JPH0659224A - 電極を有する導波路の製造方法 - Google Patents

電極を有する導波路の製造方法

Info

Publication number
JPH0659224A
JPH0659224A JP23279292A JP23279292A JPH0659224A JP H0659224 A JPH0659224 A JP H0659224A JP 23279292 A JP23279292 A JP 23279292A JP 23279292 A JP23279292 A JP 23279292A JP H0659224 A JPH0659224 A JP H0659224A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveguide
sol
optical
single crystal
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23279292A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Nakamura
正則 中村
Kazushige Ono
一茂 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP23279292A priority Critical patent/JPH0659224A/ja
Publication of JPH0659224A publication Critical patent/JPH0659224A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 導波路へのダメージを抑え、簡単にバッファ
層を形成することができる光導波路を提供する。 【構成】 少なくとも下記a)〜e)の製造工程を含む
ことを特徴とする電極を有する導波路の製造方法。 a)基板上1に導波路6を形成する工程 b)金属アルコキシドおよび金属水酸化物を加水分解縮
重合してゾルを調整する工程 c)導波路の電極形成箇所2に前記ゾルを塗布する工程 d)導波路を加熱して、金属酸化物層5を設ける工程 e)金属酸化物層上に電極3を形成する工程

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信システム、光情
報処理システムや、光センサシステムなどに用いられる
光集積回路において、その構成部品である光変調器や光
スイッチとなる電極を有する光導波路の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、シングルモードファイバーと単一
波長レーザーの進歩により、Gb/sの高速光伝送が可能と
なってきた。シングルモードファイバーと適合性のよい
導波路デバイスは今後の光通信の発展の鍵を握ってい
る。光通信分野において、光ファイバーネットワークを
構築してゆくためには、光マトリックススイッチや光変
調器などの光デバイスの開発が必要である。光導波路
は、このような光デバイスの構成部品である。
【0003】応用物理学会 光学懇話会編 光集積回路
P.158 〜(朝倉書店 1988)に記載のように、これま
で、光デバイスとして、Ti拡散LiNbO3 チャンネ
ル導波路を用いたものが多く開発されている。LiNb
3 は、無機光学結晶の中では電気光学定数が大きいた
め、電気光学効果を用いたデバイスにはよく用いられ
る。また、Tiの熱拡散法や、プロトン交換法は導波路
を形成する方法としてよく用いられる。
【0004】また、チャンネル型光導波路により光デバ
イスを作製した例は、T.R.RANGANATH らが、IEEE J.Qua
ntum.Electron., QE−13(4) 290(1977)で報告して
いる。
【0005】ところで、このような光デバイスには、導
波路の屈折率を変化させるために電極を形成している。
例えば、西原浩ら著 光集積回路 P.19〜(オーム社
1985)に記載のように、電気光学効果を用いたデバイス
を作成する場合、導波路直上に電極を形成している。と
ころが、導波路直上に電極を形成すると、金属クラッデ
ィング効果(導波路表面に金属の電極を装荷すると、金
属中の電荷の慣性効果により金属は誘電率が負でかつ損
失の大きい誘電体として振る舞う。したがって、導波モ
ードは制御電極を配置すると伝搬損失を受ける)により
導波光が減衰してしてしまう。このため、これを防ぐた
めに、SiO2 、Al2 3 等の導波路より屈折率の低
い金属酸化物層である透明誘電体をバッファ層として導
波路と電極の間に形成する方法が良く知られている。バ
ッファ層の作成方法としては、1.RFスパッタリン
グ、2.電子ビーム蒸着、3.CVD等の気相法が一般
的である。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】しかしながら、上記のように気相法による
金属酸化物のバッファ層の形成は、真空中でのドライプ
ロセスが主である。このため、1.バッチ処理しかでき
ない。2.RFスパッタや、電子線蒸着においては、高
エネルギーのプラズマに基板をさらすため、導波路がダ
メージを受ける。3.CVD装置は、基板へのダメージ
は小さいが、装置が大きく、高価となる。等の問題点が
あった。
【0007】本発明者らはバッファ層の形成方法を確立
すべく研究を行った結果、スパッタ、CVD法に比べ、
導波路へのダメージの少なく、簡便な方法として、ゾル
ーゲル法が最も好ましい方法であることを知見した。従
って、この発明の目的は、導波路へのダメージを抑え、
簡単にバッファ層を形成することができる光導波路を提
供することにある。
【0008】ところで、本発明で好適に用いられる金属
酸化物層であるSiO2 薄膜の形成法として、特願昭6
0−178116号に記載のようなゾルゲル法が知られ
ているが、これは導波路を形成する方法であり、電極の
バッフア層として、SiO2層を使用するとの思想では
なく、本発明とは全く異なるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明は、少なくとも下記a)〜e)の製
造工程を含むことを特徴とする電極を有する導波路の製
造方法。 a)基板上に導波路を形成する工程 b)金属アルコキシドあるいは金属水酸化物から選ばれ
る少なくとも1種を加水分解縮重合させ、ゾルを調整す
る工程 c)導波路の電極形成箇所に前記ゾルを塗布する工程 d)導波路を加熱して、前記ゾルを金属酸化物層とする
工程 e)金属酸化物層上に電極を形成する工程
【0010】
【作用】本発明では、ゾル−ゲル法により、電極のバッ
ファ層を設けることが必要であるが、このような構成と
することにより、低温合成が可能であり、均質性が高
く、気相法を用いないため、大がかりな装置は必要とな
らず、導波路の生産効率を上げることができる。ゾルゲ
ル法によりバッファ層を形成した光導波路は、基板への
ダメージが少ないため、良好に光が伝搬する、等の特徴
がある。
【0011】本発明では、金属アルコキシドを加水分解
縮重合させるか、あるいは金属水酸化物を縮重合させる
か、金属アルコキシドと金属水酸化物を加水分解縮重合
させて得られるゾルとしては、シリカゾル、アルミナゾ
ル、ジルコニアゾル、チタニアゾルなどが望ましいが、
シリカゾル、アルミナゾルが、好適である。この理由
は、シリカ、アルミナの屈折率は、導波路として最も好
適なLN膜より小さく、導波路のクラッド層として機能
するからである。
【0012】本発明ではゾルの調整に金属アルコキシ
ド、金属水酸化物の他に水、触媒、溶媒が必要である。
水と触媒は、金属アルコキシドの加水分解および縮重合
反応に使用されるものであり、加水分解重合反応によ
り、粘性を得ることができ、薄膜を形成できる。触媒と
しては塩酸、酢酸などの酸、アンモニアなどの塩基が用
いられる。
【0013】また、本発明で使用される溶媒としては、
各種アルコールが望ましく、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。さらに本
発明においては、ゾル中に乾燥制御剤を添加することが
できる。乾燥制御剤により、急速な乾燥によりクラック
が生じることを抑制できる。ついでシリカゾルの調整方
法について説明する。
【0014】使用されるアルコキシドとしてはテトラエ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロ
ポキシシラン、テトラトリブトキシシランなどを原料と
して用いるが、テトラエトキシシランが最も好ましい。
この理由は、価格が安く、入手し易いからである。ま
た、金属水酸化物としては、シラノールや、メチルシラ
ノール、エチルシラノールなどのアルキルシラノールな
どが用いられる。ゾルは、シリカアルコキシドやシラノ
ールとエタノール、水、触媒としての酸あるいはアルカ
リを混合し、室温〜80℃で加水分解重合させることが
望ましい。室温より低い場合、反応が進行せず、80℃
を越えると加水分解がすすみ過ぎて重合せず、乾燥焼成
時に割れを生ずるからである。シリカアルコキシド、シ
ラノール、アルキルシラノールに対する水のモル比は、
5〜200が望ましい。この理由は、5より少ない場
合、えいし性が向上し、薄膜とならず、200を越える
と、バッファ層として機能しなくなるからである。この
理由は定かではないが、SiO2 層中に微細なポアが発
生するためであると考えられる。
【0015】アルミナゾルの調整方法について説明す
る。使用されるアルミニウムアルコキシドとしては、ア
ルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシ
ド、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド
などを使用するが、アルミニウムイソプロポキシドが望
ましい。この理由は、加水分解反応が進みやすいからで
ある。また、金属水酸化物としては、アルミノール、メ
チルアルミノール、エチルアルミノールなどのアルキル
アルミノールが望ましい。ゾルは、アルミニウムアルコ
キシド、アルミノールとエタノール、水、触媒としての
酸を混合し、50〜100℃で加水分解重合させること
が望ましい。50℃より温度が低い場合、反応が進行せ
ず、100℃を越えると加水分解がすすみ過ぎて重合し
ないからである。加水分解重合反応は、pHが3以下で
行われることが望ましい。この理由は、3より大きい場
合は、ベーマイトAlOOH以外の3水和物が混合した
ゾルとなってしまい、ゾルの均質性が失われるためであ
る。なお、pHは1以上が好ましい。また、アルミニウ
ムアルコキシドやアルミノール、アルキルアルミノール
の1モルに対して、水を10〜200モル加えることが
望ましい。この理由は、10モル未満では、えいし性が
向上し薄膜とならず、200を越えると、バッファ層と
して機能しなくなるからである。この理由は定かではな
いが、SiO2 の場合と同様に層中に微細なポアが発生
するためであると考えられる。
【0016】このように調整されたシリカゾルあるいは
アルミナゾルは、スピンコート、ディップコート等によ
り導波路表面に塗布される。この導波路を300〜11
00 ℃で加熱してガラス化する。加熱により、SiO
2 あるいはAl2 3 層を設けることができる。また急
熱、急冷でガラス化させる方法を用いることが望まし
い。この理由は、薄膜の剥離を防ぐことができるからで
ある。なお、ゾルの塗布は導波路全面に塗布することが
好適である。この理由は、金属酸化物層が導波路のクラ
ッド層として作用するからであり、また工程が簡単だか
らである。本発明における電極の形成方法としては、A
l、Au、Cuなどをスパッタ、蒸着などの方法でSi
2 あるいはAl2 3 層上に設けることが望ましい。
【0017】本発明で使用される基板と導波路は、Li
TaO3 基板単結晶とLiNbO3薄膜導波層の結晶と
が、ナトリウムを0.1〜14.3mol%、マグネシ
ウムを0.8〜10.8mol%の範囲でLiNbO3
単結晶中に含有させることにより格子整合された光導波
路であることが望ましい。
【0018】前記格子整合とは、前記LiNbO3 単結
晶の格子定数が、LiTaO3 単結晶の格子定数の9
9.81〜100.07%より好ましくは99.92〜
100.03%の範囲となるよう調整されていることを
意味する。このような構成とすることにより、LiNb
3 単結晶を液相エピタキシャル成長させる際発生する
歪を防止でき、LiNbO3 単結晶バルクと同等の電気
光学定数を有するLiNbO3 単結晶導波路が得られ
る。格子整合の方法としては、国際出願番号PCT/J
P/90/01207に記載の方法が望ましく、1)ナ
トリウムやマグネシウムをLiNbO3 単結晶中に含有
させる方法、2)Li/Nbの比率を41/59〜56
/44の間で変える方法、3)TiなどのLiTaO3
単結晶基板の格子定数を小さくする方法。等があるが、
1)の方法が最も望ましい。LiTaO3 単結晶基板の
格子定数はLiNbO3 単結晶のそれより大きいことか
ら、LiNbO3 単結晶にナトリウムやマグネシウムを
含有させることにより、LiNbO3 単結晶の格子定数
を大きくできるからである。ナトリウムやマグネシウム
をLiNbO3 単結晶中に含有させる場合、含有量は、
ナトリウムについては0.1〜14.3mol%、マグ
ネシウムについては、0.8〜10.8mol%が必要
である。前記LiTaO3 単結晶基板1の(0001)
面上にLiNbO3 単結晶導波路の(0001)面が積
層されるように形成されなければいけない。LiNbO
3 単結晶膜を格子整合させながら形成する方法として
は、酸化リチウム−五酸化バナジウム−五酸化ニオブ−
酸化ナトリウム−酸化マグネシウムからなる溶融体にL
iTaO3 単結晶基板1を接触させながら行う。
【0019】本発明の光導波路は、光位相変調器、Ma
ch−Zehnder型変調器、方向性結合器等の電気
光学効果を用いた光デバイスに用いる光導波路である。
【0020】また、本発明の光導波路は、様々な光デバ
イスを構成する光導波路として作用させることができ
る。LiNbO3 単結晶導波路の加工方法としては、L
iTaO3 単結晶基板1上にLiNbO3 単結晶膜を格
子整合させながら形成した後、導波路形成部にTiなど
でマスクし、ドライエッチングにより、不要部分を除去
し、導波路2を形成する方法が用いられる。以下、本発
明を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0021】(実施例1) (1)Na2 CO3 22モル%、Li2 CO3 28モル
%、V2 5 40モル%、Nb2 5 10モル%、Mg
Oを溶融体組成から析出可能なLiNbO3の理論量に
対して2モル%添加した混合物を白金ルツボに入れ、エ
ピタキシャル成長育成装置中で空気雰囲気下で、110
0℃まで加熱してルツボの内容物を溶解した。さらに溶
融体をプロペラを用い、100rpmの回転速度で12
時間撹拌させた。 (2)厚さ1mmのLiTaO3 単結晶(001)面を
光学研磨した。 (3)溶融体を1時間当りに60℃の冷却速度で915
℃まで徐冷した後、この基板1を915℃で30分予備
加熱した後、溶融体中に20rpmで回転させながら5
分間浸漬した。LiNbO3 の成長速度は、1μm/分
であった。 (4)溶液体から基板1を引き上げ、回転数1000r
pmで30秒溶融体上で溶融体を振り切った後、1℃/
分の速度で室温まで徐冷し、基板材料上に約5μmの厚
さのナトリウム、マグネシウム含有LiNbO3 単結晶
薄膜を得た。(5)得られたLiNbO3 単結晶薄膜中
に含有されていたナトリウム、マグネシウムの量は、そ
れぞれ3モル%、2モル%であった。又、薄膜の格子定
数(a軸)は、5.156A、入射光波長1.15μm
で測定した屈折率は2.235±0.001であった。 (6)得られたスラブ導波路の伝搬損失をプリズム移動
法により測定したところ、波長0.83μm、TMモー
ドにおいて1dB/cm以下であった。 (7)この導波路をパターニングし、Tiマスクを作成
し、Arプラズマエッチングによりリッジ型チャンネル
導波路を作製した。導波路形状は、幅10μm、エッチ
ング深さ1μmとした。 (8)以上のようにして作製した光導波路に、波長1.
55μm、TMモードのレーザ光を導波したところ、導
波モードは単一であり、伝搬損失はスラブ導波路の値と
同じであった。また、出射光の経時変化を測定したとこ
ろ、少なくとも24時間は変化はなかった。 (9)テトラエトキシシランとエタノール、水、塩酸を
重量比で25:37.6:23.5:0.3の割合、モ
ル比で12.0:43.7:130:0.8の割合で混
合し、室温で30分撹拌しゾルを作成した。これを導波
路上に、5000rpm、1分間 スピンコートし塗布
し、電気路中で、500℃、10分間加熱し、SiO2
バッファ層を得た。 (10)この導波路に、再び波長1.55μm、TMモ
ードのレーザ光を導波したところ、その導波モードは単
一であり、伝搬損失は1dB/cm以下であった。ま
た、出射光の経時変化を測定したところ、少なくとも2
4時間は変化はなかった。 (11)さらに、アルミニウム電極を蒸着により形成
し、電気光学定数を測定したところ、バルクLiNbO
3 単結晶とほぼ同じ値であることが分かった。
【0022】(実施例2) (1)Li2 CO3 44.3モル%、V2 5 46.4
モル%、Nb2 5 9.3モル%、Na2 CO3 をLi
2 CO3 に対して27.2モル%、MgOを溶融体組成
から析出可能なLiNbO3 の理論量に対して5モル%
添加した混合物を白金ルツボに入れ、エピタキシャル成
長育成装置中で空気雰囲気下で、1050℃まで加熱し
てルツボの内容物を溶解した。さらに溶融体をプロペラ
を用い、100rpmの回転速度で20時間撹拌させ
た。 (2)厚さ1mmのLiTaO3 単結晶(001)面を
光学研磨した。 (3)溶融体を1時間当りに60℃の冷却速度で915
℃まで徐冷した後、この基板1を915℃で30分予備
加熱した後、溶融体中に20rpmで回転させながら1
分間浸漬した。LiNbO3 の成長速度は、1μm/分
であった。 (4)溶液体から基板1を引き上げ、回転数1000r
pmで30秒溶融体上で溶融体を振り切った後、1℃/
分の速度で室温まで徐冷し、基板材料上に約1μmの厚
さのナトリウム、マグネシウム含有LiNbO3 単結晶
薄膜を得た。(5)得られたLiNbO3 単結晶薄膜中
に含有されていたナトリウム、マグネシウムの量は、そ
れぞれ3モル%、2モル%であった。又、薄膜の格子定
数(a軸)は、5.156A、入射光波長1.15μm
で測定した屈折率は2.235±0.001であった。 (6)得られたスラブ導波路の伝搬損失をプリズム移動
法により測定したところ、波長0.83μm、TMモー
ドにおいて1dB/cm以下であった。 (7)この導波路をパターニングし、Tiマスクを作成
し、Arプラズマエッチングによりリッジ型チャンネル
導波路を作製した。導波路形状は、幅1.5μm、エッ
チング深さ0.3μmとした。 (8)以上のようにして作製した光導波路に、波長0.
48μm、TMモードのレーザ光を導波したところ、導
波モードは単一であり、伝搬損失はスラブ導波路の値と
同じ1dB/cm以下であった。また、出射光の経時変
化を測定したところ、少なくとも24時間は変化はなか
った。 (9)テトラエトキシシランとエタノール、水、塩酸を
重量比で25:37.6:23.5:0.3の割合、モ
ル比で12.0:43.7:130:0.8の割合で混
合し、室温で30分撹拌しゾルを作成した。これを導波
路上に、5000rpm、1分間 スピンコートし塗布
し、電気路中で、500℃、10分間加熱し、SiO2
バッファ層を得た。 (10)この導波路に、再び波長0.48μm、TMモ
ードのレーザ光を導波したところ、その導波モードは単
一であり、伝搬損失は1dB/cm以下、また、出射光
の経時変化を測定したところ、少なくとも24時間は変
化はなかった。 (11)さらに、アルミニウム電極を蒸着により形成
し、電気光学定数を測定したところ、バルクLiNbO
3 単結晶とほぼ同じ値であることが分かった。
【0023】(実施例3) (1)アルミニウムプロポキシド1モルに対してpH=
2に調整したイオン交換水100モルを加えて室温で加
水分解し、ベーマイトAlOOHを得た。次にベーマイ
トAlOOH1モルに対して塩酸を0.3モルを加え
た。これを80℃で加熱し、攪拌してベーマイトゾルを
得た。 (2)実施例1と同様に得た導波路上に、このゾルを5
000rpm、1分間スピンコートし、電気炉中で50
0℃、10分間加熱し、アルミナバッファ層を得た。 (3)この導波路に、波長1.55μm、TMモードの
レーザ光を導波したところ、その導波モードは単一であ
り、伝搬損失はスラブ導波路の値と同じであった。ま
た、出射光の経時変化を測定したところ、少なくとも2
4時間は変化はなかった。 (4)さらに金電極を蒸着により形成し、電気光学定数
を測定したところ、ニオブ酸リチウムのバルク単結晶と
同等の値を得た。伝搬損失は1dB/cm以下であっ
た。
【0024】(実施例4) (1)Na2 CO3 22モル%、Li2 CO3 28モル
%、V2 5 40モル%、Nb2 5 10モル%、Mg
Oを 溶融体組成から析出可能なLiNbO3 の理論量
に対して2モル%添加した混合物を白金ルツボに入れ、
エピタキシャル成長育成装置中で空気雰囲気下で、11
00℃まで加熱してルツボの内容物を溶解した。さらに
溶融体をプロペラを用い、100rpmの回転速度で1
2時間撹拌させた。 (2)厚さ1mmのLiTaO3 単結晶(001)面を
光学研磨した。 (3)溶融体を1時間当りに60℃の冷却速度で915
℃まで徐冷した後、この基板1を915℃で30分予備
加熱した後、溶融体中に20rpmで回転させながら5
分間浸漬した。LiNbO3 の成長速度は、1μm/分
であった。 (4)溶液体から基板1を引き上げ、回転数1000r
pmで30秒溶融体上で溶融体を振り切った後、1℃/
分の速度で室温まで徐冷し、基板材料上に約5μmの厚
さのナトリウム、マグネシウム含有LiNbO3 単結晶
薄膜を得た。(5)得られたLiNbO3 単結晶薄膜中
に含有されていたナトリウム、マグネシウムの量は、そ
れぞれ3モル%、2モル%であった。又、薄膜の格子定
数(a軸)は、5.156A、入射光波長1.15μm
で測定した屈折率は2.235±0.001であった。 (6)得られたスラブ導波路の伝搬損失をプリズム移動
法により測定したところ、波長0.83μm、TMモー
ドにおいて1dB/cm以下であった。 (7)この導波路をパターニングし、Tiマスクを作成
し、Arプラズマエッチングによりリッジ型チャンネル
導波路を作製した。導波路形状は、幅10μm、エッチ
ング深さ1μmとした。 (8)以上のようにして作製した光導波路に、波長1.
55μm、TMモードのレーザ光を導波したところ、導
波モードは単一であり、伝搬損失はスラブ導波路の値と
同じであった。また、出射光の経時変化を測定したとこ
ろ、少なくとも24時間は変化はなかった。 (9)Siの水酸化物(東京応化製OCD −11000 )と
0.01N塩酸、エタノールを、それぞれ重量%比で3
9:1:16(モル比で7:0.3:180)の割合で
混合し、30分撹拌しゾルを作成した。これを導波路上
に、5000rpm、1分間 スピンコートし塗布し、
電気路中で、500℃、10分間加熱し、SiO2 バッ
ファ層を得た。 (10)この導波路に、再び波長1.55μm、TMモ
ードのレーザ光を導波したところ、写真1に示すよう
に、その導波モードは単一であり、伝搬損失は1dB/
cm以下であった。また、出射光の経時変化を測定した
ところ、少なくとも24時間は変化はなかった。 (11)さらに、アルミニウム電極を蒸着により形成
し、電気光学定数を測定したところ、バルクLiNbO
3 単結晶とほぼ同じ値であることが分かった。
【0025】(比較例1) (1)実施例1と同様にして得たチャンネル光導波路上
に、RFスパッタリングしてSiO2 を得た。作成条件
は、Arプラズマ中でSiO2 ターゲットを用いて10
0W、110分スパッタした。 (2)以上のようにして作製した光導波路に、波長1.
55μm、TMモードのレーザ光を導波したところ、ス
ラブへの漏れ光が観測され、良好な光の閉じこめが達成
できなかった。
【0026】(比較例2) (1)実施例1と同様にして得たチャンネル光導波路上
に、テトラエトキシシランとエタノール、水、塩酸を重
量比で25:37.6:8.6:0.3(モル比で1
2.0:43.7:47.7:0.8)の割合で混合
し、室温で30分攪拌し、ゾルを作成した。このゾルは
粘度が高く、えい糸性を示した。これを導波路上に50
00rpm、1分間、スピンコートし塗布、電気炉中で
500℃、10分間加熱したところ、SiO2 バッファ
層に微細なクラックが発生した。 (2)以上のように作成した光導波路に、波長1.55
μm、TMモードのレーザ光を導波したところ、スラブ
への漏れ光が観察された。
【0027】(比較例3) (1)実施例1と同様にして得たチャンネル光導波路上
に、金蒸着した。 (2)この光導波路に、波長1.55μm、TMモード
のレーザ光を導波したところ、スラブへの漏れ光が観察
され、導波できなかった。これは、金属のクラッディン
グ効果によるものと考えられる。
【0028】実施例1、2、3、比較例1、2の導波路
の諸特性の測定結果を表1に示す。以上のように、本発
明の光導波路は、従来の光導波路より優れた特性を得る
ことができる。さらに、実施例中の光導波路は、LiN
bO3 単結晶導波路2とLiTaO3単結晶1との格子
定数が整合されているため、LiNbO3 単結晶導波路
2の結晶格子に歪がなく、また、Ti拡散LiNbO3
光導波路や、プロトン交換導波路等の拡散光導波路よう
に不純物を拡散しないので、対アニーリング性に優れて
いる。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の製造方法に
よれば導波路のダメージを防止でき、かつ簡単にバッフ
ァ層を設けることができ、また得られた光導波路は光の
伝搬特性に優れるものであり、産業上寄与する効果はき
わめて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の製造方法によりバッファ層と電
極を形成された光変調器
【図2】図2は本発明の電極をもつ光導波路の製造方法
【符号の説明】
1 LiTaO3 単結晶基板 2 LiNbO3 単結晶導波路 3 電極 4 入射光 5 バッファ層 6 LiNbO3 単結晶導波路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記a)〜e)の製造工程を
    含むことを特徴とする電極を有する導波路の製造方法。 a)基板上に導波路を形成する工程 b)金属アルコキシドあるいは金属水酸化物から選ばれ
    る少なくとも1種を加水分解縮重合させ、ゾルを調整す
    る工程 c)導波路の電極形成箇所に前記ゾルを塗布する工程 d)導波路を加熱して、前記ゾルを金属酸化物層とする
    工程 e)金属酸化物層上に電極を形成する工程
  2. 【請求項2】 前記金属アルコキシドは、Siあるいは
    Alアルコキシドから選ばれる少なくとも1種であり、
    また前記金属水酸化物は、シラノール化合物、アルミノ
    ール化合物から選ばれる少なくとも1種であり、さらに
    前記金属酸化物層は、SiO2 、Al2 3 から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項1に記載の電極を有する
    導波路の製造方法。
JP23279292A 1992-08-07 1992-08-07 電極を有する導波路の製造方法 Pending JPH0659224A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23279292A JPH0659224A (ja) 1992-08-07 1992-08-07 電極を有する導波路の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23279292A JPH0659224A (ja) 1992-08-07 1992-08-07 電極を有する導波路の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0659224A true JPH0659224A (ja) 1994-03-04

Family

ID=16944830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23279292A Pending JPH0659224A (ja) 1992-08-07 1992-08-07 電極を有する導波路の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0659224A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006507537A (ja) * 2002-11-21 2006-03-02 オプティマー・フォトニックス・インコーポレーテッド 埋め込み電極集積光デバイス及び製造方法
JP2015014716A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 Tdk株式会社 光導波路および電気光学デバイス

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006507537A (ja) * 2002-11-21 2006-03-02 オプティマー・フォトニックス・インコーポレーテッド 埋め込み電極集積光デバイス及び製造方法
JP2015014716A (ja) * 2013-07-05 2015-01-22 Tdk株式会社 光導波路および電気光学デバイス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5485540A (en) Optical waveguide device bonded through direct bonding and a method for fabricating the same
WO1999012062A1 (en) Integrated optical polariser
US4711514A (en) Product of and process for forming tapered waveguides
US4329016A (en) Optical waveguide formed by diffusing metal into substrate
CN111175892A (zh) 一种铌酸锂光波导器件及其制备方法
JPH04131805A (ja) 石英系光導波路及びその製造方法
US4206251A (en) Method for diffusing metals into substrates
JP3025982B2 (ja) 導波路型光方向性結合器
Fabes et al. Laser processing of channel waveguide structures in sol-gel coatings
JPH063546A (ja) シングルモード光導波路
JPH0659224A (ja) 電極を有する導波路の製造方法
US5347608A (en) Optical waveguide and optical waveguide device
Posadas et al. Electro-optic barium titanate modulators on silicon photonics platform
JP3283922B2 (ja) プレーナ光導波路の作製方法及び得られたデバイス
US20110311180A1 (en) Glassy Surface Smoothing Layer for Integrated Waveguide
JPH10197734A (ja) 柔軟性を有する三次元光導波路
JPH1164664A (ja) 光導波路の製造方法
JP2718476B2 (ja) 光導波路用ガラス薄膜の作製方法
JP2953173B2 (ja) 光導波路
JPH04147202A (ja) 石英系光導波路の製造方法
JP3031066B2 (ja) 酸化膜の製造方法及び光導波路の製造方法
Chu et al. Hybrid polyimide/Ta^ sub 2^ O^ sub 5^/polyimide antiresonant reflecting optical waveguides
JP2001235640A (ja) 光導波路素子
JP2603652B2 (ja) 光導波路製造方法
JPH0743539A (ja) 赤外光導波路