JPH0658238A - 多段水力機械 - Google Patents
多段水力機械Info
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- JPH0658238A JPH0658238A JP4208119A JP20811992A JPH0658238A JP H0658238 A JPH0658238 A JP H0658238A JP 4208119 A JP4208119 A JP 4208119A JP 20811992 A JP20811992 A JP 20811992A JP H0658238 A JPH0658238 A JP H0658238A
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- back pressure
- pressure
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/20—Hydro energy
Landscapes
- Hydraulic Turbines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】多段水力機械において、最低圧段の背圧室に溜
る作動漏水による押圧力によって生起する水車主軸のス
ラストを抑制する。 【構成】最高圧段部から最低圧段部までの各段部のラン
ナ2,3を水車主軸1に固設する一方、各段部のランナ
室を返し流路によって連結する多段水力機械において、
最低圧段部の背圧室13を背圧外室13cと背圧内室1
3bとに区分し、区分した背圧外室13cはガイドベー
ン6aの通口26a,26bを経て最低圧段部の側圧室
側に連結する一のバランス路27を設ける一方、上記背
圧内室13bは上記ガイドベーン6aの通口26a,2
6bを経て最低圧段部の排口17aに連結する他のバラ
ンス路28を設けた。
る作動漏水による押圧力によって生起する水車主軸のス
ラストを抑制する。 【構成】最高圧段部から最低圧段部までの各段部のラン
ナ2,3を水車主軸1に固設する一方、各段部のランナ
室を返し流路によって連結する多段水力機械において、
最低圧段部の背圧室13を背圧外室13cと背圧内室1
3bとに区分し、区分した背圧外室13cはガイドベー
ン6aの通口26a,26bを経て最低圧段部の側圧室
側に連結する一のバランス路27を設ける一方、上記背
圧内室13bは上記ガイドベーン6aの通口26a,2
6bを経て最低圧段部の排口17aに連結する他のバラ
ンス路28を設けた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各段部のランナ回転
中、特に低圧段に生起するスラストを少なくした多段水
力機械に関する。
中、特に低圧段に生起するスラストを少なくした多段水
力機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の水力機械は、段部当り
の出力が単段タイプに比べて高く、このため各段部のラ
ンナ回転中、水車主軸が受ける軸方向のスラストは高
い。
の出力が単段タイプに比べて高く、このため各段部のラ
ンナ回転中、水車主軸が受ける軸方向のスラストは高
い。
【0003】このスラストの発生要因を子細に検討する
と、環状配置で、入口から出口に向って徐々に拡口する
ランナ間によって形成される流路を通過する作動水の圧
力差によるよりも、むしろランナ頂端を包囲覆設するク
ラウンと上カバーとで形成された背圧室およびランナ下
端を包囲覆設するバンドと下カバーとで形成された側圧
室との漏洩滞留水の押圧力の差に起因していると考えら
れる。
と、環状配置で、入口から出口に向って徐々に拡口する
ランナ間によって形成される流路を通過する作動水の圧
力差によるよりも、むしろランナ頂端を包囲覆設するク
ラウンと上カバーとで形成された背圧室およびランナ下
端を包囲覆設するバンドと下カバーとで形成された側圧
室との漏洩滞留水の押圧力の差に起因していると考えら
れる。
【0004】かかるスラスト発生の放置は、不必要に動
力を消費することはもとより、水車主軸を支えるベアリ
ングの焼損事故にも進展することを考えると、その解決
策が求められている。
力を消費することはもとより、水車主軸を支えるベアリ
ングの焼損事故にも進展することを考えると、その解決
策が求められている。
【0005】図2は、そのスラスト軽減策として、既に
公表されている技術である(特公昭62−20387号
公報)。
公表されている技術である(特公昭62−20387号
公報)。
【0006】符号1は、単一の水車主軸を示し、この水
車主軸1の軸上には高圧段ランナ2と低圧段ランナ3と
が軸方向に距離を置いて固設されている。高圧段ランナ
2は上カバー4および下カバー5によって包囲形成され
た高圧段ランナ室10a内に配される一方、低圧段ラン
ナ3は、上カバー11および下カバー12によって包囲
形成された低圧段ランナ室14a内に配されている。
車主軸1の軸上には高圧段ランナ2と低圧段ランナ3と
が軸方向に距離を置いて固設されている。高圧段ランナ
2は上カバー4および下カバー5によって包囲形成され
た高圧段ランナ室10a内に配される一方、低圧段ラン
ナ3は、上カバー11および下カバー12によって包囲
形成された低圧段ランナ室14a内に配されている。
【0007】また、高圧段ランナ2は、クラウン2aお
よびバンド2bによって挟設された高圧段ランナ羽根2
cを有し、このランナ羽根2cを介してその上部に上カ
バー4とクラウン2aとで区画された高圧段背圧室8
を、その下部に下カバー5とバンド2bとで区画された
高圧段側圧室10を備えている。
よびバンド2bによって挟設された高圧段ランナ羽根2
cを有し、このランナ羽根2cを介してその上部に上カ
バー4とクラウン2aとで区画された高圧段背圧室8
を、その下部に下カバー5とバンド2bとで区画された
高圧段側圧室10を備えている。
【0008】高圧段背圧室8は水車主軸1の横断方向に
向って左右に延び、途中にシール部7を介して水車主軸
1の側に背圧内室8aを、またその外側に背圧外室8b
を区分している。
向って左右に延び、途中にシール部7を介して水車主軸
1の側に背圧内室8aを、またその外側に背圧外室8b
を区分している。
【0009】他方、低圧段ランナ3はクラウン3aおよ
びバンド3bによって挟設された低圧段ランナ羽根3c
を有し、この低圧段ランナ羽根3cを介してその上部に
上カバー11とクラウン3aとで区画された低圧段背圧
室13を、またその下部に下カバー12とバンド3bと
で区画された低圧段側圧室14を備えている。
びバンド3bによって挟設された低圧段ランナ羽根3c
を有し、この低圧段ランナ羽根3cを介してその上部に
上カバー11とクラウン3aとで区画された低圧段背圧
室13を、またその下部に下カバー12とバンド3bと
で区画された低圧段側圧室14を備えている。
【0010】上記高圧段ランナ2を包囲する高圧段ラン
ナ室10aと上記低圧段ランナ3を包囲する低圧段ラン
ナ室14aとは、蛇行状の返し流路16によって連結さ
れ、この流路内に固定羽根16aが配置されている。
ナ室10aと上記低圧段ランナ3を包囲する低圧段ラン
ナ室14aとは、蛇行状の返し流路16によって連結さ
れ、この流路内に固定羽根16aが配置されている。
【0011】また、高圧段ランナ室10aの外側は、渦
巻状のケーシング15に臨み、このケーシング15と高
圧段ランナ室10aとを結ぶ流路に高圧段ガイドベーン
6を設けて水口の開度を調節している。さらに、低圧段
ランナ室14aの入口側にも、同様の機能を有するガイ
ドベーン6aが設けてある。
巻状のケーシング15に臨み、このケーシング15と高
圧段ランナ室10aとを結ぶ流路に高圧段ガイドベーン
6を設けて水口の開度を調節している。さらに、低圧段
ランナ室14aの入口側にも、同様の機能を有するガイ
ドベーン6aが設けてある。
【0012】上記構成は、多段水力機械のうち、代表的
な二段ポンプ水車の例であって、この二段ポンプ水車の
運転中に生起する高圧段のスラストを軽減する具体的手
段が図2に示されている。すなわち、高圧段背圧室8を
区分する背圧内室8aはバランス路19を設けて返し流
路16に結ぶ一方、背圧外室8bは別のバランス路18
を設けて高圧段側圧室10に結び、かかる構成によって
背圧内外室8a,8bに溜る作動漏水による押圧力を高
圧段側圧室10および返し流路16にそれぞれ分配し、
互いに方向反対のスラストを打消し合い、バランスさせ
ている。
な二段ポンプ水車の例であって、この二段ポンプ水車の
運転中に生起する高圧段のスラストを軽減する具体的手
段が図2に示されている。すなわち、高圧段背圧室8を
区分する背圧内室8aはバランス路19を設けて返し流
路16に結ぶ一方、背圧外室8bは別のバランス路18
を設けて高圧段側圧室10に結び、かかる構成によって
背圧内外室8a,8bに溜る作動漏水による押圧力を高
圧段側圧室10および返し流路16にそれぞれ分配し、
互いに方向反対のスラストを打消し合い、バランスさせ
ている。
【0013】他方、低圧段のスラスト軽減の具体的手段
は、図2に見られるように、返し流路16と低圧段側圧
室14とをさらに別のバランス路21で結び、低圧段背
圧室13に溜る作動漏水を、調整弁20の開度調整の下
で強制的に引き抜き、こうして低圧段背圧室13に作用
する押圧力によるスラストの抑制を図っている。
は、図2に見られるように、返し流路16と低圧段側圧
室14とをさらに別のバランス路21で結び、低圧段背
圧室13に溜る作動漏水を、調整弁20の開度調整の下
で強制的に引き抜き、こうして低圧段背圧室13に作用
する押圧力によるスラストの抑制を図っている。
【0014】このようにして、高低圧段ともに、その運
転中に生起するスラストの軽減を図り、不必要な動力の
消費を防止している。
転中に生起するスラストの軽減を図り、不必要な動力の
消費を防止している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の高低
圧段のスラスト軽減策のうち、高圧段については、好ま
しい成果が実験的に確認されているものの、低圧段につ
いては、必ずしも高効果を得ていない。というのは、低
圧段背圧室13のうち水車主軸1から最外周部位は所期
の目的を達成することができるものの、水車主軸1から
比較的近い部位は、依然として作動漏水が抜け切らず、
このため作動漏水による押圧力が水車主軸1の下方(ド
ラフトチューブ17側)に向って残るという一抹の不安
がある。
圧段のスラスト軽減策のうち、高圧段については、好ま
しい成果が実験的に確認されているものの、低圧段につ
いては、必ずしも高効果を得ていない。というのは、低
圧段背圧室13のうち水車主軸1から最外周部位は所期
の目的を達成することができるものの、水車主軸1から
比較的近い部位は、依然として作動漏水が抜け切らず、
このため作動漏水による押圧力が水車主軸1の下方(ド
ラフトチューブ17側)に向って残るという一抹の不安
がある。
【0016】係る不安の解消策として、例えば図3に示
すように、低圧段側圧室14とケーシング15とを、調
整弁20を備えたバランス路22で結び、低圧段背圧室
13の残余水の押圧力に見合う圧水をケーシング15か
ら低圧段側圧室14に供することも考えられるが、調整
弁20の開度調整が難しく、思ったようにはスラストを
軽減できない。
すように、低圧段側圧室14とケーシング15とを、調
整弁20を備えたバランス路22で結び、低圧段背圧室
13の残余水の押圧力に見合う圧水をケーシング15か
ら低圧段側圧室14に供することも考えられるが、調整
弁20の開度調整が難しく、思ったようにはスラストを
軽減できない。
【0017】また、他の手段として、図4にも示すよう
に、低圧段背圧室13の残余水を水車主軸1内の通路2
3a,23bを利用して引き抜く一方、低圧段側圧室1
4の残余水を導通路24を利用して引き抜き、水車主軸
1の下端部25で互いに打ち消し合うようにすることも
考えられる。しかし、水車主軸1内に通路23a,23
bを穿設すること自体、その材力低下に繋るため、不安
が残るという心配がある。
に、低圧段背圧室13の残余水を水車主軸1内の通路2
3a,23bを利用して引き抜く一方、低圧段側圧室1
4の残余水を導通路24を利用して引き抜き、水車主軸
1の下端部25で互いに打ち消し合うようにすることも
考えられる。しかし、水車主軸1内に通路23a,23
bを穿設すること自体、その材力低下に繋るため、不安
が残るという心配がある。
【0018】さらに他の手段として、上述の高圧段での
例と同様に、低圧段背圧室13と低圧段側圧室14とを
バランス路で結ぶことも考えられるが、この場合、返し
流路16の存在によって場所的にその施工作業が難し
く、また、バランス路の蛇行回数が多く、いきおい抵抗
摩擦による損失が増え過ぎ、低圧段背圧室13の残余水
を引き抜くことが難しい等の不具合がある。
例と同様に、低圧段背圧室13と低圧段側圧室14とを
バランス路で結ぶことも考えられるが、この場合、返し
流路16の存在によって場所的にその施工作業が難し
く、また、バランス路の蛇行回数が多く、いきおい抵抗
摩擦による損失が増え過ぎ、低圧段背圧室13の残余水
を引き抜くことが難しい等の不具合がある。
【0019】そこで、この発明は上述の種々の不都合、
不具合を踏え、構造簡易にして容易に低圧段背圧室の残
余水を引き抜き、低圧段に生起するスラストを極力抑制
し、高圧段、低圧段ともに良好はな運転ができる多段水
力機械を提供することを目的とする。
不具合を踏え、構造簡易にして容易に低圧段背圧室の残
余水を引き抜き、低圧段に生起するスラストを極力抑制
し、高圧段、低圧段ともに良好はな運転ができる多段水
力機械を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明は、最高圧段部
から最低圧段部までの各段部のランナを水車主軸に固設
する一方、各段部のランナ室を返し流路によって連結す
る多段水力機械において、最低圧段部の背圧室を背圧外
室と背圧内室とに区分し、区分した背圧外室にガイドベ
ーンの通口を経て最低圧段部の側圧室に連結する一のバ
ランス路を設ける一方、上記背圧内室に上記ガイドベー
ンの通口を経て最低圧段部の排口に連結する他のバラン
ス路を設けたものである。
から最低圧段部までの各段部のランナを水車主軸に固設
する一方、各段部のランナ室を返し流路によって連結す
る多段水力機械において、最低圧段部の背圧室を背圧外
室と背圧内室とに区分し、区分した背圧外室にガイドベ
ーンの通口を経て最低圧段部の側圧室に連結する一のバ
ランス路を設ける一方、上記背圧内室に上記ガイドベー
ンの通口を経て最低圧段部の排口に連結する他のバラン
ス路を設けたものである。
【0021】
【作用】上記構成によれば、背圧外室、背圧内室とも
に、ガイドベーンと距離的に極めて近い。このため背圧
外内室の残余水を引き抜く場合、抵抗摩擦による損失が
少ないから容易に残余水を引き抜いて最低圧段部の側圧
室および最低圧段部の排口に分配することができ、この
種の段部のスラスト軽減を一段と高めることができる。
に、ガイドベーンと距離的に極めて近い。このため背圧
外内室の残余水を引き抜く場合、抵抗摩擦による損失が
少ないから容易に残余水を引き抜いて最低圧段部の側圧
室および最低圧段部の排口に分配することができ、この
種の段部のスラスト軽減を一段と高めることができる。
【0022】
【実施例】以下、この発明に係る多段水力機械の一実施
例を添付図面を基に説明する。
例を添付図面を基に説明する。
【0023】図1は、この発明に係る多段水力機械の要
部を拡大した概略図である。なお、図2と同一構成部品
には同一符号を付してある。
部を拡大した概略図である。なお、図2と同一構成部品
には同一符号を付してある。
【0024】図1において、水車主軸1の軸上には、低
圧段ランナ3が固設され、この低圧段ランナ3は上カバ
ー11および下カバー12によって包囲形成された低圧
段ランナ室14a内に収められている。この低圧段ラン
ナ室14aは、クラウン3aおよびバンド3bによって
挟設された低圧段ランナ羽根3cを有し、このランナ羽
根3cを介してその上部に上カバー11とクラウン13
aとで区画された低圧段背圧室13を、またその下部に
下カバー12とバンド3bとで区画された低圧段側圧室
14を備えている。
圧段ランナ3が固設され、この低圧段ランナ3は上カバ
ー11および下カバー12によって包囲形成された低圧
段ランナ室14a内に収められている。この低圧段ラン
ナ室14aは、クラウン3aおよびバンド3bによって
挟設された低圧段ランナ羽根3cを有し、このランナ羽
根3cを介してその上部に上カバー11とクラウン13
aとで区画された低圧段背圧室13を、またその下部に
下カバー12とバンド3bとで区画された低圧段側圧室
14を備えている。
【0025】低圧段背圧室13は水車主軸1の横断方向
に向って延び、途中にシール部13aを介して水車主軸
1の側に低圧段背圧内室13bを、またその外側に低圧
段背圧外室13cを区分している。
に向って延び、途中にシール部13aを介して水車主軸
1の側に低圧段背圧内室13bを、またその外側に低圧
段背圧外室13cを区分している。
【0026】上記低圧段ランナ3を包囲する低圧段ラン
ナ室14aの入口側は、ガイドベーン6a、固定羽根1
6aを備える返し流路16に連通し、図示しない高圧段
ランナ室に連結している。
ナ室14aの入口側は、ガイドベーン6a、固定羽根1
6aを備える返し流路16に連通し、図示しない高圧段
ランナ室に連結している。
【0027】しかして、低圧段背圧室13を区分したう
ちの1つである低圧段背圧内室13bに、第1バランス
路28が設けられ、この第1バランス路28はガイドベ
ーン6aの通口26bを介してドラフトチューブ17の
排口17aに結ばれている。また、もう1つの低圧段背
圧外室13cに、第2バランス路27が設けられ、この
第2バランス路27はガイドベーン6aの通口26aを
介して低圧段側圧室14に結ばれている。
ちの1つである低圧段背圧内室13bに、第1バランス
路28が設けられ、この第1バランス路28はガイドベ
ーン6aの通口26bを介してドラフトチューブ17の
排口17aに結ばれている。また、もう1つの低圧段背
圧外室13cに、第2バランス路27が設けられ、この
第2バランス路27はガイドベーン6aの通口26aを
介して低圧段側圧室14に結ばれている。
【0028】したがって、上記構成によれば、低圧段背
圧内外室13b,13cともにガイドベーン6aの通口
26a,26bの極めて近い位置にあるから摩擦抵抗が
少なく、低圧段背圧内外室13b,13cの残余水を円
滑に排口17aや低圧段側圧室14に分配することがで
きる。ちなみに、摩擦抵抗による損失を算出してみる
と、その損失の計算は次式で与えられる。
圧内外室13b,13cともにガイドベーン6aの通口
26a,26bの極めて近い位置にあるから摩擦抵抗が
少なく、低圧段背圧内外室13b,13cの残余水を円
滑に排口17aや低圧段側圧室14に分配することがで
きる。ちなみに、摩擦抵抗による損失を算出してみる
と、その損失の計算は次式で与えられる。
【0029】
【数1】 ここで、λは管摩擦係数、Lは管路長、Dは管径、Qは
流量である。結局、上式(1)は、
流量である。結局、上式(1)は、
【数2】 と近似的に書き換えることができる。
【0030】係る関係式の下に、低圧段背圧内室13b
とドラフトチューブ17の排口17aとを第1バランス
路28で結ぶ場合、第1バランス路28を返し流路16
から迂回するときと、この実施例のようにガイドベーン
6aの通口26aを介して結ぶときとでは、前者の管路
長をL0 、管径をD0 とし、後者の管路長をL=α
L0 、管径をD=βD0 とし、この前後者の損失を同一
と見込んだとき、上式(2)から、
とドラフトチューブ17の排口17aとを第1バランス
路28で結ぶ場合、第1バランス路28を返し流路16
から迂回するときと、この実施例のようにガイドベーン
6aの通口26aを介して結ぶときとでは、前者の管路
長をL0 、管径をD0 とし、後者の管路長をL=α
L0 、管径をD=βD0 とし、この前後者の損失を同一
と見込んだとき、上式(2)から、
【数3】 を得る。
【0031】係る(3)式から、後者の管路長が前者の
それの1/3(=α)になった場合、後者の管径が前者
のそれに比べて、0.80倍(=β)となり、後者の管
径は前者の管径に比べて一段と小さくすることができ
る。また、前者と後者の管径を同一とした場合、上式
(2)から後者の損失HLOSSは前者の損失HLOSSよりも
一段と少なくなり、負荷変動のように急激な過渡変動が
あっても、何ら支障なく低圧段ランナ室14aから水車
主軸1に与えられるスラストを抑制できる。また、低圧
段背圧外室13cと低圧段側圧室12とを第2バランス
路27で結ぶ場合も同様の効果を奏する。
それの1/3(=α)になった場合、後者の管径が前者
のそれに比べて、0.80倍(=β)となり、後者の管
径は前者の管径に比べて一段と小さくすることができ
る。また、前者と後者の管径を同一とした場合、上式
(2)から後者の損失HLOSSは前者の損失HLOSSよりも
一段と少なくなり、負荷変動のように急激な過渡変動が
あっても、何ら支障なく低圧段ランナ室14aから水車
主軸1に与えられるスラストを抑制できる。また、低圧
段背圧外室13cと低圧段側圧室12とを第2バランス
路27で結ぶ場合も同様の効果を奏する。
【0032】このように、ガイドベーン6aの通口26
a,26bを利用して低圧段背圧内室13bと排口17
aとを第2バランス路26bで結び、また低圧段背圧外
室13cと低圧段側圧室14とを第1バランス路26a
で結ぶことは、管路長および管路径の小さい点で管路施
工作業が容易になり、また、摩擦抵抗に伴う損失の点で
も有利と言える。
a,26bを利用して低圧段背圧内室13bと排口17
aとを第2バランス路26bで結び、また低圧段背圧外
室13cと低圧段側圧室14とを第1バランス路26a
で結ぶことは、管路長および管路径の小さい点で管路施
工作業が容易になり、また、摩擦抵抗に伴う損失の点で
も有利と言える。
【0033】なお、この実施例では、二段ポンプ水車に
適用した例を述べたが、三段以上のポンプ水車にも適用
することができるのは勿論である。
適用した例を述べたが、三段以上のポンプ水車にも適用
することができるのは勿論である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明の通り、この発明に係る多段
水力機械では、低圧段背圧室を低圧段背圧外室と低圧段
背圧内室とに区分し、区分した各室のうち、低圧段背圧
外室とドラフトチューブの排口とを結ぶ一のバランス路
としてガイドベーンの通口を利用する一方、低圧段背圧
内室と低圧段側圧室とを結ぶ他のバランス路もガイドベ
ーンの通口を利用したから、管路長さまた管路径が小さ
くなり、またこれに伴って摩擦損失も少なくなり、この
ため低圧段背圧外内室の残余水は容易に抜き出すことが
できる。したがって、低圧段ランナ室から水車主軸に与
えられるスラストを軽減し、高圧段、低圧段ともに良好
な運転が行なえる。
水力機械では、低圧段背圧室を低圧段背圧外室と低圧段
背圧内室とに区分し、区分した各室のうち、低圧段背圧
外室とドラフトチューブの排口とを結ぶ一のバランス路
としてガイドベーンの通口を利用する一方、低圧段背圧
内室と低圧段側圧室とを結ぶ他のバランス路もガイドベ
ーンの通口を利用したから、管路長さまた管路径が小さ
くなり、またこれに伴って摩擦損失も少なくなり、この
ため低圧段背圧外内室の残余水は容易に抜き出すことが
できる。したがって、低圧段ランナ室から水車主軸に与
えられるスラストを軽減し、高圧段、低圧段ともに良好
な運転が行なえる。
【図1】この発明に係る多段水力機械の一実施例を示す
概略図。
概略図。
【図2】従来例を示す概略図。
【図3】他の従来例を示す概略図。
【図4】さらに他の従来例を示す概略図。
1 水車主軸 2 高圧段ランナ 3 低圧段ランナ 3a クラウン 3b バンド 3c 低圧段ランナ羽根 6a ガイドベーン 11 上カバー 12 下カバー 13 低圧段背圧室 13a シール部 13b 低圧段背圧内室 13c 低圧段背圧外室 14 低圧段側圧室 16 返し流路 17 ドラフトチューブ 17a 排口 26a,26b 通口 27 第2バランス路 28 第1バランス路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅田 貞一 岐阜県本巣郡梶尾村上大須字越田上1824番 地7号 中部電力株式会社奥美濃水力建設 所内 (72)発明者 島田 尚子 神奈川県横浜市鶴見区末広町2の4 株式 会社東芝京浜事業所内
Claims (1)
- 【請求項1】 最高圧段部から最低圧段部までの各段部
のランナを水車主軸に固設する一方、各段部のランナ室
を返し流路によって連結する多段水力機械において、最
低圧段部の背圧室を背圧外室と背圧内室とに区分し、区
分した背圧外室にガイドベーンの通口を経て最低圧段部
の側圧室に連結する一のバランス路を設ける一方、上記
背圧内室に上記ガイドベーンの通口を経て最低圧段部の
排口に連結する他のバランス路を設けたことを特徴とす
る多段水力機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4208119A JPH0658238A (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 多段水力機械 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4208119A JPH0658238A (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 多段水力機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0658238A true JPH0658238A (ja) | 1994-03-01 |
Family
ID=16550953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4208119A Pending JPH0658238A (ja) | 1992-08-04 | 1992-08-04 | 多段水力機械 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0658238A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008278743A (ja) * | 2007-04-30 | 2008-11-13 | Snecma | 受動軸方向平衡システムを含む回転機 |
CN103670887A (zh) * | 2012-09-19 | 2014-03-26 | 株式会社东芝 | 水力机械及其运转方法 |
CN103742336A (zh) * | 2014-01-04 | 2014-04-23 | 峨眉山市驰骋机械制造有限公司 | 双转轮水轮机的上冠平衡调节环槽结构 |
US9180385B2 (en) | 2012-01-31 | 2015-11-10 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Cold trap and method of controlling cold trap |
-
1992
- 1992-08-04 JP JP4208119A patent/JPH0658238A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008278743A (ja) * | 2007-04-30 | 2008-11-13 | Snecma | 受動軸方向平衡システムを含む回転機 |
US9180385B2 (en) | 2012-01-31 | 2015-11-10 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Cold trap and method of controlling cold trap |
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CN103742336A (zh) * | 2014-01-04 | 2014-04-23 | 峨眉山市驰骋机械制造有限公司 | 双转轮水轮机的上冠平衡调节环槽结构 |
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