JPH066465U - 風綿集中処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数列設されたそれぞれの紡績装置における
錘間の吸引作用の変動をなくし、ダクト末端における吸
引気流の流速変動を最小限度にする。 【構成】 複数の紡績装置２ａ〜２ｎのそれぞれに設け
られている吸引ダクト６を、集合ダクト７を経て集塵室
５に接続し、前記各紡績装置２ａ〜２ｎの吸引ダクト６
のそれぞれに風量調節弁10を設け、上記吸引ダクト６の
それぞれに各錘ごとに設けた分岐管に風速もしくは減圧
度を検出するセンサー12を設け、該センサー12と制御装
置13と風量調節弁10のモータ11とで構成された調節弁開
度調節機構14により各吸引ダクト６の吸気量を制御する
ことが出来るようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気紡績機において発生する風綿や糸屑を集中処理する装置に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の空気紡績装置には機台の一端にダストボックスと呼ばれる集塵室が設け られていて、ここから風綿吸引ダクトが、各錘ごとに枝分かれしながら紡績装置 全体に伸びている。紡績装置運転中はダストボックスの排気側にあるブロワを作 動させ、それにより発生する気流により、ドラフト装置や空気紡績ユニットで発 生する風綿を、糸屑，塵埃等と共に吸引してダクト経由でダストボックスに運び 、フィルタにより風綿等を気流と分離する。

【０００３】 気流と分離された風綿等は徐々にフィルタ面上に蓄積するが、蓄積量はあまり 多くなるとそれによる圧力損失が増えて空気吸引力が低下し、空気紡績ユニット においては糸質変動の原因ともなる。したがって、蓄積した風綿等はときどきダ ストボックスから取り出すことが必要であるが、ダストボックスに溜まった風綿 等を取り出す作業は人手に頼らざるを得ず、風綿等の掻き出し，袋詰め，運搬等 に多くの労力を要するばかりか、作業中の塵埃飛散が甚だしく、衛生上問題があ った。

【０００４】 また、大きなフィルタを備えたダストボックスと吸引用ブロワおよびモータは 紡績装置中で大きなスペースを占有して装置小型化の妨げになっていた。

【０００５】 ダストボックスを紡績装置機台ごとに設けずに工場内の１カ所ないし少数箇所 に設け、それを複数の紡績装置とダクトで結んで風綿を集中処理すればダストボ ックス清掃にともなう問題点はかなり改善可能である。しかしながら、この方式 は、単一のダストボックスに接続される複数の紡績装置のうちダストボックスに 近いものほど強く吸引され遠くにあるものは圧力損失により吸引力が低下する傾 向があるから、それによる紡績装置間での吸引気流風速差を無くして一定の風速 を確保するためのダクトの設計が容易でなく、好結果を得ることは難しい。また 、この方式の集中処理を行う場合といえども、フィルタ面上の風綿蓄積に伴う吸 引力低下は必ずあるから、それによる末端吸引気流風速の経時的変動が避けられ ない。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

そこで本考案は、従来の紡績装置のダストボックスにかかわる上述のような問 題点を解決し、管理が容易で紡績装置の小型化を可能にし、且つダクト末端にお ける吸引気流の流速変動を最小限度にすることのできる風綿集中処理装置を提供 することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

紡績装置とは独立に設けたダストボックスを複数の紡績装置の風綿吸引ダクト と連結して風綿集中処理を可能にし、上記連結用のダクトと各紡績装置の風綿吸 引ダクトとの接続部に風量自動調節弁を設け、風綿吸引ダクトの開口端のある分 岐管に風速もしくは減圧度のセンサを設置し、該センサにより検出された風速も しくは減圧度に応じて上記風量自動調節弁の開度を調節する機能を有する制御装 置を設ける。

【０００８】

【作用】

本考案の風綿集中処理装置は、紡績装置とは独立に設けられたダストボックス のブロワにより発生させた吸引力により、該ダストボックスと連結された複数の 紡績装置の風綿吸引ダクトのすべてに吸引気流を発生させる。それにより、風綿 等を分岐管開口端から吸入し、風綿吸引ダクト経由で連結用ダクトに流入させ、 連結された全紡績装置からの風綿をまとめてダストボックスに搬送してここで一 括瀘過処理する。

【０００９】 このような集中処理方式を採用した場合、ダストボックスからの距離等によっ て異なる圧力損失のため分岐管開口端における吸引気流の風速が紡績装置間で異 なってしまい、それにより製品の品質管理上好ましくない状態になることがあり 得るが、本考案の装置においては、分岐管位置に設けたセンサが風速もしくはそ れを支配する減圧度を常時検出し、検出値を制御装置が標準値と比較する。そし て、風速が標準値を下回ったときは風量調節弁の開度を増し、反対に風速が強す ぎるときは風量調節弁を絞る。この風量調節弁開度制御は紡績装置ごとに行われ 、風綿吸引条件が紡績装置間でばらついたり経時的に変化したりするのを防ぐ。 これにより、すべての紡績装置において常に最適風速での風綿吸引を可能にする 。

【００１０】

【実施例】

図示した実施例において、ダストボックス１は紡績装置２とは完全に分離され て工場の一隅に設置されている。その内部はフィルタ３で２室に仕切られており 、付属するブロワ４により排気口側から吸引し、集塵室側に吸入した気流中の風 綿等をフィルタ３で瀘過し分離するようにしたものであって、従来の紡績装置付 属のダストボックスと構造上特に異なる点はない。

【００１１】 ダストボックス１の集塵室５側には、ダストボックス１と各紡績装置２の風綿 吸引ダクト６とを連結するための集合ダクト７が接続されていて、該集合ダクト ７は複数台の紡績装置２ａ〜２ｎに沿って伸びている。

【００１２】 紡績装置２の風綿吸引ダクト６には、通常の紡績装置と同様に、各錘の風綿を 吸引すべき位置にダストコレクタ等の開口端８を配置された多数の分岐管９があ る。紡績装置２ａ〜２ｎには、従来の紡績装置のそれぞれに設けられていたダス トボックスが無く、風綿吸引ダクト６と集合ダクト７とは、間に風量調節弁10が あるだけで直結されている。

【００１３】 風量調節弁10はバタフライ弁であって、サーボモータ11でその開度を調節され るようになっている。

【００１４】 分岐管９の一つには、ブロワ４が作動したとき発生する吸引気流の分岐管９位 置における風速Ｖを検出するためのセンサ12が取り付けてあり、該センサ12は制 御装置13に接続されている。制御装置13は、センサ12が検出した風速Ｖを分岐管 ９位置における標準風速と比較し、風速Ｖが標準値を下回ったときは風量調節弁 10の開度を増し、反対に風速Ｖが強すぎるときは風量調節弁10を絞るように、サ ーボモータ11を回転させる機能を備えている。センサ12, 制御装置13, サーボモ ータ11により風量調節弁開度制御機構14を構成している。

【００１５】 上述の風量調節弁開度制御機構14は、すべての紡績装置２ａ〜２ｎに、それぞ れ独立に設けられている。

【００１６】 紡績装置２を運転する際は、ブロワ４を作動させて吸引気流を発生させる。吸 引気流は、すべての分岐管９の開口端８から分岐管９に入り、風綿吸引ダクト６ 、風量調節弁10、集合ダクト７を経由してダストボックス１の集塵室５に入り、 フィルタ３を通過してブロワ４に入ったあと排気口15から室外に放出される。そ れにより、分岐管９の開口端８周辺の風綿等は吸引気流に乗ってダストボックス １に運ばれ、フィルタ３で捕集される。

【００１７】 集塵室５に溜まった風綿等は人力または機械力により適宜取り出して処分する が、風綿取り出し口を紡績装置２の設置空間から隔離するなどの方法により、風 綿取り出しを行う際の風綿飛散による工場内環境悪化を防ぐことは容易である。

【００１８】 一台のダストボックスに接続する紡績装置の台数を多くした場合、ダストボッ クス１からの距離が長くなるほどダクト内流動抵抗による圧力損失が増加するか ら、接続された紡績装置２ａ〜２ｎがすべて同じ装置定数と運転条件のものであ っても、分岐管開口端８における吸引気流の風速Ｖはダストボックス１から離れ た機台ほど小さくなってしまう。この問題を集合ダクト７の設計上の工夫により 解決することは難しく、できたとしても運転条件の変更に対応可能にすることは 一層困難であるが、この集中処理装置においては風量調節弁10の開度制御機構14 が作動してすべての紡績装置における分岐管９位置の風速Ｖを常に一定値に維持 する。すなわち、センサ12により検出された風速Ｖが所定の標準風速を下回った ときは検出風速値が標準値になるまで風量調節弁10を開く方向に制御装置13がサ ーボモータ11を回転させ、反対に風速Ｖが標準値よりも大きすぎるときは、検出 風速値が標準値になるまで風量調節弁10を絞る方向に、制御装置13がサーボモー タ11を回転させる。これにより、ダストボックス１からの距離の相違に基づく圧 力損失の大小およびダストボックスフィルタ３上の風綿蓄積量の多少にかかわら ず、すべての紡績装置２ａ〜２ｎで常に一定の最適風速で風綿を吸引することが できる。

【００１９】

【考案の効果】

上述のような構成の本考案によれば、風綿吸引条件が紡績装置間で変動するお それなしに、紡績装置とは独立に設けたダストボックスにより風綿等を集中処理 することができる。集中処理は、ダストボックスを紡績装置ごとに設置した従来 の紡績装置の場合と比べると、ダストボックス清掃作業を簡単にするだけでなく 風綿飛散を少なくして工場内の環境改善にも貢献し、さらに、効率向上によりブ ロワ電力費の節減をも可能にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の構成を示す説明図である。

【符号の説明】 １ ダストボックス ２ 紡績装置 ３ フィルタ ４ ブロワ ５ 集塵室 ６ 風綿吸引ダクト ７ 集合ダクト ９ 分岐管 10 風量調節弁 11 サーボモータ 12 センサ 13 制御装置 14 風量調節弁開度制御機構

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 紡績装置とは独立に設けたダストボック
   スを複数の紡績装置の風綿等の吸引ダクトと連結して風
   綿集中処理を可能にし、上記連結用のダクトと各紡績装
   置の風綿吸引ダクトとの接続部に風量自動調節弁を設
   け、風綿吸引ダクトに岐出した分岐管に風速もしくは減
   圧度のセンサを設置し、該センサにより検出された風速
   もしくは減圧度に応じて上記風量自動調節弁の開度を調
   節する機能を有する制御装置を設けたことを特徴とする
   風綿集中処理装置。