JPH0659707B2 - 制振金属板 - Google Patents

制振金属板

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JPH0659707B2
JPH0659707B2 JP61180151A JP18015186A JPH0659707B2 JP H0659707 B2 JPH0659707 B2 JP H0659707B2 JP 61180151 A JP61180151 A JP 61180151A JP 18015186 A JP18015186 A JP 18015186A JP H0659707 B2 JPH0659707 B2 JP H0659707B2
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研一 篠田
知義 岩尾
知明 諌山
裕一 肥後
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Nisshin Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高速回転体として使用されるダイヤモンドカ
ツターやチツプソーなどの台金,歯車類,或いは自動車
等の稼働構造体における制振性を要する構造材料など、
制振性と共に耐熱性,溶接性,強靭性などを要求される
部材としての使用に好適な制振金属板に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
従来、制振性を要求される材料としては、12Cr−3Al−
Feで代表される磁歪を利用するものやMn−Cu系合金や鋳
鉄などが古くから知られており、また近年になつて鋼板
の間にプラスチツク材を挟んだサンドイツチ鋼板が実用
化されてきた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
これらの従来の各種制振材料において、12Cr−3Al−Fe
で代表される磁歪を利用するものやMn−Cu系合金などは
塑性加工を行うと制振性能が著しく低下すると共に温度
が上昇しても制振性能が低下する欠点があつて、その使
用限界温度は前者で380℃,後者で80℃であり、しかも
溶接性が悪く製造コストも高いという問題点があつた。
また、鋳鉄も古くから制振性に注目されている材料であ
るが、制振性能はそれほど優れてはおらず、単にその質
量で制振性能を発揮していたに過ぎないので、コスト的
には安価であるが塑性加工性や溶接性において劣つてお
りしかも強度も低く不安定であるため、断面積の小さな
構造材料には使用できないという問題点があつた。更
に、制振性能に優れ且つ塑性加工も可能なことから現在
最も注目されている制振材料である鋼板の間にプラスチ
ツク材を挟んだサンドイツチ鋼板は、制振性能を発揮さ
せるための素材としてプラスチツク材を使用しているた
めに使用限界温度が 100℃と低く耐熱性に乏しいばかり
でなく導電性が無いため溶接性も無いという問題点があ
つた。
又、極めて特殊な制振材料として、金属板の表層部に粒
界酸化、鋭敏化処理、或いは機械的に表面に疵を付け、
このように表層部を加工した金属板を冷間圧延等の加工
を施して粒界割れを導入するか又は表面疵をヘゲ状にす
るという手法などで制振性を持たせる方法も提案されて
いるが、この方法によつて得られる制振材料は表面に割
れが存在するため塑性加工性において劣つていると共に
疲労強度も著しく劣化するために製造材料としての信頼
性が乏しいという問題点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決し、塑性加
工が可能で耐熱性,溶接性,強靭性などを要求される部
材としての使用に好適で且つ制振性も優れている制振金
属板を開発すべく鋭意研究の結果、金属板と金属板との
間に介在させた鉄粉などの微小な介在物を喰い込ませる
ことだけによつて接合し且つこの金属板と微小な介在物
との喰い込んでいる接合面積を所定範囲に設定すること
により所望の特性を有する制振金属板を得ることができ
ることを究明して本発明に係る制振金属板を完成したの
である。
すなわち本発明は、金属板と金属板とがその間にほぼ均
一に存在する微小な介在物を喰い込まされることだけに
より接合されており、該金属板と該介在物との喰い込ん
でいる部分の投影面積が該金属板の 0.5〜50%であつて
且つ金属板同士の介在物の存在しない部分が治金学的に
接合しない状態で当接されていることを特徴とする制振
金属板に関するものである。
〔構成の説明〕
以下、本発明に係る制振金属板について図面によつて詳
細に説明する。
第1図は本発明に係る制振金属板の製造方法の1例を示
す説明図であり、本発明に係る制振金属板を製造するに
は、先ず金属板1と金属板2との間にほぼ均一に所定量
の微小な介在物3を散布し、次いでこの金属板1と金属
板2とを圧延ロール4,4によって冷間又は温間で圧接
して金属板1,2と微小な介在物3との喰い込んでいる
接合部分の投影面積が金属板1,2の面積の 0.5〜50%
であつて且つ金属板同士1,2の微小な介在物3の存在
しない部分が治金学的に接合しない状態で当接されてい
る状態の複合材料を製作するのである。
このように金属板1と金属板2とがその間にほぼ均一に
存在する微小な介在物3を喰い込まされることだけによ
り接合されており、金属板1,2と微小な介在物3との
喰い込んでいる接合部分の投影面積が金属板1,2の面
積の 0.5〜50%以下であつて且つ金属板同士1,2の微
小な介在物3の存在しない部分が治金学的に接合しない
状態で当接されている状態とすると、治金学的に接合し
ない状態で当接されている金属板1,2の微小な介在物
3の存在しない部分での摩擦により振動並びに騒音の低
減を図ることができるのある。このような構造におい
て、制振性能は金属板1,2と微小な介在物3との喰い
込んでいる接合面積が小さい程大きくなるが、過度に接
合面積が小さいと金属板1と金属板2との接合強度が低
下して塑性加工時の端面のズレ変形や金属板1と金属板
2との間で剥離も生じるので接合部分の投影面積の下限
を 0.5%とした。一方、金属板1,2と微小な介在物3
との喰い込んでいる接合面積が増加すると、制振金属板
の剪断接着強度は上昇するが、制振性能は逆に低下して
複合構造とした意義が失われるため接合部分の投影面積
上限を50%とした。
このように接合部分の投影面積を金属板1,2の面積の
0.5〜50%となるように接合する方法としては、第1図
に示した圧延ロール4,4による圧接の他に、プレスや
爆着などの方法もあるが、接合部分の投影面積を所望の
面積に制御すると共に金属板1,2同士の微小な介在物
3の存在しない部分が治金学的に接合しない状態で当接
されている状態、すなわち圧着しない状態とする上で圧
延ロール4,4による圧接が最も優れている。
このような圧接を行う際の温度としては、高温であれば
ある程圧接が容易であるが、高温下での複合製造化作業
は困難であり且つ接合面積のバラツキが大きくなるなど
の欠点がある他、得られる製品の表面肌がスケーリング
などで劣化すると共に金属板が高炭素鋼板である場合に
は脱炭の恐れもあるため 700℃以下の温間か又は冷間で
圧接作業を行うことが好ましい。温間圧接作業を行う
と、得られた制振金属板は比較的良好な剪断接着強度を
示すが、更に拡散焼鈍を行うと接着強度は一層向上し、
小さな接合面積でも良好な強度を得ることができる。こ
の拡散焼鈍は、金属板が鋼板である場合にはフエライト
相領域で行うことが好ましいが低温では拡散速度が低く
効果が少ないので、650℃以上であることが好ましく、
またA3変態点を超えてオーステナイト相領域に入ると
拡散速度は低下するが温度上昇の効果が大きいので 1,2
00℃以下であることが好ましく、この温度範囲において
0.5時間以上の充分な拡散焼鈍を行うことが好ましい。
使用する金属板としては、低炭素鋼板や炭素工具鋼板な
どの普通鋼板、ステンレス鋼板やニツケルクロムモリブ
デン鋼板などの特殊鋼板、アルミニウム板や銅板やチタ
ン板やニツケル板などの非鉄金属板、前記した普通鋼
板,特殊鋼板,非鉄金属板にメツキを施したメツキ金属
板、更にはこれらの各種金属板を積層したクラツド金属
板など種々の金属板を使用することが出来、これらの金
属板を使用目的に応じて浸炭,窒化,焼入れ焼戻しなど
の所望の硬化熱処理を行つて制振性のみならず耐摩耗性
や強靭性などを付与することができる。なお、上記した
金属板は微小な介在物を喰い込まされることだけにより
接合される両側の金属板とも同じ材質の金属板である必
要はなく、使用目的に合わせて適宜材質を変更したもの
を組み合わせて使用すればよいことは言うまでもない。
また、使用する微小な介在物としては、上記した金属板
に食い込んで金属板同士を接合出来るものであれば、鉄
粉などの金属粉末やセラミツク粉末やこれらの細い線状
物や更にはこの細い線状物から成る網状物が使用出来、
金属粉末やセラミツク粉末である場合には特にその粒度
を調整する必要はなくむしろ粒度分布の幅が広いほど且
つ平均粒径も通常の粉末治金用の金属粉よりも大きいこ
とが好ましい。しかしながら、粒径が過度に大きい微小
な介在物が存在すると金属板同士を微小な介在物を介し
て接合した際にその微小な介在物によつて金属板の表面
に圧痕が浮き出るように形成されて商品価値が低下する
場合があるので使用目的に合わせてその粒径を選定すれ
ば良い。また微小な介在物の粒径が微細であるとその微
細な微小な介在物が金属板に喰い込んだ大きな微小な介
在物の周辺で軽度の焼結を受けて摩擦力による制振効果
を発揮するが、微細な微小な介在物が多量に存在すると
大きな微小な介在物の周囲に介在して金属板に喰い込ん
で金属板同士を接合する効果を弱めることになるので最
小粒径としては 100μm程度に抑えることが好ましい。
〔実施例〕
以下実施例により本発明に係る制振金属板とその製造方
法の具体例を説明する。
下記する各実施例において制振性能は、第2図に示す如
く支柱フレーム5に測定すべき複合金属板Xを糸6で懸
垂保持しておいて前記の支柱フレーム5の上部横梁にベ
アリング8で回転自在に取り付けられているハンマー7
を水平状態から回転落下させてハンマー7による複合金
属板Xの打撃音をマイクロホン9で受音しアンプ10で音
圧レベルの測定を行つて音圧レベルによつて評価したも
のである。
また機械的特性は、第3図(A),(B)又は第4図(A),
(B)に示す如く幅20mmの複合金属板の片側を削り取つた
金属板にスリツトを設けて長さ10mmの接合部を設けた試
験片の引張試験結果により得られた剪断荷重によつて評
価したものである。
実施例1 第1表に示す化学組成を有する板厚 0.8mmの低炭素鋼(S
PCD)及び板厚 1.6mmの炭素工具鋼(SK5) の焼なましした
それぞれ2枚の冷間圧延鋼板を用い、これらの各鋼板間
に第2表に示す微小な介在物である鉄粉A及びBを所定
量秤量して均一に散布し、仕上げ板厚が低炭素鋼(SPCD)
の場合は 1.6mmに、また炭素工具鋼(SK5)の場合は3.2mm
となるように冷間圧延して複合鋼板を製造した。
その後、製造した一部の複合鋼板については、低炭素鋼
(SPCD)の場合は 850℃で、また炭素工具鋼(SK5)の場合
は700℃でそれぞれ1時間焼なましを行つた。また、調
質熱処理を行うものは、 1,100℃で1時間焼なましを行
つた後に 800℃で加熱焼入れし、次いで200℃で焼もど
しを行つた。
また、上記した複合鋼板の比較材として第1表に示す化
学組成の板厚 1.6mmの低炭素鋼(SPCD)及び板厚3.2mmの
炭素工具鋼(SK5)の1枚板の焼なましした冷間圧延鋼板
も準備した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板及び比
較例の複合金属板並びに比較材としての1枚板の鋼板の
特性を第3表に示す。
この第3表から明らかなように本発明に係る制振金属板
である番号3,4,5,6,7,8及び9の低炭素鋼板
と番号14,15,16及び17の炭素工具鋼板の複合金属板
は、比較例である1枚板の番号1,11及び12や、微小な
介在物である鉄粉を介しての接合面積の割合が50%を遥
かに超えた番号10,18及び19に較べて音圧レベルが低下
していて制振性能が優れていることが判る。なお、音圧
レベルにおける20dB及び6dBの差は音圧に換算すると1/
10及び1/2の差に相当するものであるから、本発明に係
る制振金属板の制振性能が如何に優れているかが容易に
判断できるのである。
また、微小な介在物である鉄粉を介しての接合面積が番
号13のように 0.3%と小さいと圧延によつて圧接が不可
能であり、番号2のように 0.4%になると圧接は一応可
能でも剪断荷重が極めて小さくて構造材料としての使用
が不可能であることが判る。一方、微小な介在物である
鉄粉を介しての接合面積が番号10及び19のように90%と
大きいと剪断荷重は大きいが、番号1,10及び11のよう
に微小な介在物を介在させない1枚板の場合と制振性能
にほとんど差がなく制振金属板としての性能が得られな
い。また、圧延後に焼鈍を施すことによつて剪断荷重の
上昇を図ることができることが判る。
実施例2 第4表に示す化学組成を有する板厚 0.6mmのステンレス
鋼(SUS430)の焼なましした2枚の冷間圧延鋼板と、第5
表に示す化学組成を有する板厚1.0mmの低炭素鋼(SPCC)
の焼なましした1枚の冷間圧延鋼板とを用い、これら3
枚の鋼板をステンレス鋼板−低炭素鋼板−ステンレス鋼
板の順で重ね合わせ、各鋼板間に微小な介在物である前
記第2表に示す鉄粉Aを所定量秤量して均一に散布し、
仕上げ板厚が 2.0mmになるように冷間圧延して複合金属
板を製造し、その後 850℃で1時間焼なましを行つた。
また、上記複合金属板の比較材として第4表及び第5表
に示した化学組成を有する板厚 1.8mmのステンレス鋼(S
US430)の焼なましした2枚の冷間圧延鋼板及び板厚 3.0
mmの低炭素鋼(SPCC)の焼なましした1枚の冷間圧延鋼板
とを用い、これら3枚の鋼板をステンレス鋼板−低炭素
鋼板−ステンレス鋼板の順で重ね合わせ、仕上げ板厚が
2.0mmになるように冷間圧延し、その後 850℃で1時間
焼なましを行つてクラツド金属板を製造した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板,比較
例の複合金属板及びクラツド金属板の特性を第6表に示
す。
この第6表から明らかなように本発明に係る制振金属板
である番号3,4及び5の複合金属板は、微小な介在物
を使用していない比較例であるクラツド板の番号1や、
微小な介在物を介しての接合面積の割合が50%を遥かに
超えた番号6に較べて音圧レベルが低下していて制振性
能が優れていることが判る。また、微小な介在物を介し
ての接合面積が番号2のように 0.4%と小さいと剪断荷
重が極めて小さくて構造材料として不適当であることが
判る。
実施例3 第7表に示す化学組成を有する板厚 1.0mmのアルミニウ
ム合金(JIS H 5052)の焼なまししたそれぞれ2枚の冷間
圧延アルミニウム合金板を用い、これらの各アルミニウ
ム合金板間に第8表に示す時効効果させたアルミニウム
合金(JIS H 2017)粉末より成る微小な介在物を所定量秤
量して均一に散布し、仕上げ板厚が 2.0mmになるように
冷間圧延して複合アルミニウム合金板を製造した。その
後、製造した一部の複合アルミニウム合金板は、400で
2時間焼なましを行つた。
また、上記の複合アルミニウム合金板の比較材として、
2枚の板厚 3.0mmの第7表の化学組成のアルミニウム合
金(JIS H 5052)板をその間に金属粉末を散布することな
く重ね合わせて板厚 2.0mmまで冷間圧延し、その後 400
℃で2時間の焼なましを行つてクラツド板も製造した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板,比較
例の複合金属板及びクラツド金属板の特性を第9表に示
す。
この第9表から明らかなように本発明に係る制振金属板
である番号2,3,4,5,6,7,8及び9の複合金
属板は、微小な介在物としてのAl合金粉末を使用してい
ない比較例であるクラツド板の番号1や、アルミニウム
合金粉末を介しての接合面積が50%を超えた番号10及び
11に較べて音圧レベルが低下していて、制振性能が優れ
ていることが判る。また圧延後の焼なましによつてアル
ミニウム合金板とアルミニウム合金粉末が拡散接合され
たものでは、接合強度が高まつていることが判る。
実施例4 板厚がそれぞれ 0.6mmの2枚の溶融亜鉛めつき鋼板(亜
鉛の付着量 220g/m2/両面)の間に前記第2表に示す
介在物である鉄粉Aを所定量秤量して均一に散布し、仕
上げ板厚が 1.0mmになるように圧延して複合金属板を製
造した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板,比較
例の複合金属板及び板厚が 1.0mmの1枚板の溶融亜鉛め
つき鋼板(亜鉛の付着量220g/m2/両面)の比較材の特
性を第10表に示す。
この第10表から明らかなように本発明に係る制振金属板
である番号1,2,3及び4は、比較例である番号5及
び6に較べて音圧レベルが低下していて制振性能が優れ
ており、メツキを施した金属板を用いた本実施例の場合
においても、メツキを施していない金属板を用いた実施
例1の場合と同様に、本発明に係る複合金属板が優れた
特性を有する制振金属板であることが判る。
実施例5 第11表に示す化学組成を有する低炭素鋼板を芯材とし、
第12表に示す化学組成を有するアルミニウム板を皮材と
したアルミニウム板−鋼板−アルミニウム板の3層構造
を有するアクラツド板であり、それぞれの層の板厚が
0.3mm− 0.9mm− 0.3mmで合計の板厚が 1.5mである2枚
のクラツド板を用い、これらのクラツド板間に前記第2
表に示す微小な介在物である鉄粉Bを所定量秤量して均
一に散布し、仕上板厚が 2.5mmになるように冷間圧延し
て複合金属板を製造した。
また、上記の複合金属板の比較材として、第11表及び第
12表の化学組成の低炭素鋼板とアルミニウム板から成る
アルミニウム板−鋼板−アルミニウム板の3層構造を有
するクラツド板であり、それぞれの層が板厚が 0.5mm−
1.5mm− 0.5mmで合計の板厚が 2.5mであるクラツド板も
製造した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板,比較
例の複合金属板及び比較材としてのクラツド板の特性を
第13表に示す。
この第13表から明らかなように本発明に係る制振金属板
である番号3,4,5,6,7,8,9及び10の複合金
属板は、微小な介在物である鉄粉を使用していない比較
例であるクラツド板の番号や、接合面積の割合が50%を
超えた番号11,12及び13に較べて音圧レベルが低下して
いて制振性能が優れていることが判る。また接合面積が
番号2のように小さすぎる場合、圧接が不可能であつ
た。
実施例6 前記第1表に示す化学組成を有する板厚 0.8mmの低炭素
鋼(SPCD)の焼なましした2枚の冷間圧延鋼板を用い、こ
れらの鋼板間に微小な介在物として第14表に示すセラミ
ツクス粉末A及びBを所定量秤量して均一に散布し、仕
上板厚が 1.6mmになるように冷間圧延して複合金属板を
製造した。その後、製造した一部の複合金属板について
は 850℃で1時間の焼なましを行つた。また、上記の複
合鋼板の比較材として、板厚 1.6mmの低炭素鋼(SPCD)の
1枚板の焼なましした冷間圧延鋼板も製造した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板,比較
例の複合金属板及び比較材としての1枚板の特性を第15
表に示す。
この第15表から明らかなように本発明に係る制振金属板
である番号3,4,5,6,7及び8の複合金属板は、
比較例である1枚板の番号1や、微小な介在物であるセ
ラミツク粉末を介しての接合面積の割合が50%を超えた
番号9に較べて音圧レベルが低下していて制振性能が優
れていることが判る。またセラミツク粉末を介しての接
合面積が番号2のように 0.3%と小さすぎる場合には圧
延による圧接が不可能であつた。
実施例7 前記第1表に示す化学組成を有する板厚が 0.8mmの低炭
素鋼板(SPCD)の焼なましした2枚の冷間圧延鋼板を用
い、これらの鋼板間に第16表に示す化学組成を有する金
属短繊維を均一に散布し、仕上げ板厚が 1.4mmとなるよ
うに冷間圧延して複合金属板を製造し、その後、一部の
複合金属板については 850℃で1時間の焼なましを行つ
た。
また、上記の複合金属板の比較材として、前記第1表の
化学組成の板厚が 1.4mmの低炭素鋼の焼なましした冷間
圧延鋼板を製造した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板及び比
較例としての1枚板の鋼板の特性を第17表に示す。
この第17表から明らかなように本発明に係る制振金属板
である番号2,3,4,5及び6の複合金属板は、比較
例である1枚板の番号1に較べて音圧レベルが低下して
いて制振性能が優れていることが判る。
実施例8 第18表に示す化学組成を有する板厚が 2.1mmの低合金鋼
(SNCM220)の焼なましした2枚の冷間圧延鋼板を用い、
これらの鋼板間に第19表に示す化学組成を有し硬度Hv78
3,線径が 0.7mmの硬鋼線を挟んで仕上げ板厚が 4.0mm
となるように冷間圧延して複合金属板を製造した。この
冷間圧延における鋼板間への硬鋼線の供給に当っては鋼
板の幅方向に所定の間隔で均一になるように配列させ
た。その後、この複合金属板を 700℃で2時間の焼鈍を
行つた後、860℃で焼入れ・200℃で焼戻しを行う調質熱
処理を施した。
また、上記の複合金属板の比較材として、前記第18表の
化学組成の低合金鋼(SNCM220)であり、上記と同一の調
質熱処理を施した板厚が 4.0mmの1枚板の熱間圧延鋼板
も製造した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板,比較
例としての複合金属板及び1枚板の鋼板の特性を第20表
に示す。
この第20表から明らかなように本発明に係る制振金属板
である番号3,4及び5の複合金属板は、比較例である
1枚板の番号1や接合面積が50%を超える番号6に較べ
て音圧レベルが低下していて制振性能が優れていること
が判る。また、接合面積が 0.4%と小さい番号2では剪
断荷重が低くて製造材料としての使用が難しいことも判
る。
実施例9 第21表に示す化学組成を有する板厚が 0.8mmの脱炭素鋼
(SPP)の焼なましした2枚の冷間圧延鋼板を用い、これ
らの鋼板間に第22表に示す化学組成を有し硬度Hv386,
線径が0.55mmのステンレス鋼線を編んである種々の網目
(メツシユ)の鋼網を挟んで仕上げ板厚が 1.6mmとなる
ように冷間圧延して複合金属板を製造した。その後、こ
の複合金属板を 900℃で1時間の焼なましを行つた。
また、上記の複合金属板の比較材として、前記第21表の
化学組成の板厚が 1.6mmの脱炭素鋼(SPP)の焼なましし
た冷間圧延鋼板も製造した。
このようにして製造した本発明に係る制振金属板,比較
例としての複合金属板及び1枚板の鋼板の特性を第23表
に示す。
〔効果〕 上記各実施例からも明らかな如く、本発明方法によつて
製造した本発明に係る制振金属板は、金属板の間に介在
させる素材としてプラスチツク材の如き耐熱性に劣る素
材を使用するのではなく、耐熱性を有し且つ鉄粉の如き
金属粉末やセラミツク粉末や金属の細い線状物や金属の
網状物より成る微小な介在物を使用しているので金属板
間に生じる摩擦によつて優れた制振性が得られるばかり
でなくその使用目的に合わせた熱処理によつても制振性
の低下がほとんど生じることがなく、前記微小な介在物
としては鉄粉の如き金属粉末や金属の細い線状物や金属
の網状物の如く導電性を有するもののみならずセラミツ
ク粉末の如く導電性を有しないものであつてお金属板同
士は微小な介在物の存在しない部分が治金学的に接合し
ない状態で当接しているので溶接も可能であつて金属板
間の剪断力も高いので高速回転体として使用されるダイ
ヤモンドカツターやチツプソーなどの台金,歯車類のみ
ならず自動車等の稼動構造体における制振性を有する構
造材料など、制振性と共に耐熱性,溶接性,強靭性など
を要求される部材としての使用に好適な制振金属板であ
り、その工業的価値は非常に大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る制振金属板の製造方法の1例を示
す説明図、第2図は音圧レベルの測定装置を示す斜視
図、第3図(A),(B)及び第4図(A),(B)はそれぞれ
剪断荷重を測定するための試験片の形状を示す正面図及
び側面図である。 図面中 1……金属板 2……金属板 3……微小な介在物 4……圧延ロール 5……支柱フレーム 6……糸 7……ハンマー 8……ベアリング 9……マイクロホン 10……アンプ X……複合金属板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥後 裕一 広島県呉市昭和町11番1号 日新製鋼株式 会社呉研究所内 (56)参考文献 特開 昭57−51453(JP,A) 特開 昭59−78790(JP,A)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板と金属板とがその間にほぼ均一に存
    在する微小な介在物を喰い込まされることだけにより接
    合されており、該金属板と該介在物との喰い込んでいる
    部分の投影面積が該金属板の 0.5〜50%であつて且つ金
    属板同士の介在物の存在しない部分が治金学的に接合し
    ない状態で当接されていることを特徴とする制振金属
    板。
  2. 【請求項2】少なくとも一方の金属板が普通鋼板である
    特許請求の範囲第1項に記載の制振金属板。
  3. 【請求項3】少なくとも一方の金属板が特殊鋼板である
    特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の制振金属板。
  4. 【請求項4】少なくとも一方の金属板が非鉄金属板であ
    る特許請求の範囲第1項から第3項までのいずれか1項
    に記載の制振金属板。
  5. 【請求項5】少なくとも一方の金属板がメツキ金属板で
    ある特許請求の範囲第1項から第4項までのいずれか1
    項に記載の制振金属板。
  6. 【請求項6】少なくとも一方の金属板がクラツド金属板
    である特許請求の範囲第1項から第5項までのいずれか
    1項に記載の制振金属板。
  7. 【請求項7】介在物が金属粉末である特許請求の範囲第
    1項から第6項までのいずれか1項に記載の制振金属
    板。
  8. 【請求項8】介在物がセラミツク粉末である特許請求の
    範囲第1項から第6項までのいずれか1項に記載の制振
    金属板。
  9. 【請求項9】介在物が細い線状物である特許請求の範囲
    第1項から第6項までのいずれか1項に記載の制振金属
    板。
  10. 【請求項10】介在物が細い線状物から成る網状物であ
    る特許請求の範囲第1項から第6項までのいずれか1項
    に記載の制振金属板。
  11. 【請求項11】介在物と金属板とが拡散接合されている
    特許請求の範囲第1項から第10項までのいずれか1項に
    記載の制振金属板。
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JPS60912B2 (ja) * 1980-06-04 1985-01-10 住友金属工業株式会社 スポツト溶接可能な接着クラツド金属板
JPS5978790A (ja) * 1982-10-29 1984-05-07 Toyota Motor Corp 焼結部材の接合方法

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