JPH065939Y2 - 搬送台車の停止位置固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この考案は工場等において物品の搬送に用いられる搬送
台車の位置決めを行う停止位置固定装置に関する。

〈従来技術〉 従来、搬送台車の停止位置では、第５図に示すように電
磁ブレーキで搬送台車１を停止させた後、先端を円錐状
に形成した３本以上のロケートピン２をレール３の下方
よりエアーシリンダー４によって上昇させ、搬送台車１
に設けられている案内孔５と係合させ、これにより、搬
送台車１の位置決めが行われていた。さらにロケートピ
ン２先端付近にはフランジ６が形成されており、該フラ
ンジ６の上面６ａで搬送台車の重量を受けるようにし
て、多少搬送台車１を持ち上げ、これにより高さ方向の
位置決めが行われるものであった。

〈考案が解決しようとする問題点〉 ところで、搬送台車１上には第６図に示すように荷１４
がパレット１５上に置かれ、該パレット１５は搬送台車
上に設けられたピン１６にり保持される構造となってい
る。目的位置まで運搬されてきた荷１４をロボット等で
つかみ移載する場合、パレット１５ごと荷１４を移載す
るのでパレット１５は搬送台車１より容易に離脱する必
要がある。しかし前述したように搬送台車１は、ロケー
トピン２先端付近のフランジ上面６ａで支持されている
のみの状態であるから、荷１４の移載時において搬送台
車１ががたついたり、傾斜したり、パレット１５と共に
持ち上がったりして移載時の信頼性を下げる欠点があっ
た。

本考案は上記欠点に鑑みて為されたものであり、その目
的は、荷の移載時に搬送台車のがたつき等が生じない、
搬送台車の停止位置固定装置を提供することにある。

〈問題を解決するための手段〉 そこで本考案においては、従来の搬送台車の停止位置決
めの構造において、搬送台車の一部を上方から覆うよう
に形成され、レール側に固定されたブラケットを設けた
ものである。

〈作用〉 レール側に設けられた駆動機構によりロケートピンが上
昇する場合は該ロケートピンと、該ロケートピンと対峙
する台車側に設けられた案内孔とにより、また、前記駆
動機構により案内孔が上昇する場合は該案内孔と、該案
内孔と対峙する台車側に設けられたロケートピンとによ
り搬送台車の停止時の位置決めが行われる。前記駆動機
構によりロケートピンが上昇する場合、またｘ−ｙ方向
の位置決めが行われた後ロケートピンがさらに上昇する
と、ロケートピン先端付近に設けられるフランジにより
搬送台車は持ち上げられる。そして該ロケートピンと係
合する案内孔が設けられている搬送台車の固定板が、搬
送台車の一部を覆うように形成されたブラケットの一部
と、前記ロケートピン先端付近に設けられたフランジと
により挾持され固定される。また、案内孔が上昇する場
合も上記と同様に、まずｘ−ｙ方向の位置決めが行われ
る。そしてロケートピンが案内孔に完全に嵌入すると、
該案内孔の上面とロケートピンが設けられている固定板
とが当接する。そして、案内孔がさらに上昇すると、搬
送台車は持ち上げられ、搬送台車の固定板が搬送台車の
一部を覆うように形成されたブラケットの一部と前記案
内孔の上面とにより挾持され固定される。

〈実施例〉 以下本考案の一実施例である搬送台車の停止位置固定装
置について図面を参照しつつ説明する。

第１図は本考案の一実施例である搬送台車の停止位置固
定装置を示す斜視図である。この図において、１は搬送
台車である。この搬送台車１の左右両側面には、長方形
状の固定板２が両側面に対し垂直に形成されており、こ
の固体板２の前部および後部に案内孔３，３が形成され
ている。なお、１１は搬送台車に取付けられた車輪であ
る。１０はレールであり、このレール１０の案内面１０
ａ上を上記車輪１１が走行する。このレール１０の両側
部には断面コ字状のブラケット９が取付けられており、
このブラケット９の上板９ａが搬送台車１の固定板２を
覆うように同固定板２のわずか上方に配置される。上記
レール１０の下方には、エアシリンダ８がそのピストン
ロッド８ａ（第２図参照）を上方に向けて配置されてお
り、該ピストンロッド８ａの先端に長方形状の板状部材
７が水平に取付けられ、この板状部材７の四隅に丸棒状
のロケートピン６が垂設されている。このロケートピン
６はブラケット９の下板９ｂに設けられた孔を貫通して
上方へ伸び、前述した案内孔３に対峙する。このロケー
トピン６の先端部６ａは円錐状に形成され、この先端部
６ａのわずか下方にフランジ６ｂが形成されている。

次に本実施例の動作を説明すると、まず搬送台車が決め
られた位置に到着すると電磁ブレーキ（図示略）が動作
して停止する。停止した搬送台車１の固定板２はブラケ
ット９とロケートピンの先端部６ａとの間に位置すると
共に、固定板２の各案内孔３は各ロケートピンの先端部
６ａと各々対峙する。この状態でエアシリンダ８が動作
しロケートピン６を上昇させると、ロケートピンの先端
部６ａは案内孔３と係合する。この場合案内孔３の内径
に対しロケートピン６の太さを小さめに形成しておくこ
とにおり、ロケートピンの先端部６ａは案内孔３に嵌入
され、固定板２の下面にフランジ６ｂの上面６ｃが当接
する。この状態からさらにロケートピン６が上昇すると
搬送台車の重量が前記フランジ上面６ｃに加わり、ロケ
ートピンがこの荷重を支え、搬送台車は上方へ押し上げ
られる。その結果固定板２はブラケット９の上板９ａと
フランジ６ｂの上面６ｃとで挾持され固定される。この
状態を第２図に示す。

第３図はこの考案の第２の実施例の構成を示す斜視図、
第４図は同断面図である。これらの図に示す実施例が第
１図に示したものと異なる点は、ロケートピン６の先端
に案内孔１２ａを有する位置決め部材１２が取付けられ
ている点、および固定板２の下面の上記位置決め部材１
２に対峙する位置に円錐形状のピン１３が取付けられて
いる点である。この実施例においては位置決め部材１２
の案内孔１２ａ内にピン１３が嵌合することによりｘ−
ｙ方向の位置決めが行われ、また位置決め部材１２の上
面とブラケット９の上板９ａとの間に固定板２が挾持さ
れ、搬送台車１が固定される。

〈考案の効果〉 以上述べたようにこの考案によれば、搬送台車側とレー
ル側とに各々複数のロケートピンまたは案内孔を設け、
レール側に設けられるロケートピンまたは案内孔を上昇
させて、該上昇したロケートピンまたは案内孔とレール
側に固定されたブラケットとにより搬送台車を停止位置
において固定する。したがって搬送台車上の荷をロボッ
ト等により移載する場合に、搬送台車ががたついたり、
傾斜したり、さらに移載される荷と共に搬送台車自体が
持ち上がるようなことが皆無となり、移載時の信頼性を
あげることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である搬送台車の停止位置固
定装置の構成を示す斜視図、第２図は同実施例により搬
送台車が固定された状態を示す断面図。第３図はこの考
案の第２の実施例を示す斜視図、第４図は同実施例の断
面図。第５図は従来の搬送台車の停止位置決め装置を示
す断面図。第６図は搬送台車上面の構成を示す断面図で
ある。 １……搬送台車、２……固定板、３……案内孔、６……
ロケートピン、９……ブラケット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも２個以上のロケットピンまたは
   案内孔が各々台車側とレール側に設けられており、該ロ
   ケットピンと案内孔とを対峙させ、レール側のロケット
   ピンまたは案内孔を上昇させ、台車側に設けられたロケ
   ットピンまたは案内孔に係合させろことによって搬送台
   車を位置決めする搬送台車の停止位置固定装置におい
   て、前記搬送台車の一部を上方から覆うように形成さ
   れ、前記レール側に固定されたブラケットを設けたこと
   を特徴とする搬送台車の停止位置固定装置。