JPH065811Y2 - 防煙・防毒布帛 - Google Patents

防煙・防毒布帛

Info

Publication number
JPH065811Y2
JPH065811Y2 JP1984155795U JP15579584U JPH065811Y2 JP H065811 Y2 JPH065811 Y2 JP H065811Y2 JP 1984155795 U JP1984155795 U JP 1984155795U JP 15579584 U JP15579584 U JP 15579584U JP H065811 Y2 JPH065811 Y2 JP H065811Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smoke
cloth
fabric
water
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1984155795U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6171153U (ja
Inventor
賢 野寄
精一 吉川
政治 島村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP1984155795U priority Critical patent/JPH065811Y2/ja
Publication of JPS6171153U publication Critical patent/JPS6171153U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH065811Y2 publication Critical patent/JPH065811Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Respiratory Apparatuses And Protective Means (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、有毒ガスや煤煙の吸着能に優れた布帛に関す
る。
(従来の技術) 近年、住居、ホテル、デパート等は高層化するし、内部
は化学合成品でつくられた新建材、インテリア、衣料品
など多く、火災発生時に有毒ガスを含む煙が充満し、死
亡事故に繋がる結果が多発している。殊に高層ビルやホ
テルの火災時に多数の人命が失われている事実は、この
有毒ガスによるものがほとんどである。
これまで専門的な分野で防毒マスクや防煙マスクなどが
使用されていることは周知であるが、専門的な知識も装
着方法も知らない一般の人達が簡単に使用できるもので
はなく、気密性のものがほとんどで、かつ高価で取り扱
いの面倒なものばかりであった。これらの防煙・防毒マ
スクはガスの種類によってマスクの種類も変わる不便さ
があり、また、防煙・防毒を同時に達成するためには別
々の層でそれぞれの効能を分担させる構造を有するため
に、大きな容積を必要とするなどの欠点があった。
火災のような緊急避難時あっては、マスクの種類や装着
の仕方まで着実に見分けて処置できるものではなく、特
に一般人にあってはなおさらである。
度重なる火災死亡事故の発生に鑑み、火災予防のみなら
ず、発生後の人命重視の安全対策も緊急を要する課題で
ある。
(考案が解決しようとする問題点) 本考案は、コンパクトで、保守が簡単で、しかも手軽に
実用できる、常時高性能な防煙・防毒用具を提供するも
のである。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、上記目的を達成するために、イオン交換繊維
を含む繊維布帛が水と共に密封されてなる防煙・防毒布
帛であって、該水が、該繊維布帛の重量に対して20%
以上、300%以下の割合で含まれることを特徴とする
防煙・防毒布帛、をその骨子とするものである。
以下、本考案を詳細に説明する。
本考案でいうイオン交換繊維としては、通常直径が0.
1〜100μm、好ましくは1〜100μmの公知のイ
オン交換繊維を意味する。その具体例としては、ポリス
チレン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル、ポリア
ミド、ポリフェノール、ポリエチレン、セルロースなど
のベースポリマに、カチオン交換基、たとえば、スルホ
ン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基などや、アニオン
交換基、たとえば、1〜3級アミノ基もしくは4級アン
モニウム基を導入したもの、さらにはアミノカルボン酸
基、アミドキシム基、ポリアミン基、ジチオカルバミン
酸基など各種のキレート基が導入されたイオン交換繊維
がある。
本考案でいうベースポリマの中でも、ポリ(モノビニル
芳香族化合物)、特にポリスチレン系ポリマが化学安定
性に優れており好ましい。具体的にはポリスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、
クロロメチルスチレンなどからなるポリマがあげられ
る。
かかるポリマにイオン交換基を導入してイオン交換繊維
を製造する方法としては、公知の方法、たとえば特開昭
52−120986号公報や特開昭59−18731号
に記載されている方法がある。たとえば、パラホルムア
ルデヒドと硫酸の共存下で加熱処理することにより、ス
ルホン酸基が導入されたカチオン交換繊維を得ることが
できる。
ポリマに導入するイオン交換基の量は、ポリマの乾燥重
量に対しては少なくとも0.1meq/g以上、好ましくは
0.5meq/g以上、さらに好ましくは1.0〜10meq
/gの範囲である。かかる交換基量は、処理条件や導入
プロセスなどにより制御できる。さらにイオン交換繊維
の中でもベース用ポリマと補強用ポリマからなる繊維、
好ましくは、特公昭56−18139号公報に記載され
ているようなベース用ポリマを鞘成分の主成分に、補強
用ポリマを芯成分にした多芯型混合および複合繊維を基
材としたイオン交換繊維が十分な機械的強度ならびに形
態保持性を有しているので好ましい。特に、多芯型複合
繊維からなるイオン交換繊維をさらにフィブリル化した
繊維は、紙状物など種々の繊維構造物を製造し易いこと
や、加えて空気中の有害物の除去性が向上するため好ま
しく選択される。
かかるイオン交換繊維は有毒ガスや煙を化学的に吸着す
る特徴を有するが、その吸着量は該ガスや煤煙の該繊維
に接触する頻度によって変化するものであり、したがっ
て、該繊維は本考案の布帛構成成分として多く存在する
方が好ましく、少なくとも5重量%、さらに好ましくは
30重量%以上である。
本考案でいうイオン交換繊維からなる繊維布帛とはカチ
オン交換繊維またはアニオン交換繊維のみからなるも
の、これらを混合したもの、あるいはこれらイオン交換
繊維に非イオン性の通常の繊維を併用せしめたものなど
をいう。特に布帛の補強作用ならびに物理的吸着作用を
向上する点から非イオン性繊維の併用が好ましい。
かかる布帛構造としては、イオン交換繊維のみからなる
構造、イオン交換繊維と非イオン交換繊維を混合した、
交絡品、混紡品、交編織品、混抄品、さらにはイオン交
換繊維を非イオン交換繊維でサンドウィッチした構造の
積層品などがあげられる。本発明は織編物でも不織布で
もよく、その形態は問わない。
本考案の布帛は通気性がよい方が好ましいが、余りよす
ぎても有毒ガスや煤煙との接触頻度が小さくなりすぎる
ので、フィルター目付は30g/m2以上、好ましくは5
0〜1000g/m2である。あまり目付が大きい、たと
えば1500g/m2を越えるような布帛は、風合が堅か
ったり、分厚すぎたりする結果、取り扱い性やガスのリ
ークが問題となる。
風合硬化やガスリークは次の要件を外れる場合に、特に
顕著である。
0.0017W≦H≦0.01W 好ましくは0.002W≦H≦0.005W [但し、W:布帛の目付(g/m2)、H:布帛の厚さ(mm)
である] 本考案において必須の要件は、該布帛が水を含んでいる
ことである。すなわち、布帛が水と共存することによ
り、その中のイオン交換繊維が活性化し、性能の向上が
機体できるのである。さらに、含水状態でイオン交換繊
維の強度が維持でき、自身からの発塵もなくなること、
使用時にあっては、吸引するガスが冷却されることなど
の利点もある。
本考案の水分量としては、該繊維布帛の重量に対して2
0%以上、300%以下である必要があり、好ましく
は、50〜300%の範囲である。水量が繊維重量の3
00%を越えると使用時の通気性を損う欠点があり、2
0%未満では吸着性が悪く、強度低下および自身からの
発塵が起こる恐れがあり、さらにイオン交換繊維の活性
が弱められるため好ましくない。
水としては、飲料水程度の純度であれば良いが、特に蒸
留水やイオン交換水などの純水のものが好ましい。水を
付与するには、例えばあらかじめ所定量含浸させておく
か、あるいはフィルターとして装置に組込み、ポンブに
より必要量を連続的に供給するなどの方法がある。なか
でも、特にあらかじめ水を含浸させておく方法が好まし
いが、この場合、輸送時あるいは保存時には、密閉系に
あることが好ましい。すなわち、布帛を空気中に露出さ
せて放置しておくと、イオン交換繊維が失活する可能性
があり、また、水分も飛散してしまい好ましくない。
かかるイオン交換繊維からなる布帛を密閉する系は当然
ガスバリヤ性にすぐれた容器が好ましい。特に水蒸気バ
リヤ性にすぐれた素材が好ましく、たとえば、ポリプロ
ピレン、ポリエチレン、ポリエステル等のようなプラス
チックが好ましい。通常はかかる素材からなるフィルム
が適用される。なお、ガスバリヤ性は金属蒸着などの金
属の超薄膜を積層する加工やガスバリヤ性にすぐれた樹
脂を基材フィルムに積層することにより容易に付与する
ことができるので、かかる積層フィルムを使用してもさ
しつかえない。たとえば、内側が水に対して耐久性のあ
る樹脂で、外側がガスバリヤ−性にすぐれた樹脂である
ような積層フィルムが好ましい。具体的には内側がポリ
プロピレンで外側がポリアミドである積層フィルムなど
は好適である。
本考案の布帛は、例えばイオン交換繊維からなる布帛に
水を付与した後、該布帛を上記ガスバリヤ性フィルムに
自動包装機により密閉封入することにより形成すること
ができる。こうすることで、コンパクトで保守が容易と
なり、さらに本発明の布帛が持つ優れた吸着能を長期に
渡って維持することが可能となる。
本考案の布面を図面により説明する。
第1図は本考案の布帛を水とともに密封したものの1例
である。この布帛はイオン交換繊維からなる布帛層1を
密閉した容器4内に含む構造を有する本考案の布帛の一
実施例を示す平面図であり、第2図はその断面図であ
る。第3図はイオン交換繊維からなる布帛1と非イオン
性繊維からなる布帛2を積層して、これをウォータージ
ェットによりパンチングして一体化させた布帛を水とと
もに封入した本考案の布帛の一実施例である。第4図は
イオン交換繊維と非イオン性繊維を積層してニードルパ
ンチングして形勢した不織布3を、内側がポリエステ
ル、外側がポリアミドで構成した積層フィルム5からな
る袋を密閉容器として用いた例である。
かかる本考案の布帛は、有毒ガスや煙の吸着性能に優
れ、上記のごとく密封封入しておけば、長期間保存した
後も変化なく実用に耐え得る特徴を発揮する。
(実施例) つぎに、本考案を実施例によりさらに具体的に説明する
が、本考案はこれに限定されるものではない。
実施例1 多芯海島型複合繊維(未延伸)[海成分(ポリエステ
ル)/島成分(ポリエチレン)=50/50、島数1
6、繊維直径34μm、トータル繊度280デニールで
繊維本数42本のマルチフィラメント)]を用いて編物
を作った。この編物1gに対して、濃硫酸17.5容量
部とパラホルムアルデヒド0.15重量部からなる架橋
・スルホン化液に加え、80℃、4時間反応した。反応
後、脱液し純水で洗浄、乾燥した。得られた編物状イオ
ン交換繊維は、目付量260g/m2、交換容量2.9m
eq/gであった。この編物を160g/m2のナイロン
不織布で両面からサンドイッチ状にはさみウォータージ
ェットによりパンチングして一体化し、トータル目付量
580g/m2のイオン交換繊維からなる布帛を作った。
つぎに、該布帛の一部を切断し、該布帛重量の30%、
80%、250%の水分を付与した試料をつくり、それ
ぞれについて、有効径φ40mmのホルダーに装着し、
煙発生装置に接続した。通気速度25cm/秒で5分間
吸煙し布帛の煙捕集量を調べたところ、それぞれ53m
g、56mg、59mgであった。このときの圧力損失はそ
れぞれ8mmHO、10mmHO、14mmH
であった。
比較例1 実施例1の布帛に該布帛重量の5%、350%の水分を
付与して同様の試験を行なった。煙捕集量は5%水分付
与の場合38mgであり、本考案のものより劣っていた。
なお、圧力損失は実施例1と同等であった。また、水分
を350%付与したものは初期の圧力損失が30mmH
Oと高く、しかも煙捕集量の増加と共に圧力損失は急
激に上昇し、試験不能となった。
比較例2 市販のエア・クリーナ(日立製“ケムレス”)用フィル
ター(目付量450g/m)を用いて実施例1と同様
の試験を行なったところ、煙捕集量は25mgと、比較
例1よりも煙捕集性能の劣ったものであった。なお、圧
力損失は8mmHOであった。
実施例2 実施例1で用いた布帛に、水分を該布帛重量の50%、
200%、付与したものについて、実施例1で用いたホ
ルダーに装着し、煙発生装置に接続した。このとき煙の
温度を80℃±5℃に加熱し、通気速度20cm/秒で
通煙した。通気出口の温度を測定したところ、それぞ
れ、40℃、25℃であり、著しい冷却効果が認められ
た。
比較例3 実施例1で用いた布帛に、水分を該布帛重量の10%、
350%付与して、実施例2と同様の試験を行った。こ
のときの通気出口温度は、水分10%のもので65℃で
あり、実施例のものに比べて冷却効果は小さいことが判
明した。また水分350%のものは、20℃まで冷却さ
れたものの、圧力損失の上昇が大きく通気続行が不可能
となった。
以上の結果より、本考案の布帛は極めて煙捕集性能に優
れ、しかも、圧力損失が小さく、冷却能力が大きいこと
がわかる。
(考案の効果) 本考案の布帛は、有毒ガス、煙などを短時間に、しかも
同時に高捕集効率で吸着し、かつその性能は長時間保存
しても変化なく保持され、フィルターとして使用する場
合でも極めて容易である。
なお、本考案の布帛はイオン交換繊維によって有毒ガス
や煙が化学的に吸着されるため、低圧損(目が粗い)で
も充分な効果を発揮することができ、しかもその使用寿
命も長いという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本考案の布帛を水とともに密封したものの構
造を示す平面図であり、第2図はその断面図である。第
3図は本考案の別の布帛を水とともに密封したものの構
造を示す断面図である。第4図は容器を積層フィルムで
構成した例である。 図中 1:イオン交換繊維からなる布帛 2:非イオン性繊維からなる布帛 3:イオン交換繊維と非イオン性繊維とからなる不織布 4:容器 5:積層フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 平4−18585(JP,Y2)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換繊維を含む繊維布帛が水と共に
    密封されてなる防煙・防毒布帛であって、該水が、該繊
    維布帛の重量に対して20%以上、300%以下の割合
    で含まれることを特徴とする防煙・防毒布帛。
JP1984155795U 1984-10-17 1984-10-17 防煙・防毒布帛 Expired - Lifetime JPH065811Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1984155795U JPH065811Y2 (ja) 1984-10-17 1984-10-17 防煙・防毒布帛

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1984155795U JPH065811Y2 (ja) 1984-10-17 1984-10-17 防煙・防毒布帛

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6171153U JPS6171153U (ja) 1986-05-15
JPH065811Y2 true JPH065811Y2 (ja) 1994-02-16

Family

ID=30713807

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1984155795U Expired - Lifetime JPH065811Y2 (ja) 1984-10-17 1984-10-17 防煙・防毒布帛

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH065811Y2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59138599A (ja) * 1983-01-28 1984-08-09 新明和工業株式会社 高所作業装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6171153U (ja) 1986-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0917901B1 (en) Fire-retardant filter medium and air filter unit
EP1753607B1 (en) Durable covering for chemical protection
US11607668B2 (en) Air-permeable sheet filter material, methods for the production and use thereof
US7160369B2 (en) Adsorption filter material with high adsorption capacity and low breakthrough behavior
TWI358316B (en) Chemical filter
US8366816B2 (en) Adsorption filter material with integrated particle- and/or aerosolfiltering function and its use
US5830414A (en) Air cleaning filter
WO1985003013A1 (en) Flexible air premeable non-woven fabric filters
JPH065811Y2 (ja) 防煙・防毒布帛
KR20210025381A (ko) 습식 가변형 다층 여과 시스템 및 이를 포함하는 필터 유닛
JPS6242715A (ja) 抗菌性を有するエレクトレツトフイルタ−用複合材料
JPH11267244A (ja) 有毒ガス用防護衣材料
JPH0418585Y2 (ja)
JP4477186B2 (ja) フィルター及びフィルター部材
CN214294789U (zh) 一种阻燃吸湿面料
KR102012082B1 (ko) 공기 정화용 필터 시트
US5856250A (en) Ionic substance removing material for use in super-clean room
JPS62247820A (ja) ガスのろ過方法
KR20210025382A (ko) 다층 여과 시스템 및 이를 포함하는 필터 유닛
WO2002005927A1 (fr) Materiau filtrant desodorisant
JP2002292214A (ja) 難燃性除塵フィルター
JP3536949B2 (ja) 通水性シートおよびその製造法
JPS6268509A (ja) ろ過材
JP3133680B2 (ja) 壁装用イオン交換シート及びその製造方法
RU2706317C1 (ru) Фильтрующий химзащитный материал