとして):C,5
5.18;H,2.32、実測値:C,54.89;
H,2.37
【0013】実施例 5:反応式(11)の光分解反応 1,9−ビス(フェニルセレノ)ジベンゾセレノフェン
(IIb,X=Se)を、ベンゼン中で上記実施例1と
同様に光分解反応させて、本発明のジベンゾペンタレン
誘導体である ジベンゾ[bc,fg][1,4]ジセ
レノペンタレン(Ib,X=Se)を、18%の収率で
得た。 実施例 6:反応式(I)(2)の光分解反応 チェノ[2,3,4,5−lmn][9,10]ジチオ
フェナンスレ(IIIa)とm−クロロ過安息香酸との
ジクロロメタン中での酸化反応によって製造したチオス
ルホネート(IV)を、ベンゼン中、高圧水銀灯を照射
して72時間光分解反応を行い、ジベンゾ[bc,f
g][1,4]ジチオペンタレン(Ia)を61%の収
率で得た。未反応原料チオスルホネート(IV)33%
を回収した。
(IIb,X=Se)を、ベンゼン中で上記実施例1と
同様に光分解反応させて、本発明のジベンゾペンタレン
誘導体である ジベンゾ[bc,fg][1,4]ジセ
レノペンタレン(Ib,X=Se)を、18%の収率で
得た。 実施例 6:反応式(I)(2)の光分解反応 チェノ[2,3,4,5−lmn][9,10]ジチオ
フェナンスレ(IIIa)とm−クロロ過安息香酸との
ジクロロメタン中での酸化反応によって製造したチオス
ルホネート(IV)を、ベンゼン中、高圧水銀灯を照射
して72時間光分解反応を行い、ジベンゾ[bc,f
g][1,4]ジチオペンタレン(Ia)を61%の収
率で得た。未反応原料チオスルホネート(IV)33%
を回収した。
【0014】次に、上記実施例で得た本発明のペンタレ
ン(Ia)について、物理的、化学的特性を測定した。
ペンタレン(Ia)のUVスペクトルは、ビラジカル構
造に相当するテトラフェニルチェノ[3,4−C]チオ
フェンにおいて観察される530nm付近の可視のバン
ドが欠けていた。このことはペンタレン(Ia)が、ビ
ラジカル構造も荷電構造も有さないことを示唆してい
る。本発明の化合物(Ia)の詳細な構造分析を、X−
線結晶構造解析により行った。結果を図1及び次表−1
に示す。
ン(Ia)について、物理的、化学的特性を測定した。
ペンタレン(Ia)のUVスペクトルは、ビラジカル構
造に相当するテトラフェニルチェノ[3,4−C]チオ
フェンにおいて観察される530nm付近の可視のバン
ドが欠けていた。このことはペンタレン(Ia)が、ビ
ラジカル構造も荷電構造も有さないことを示唆してい
る。本発明の化合物(Ia)の詳細な構造分析を、X−
線結晶構造解析により行った。結果を図1及び次表−1
に示す。
【0015】
【表−1】
【0016】上記結果からペンタレン(Ia)は、S1
−S1、C5−C5軸を2分する3個のC2軸を有し、
1個はD2hの点群に属するペンタレン環の面に対し垂
直であり、完全な平面分子であることを明らかに示して
いる。チオフェン環のC−S結合は、1.791Å及び
1.792Åであった。これは、テトラフェニルチェノ
[3,4−C]チオフェンの1.705Å及び1.70
7Å及びチオフェン(1.714Å)及びジベンゾチオ
フェン(1.740Å)の通常のC−S結合の長さより
かなり長かった。表−1から明らかなように、本発明の
化合物(Ia)のベンゼン環は、正常な六角構造からは
かなり歪んでいた。C3−C3結合長さは、1.386
Åであり、チェノチオフェンの結合長さより短い。この
ことは、2個のベンゼン環は、結合によって安定化され
ており、2個のイオウ原子が含まれるチェノチオフェン
環は、チフェン環自身では必要なπ−結合の関与する度
合が少ないことを示している。
−S1、C5−C5軸を2分する3個のC2軸を有し、
1個はD2hの点群に属するペンタレン環の面に対し垂
直であり、完全な平面分子であることを明らかに示して
いる。チオフェン環のC−S結合は、1.791Å及び
1.792Åであった。これは、テトラフェニルチェノ
[3,4−C]チオフェンの1.705Å及び1.70
7Å及びチオフェン(1.714Å)及びジベンゾチオ
フェン(1.740Å)の通常のC−S結合の長さより
かなり長かった。表−1から明らかなように、本発明の
化合物(Ia)のベンゼン環は、正常な六角構造からは
かなり歪んでいた。C3−C3結合長さは、1.386
Åであり、チェノチオフェンの結合長さより短い。この
ことは、2個のベンゼン環は、結合によって安定化され
ており、2個のイオウ原子が含まれるチェノチオフェン
環は、チフェン環自身では必要なπ−結合の関与する度
合が少ないことを示している。
【0017】本発明の化合物(Ia)の理論的に最も安
定な構造を考察するために、MNDO計算をエネルギー
的に最も安定な構造で実施した。計算した結合長さを、
X−線結晶構造分析で得た値と比較した。結果を次表−
2に示す。
定な構造を考察するために、MNDO計算をエネルギー
的に最も安定な構造で実施した。計算した結合長さを、
X−線結晶構造分析で得た値と比較した。結果を次表−
2に示す。
【0018】
【表−2】
【0019】上記表−2の結果は、X−線結晶構造解析
によって測定された本発明の化合物(Ia)の構造は、
MNDO計算によって得た構造とは実質的に異なってい
ることを示唆している。化合物Ia,Ibの電気化学的
特性に興昧があるので、化合物Ia,Ib及び化合物I
Ia,IIbの酸化電位を、サイクリックボルタンメト
リーを使用し、アセトニトリル中、20℃で、白金電
極、参照電極Ag/0.01MAgNO3で測定した。
これら化合物の酸化電位は、次の如くであった。化合物
Ia(Ep=1.16V,不可逆);化合物IIa(E
1/2=0.91V,可逆);ジベンゾチオフェン(E
p=1.31V,不可逆);化合物Ib(Ep=1.0
3V,不可逆);化合物IIIb(E1/2=0.64
V,可逆);ジベンゾセレノフェン(Ep=1.02
V,不可逆).200mV/sで20回掃引後の化合物
Iaのサイクリックボルタモグラムは、電気分解に於け
るポリチオフェンのそれと同じ挙動を示している。結果
を図2に示す。尚電極は、構造不明の黄色樹脂で被覆さ
れた。一方、セレン同族体Ibに於いては、繰り返し掃
引してもこの現象は観察されなかった。
によって測定された本発明の化合物(Ia)の構造は、
MNDO計算によって得た構造とは実質的に異なってい
ることを示唆している。化合物Ia,Ibの電気化学的
特性に興昧があるので、化合物Ia,Ib及び化合物I
Ia,IIbの酸化電位を、サイクリックボルタンメト
リーを使用し、アセトニトリル中、20℃で、白金電
極、参照電極Ag/0.01MAgNO3で測定した。
これら化合物の酸化電位は、次の如くであった。化合物
Ia(Ep=1.16V,不可逆);化合物IIa(E
1/2=0.91V,可逆);ジベンゾチオフェン(E
p=1.31V,不可逆);化合物Ib(Ep=1.0
3V,不可逆);化合物IIIb(E1/2=0.64
V,可逆);ジベンゾセレノフェン(Ep=1.02
V,不可逆).200mV/sで20回掃引後の化合物
Iaのサイクリックボルタモグラムは、電気分解に於け
るポリチオフェンのそれと同じ挙動を示している。結果
を図2に示す。尚電極は、構造不明の黄色樹脂で被覆さ
れた。一方、セレン同族体Ibに於いては、繰り返し掃
引してもこの現象は観察されなかった。
【0020】
【効果】以上述べたごとく、本発明の化合物は、新規化
合物であり、その電気化学的特性を利用した応用が期待
できると共に、機能性試薬として有用である。
合物であり、その電気化学的特性を利用した応用が期待
できると共に、機能性試薬として有用である。
【0021】
【図1】本発明の化合物をX−線結晶構造解析した図で
ある。
ある。
【図2】本発明の化合物のサイクリックボルタモグラム
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 333:00 7252−4C 345:00) 7252−4C
Claims (4)
- 【請求項1】次式(I): (式中、X及びYは夫々独立してイオウ原子若しくはセ
レン原子を表す。)で表される新規ジベンゾペンタレン
誘導体。 - 【請求項2】次式(II): (式中、X及びYは夫々独立してイオウ原子若しくはセ
レン原子を表し、Rはフェル基又はメチル基を表す。)
で表される化合物に、紫外線を照射して光分解反応させ
ることを特徴とする次式(I): (式中、X及びYは、前記意昧を表す。)で表される新
規ジベンゾペンタレン誘導体の製造方法。 - 【請求項3】前記式(II)及び式(I)に於いて、X
及びYが同一の意味を表す請求項2に記載の新規ジベン
ゾペンタレン誘導体の製造方法。 【請求項3】次式(II): (式中、X及びYはイオウ原子若しくはセレン原子を表
し、Rはフェニル基又はメチル基を表す。)で表される
化合物を、熱分解反応させることを特徴とする次式
(I): (式中、X及びYは、前記意味を表す。)で表される新
規ジベンゾペンタレン誘導体の製造方法。 - 【請求項4】次式(IV): で表されるチオスルホネートを、光分解反応させること
を特徴とする次式(Ia): で表される新規ジベンゾペンタレンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25339092A JP3127603B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 新規ジベンゾペンタレン誘導体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25339092A JP3127603B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 新規ジベンゾペンタレン誘導体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0665250A true JPH0665250A (ja) | 1994-03-08 |
JP3127603B2 JP3127603B2 (ja) | 2001-01-29 |
Family
ID=17250709
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25339092A Expired - Fee Related JP3127603B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 新規ジベンゾペンタレン誘導体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3127603B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101468493B1 (ko) * | 2012-10-10 | 2014-12-03 | (주)피엔에이치테크 | 새로운 유기전계발광소자용 화합물 및 그를 포함하는 유기전계발광소자 |
-
1992
- 1992-08-10 JP JP25339092A patent/JP3127603B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101468493B1 (ko) * | 2012-10-10 | 2014-12-03 | (주)피엔에이치테크 | 새로운 유기전계발광소자용 화합물 및 그를 포함하는 유기전계발광소자 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3127603B2 (ja) | 2001-01-29 |
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