JPH065798Y2 - 吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、吸入式温熱治療器用の
ノーズアタッチメントに関するものであり、特に種々の
形状と鼻孔の大きさに個人差がある鼻に適切にフィット
して蒸気の漏れをなくし、快適、且つ安全に治療できる
吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメントに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、鼻炎の簡易な治療器として吸入式
温熱治療器が知られているが、該治療器において加熱蒸
気を鼻孔内に吸入するノーズアタッチメントとしては、
特開平２−８８０７７号公報に開示したものが知られて
いた。

【０００３】すなわち、特開平２−８８０７７号公報に
開示された吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメント
は、略円筒状をなし、シリコンゴム等の可撓性材料より
なるノーズアタッチメント本体を有しており、該ノーズ
アタッチメント本体の上端部であって、使用者の一対の
鼻孔を結ぶ線に直交する方向に、略円弧状に切欠かれた
形状の一対の支持部が設けられ、且つ該各支持部間に
は、使用者の鼻孔内に所望量挿入される一対の挿入部が
形成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平２−８８０７７号公報に開示された吸入式温熱治療
器用のノーズアタッチメントでは、一対の支持部が同一
高さに位置しているため、ノーズアタッチメントを鼻に
当接する場合は、ハウジングを手で持って角度を付けな
ければ鼻孔部分にフィットせず（公報の第１２図）、ま
たテーブル等の台上に治療器を載置したままでは顔の角
度を適宜調節して、鼻をノーズアタッチメントに当接さ
せない限り使用できず極めて不便であるという問題点が
あった。

【０００５】更に、前記特開平２−８８０７７号公報に
開示された吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメント
では、使用者の鼻孔内に所望量挿入する一対の挿入部が
設けられているが、鼻孔の大きさや鼻の巾には個人差が
あり、すべての人に適応できず、然も鼻孔内に挿入する
と異物感があり、使用に際し不快感を伴うという問題点
があった。

【０００６】本考案は、前記従来の問題点を解決するこ
とを目的とする吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメ
ントを提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は、加熱蒸気を、
加熱蒸気の案内筒上に装着されたノーズアタッチメント
を介して鼻孔より吸入する吸入式温熱治療器において、
緩やかな凹状湾曲面を有する上端縁部と、該上端縁部の
左・右に連なって湾曲して上方へ突出した左・右突出縁
部と、該左・右突出縁部の前方側に連なって深い凹状湾
曲面を有する下端縁部とを夫々外周縁部に備えた斜面部
を前方側へ低く傾斜せしめると共に、該斜面部の両側部
に一対の吸入孔を穿設して略楕円椀形状に形成された鼻
当接板を上方筒部の上端に配設し、且つ前記上方筒部の
両側に一対の排気孔を穿設し、下方筒部を案内筒に着脱
自在に嵌合するという手段を採用することにより、上記
問題点を解決した。

【０００８】

【作用】上記構成より成る本考案によれば、鼻当接板
が、緩やかな凹状湾曲面を有する、唇に近い鼻孔の下方
外周縁部に当接する上端縁部と、該上端縁部の左・右に
連なって湾曲して上方へ突出した、鼻孔の両側外周縁部
に当接する左・右突出縁部と、該左・右突出縁部の前方
側底部方向に連なって深い凹状湾曲面を有する、唇から
遠い鼻孔の上方外周縁部に当接する下端縁部とを夫々外
周縁部に備えた斜面部を前方側へ低く傾斜せしめて略楕
円椀形状に形成されており、ほんの僅かだけ顔を俯かせ
るだけで鼻当接板に鼻が当接される。左・右突出縁部は
鼻孔内に挿入されることはない。

【０００９】

【実施例】

本考案の実施の一例を図面に基づいて詳細に説明する
に、横長楕円形状をした有底のハウジング１の上方外周
縁に周壁２を立設し、且つ前記ハウジング１内には外周
壁面から断熱用の空隙部となる間隔３を有して、上方を
開口した水注入筒４が配設され、且つ該水注入筒４の底
板５にアルミニウム製の熱伝導板６を固定すると共に、
該熱伝導板６の下面に電熱ヒーター７を付設し、更に前
記水注入筒４の上方外周はハウジング１の上方内周壁面
に接合固定されて上板８を形成している。

【００１０】前記水注入筒４の上方開口部には断面凹状
をした蓋体９が密嵌して固定され、且つ該蓋体９の中央
部には、噴射口１０を蓋体９上に位置せしめた噴射ノズ
ル１１が貫通固定されている。

【００１１】また、蓋体９には、前記噴射ノズル１１の
噴射口１０の上面位置に開口した導管１２を先端に水平
状態で保持した逆Ｌ字状の送水管１３が貫通固定され、
且つ該送水管１３の下端縁は前記底板５の近くまで延長
されている。

【００１２】前記ハウジング１の上方には、断面逆凹状
をなした覆板１４が周壁２の内側面に接して着脱自在な
るよう載置され、該覆板１４と蓋体９間の空隙部を空気
調整室１５とし、且つ前記覆板１４には適宜間隔を置い
て複数個の通風孔１６が穿設されている。前記各通風孔
１６は覆板１４の裏面に左右動自在に設けられたスライ
ド板１７を、覆板１４を上方へ貫通したつまみ１８を持
って左右動させることにより、前記通風孔１６を全開し
たり、半開したりして空気調整室１５へ流入する空気の
量を調節する。

【００１３】前記覆板１４には前記噴射ノズル１１と中
心線が一致し、且つ下面が空気調整室１５に開口された
横断面楕円形状をした加熱蒸気の案内筒１９が立設さ
れ、更に前記案内筒１９上には鼻孔の周面部に当接させ
ると共に、霧化された蒸気を吸入できる形状に形成され
たノーズアタッチメント２０が着脱自在に取付けられて
いる。

【００１４】前記ノーズアタッチメント２０は横断面楕
円形状の円筒体をなし、例えばシリコンゴム、熱可塑性
プラスチック等の可撓性材料より成るものであり、下方
筒部２１は前記案内筒１９の上方内周壁面に摺接して嵌
合できるように形成され、上方筒部２２は前記案内筒１
９の上端外周縁２３に当接してストッパーの役目を果た
す段部２４を有して下方筒部２１より径大に形成され、
前記上方筒部２２の上端面には加熱蒸気を鼻孔に吸入さ
せる一対の吸入孔２５を穿設した鼻当接板２６が配設さ
れている。

【００１５】前記鼻当接板２６は鼻孔部分に圧迫感を与
えることなく、且つ加熱蒸気を効率よく吸引できるよう
な形状に構成する必要があるが、本考案では鼻当接板２
６は緩やかな凹状湾曲面を有する、唇に近い鼻孔の下方
外周縁部に当接する上端縁部２７と、該上端縁部２７の
両側に連なって湾曲して上方へ突出した、鼻孔の両側外
周縁部に当接する左・右突出縁部２８と、該左・右突出
縁部２８の前方側に連なって深い凹状湾曲面を有する、
唇から遠い鼻孔の上方外周縁部に当接する下端縁部２９
とを夫々外周縁部に備えた斜面部３０を前方側へ低く傾
斜せしめると共に、該斜面部３０の両側部に一対の吸入
孔２５を穿設して全体として前方側へ傾斜した略楕円椀
形状に形成されている。

【００１６】前記鼻当接板２６は、好ましくは上端縁部
２７の中央部を下端縁部２９の中央部より少なくとも８
ｍｍ程度高く、且つ左・右突出縁部２８の中央部を前記
上端縁部２７の中央部より少なくとも３ｍｍ程度高くす
ることが推奨される。

【００１７】前記ノーズアタッチメント２０の上方筒部
２２の両側には一対の排気孔３１が穿設されていて、非
吸入時におけるノーズアタッチメント２０内の蒸気の滞
留を防止する機能をなすと共に、ハウジング１内から供
給される蒸気の一部は、前記排気孔３１から外部へ排気
されるよう構成されている。なお、図中、３２はスイッ
チを兼ねたタイマーである。

【００１８】次に、実施例の作用について説明する。覆
板１４と蓋体９を取外して、水注入筒４内に所定量の水
を注入して蓋体９をハウジング１に嵌合固定し、更に覆
板１４をハウジング１上に嵌合して吸入の準備が完了す
る。そして、タイマー３２を作動させて電熱ヒーター７
に通電すると、熱伝導板６が加熱し、これにより水注入
筒４内の水が徐々に加熱されて沸騰した水が蒸気となっ
て噴射ノズル１１の噴射口１０から上方へ噴射される
と、水注入筒４内の水に差し込まれた送水管１３の先端
の導管１２に負圧を生じさせて、加熱された水注入筒４
内の湯水を送水管１３を介して上昇せしめて、導管１２
の先端から水滴となって流出させ、該水滴を前記噴射ノ
ズル１１の噴射口１０から噴射された蒸気と混合して霧
化状態で、案内筒１９を通ってノーズアタッチメント２
０の吸入孔２５より噴射し始める。

【００１９】この時治療器をテーブル等の台上に載置し
たままでも、ノーズアタッチメント２０の鼻当接板２６
は前方側へ低く傾斜しているため、図６に示すように顔
をほんの僅かだけ俯かせるだけで、無理に深く俯かせる
必要もなく、極めて楽な姿勢で鼻をノーズアタッチメン
ト２０の略楕円椀形状に形成された鼻当接板２６上に当
接でき、然も前記鼻当接板２６の左・右突出縁部２８に
鼻孔の両側外周縁部が接触すると共に、上端縁部２７が
鼻孔の下方外周縁部に、また下端縁部２９が鼻孔の上方
外周縁部に当接して鼻孔の外周部が鼻当接板２６に密接
して吸入孔２５より噴射した加熱蒸気が効率よく鼻孔内
へ吸入される。噴射ノズル１１の噴射口１０より噴射し
た加熱蒸気が多い場合は、排気孔３１より排気される。

【００２０】更に、鼻孔内に吸入される前記水滴と蒸気
の混合物の温度が高い場合は、つまみ１８を持ってスラ
イド板１７を左右動させることによって、各通風孔１６
の開口面積を大小に調節して、空気調整室１５へ流入す
る空気の量を調節して、該流入空気と前記水滴および蒸
気の混合物とを混合せしめて温度を下げるのである。

【００２１】

【考案の効果】本考案は上述のように、鼻当接板は全体
として前方側へ傾斜した略楕円椀形状に形成されると共
に、鼻孔の外周縁部の形状に合わせて緩やかな凹状湾曲
面を有する、鼻孔の下方外周縁部に当接する上端縁部
と、該上端縁部の両側に連なって湾曲して上方へ突出し
た、鼻孔の両側外周縁部に当接する両側突出縁部と、該
両側突出縁部の前方側に連なって深い凹状湾曲面を有す
る、鼻孔の上方外周縁部に当接する下端縁部とを夫々外
周縁部に備えて形成されているために、吸入式温熱治療
器をテーブル等の台上に載置したまま、ほんの僅かだけ
俯かせるだけで、無理に深く俯かせる必要もなく、鼻を
鼻当接板に楽な姿勢で当接することができるのである。
また、従来と異なり鼻当接板は鼻孔内に挿入されること
がないので、異物感が全くなく、然も鼻孔の大きさ、鼻
の形状に個人差があってもすべて適応することができる
ので、極めて便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメ
ントの背面側から見た斜視図である。

【図２】本考案吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメ
ントの背面側から見た縦断斜視図である。

【図３】本考案ノーズアタッチメントを取付けた吸入式
温熱治療器浄器を正面側から見た斜視図である。

【図４】本考案ノーズアタッチメントを取付けた吸入式
温熱治療器浄器を背面側から見た斜視図である。

【図５】本考案ノーズアタッチメントを取付けた吸入式
温熱治療器の一部を切欠した縦断面図である。

【図６】本考案ノーズアタッチメントの使用状態を示す
斜視図である。

【符号の説明】

１９ 案内筒、 ２０ ノーズアタッチメント、 ２１
下方筒部、 ２２上方筒部、 ２５ 吸入孔、 ２６
鼻当接板、 ２７ 上端縁部、 ２８ 左・右突出縁
部、 ２９ 下端縁部、 ３０ 斜面部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱蒸気を、加熱蒸気の案内筒上に装着
   されたノーズアタッチメントを介して鼻孔より吸入する
   吸入式温熱治療器において、緩やかな凹状湾曲面を有す
   る上端縁部と、該上端縁部の左・右に連なって湾曲して
   上方へ突出した左・右突出縁部と、該左・右突出縁部の
   前方側に連なって深い凹状湾曲面を有する下端縁部とを
   夫々外周縁部に備えた斜面部を前方側へ低く傾斜せしめ
   ると共に、該斜面部の両側部に一対の吸入孔を穿設して
   略楕円椀形状に形成された鼻当接板を上方筒部の上端に
   配設し、且つ前記上方筒部の両側に一対の排気孔を穿設
   し、下方筒部を加熱蒸気の案内筒に着脱自在に嵌合して
   成る吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメント。
2. 【請求項２】 ノーズアタッチメントが、シリコンゴム
   または熱可塑性プラスチックで形成された請求項１記載
   の吸入式温熱治療器用のノーズアタッチメント。