JPH065775Y2 - アピカルシート形成用専用リーマー及びファイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、感染根管の根管形成後における根管部に体す
るガッタパーチャポイント等の充填材の充填に際し、充
填材の先端が根尖孔部より突き出ることなく、所要位置
に係止されかつ根尖側枝を確実に閉鎖し、根尖方向へか
かる圧力を柔げるために、根管形成時に根尖付近から歯
冠部にかけては円錐状に形成し、同時に根尖孔から２〜
３mmを円筒状に形成した後、根端孔から２〜３mm付近に
段差を付ける所謂アピカルシートの形成に用いて有用な
専用リーマー及びファイルに関するものである。

［従来の技術］ 通常、リーマー及びファイルによる感染根管の治療目的
は、根管象牙質壁の感染部を切削拡大して完全に消失さ
せると共に根管内を完全に清掃し、しかる後に根管の消
毒と根尖孔外の病巣の清掃、消毒治療、並びにガッタパ
ーチャ等の充填材の根管内への充填を完璧に実施すべ
く、根管内に通路を確保することにある。

そして、前述したアピカルシートの形成にあっては、根
尖部象牙質壁をリーマーの先端で棚状に刻むという細心
の注意と、高度の熟練を要する作業にて対処していた。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、前述した如くリーマーによるアピカルシ
ートの形成にあっては、位置決定や、その操作に高度の
熟練を要し、細心の注意が要求される困難な作業を余儀
なくされ、好適なアピカルシートの形成されない場合に
は、根管充填に際し、根尖孔よりガッタパーチャ等の充
填材の先端が突出し、これが後に異物となり再治療を必
要とするような病巣を形成する原因ともなった。

本考案にあっては、アピカルシートの形成にあったて、
特段の熟練及び細心の注意を要することなく、通常の水
準の歯科治療技術にても迅速かつ容易に理想的なアピカ
ルシートの形成することのできるアピカルシート形成専
用リーマー及びファイルを提供することを目的とする。

［問題を解決するための手段］ 上述した問題点は、刃部を有する三枚の螺旋羽根よりな
る螺旋羽根状切削刃部を形成してなる切削部の先端面は
水平面状に形成するとともに、この水平面状先端面中央
には、先端部は丸味を有しかつ刃部を有さず前記切削部
に比較し極細径の棒状推進ガイド部材を突設してなるこ
とを特徴とするアピカルシート形成用専用リーマー及び
ファイルによって解決される。

［作用］ 本考案のアピカルシート形成専用リーマー及びファイル
によれば、先端面を水平面状に形成されてなる刃部を有
する三枚の螺旋羽根よりなる螺旋羽根状切削刃部を有す
る切削部が、水平状先端面に中央に突設され先端部は丸
味を有ししかも刃部を有さず切削部に比較し極細径の棒
状推進ガイド部材に案内され根管に沿って切削してゆく
ことから、先端面を水平面に形成し刃部を有する三枚の
螺旋羽根からなる螺旋羽根状切削刃部の形状からして、
根尖孔部分には自動的に所望形状の好適なアピカルシー
トが迅速かつ容易に形成される。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例につき図面に基づいて説明す
る。

図中１は、本考案のアピカルシート形成用専用リーマー
及びファイルであり、このアピカルシート形成用専用リ
ーマー及びファイルは、柄部２とこの柄部に連接されて
なり３枚の螺旋羽根状切削刃部３ａを有する切削部３
と、この切削部３先端中央より突設されてなり先端部は
丸味を有し切削部３に比較し極細径の刃部を有さない棒
状推進ガイド部材４から成るものである。

そして注目すべきは切削部３の先端部は水平面状に形成
され、先端部は丸味を有しかつ刃部を有さない極細径の
推進ガイド部材４はこの切削部３の水平面状先端面５中
央より突設されている点である。

また３枚の螺旋羽根状切削刃部３ａは、それぞれ等間隔
で同一長さ及び同一高さにて螺旋状に突設形成されてい
る。

しかして、根管形成時におけるアピカルシートの形成に
際して、本考案のアピカルシート形成用専用リーマー及
びファイルを用いた場合には、切削部３は、切削部３の
水平面状先端面５より突設され、先端部は丸味を有しし
かも刃部を有さず切削部３に比較し極細の棒状推進ガイ
ド部材４に案内され、たとえ湾曲根管等にあっても支障
なくスムーズに根管に沿って切削されてゆくとともに、
３枚の螺旋羽根状切削刃部３ａを有する切削部は回転に
伴い生ずる切削屑を自動的に上方に向かって排出すると
ともに、その先端面が水平面状に形成されていることと
あいまって、根尖部分６から歯冠部へかけてはコニカル
（円錐状）に、根尖孔から２〜３mmをシリンジカル（円
筒状）に、さらに根端孔から２〜３mm付近へ段差を設け
るという、所謂理想的なアピカルシート７を自動的にし
かも瞬時に形成することができるものである。

［考案の効果］ しかして本考案によれば、従来細心の注意と高度の熟練
を要したアピカルシートの形成作業に際し、前述した如
く、刃部を有する三枚の螺旋羽根よりなる螺旋羽根状切
削刃部を形成してなる切削部の先端面は水平面状に形成
するとともに、この水平面状先端面中央には、先端部は
丸味を有しかつ刃部を有さず前記切削部に比較し極細径
の棒状推進ガイド部材を突設した形状の専用リーマー及
びファイルを用意することにより、細心の注意と高度の
熟練技術を有することなく、通常の歯科技術水準にて、
容易にしかも迅速に好適なアピカルシートの形成するこ
とができる。

したがって、従来のこの種アピカルシート形成用専用リ
ーマー及びファイルと異なり、感染根管の根管形成後に
おける根管部に対するガッタパーチャポイント等の充填
材の充填に際しては、この種充填作業において最も避け
なければならない根尖孔部６ａよりの充填材の突出は完
璧に防止され、充填材の突出部分が異物となり、再治療
を必要とする病巣を形成するという不慮の事態は生じ得
ないとともに、根尖側枝を確実に閉鎖し、根尖方向へか
かる圧力を柔げるという理想的な治療作業を難なく行な
うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のアピカルシート形成用専用リーマー及
びファイルの側面図、第２図は第１図に示すアピカルシ
ート形成用専用リーマー及びファイルの切削部を示す概
略拡大斜視図、第３図は第１図に示すアピカルシート形
成用専用リーマー及びファイルを用いてのアピカルシー
ト形成状態を示す一部断面拡大正面図である。 １……アピカルシート形成用専用リーマー及びファイ
ル、２……柄部、３……切削部、３ａ……螺旋羽根状切
削刃部、４……推進ガイド部材、５……水平面状先端
面、６……根尖部分、６ａ……根尖孔部、７……アピカ
ルシート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】刃部を有する三枚の螺旋羽根よりなる螺旋
   羽根状切削刃部を形成してなる切削部の先端面は水平面
   状に形成するとともに、この水平面状先端面中央には、
   先端部は丸味を有しかつ刃部を有さず前記切削部に比較
   し極細径の棒状推進ガイド部材を突設してなることを特
   徴とするアピカルシート形成用専用リーマー及びファイ
   ル。