JPH0665108B2 - コネクタ−挿入工具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、プレス装置に取り付けられる工具であって、
コネクターから延びる複数のコンタクトピンをプリント
配線板へ挿入させるための工具に関し、特に磁気チャッ
クを備えた液圧プレス装置用器具に、他の類似した工具
とともに用いられる工具に関するものである。

米国特許第4,383,361号には、プレス装置に取り付けら
れ、コネクターから延びる複数のコンタクトピンをプリ
ント配線板に挿入させるコネクター挿入工具が開示され
ている。この工具は、上面およびその反対側に位置する
底面を有する本体と、底面から延びて２列に並んで配さ
れた挿入フィンガーと、このフィンガーに摺動可能に取
り付けられたガイド手段とからなる。さらに、シャフト
手段がガイド手段に固定されるとともに本体の孔に摺動
自在に挿入されており、本体がプレスに取り付けられた
ときに、この本体から離れる方向にガイド手段を付勢す
るようにスプリング手段が配されている。ガイド手段
は、コネクターのカード端部に形成されたカード受容溝
に受容されてコネクターを整列させ、上記工具が取り付
けられるプレスが下降するときに挿入フィンガーを受け
入れるようになっている。プレスがさらに下降すると、
挿入フィンガーはコネクターハウジングの孔の内部に入
り込み、ガイド手段は本体側へ移動される。このとき、
中身のロッド形状をしたシャフト手段は、このロッドと
同心のコイル形状をしたスプリング手段が圧縮されるに
つれて、上面から突出する。プレスの下面すなわちチャ
ック面には、このため、工具本体の上面から突出する複
数のロッドを受容するように配された複数の受容孔を形
成しなければならない。この工具は、一般的に複数のコ
ネクターをプリント配線板に取り付けるため、他の類似
工具とともに用いられるので、チャックに形成される複
数の受容孔の配列はプリント配線板に合ったものとしな
ければならない。このため、チャックはプリント配線板
が異なると交換する必要がある。

シャフト手段が上面から突出するという問題を解決する
方法の１つとしては、工具の本体の高さを高くして、ガ
イド手段が本体底面の方へ移動するとき、シャフト手段
がこの本体内に入ったままになるようにすることがあ
る。しかしながら、この工具をチャックに固定する何ら
かの手段は、なお必要である。電磁石によって工具を保
持する磁力チャックを用いれば、工具が鋼製の上面を有
する限りどのように工具を配列しても、チャック面にこ
の工具を固定することができる。

本出願と同時に出願された米国出願第618,983号には、
磁力チャックを有する液圧プレスを用いて、プリント配
線板に複数のコネクターを同時に挿入する方法、および
その装置についての記述がある。プリント配線板に部品
を圧入する本方法は、次の工程からなる。まず、予め決
められた配列および間隔で取り付けられた工具サポート
を有するダミーワークピースと、各工具サポート上に着
脱自在に取り付けられた部品挿入工具とを、プレスのプ
ラテン上の磁力チャックに揃えて配置する。次いで、プ
ラテンをワークピースの方へ動かし、上記工具を磁力に
よりチャックに固定させる。次に、プラテンを引き上げ
て工具サポートから工具を外す。この後、ダミーワーク
ピースを、予め決められた配列および間隔で取り付けら
れた構成部品を有する実際のワークピースに置き換え
る。そして、上記工具が固定されたプラテンを実際のワ
ークピースの方へ移動させ、各挿入工具によりこの工具
に対応する各構成部品をこのワークピース内へ圧入させ
る。

ワークピースの各構成部品の配列や種類が異なるときに
は、その都度、新しいダミーワークピースを準備する。
このようにすれば、新規な垣常使用する工具をプラテン
に取り付けるための労力およびコストをカットすること
ができる。

上記方法は、ダミーワークピース上の工具サポートに挿
入工具を取り付ける工程も含み、この場合このダミーワ
ークピースは、実際には、プリント配線板に取り付けら
れたカード端部付コネクターである。そして、この後、
磁力チャックが工具を保持する。このとき、上述のよう
なロッドを内部に配した高さの高い本体を有するタイプ
の工具を用いると、工具がダミーワークピースから引き
抜かれたとき、工具に傾きがあるときに生じる工具の位
置ずれが、高さが高いことによって増大されるという問
題がある。この傾きは、工具高さが高いために重心位置
も高いので助長される。

本発明に係るコネクター挿入工具は、上述の第１番目の
例で示した形式と同じ形式であり、特に工具上面はプレ
スに磁力装着できる形式のものである。シャフト手段
は、本体の孔内に摺動自在に取り付けられ対向する面の
一方から伸縮自在な入れ子式 チューブ手段からなり、
スプリング手段は各入れ子式チューブ手段内に取り付け
られたコイルスプリングからなる。

本発明のコネクター挿入工具は、 上面でプレスに取付けられる本体と、該本体の上下方向
に摺動可能に保持されると共に下端にコネクターを押え
るガイド手段を有するシャフトと、前記本体に取付けら
れると共にシャフトと略平行に伸び、前記ガイド手段に
摺動可能に挿入される挿入フィンガーとを具え、該挿入
フィンガーを前記コネクター内に挿入して該コネクター
のコンタクトを押圧することによりコネクターをプリン
ト配線板に取付けるコネクター挿入工具であって、 前記シャフトは上部および下部チューブとその中に軸方
向に配置されたコイルばねを有する伸縮可能な入れ子式
チューブからなり、前記上部チューブは前記本体が前記
プレスに取付けられると前記本体内に収容され、前記下
部チューブは前記コンタクトの押圧時に前記コイルばね
に抗して前記上部チューブ内に収容されることを特徴と
するものである。

本体がプレスに取り付けられ、コンタクトの挿入の間も
しくは上部プラテンをダミーワークピースの方へ移動さ
せる間において、ガイド手段が底面の方へ動かされる
と、チューブ手段が縮まってスプリング手段が圧縮され
る。チューブ手段は、コンタクト挿入後に工具を引き抜
く時もしくはダミーワークピースから工具を引き抜く時
に、底面に対してチューブ手段を伸展させ、ガイド手段
を底面から離すように作用する。また、プレスを下降さ
せる前において工具をダミーワークピースの工具サポー
ト上に取り付けた状態のときのように、本体はプラテン
に取り付けられておらずガイド手段が底面側に寄ってい
るときには、上記スプリングはチューブ手段を本体上面
から伸長せしめるように作用する。

チューブを入れ子式にすることにより工具本体の高さを
低くすることができ、このためチャック上での工具の位
置ずれをかなり低減させることができる。さらに、工具
の“閉止高さ（シャットハイト）”すなわちチャックと
ダミーワークピースを支持する下部板もしくはプリント
配線板との間の距離がかなり低減される。ここで述べた
ようなコネクター（例えばＡＭＰ社製のＰＡＣＥコネク
ターがある。）用に用いられる従来の工具は他の種類の
コネクターに用いられる工具より高さの高いものであっ
た。このため、プリント配線板上に上記両種のコネクタ
ーが混ざって取り付けられるときには閉止高さを揃える
ためスペーサが用いられていた。本発明におけるように
閉止高さを低くすると、同時にスペーサのサイズを小さ
くすることができ、これに伴なって配線板上に圧入され
るコンタクトを有するタイプの全てのコネクターにおい
て挿入時の位置ずれを低減させることができる。

ここで、本発明の実施例について添付図面を参照して説
明する。

第１図は工具の斜視図、 第２図は上記工具を各構成部品に分けて示す斜視図、 第３図はプレスが下降する前において、ダミーワークピ
ース上に取り付けられた工具を示す断面図、 第４図はプレスが完全に下降した状態におけるダミーワ
ークピース上の工具を示す断面図、 第５図は磁力チャックに固定されて持ち上げられた状態
での工具を示す断面図、 第５Ａ図も磁力チャックに固定されて持ち上げられた状
態での工具を示す断面図、 第６図は工具が下降してコンタクトピンがプリント配線
板上に挿入されるときのコネクターを示す断面図、 第７図は挿入完了後、工具が持ち上げられるときの状態
を示すコネクターの断面図である。

第１図は挿入工具11の斜視図であり、この工具は本体1
2、該本体から下に延びた挿入フィンガー46、および該
フィンガー46に摺動自在に取り付けられたガイドブロッ
ク50から構成される。上部および下部入子式チューブ6
6，72がそれぞれ本体12の貫通孔内に配され、下部チュ
ーブ66は下面38から延びてガイドブロック（ガイド手
段）50に固定されている。本体12は中央部材14、ねじ83
により本体12に固定された鋼製トッププレート24、およ
び中央部材14にキー結合された底部部材34からなる。ガ
イドブロック50はその底面に、該ブロックの下方に位置
するコネクター２のカード溝４と対向した突起61を有す
る。コネクター２は開口５内に配設されたコンタクト６
を有するハウジング３を有してなり、後述するようにコ
ンタクト６が挿入フィンガー46により圧入される。

第２図は、本工具を部品に分解して示す斜視図である。
中央部材14は、平坦な上面15を有し、下面16には横方向
に突出した断面Ｔ字状のフランジ17を有する長尺部材で
ある。スライド孔18およびピン孔19が中央部材14の上面
15に穿けられ、さらにタップ孔20も該上面15に形成され
ている。底部部材34は、図示の如く数個の部品からな
り、各部品は床面36を備えたＴ字状の溝35を有する。底
部部材34には床面36からこれと反対側の底面（下面）38
へ貫通する複数の方形孔41が２列に並んで穿けられてお
り、各方形孔41はＴ字状の溝35の側壁のくぼみに近接し
て配されている。これと同様に、ピン孔42およびスライ
ド孔43が底部部材34の床面36から底面38へ貫通して設け
られている。挿入フィンガー46は下端47と反対側の端部
にノッチ48を有するチャンネル部材である。ガイドブロ
ック50も数個の部品からなり、各部品はキー53を備えた
雄側端面52と、この雄側端面52の反対側に位置し、嵌合
溝55を備えた雌側端面54とを有する。このガイドブロッ
ク50上には、上面58から中央突起61の両側に位置する底
面60まで貫通する複数の方形孔62が、２列に並んで形成
されている。シャフト手段が、コイルばね80を中に挟ん
で入子式にはめ合わされた黄銅製チューブ66，72から構
成されており、このうち、上部チューブ66は上端67が閉
じられ、下端68が開放されており、下端68の近傍におけ
る外筒面69には円筒状のフランジ70が形成されている。
下部チューブ72は上端76が開放され下端73が閉じられて
おり、上端76の近傍における外筒面77にはフランジ78が
形成されている。さらに、下端73から下方に、ねじが形
成されたスタッド74が延びている。トッププレート２４
は、全体が組み立てられたときに本体12の上面となる上
面25と、この反対側に位置する底面26を有し、摺動孔28
と、座ぐりを有するねじ用孔31がこのプレートを貫通し
て形成されている。

アセンブリ状態は第２図から容易に理解できるであろ
う。挿入フィンガー46は、方形孔41内に挿入され、底部
材34を構成する各部品は中央部材14にキー結合され、孔
19から孔42に達するまで挿入されたスプリングピン82に
よって固定される（第５Ａ図参照）。このとき、ノッチ
48がフランジ17と嵌合して挿入フィンガー46が保持され
るようになっている。下部チューブ72は各貫通孔18およ
び43内を通って挿入され、ガイドブロック50のねじ穴59
にねじ結合される。ガイドブロック50を構成する各部品
は貫通孔63に圧入された１本のロッド56によって互いに
結合される。次いで、各下部チューブ72内にスプリング
80が入れられ、上部チューブ66が各貫通孔18に挿入され
て下部チューブ72のフランジ78上に重なってはめ合わさ
れる。この後、トッププレート24が、上部チューブ66の
外筒面69を貫通孔28に対し摺動自在に嵌合させて、中央
部材14にねじ結合される。

第３図は、配線板87上に仮止めされたダミーワークピー
ス上の工具サポートとして用いられるコネクター２の上
に取り付けられた工具11を示す断面図である。この仮止
めされたコネクターすなわちダミーワークピースの機能
については米国出願第618,983号にさらに詳しく述べら
れている。この状態で言えることは、本体12の高さが比
較的低く、且つこれに伴なって重心位置も低いので工具
11が傾きすぎるのを防ぐことができるという利点がある
ということである。突起61がカード溝４の中心に一致し
て、ガイドブロック50の底面60がコネクター２上に載っ
ている。ガイドブロックの上面58は本体12の底面38と同
一面にあり、さらにスプリング80は上部チューブ66の上
端67を本体の上面25からかなり上方まで伸展させてスプ
リング80は無負荷の状態にある。フランジ70は内孔18，
28と滑らかに嵌合し、ボア28の肩部29がフランジ70の上
方への移動リミットとして作用する。フランジ78は上部
チューブ66の内孔71内に滑らかに嵌合し、一方外周面77
は底部部材34を貫通する内孔43内に滑らかに嵌合し、肩
部44が図示のようにフランジ78の下方への移動リミット
として作用する。挿入フィンガー46の下端47は肩部９上
に載り、ノッチ48はＴ字断面部16のフランジ17によって
キー止めされている。

第４図は、プレス85が下降して上部チューブ66の上端67
が本体の上面25と同一面に位置するときの工具11を示す
図である。これによって、フランジ70は内孔18内を下降
するとともに下部チューブ72は上部チューブ66の内孔71
内に入れ子式にたたまれ、スプリング80は完全に圧縮さ
れた状態となる。このとき、磁力チャックとしてのプレ
ス85上の電磁石が作動して、トッププレート24を強力に
吸着する。

第５図はスプリング80がガイドブロック50を本体の底面
38から離すように伸びて、下部チューブ72の下端７３が
底面38から完全に伸びた状態での工具を示す図である。
このとき、ブロック50の下方への移動は肩部44とフラン
ジ78との当接によって制限されている。工具11は磁力に
よってプレス85に取り付けられており、このようにする
と前述の第３図および第４図においてコネクター２とし
て示した工具サポートと同じ位置に置かれたコネクター
２を挿入するため工具11を所定位置に位置せしめること
ができる。

第６図はコネクター２の方へ工具11が下降するときの状
態を示し、ここでピン７は配線板87のメッキ貫通孔88内
に緩く差し込まれ、下部プラテン89の方へ伸びている。
米国特許第4,186,892号に述べたのと同様に保持部８は
メッキ貫通孔88内に圧入しなければ入らないようになっ
ている。コネクター２の傾きにずれがあってもプレス下
降時に突起61がカード受容溝４に入り込んでこのずれは
修正される。底面60はコネクター２上に載ると、挿入フ
ィンガー46は方形孔62を貫通して開口５内に入り、その
下端47はコンタクト６の肩部９と当接する。次いで、ハ
ウジング３とコンタクト６は共に下降し、保持部８は貫
通孔88内に圧入され、第４図に示した状態となる。ガイ
ドブロック50が工具本体12と対向したときでの下端47と
底面60との距離は正確に設定し、コンタクト６がハウジ
ング４に対し相対移動しないようにしなければならな
い。

第７図は保持部８が十分に挿入された後、工具11が後退
する状態を示す図である。コネクター２の底面に取り付
けられた可撓脚10は配線板87の厚さのばらつきを吸収す
るためいくらか圧縮されている。これによってプリント
配線板87の厚さのばらつきに拘らずプレスのストローク
を一定にしたままハウジング３に対してコンタクト６を
確実に位置決めすることができる。

本発明のコネクター挿入工具においては、シャフトが入
れ子式の上部チューブおよび下部チューブを有し、上部
チューブは、本体をプレスに取付けると本体内に収容さ
れ、コンタクトの押圧時には下部チューブはコイルばね
に抗して上部チューブ内に収容される構成を採用してい
るので、次の効果を奏する。

プレスにシャフトを収容するための受容孔が不要とな
り、プレスを加工しなくともよい。プリント配線板が異
なってもプレス（チャック）を交換する必要がなく、コ
スト、作業工数を著しく低減できる。さらに、工具本体
の高さを低くすることができ、工具の挿入時の位置ずれ
を低減できる。

以下、符号の説明を行う。

２……コネクター ６……コンタクト 11……コネクター挿入工具 12……本体 14……中央部材 24……トッププレート 25……上面 34……底部部材 38……下面 46……挿入フィンガー 50……ガイドブロック（ガイド手段） 66……上部チューブ 72……下部チューブ 80……コイルばね 85……プレス 87……プリント配線板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上面でプレスに取付けられる本体と、該本
   体の上下方向に摺動可能に保持されると共に下端にコネ
   クターを押えるガイド手段を有するシャフトと、前記本
   体に取付けられると共に前記シャフトと略平行に伸び、
   前記ガイド手段に摺動可能に挿入される挿入フィンガー
   とを具え、該挿入フィンガーを前記コネクター内に挿入
   して該コネクターのコンタクトを押圧することによりコ
   ネクターをプリント配線板に取付けるコネクター挿入工
   具において、 前記シャフトは上部および下部チューブとその中に軸方
   向に配置されたコイルばねを有する伸縮可能な入れ子式
   チューブからなり、前記上部チューブは前記本体が前記
   プレスに取付けられると前記本体内に収容され、前記下
   部チューブは前記コンタクトの押圧時に前記コイルばね
   に抗して前記上部チューブ内に収容されることを特徴と
   するコネクター挿入工具。