JPH0664591A - 飛行船 - Google Patents

飛行船

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JPH0664591A
JPH0664591A JP4245671A JP24567192A JPH0664591A JP H0664591 A JPH0664591 A JP H0664591A JP 4245671 A JP4245671 A JP 4245671A JP 24567192 A JP24567192 A JP 24567192A JP H0664591 A JPH0664591 A JP H0664591A
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duct
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airship
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Masahiko Onda
田 昌 彦 恩
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    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64BLIGHTER-THAN AIR AIRCRAFT
    • B64B1/00Lighter-than-air aircraft
    • B64B1/06Rigid airships; Semi-rigid airships
    • B64B1/10Tail unit construction

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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 境界層制御推進方式をダート型機尾構造様式
のものに適用した飛行船において、船体後部の十分な軽
量化を図りながら、尾翼側からの負荷力による破損をも
防止できる構造を得る。 【構成】 この飛行船は、浮揚ガスを充填したガス袋1
と、このガス袋の後尾に連結された内部に推進ファン3
を有するダクト2と、推進ファンの中心軸部から後方に
突出するブーム4と、そのブーム先端に設けられた尾翼
5とを備え、推進ファン3により船体表面の空気の流れ
を上記ダクト2に吸い込んで、後方にジェットとして噴
出させ、境界層の剥離を防ぐ。上記飛行船において、ガ
ス袋1の後尾12に連結するダクト2は、軽量高剛性材
からなるカゴ状の骨組み構造(ビーム21)に膜材23
を張設することにより形成し、ブーム4及び尾翼5は、
内圧により剛性をもたせる気密膜により形成し、且つ上
記ブームの内圧力は、尾翼側からの負荷力が一定値を超
えて機体の一部が破損する前にブームが折れ曲がるよう
に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】高効率推進の飛行船の実現は、高
高度滞留プラットフォーム、ソーラー・エネルギー駆動
の飛行船を可能とし、地球環境問題の解決に寄与するだ
けでなく、無線中継やリモートセンシングの機能を拡大
して、情報化社会の熟成に資するところが大である。本
発明は、このような高効率推進の飛行船に関するもので
あり、さらに詳しくは、推進効率のよいダート(投げ
矢)型構造で機尾構造に改善を加えた飛行船に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】高効率推進を実現する飛行船の船体様式
に、船体表面の流れをダクトで吸い込んで、後方にジェ
ットとして噴出させ、流れの剥離を防いで機尾での圧力
回復を企り、結果として全体の抗力を減小させる構造様
式がある。これを境界層制御推進方式と言う。この境界
層制御推進方式を、機尾ブームとその後端に配置した尾
翼の組合わせからなるダート型の機尾構造様式のものに
適用した場合の流体力学的研究は、Goldschmi
edによってなされ、推進効率の向上することが風洞実
験で確かめられたが、米海軍のHASPA計画では実現
が構造的に不可能と言うことで採用されなかった。
【0003】上記ダート型の機尾構造様式のものでは、
吸い込みとジェット噴流を作る推進ファンと、その駆動
モータは当然機尾に配置する必要があり、さらに後方に
機尾ブームを介して尾翼が配置される。結果として、船
体後部が極端に重くなり、飛行船の構造としては成立し
なくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、境界層制御推進方式をダート型機尾構造様式のもの
に適用した飛行船において、船体後部の十分な軽量化を
図りながら、尾翼側からの負荷力による破損をも防止で
きる構造とし、それによって高効率推進の上記機尾構造
様式をもつ飛行船を実現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の飛行船は、浮揚ガスを充填したガス袋と、
このガス袋の後尾に連結され、内部に推進ファンを有す
るダクトと、推進ファンの中心軸部から後方に突出する
ブームと、そのブーム先端に設けられた尾翼とを備え、
推進ファンにより船体表面の空気の流れを上記ダクトに
吸い込んで、後方にジェットとして噴出させ、境界層の
剥離を防ぐようにした飛行船において、上記ガス袋の後
尾に連結するダクトを、軽量高剛性材からなるカゴ状の
骨組み構造に膜材を張設することにより形成し、上記ブ
ーム及び尾翼は、内圧により剛性をもたせる気密膜によ
り形成し、且つ上記ブームの内圧力は、尾翼側からの負
荷力が一定値を超えて機体の一部が破損する前にブーム
が折れ曲がり、上記負荷力の低下により元の形状と剛性
を取り戻すような圧力に設定したことを特徴とするもの
である。
【0006】
【作用】ダクトのカゴ状の骨組み構造、並びに機尾のブ
ームと尾翼の加圧膜構造は、機尾の軽量化を図るために
有効なものであるが、カゴ状の骨組み構造がブームの根
元にあって、尾翼側から負荷力が作用したときに最大の
曲げ応力を受けることになり、これに対応する強度を持
たせようとすると、ダクトを形成するビームに強度が必
要になる。しかるに、上記ブームにおいては、内圧力の
調整によって、尾翼側からの負荷力が一定値を超えると
そのブームが折れ曲がり、それによってダクトへ伝達さ
れる負荷力を軽減するようにしているため、上記ビーム
の強度を高める必要はない。また、上記負荷力が一定値
を下まわると、ブーム4が元の形状と剛性を取り戻すこ
とになる。
【0007】このように加圧膜構造のブームの剛性及び
強度をその内圧により調整し、ダクトに大きな力が作用
してそれが破壊される以前にブームが折れるようにする
と、ダクトの破壊を防止することができ、しかもブーム
に何らの損傷も生じない。従って、ダート型機尾構造様
式の飛行船において、船体後部の十分な軽量化を図りな
がら、尾翼側からの負荷力による破損をも防止できる構
造とし、それによって高効率推進の上記機尾構造様式を
もつ飛行船を実現することができる。
【0008】
【実施例】図面は、本発明に係る飛行船の実施例を示し
ている。この飛行船の船体は、浮揚力を得るためのガス
袋1と、このガス袋1の後尾に連結され、内部に推進フ
ァン3を有するダクト2と、そのダクト2(または推進
ファン3)に連結されて、推進ファン3の中心軸部から
後方に突出するブーム4と、そのブーム先端に設けられ
飛行時の矢羽安定を保ち船体の姿勢制御を行なう尾翼5
とを、主要な構成要素とするものである。
【0009】上記ガス袋1は、強靭な膜を用いて構成
し、内部に浮揚ガス(ヘリウム)を加圧充填して剛性を
維持する軟式構造のもので、機首11側を細くし、直径
最大部を(あまり圧力抵抗を生じない範囲で)できるだ
け後方に位置させて、機首よりの層流部分をできるだけ
長く保てるようにし、境界層剥離点をできるだけ後尾1
2側に移動させている。また、ガス袋1の表面上部に
は、図示を省略しているが、そのガス袋を覆って多数の
太陽電池を配列させた電池パネル13を取り付けるよう
にしている。これらの太陽電池によって得られた電力
は、後述するダクトファン等の駆動による船体の推進に
利用するものである。
【0010】上記ガス袋1の後尾12において、そのガ
ス袋と同一軸線上に連結されたダクト2は、ガス袋1と
の間に空気の吸い込み口を形成する環状の開口部14を
介して配置したものである。このダクト2は、カゴ状の
骨組み構造を形成するところの、炭素繊維強化プラスチ
ック等の軽量高剛性材からなるビーム21及びダクト前
縁リング22を備え、ビーム21の一端をガス袋の後尾
12に取り付けると共に、その他端に推進ファン3の外
筒31を連結することによりその推進ファン3を支持さ
せ、また、上記開口部14を形成するために、ガス袋の
後尾12に近い位置において上記ビーム21にダクト前
縁リング22を取り付けている。また、これらのビーム
21及びダクト前縁リング22の表面には、膜材23を
張設し、それによってダクト2を形成している。
【0011】軽量高剛性材のビーム21及びダクト前縁
リング22により形成された骨組み構造は、それらによ
って外力等を受ける軽量の構造材を形成し、またその表
面に軽量の膜材23を張設することにより所要形状に形
成したダクト2は、全体として極めて軽量化され、機尾
の軽量化に有効なものである。
【0012】上記カゴ状の骨組み構造により外筒31を
支持された推進ファン3は、その外筒31内にモータ駆
動の軸流ファン32を備えると共に、後端の流出側にフ
ァン後流を整流する整流板33を備えている。この推進
ファン3は、ダクト前縁の上記環状の開口部14から推
進ファン3でガス袋1の表面上の境界層流れを吸い込ん
で境界層剥離を抑制し、船体に作用する抗力を大幅に低
減すると同時に、後方への空気の噴き出しによる船体の
推進の機能を有するものである。
【0013】上記推進ファン3の中心軸線上には、後方
に突出するブーム4を取り付け、そのブーム4の先端
に、ファン後流等を受けて船体の姿勢を制御する尾翼5
(十字状をなす垂直尾翼51と水平尾翼52)を設け、
機体全体の安定性、操縦性を高めている。これらのブー
ム4及び尾翼5は、繊維強化気密膜により中空状に形成
し、内圧をかけて剛性をもたせるようにした柔軟構造を
有するものである。また、上記尾翼5は、例えば、放射
方向に向けて配列した加圧チューブ製のスパーを加圧チ
ューブ製のリブによって連結し、それらを強化膜で被覆
するなどの構造をもたせることができる。なお、上記垂
直尾翼51及び水平尾翼52は、図示を省略している
が、船体の姿勢や推進方向の制御のために、周知の飛行
体の尾翼と同様に、その全部または一部を傾動させるよ
うに構成される。
【0014】上記ブーム4及び尾翼5に内圧を与えるた
め、船体上には、適宜位置にコンプレッサを備え、配管
を通じてそれらのブーム4及び尾翼5内に圧力空気が送
られる。ブーム4及び尾翼5からの空気の漏れや、熱に
よる内圧の変動を抑制するため、それらのブーム4及び
尾翼5内の圧力は調圧器で調節可能とし、常に一定の圧
力を保つようにして圧力空気が送給される。そして、上
記ブーム4及び尾翼5は、その内圧力と膜材の引張強度
によって一定の負荷力に耐えるように構成している。
【0015】上述したダクト2のカゴ状の骨組み構造、
並びに機尾のブーム4と尾翼5の加圧膜構造は、近年の
高強度軽量材料や高強度膜の開発と相俟って、機尾の軽
量化を図るために極めて有効なものである。しかるに、
上記船体構造では、ダクト2におけるカゴ状の骨組み構
造がブーム4の根元にあって、尾翼5に風その他の外力
が作用したとき、最大の曲げ応力を受けることになる。
これに対応する強度を持たせるためには、ダクト2を形
成するビーム21等において、尾翼5からの曲げと捻り
力に耐える強度が必要になるが、それを軽減するため、
上記加圧膜構造の機尾ブーム4においては、内圧力の調
整によって、尾翼側からの負荷力が一定値を超えるとそ
のブーム4が折れ曲がり、それによってダクトへ伝達さ
れる負荷力を軽減するようにしている。そのため、上記
負荷力が一定値を下まわると、ブーム4が元の形状と剛
性を取り戻すことになる。
【0016】このように、ブーム4の剛性及び強度をそ
の内圧により調整し、ダクト2に大きな力が作用してそ
れが破壊される以前にブーム4が折れるようにすると、
ダクト2の破壊を防止することができ、しかも、ブーム
4は負荷力の消失により復元し、何らの損傷も生じな
い。特に、上記飛行船では、船体がガス袋1の浮揚力で
浮揚した状態にあり、そのため、一時的にブーム4が折
れ曲がっても、その間に制御能力の一部を失うだけで、
格別重大な危険性はない。なお、加圧膜構造の尾翼5に
ついても、上記ブーム4と同様の機能を持たせることが
できる。
【0017】
【発明の効果】機尾のブームとその後端配置の尾翼を有
する境界層制御推進方式でダート型機尾構造の飛行船に
おいては、その実現のために機尾構造の極端な軽量化が
必要であるが、上述した本発明の飛行船によれば、骨組
み構造のダクト、膜構造のブームと尾翼によりその軽量
化を実現することができ、しかも、飛行中や地上操作中
での高負荷力によっても破壊せず、負荷力が低下すると
元の形状に復元するという性能をもった高効率推進の飛
行船を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る飛行船の実施例を示す要部
断面図である。
【符号の説明】 1 ガス袋、 2 ダクト、 3 推進ファン、 4 ブーム、 5 尾翼、 12 ガス袋後尾、 21 ビーム、 23 膜材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浮揚ガスを充填したガス袋と、このガス袋
    の後尾に連結された内部に推進ファンを有するダクト
    と、推進ファンの中心軸部から後方に突出するブーム
    と、そのブーム先端に設けられた尾翼とを備え、推進フ
    ァンにより船体表面の空気の流れを上記ダクトに吸い込
    んで、後方にジェットとして噴出させ、境界層の剥離を
    防ぐようにした飛行船において、 上記ガス袋の後尾に連結するダクトを、軽量高剛性材か
    らなるカゴ状の骨組み構造に膜材を張設することにより
    形成し、 上記ブーム及び尾翼は、内圧により剛性をもたせる気密
    膜により形成し、且つ上記ブームの内圧力は、尾翼側か
    らの負荷力が一定値を超えて機体の一部が破損する前に
    ブームが折れ曲がり、上記負荷力の低下により元の形状
    と剛性を取り戻すような圧力に設定した、ことを特徴と
    する飛行船。
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