JPH0659546U - 歯科治療室構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 治療室の一部を容易に殺菌雰囲気とする歯科
治療室構造を提供することを目的とする。 【構成】 複数台の治療台３が配設された治療室１の室
内空間を、少なくとも一台の治療台３を包囲するように
展延可能な仕切部材６と、該仕切部材６により仕切られ
た包囲空間内に配置されて殺菌済空気を送風する殺菌送
風装置４を備えている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は歯科治療室構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

歯科の治療室内には、通常複数の治療台が配設されており、隣接せる治療台の 間には仕切りがないために、医師等は治療室内を自由に往来できる。上記複数の 治療台が配設された治療室内には、特に殺菌送風装置は備えてなく、単に室内を 清掃した状態で治療を行っている。

【０００３】 手術等を伴う特別な治療にあっては、室内の空気を殺菌した状態で行いたいと いう要請がある。かかる場合に、上記複数の治療台が配設された大きな治療室内 の空気を殺菌することは、その殺菌装置の容量を特に大きなものにせねばならな いこと、また、周囲の治療台で通常の治療を行っている医師等の出入りがあって 殺菌効果があまりないこと等に起因し、別途、殺菌送風装置を備えた他の治療室 で治療を行う必要があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の殺菌送風装置を備えた治療室を別途に用意することは経 済的に大きな負担となると共に、通常の治療を行う患者との間を、医師等が往来 するのはきわめて非能率である。

【０００５】 本考案は、かかる問題を解決し、複数の治療台が配設された通常の治療室を、 必要時に所望の治療台について殺菌送風を行える空間を個別に形成可能とする歯 科治療室構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、上記目的は、複数台の治療台が配設された治療室の室内空間 を、少なくとも一台の治療台を包囲するように展延可能な仕切部材と、該仕切部 材により仕切られた包囲空間内に配置されて殺菌済空気を送風する殺菌送風装置 を備えることにより達成される。

【０００７】

【作用】

上述の構成の本考案にあって、通常の治療時には治療室は隣接せる治療台間に 仕切部材がなく医師等が自由に往来できるようになっている。

【０００８】 手術等を伴う特別な治療を行うときには、所定の治療台の周囲の仕切部材を展 延させて、該治療台を包囲する。この包囲空間内に配設されている殺菌送風装置 からは、殺菌済の空気が該空間内に向け送風され、仕切部材同士の隙間あるいは 仕切部材と床面あるいは天井面との隙間から上記包囲空間外へと流出して行く。 かくして、上記包囲空間内は殺菌された空気が充満するようになる。

【０００９】

【実施例】

以下、添付図面にもとづき、本考案の実施例を説明する。図１は本実施例の治 療室の概要を示す平面図で、図２は該治療室内に配設された複数の治療台のうち の一つ及びその周辺を示す斜視図である。

【００１０】 図において、治療室１内には壁面２に沿って複数台（図示の例では四台）の治 療台３が配設されている。各治療台３の近傍には殺菌送風装置４が設けられてい る。該殺菌送風装置４は、それぞれが別個に設けられて、該装置に取り入れられ た空気をフィルタ及び殺菌手段により除塵・殺菌し、これを送風するようになっ ている。この殺菌送風装置４自体は公知であり、ここではその構成について詳述 しない。さらに、上記四台の殺菌送風装置４は、図１において二点鎖線で示され るように、配管５で接続し、親機のみが除塵・殺菌手段を有して、図示の四台の ものを子機として開閉弁により所望の子機が送風可能とするようにしてもよい。

【００１１】 各治療台３（図１においては左から二番目の治療台についてのみ図示）及び対 応する殺菌送風装置４の周囲には、図２にも見られるように、天井に取り付けら れた四つのロールブラインド６が略床面にまで引き出し可能に設けられている。

【００１２】 該ロールブラインド６は、好ましくは、治療台３側の面に殺菌塗料が塗布され ており、接触する空気を殺菌するようになっている。

【００１３】 かかる本実施例では、必要時に上記四つのロールブラインド６が引き出され、 上記治療台３はこれらのロールブラインド６によって包囲される。この包囲空間 内には、上述のごとく殺菌送風装置４が配設されており、これから殺菌済の空気 が送風され、上記隣接せるロールブラインド６同士の隙間あるいは該ロールブラ インド６と床面あるいは天井面との隙間から流出するので、上記包囲空間は完全 に殺菌された空気で充満され、外部からの未殺菌空気は流入してこない。

【００１４】 かくして、上記包囲空間内で手術等を伴う治療が行われる。

【００１５】 本考案では、上記仕切部材は天井に取り付けられたロールブラインド以外でも 実施可能である。例えば、各治療台の周囲の適宜箇所で床面から垂立せる支柱か ら展延可能なロールブラインドを設けたり、あるいは折畳み可能な仕切部材であ ってもよい。

【００１６】 さらには、仕切部材は包囲空間の全周囲に設けなくともよい。殺菌送風装置が 周囲の一部をなすように、該殺菌送風装置につなげて仕切部材を設けて包囲空間 を形成するようにできる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上のごとく、複数台の治療台が配設された治療室の空間を、所望の 治療台を包囲するように展延可能な仕切部材にて仕切り、該包囲空間内に殺菌送 風装置を配することとしたので、容易に包囲空間を形成しかつ該包囲空間を殺菌 雰囲気にでき治療効果が向上する。また、治療能率も改善される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す平面図である。

【図２】図１のものの要部を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 治療室 ３ 治療台 ４ 殺菌送風装置 ６ 仕切部材（ロールブラインド）

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数台の治療台が配設された治療室の室
   内空間を、少なくとも一台の治療台を包囲するように展
   延可能な仕切部材と、該仕切部材により仕切られた包囲
   空間内に配置されて殺菌済空気を送風する殺菌送風装置
   を備えることとする歯科治療室構造。
2. 【請求項２】 仕切部材は、少なくとも包囲空間側の面
   に殺菌塗料が塗布されていることとする請求項１に記載
   の歯科治療室構造。
3. 【請求項３】 仕切部材は、天井に取り付けられて床面
   方向に展延される複数のロールブラインドであることと
   する請求項１または請求項２に記載の歯科治療室構造。
4. 【請求項４】 仕切部材は、床面から垂立する複数の支
   柱に取り付けられて、周方向に展延されるロールブライ
   ンドもしくは折畳み部材であることとする請求項１また
   は請求項２に記載の歯科治療室構造。
5. 【請求項５】 仕切部材同士の間に殺菌送風装置が配置
   されていることとする請求項１に記載の歯科治療室構
   造。