JPH0657157B2 - B細胞分化因子の製造法 - Google Patents

B細胞分化因子の製造法

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JPH0657157B2
JPH0657157B2 JP59235199A JP23519984A JPH0657157B2 JP H0657157 B2 JPH0657157 B2 JP H0657157B2 JP 59235199 A JP59235199 A JP 59235199A JP 23519984 A JP23519984 A JP 23519984A JP H0657157 B2 JPH0657157 B2 JP H0657157B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、人について活性を有するB細胞分化因子
(以下「BCDF」と記す)に関する。
従来の技術 抗原刺激を受けた活性化された成熟B細胞は、T細胞の
助けにより分裂増殖するが、さらにB細胞が抗体産生細
胞にまで最終的に分化するには、1種またはそれ以上の
T細胞由来の分化誘導性の物質が必須であることが知ら
れている。この物質の存在はアール・ダブリュ・ダッド
ンら、トランスプランテーションレビュー(Transplant.
Rev.)23,66(1975),エイ・シンプルとイー・ウェッカー
ら、ネイチャー・ニュー・バイオロジー(Nature N.Bio
l.)237,15(1972),により明らかにされた。彼らはマウ
スのリンパ球混合物培養後の培養上清中または抗原やマ
イトゲンにより刺激を受けたマウスのリンパ球培養上清
中に存在する物質が、マウスのT細胞を除去されたリン
パ球細胞集団やヌードマウス由来のリンパ球のヒツジ赤
血球(SRBC)に対する1次免疫応答を増幅させるこ
とを見出し、そのような作用を有する活性物質にリンパ
球代替因子、すなわちTRFという呼称を与えた。それ
以来TRFは、抗原非特異的に主要組織適合遺伝子複合
体(以下、MHCと略称する。)の一致を必要としない
様式でB細胞に作用し、B細胞の分裂増殖を誘導せず、
B細胞の抗体産生細胞への分化を誘導する液性因子であ
ると定義されている。
その後、このようなB細胞分化因子の存在を示す証拠が
蓄積されており、人においてもマウス同様の分化因子の
存在が示唆されている。現在では上述のように定義され
たB細胞を抗体産生細胞へ分化させる因子をBCDFと
総称するようになった。
このようにBCDFは人の体内でB細胞の抗体産生機能
に重要な働きをしている。BCDFの臨床への応用は大
別して3つ考えられる。第1はBCDFによりBCDF
抗体を作り、BCDFと抗BCDF抗体によるBCDF
のイムノアッセイ系を用いて免疫学的な病態の解析に用
いることが出来る。第2の応用は各種疾患の治療への応
用である。例えば、T細胞のヘルパー機能低下にともな
うB細胞抗体産生能低下による免疫不全症患者にBCD
F単独または他のリンホカインと共に投与することによ
り抗体産生機能を正常に戻すことが考えられる。
さらにBCDFの応用として次のことが考えられる。B
細胞増殖因子(BCGF)(ケイ・ヨシザキら、ジャー
ナル・オブ・イムノロジー(J.of Immunol.)130,1241(19
83))、その他のリンホカインを含むT細胞因子を培地
に加えることにより正常B細胞を長期培養できることが
報告されている(ビー・スレドニら、ジャーナル・オブ
・エクスペリメンタル・メディシン(J.Exp.Med),154,15
00(1981)参照)。これらの培養正常B細胞に対し、適当
な時期にBCDFを作用させることにより生体外で抗体
を産生させることが出来る。特定の抗体、例えば、病原
細菌、病原ウイルス、病原原虫、癌細胞などの表面にあ
る特定抗原を認識する抗体を産生するB細胞をモノクロ
ーン化し、クローン化正常B細胞をBCDFとその他の
リンホカインを組合せて培養し、有用なモノクローナル
抗体を産生させることが出来る。これら抗体は感染症や
癌の治療および診断に利用できる。
従来BCDFを得るには、人末梢血などより分離した正
常人T細胞をマイトーゲン刺激することによりBCDF
を産生させる方法が採られてきた。この方法では、T細
胞を十分得ることが困難である点、マイトーゲンを用い
たため、BCDFに有害なマイトーゲンが混入し、これ
を除去するのが困難である点、またT細胞培養にはウシ
胎児血清など血清成分を培地に添加する必要があり、こ
れら添加タンパク質とBCDFを十分分離することが出
来ず、BCDFを医療に用いるには、純化BCDFが得
られぬことが障害となっている点など問題が多く、工業
的にBCDFを産生することは出来なかった。また人T
細胞を人癌細胞と細胞融合して人T融合細胞を得、これ
によりBCDFを産生せしめる方法も報告されている
(オカダら、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・
メデイシン(J.Exp.Med.),157,583(1983))。しかし、人
融合細胞は継代中、リンホカイン産生能が低下してゆく
ことが多く、実用的BCDF産生人融合細胞は未だな
い。
発明が解決しようとする問題点 従ってこの発明の目的は、BCDFのより効率のよい製
造法を見い出すことにある。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、人T細胞白血病ウイルス(以下「HTL
V」と記す)により形質転換された人T細胞が高い効率
でBCDFを生産することを見い出した。即ち、この発
明は、HTLVにより形質転換された人T細胞を培養
し、生成したB細胞分化因子を採取し、精製することを
特徴とする下記の性質を有するB細胞分化因子の製造法
である。
(1)分子量 3.5±0.5×104ダルトン(ゲル濾過法) 2.2±0.2×104ダルトン(SDS・ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法) (2)N−末端部分のアミノ酸配列 Pro Val Pro Pro Gly Glu Asp Ser Lys Asp Val Ala Al
a 人BCDF産生人T細胞株の作製は以下のように行なう
ことが出来る。人の末梢血・扁桃・臍帯血などよりフイ
コールパックなどを用いた密度勾配遠心法等でリンパ球
を分離し、エヌ・ヤマモト、サイエンス(Science)217,7
37(1982)の方法に準じてHTLVを用いて人T細胞を形
質転換(トランスフォーメーション)する。たとえば下
記の方法を用いることができる。ウイルス産生細胞株M
T−2をX線照射(12000〜14000ラド)で不
活性化した細胞1×10/mlと、上述のようにして得
た人リンパ球1×10/mlを20%FCS,100μ
g/mlカナマイシン、2μg/ml NaHCO3、25mMN−
2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−エタンス
ルホン酸(HEPES)を含むRPMI1640培地を
入れたプラスチックシャーレ(ファルコン#3008)
に接種し5% CO2存在下37℃で培養する。1週間に
2回、半分の培地を新鮮な培地と交換しつつ2〜3ヵ月
培養した後、リミティングダイリューション法により株
化する。株化した細胞の培養上清のBCDF活性を測定
し、BCDF活性を有する株を得る。
この方法により株化した細胞としてたとえばVT−1と
標識された人T細胞株を用いることが出来る。VT−1
を増殖させるための特別な条件はなく、一般に用いられ
ている培養条件を適宜採用して行なえばよい。また、B
CDFの産生も一般的な方法で行なえばよいが、好まし
くはタンパク質を含まない培地を用いて行なうべきであ
る。
以下に、VT−1を用いてBCDFを製造する方法の1
例を示す。
VT−1を増殖させるのに好適な条件、たとえばウシ胎
児血清(FCS)を含む培地にてVT−1を培養し、V
T−1の細胞数を増やした後、細胞を分離洗浄してBC
DF産生に最適な条件、たとえばFCSなどのタンパク
質を含まぬ完全合成培地に細胞を移し、さらに培養する
ことにより夾雑タンパク質の少ないBCDFを得ること
ができる。
VT−1を培養するのに用いる培地の主成分は市販の培
地でよい。例えばRPMI1640培地、改良イーグル
培地(MEM)、ダルベツコ改良イーグル培地(DME
M)またはクリック培地でよい。これらの培地に対する
添加物としてi)1ml当り約20〜250単位、理想的
には1ml当り約100単位のペニシリン、ii)1ml当り
1μg〜100μg、理想的には1ml当り10μgのゲ
ンタマイシン、iii)1ml当り20〜250μg、理想
的には100μgのストレプトマイシン、iv)1ml当り
約100〜1000μg、理想的には1ml当り約300
μgの新鮮L−グルタミン、v)10〜60mM、理想的
には25mMのヘペス緩衝液、vi)8〜20mM、理想的に
は16MmのNaHCO3、vii)5×10−4〜5×10−6
M、理想的には5×10−5Mの2−メルカプトエタノ
ールなどを必要に応じて用いることが出来る。
VT−1の細胞数を増やすのに最適な培地として、たと
えば上述の培地にさらに1〜30%、好ましくは20%
のFCSを添加した培地を用いる。BCDF産生のため
の最適な培地としては、FCSを添加しない上述の培地
でよい。FCSを添加しない完全合成培地中で48時間
培養後もVT−1の生存率は70%以上が保持されてい
る。
T細胞よりBCDFを生産する場合、従来は培地にFC
Sのようなタンパク質を添加したり、マイトゲンを添加
したりすることが必須であつた(ティ・テラニシら、ジ
ャーナル・オブ・イムノロジー(J.of Immunol.)128,190
3(1982),エイ・ムラグチら、ジャーナル・オブ・イム
ノロジー(J.of Immunol.)127,412(1981)参照)。これに
対してVT−1を使用してBCDFを生産する場合、培
地にFCSのような血清、血液中のタンパク質成分、そ
の他タンパク質成分を加える必要がなく、また通常用い
られているT細胞またはB細胞に対するマイトゲンも加
える必要がないことは特筆に値する。そのため高価はF
CSを用いないで安価にBCDFを生産することが出来
るばかりでなく、人体に有害な異種タンパク質やマイト
ゲンを含まない安全なBCDFを容易に得ることが出来
る。
VT−1を用いてBCDFを生産する上記方法は種々の
環境的条件で行なわれる。しかし、好ましくはVT−1
培養物は約35〜38℃の温度範囲において約5〜10
%の炭酸ガスを含む湿度調節空気中に保持すべきであ
る。また、理想的には培地のpHは約7.0〜7.4と僅
かにアルカリ性の条件下に保持すべきである。VT−1
は平底ミクロプレートなど種々のタイプの培養器上10
0μ単位などの種々の容量で接種される。ファルコン
・ラブウェア・ディヴィジョン、ベクトン・ディッキン
ソン・エンド・コーポレーション(Falcon Labware,Div.
Becton,Dickinson and Co.)から市販されているフラス
コNo.3013または3025のような組織培養フラス
コも使用できる。別法として上記ファルコン・ラブウェ
アから市販されているボトルNo.3027のような回転
びんも培養容器として使用できる。
VT−1を培養して細胞数を増やすための最適条件とし
て、細胞の当初密度は培地1mlあたり1×10細胞な
いし5×10細胞、好ましくは2×10細胞であ
る。上述の条件でVT−1を培養すると、通常2〜7日
で培地1ml当り5×10細胞から2×10細胞程度
まで細胞密度が増加するので、再び新しい培地を加えて
培地1ml当り1×10〜5×10細胞にまで細胞密
度を下げ、再び培養を続ける。このようにして目的とす
る細胞数になるまでVT−1の培養を続けた後、細胞を
遠心分離等で分離し、細胞をタンパク質を含まぬ完全合
成培地で洗ってから新しい完全合成培地に接種する。こ
の時の細胞の当初密度は培地1mlあたり約1×10
胞ないし1×10細胞であることが好ましく、理想的
には培地1mlあたり1×10細胞である。
VT−1を培養することによって生産されるBCDF量
は経時的に変化する。例えば1ml当り1×10初発細
胞密度でVT−1をRPMI1640培地(1ml当りペ
ニシリン100単位、ストレプトマイシン100μg、
ゲンタマイシン10μgおよびNaHCO316μMを含む)
で培養すると、BCDF活性は48時間後にピークレベ
ルに達する。さらに、次の24時間に存在するBCDF
活性は僅かに減少する。このようにRPMI1640培
地中のVT−1でBCDFを生産する至適培養時間は約
24〜78時間である。
BCDFの精製 BCDFは塩析、真空透析、限外濾過、ゲル濾過クロマ
トグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィ
ニティークロマトグラフィー、クロマトフォーカシン
グ、逆相クロマトグラフィー、焦点電気泳動およびゲル
電気泳動等の種々の方法によって上述の培養物上清から
濃縮して精製できる(実施例1参照)。
BCDFの物理化学的性質 上述の方法でVT−1より生産されるBCDFは以下の
性質を有する。
(1)分子量 前もってPBSで平衡化したAcA34カラム(L.K.
B.,スウェーデン)にBCDFを含む、濃縮されたVT
−1培養上清を流し、PBSで溶出すると、分子量3.
5±0.5×10ダルトンに対応する位置にBCDF
が溶出する。上述の方法で精製したBCDFを上述の方
法でHPLC用TSK−2000SWG(東洋曹達工業
(株))を用いてゲル濾過すると、分子量3.5±0.
5×10ダルトンに対応する位置にBCDFが溶出す
る。又SDS−PAGE(SDS・ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動)にて泳動すると2.2±0.2×10
ダルトンに対応する位置にBCDFが溶出される。
(2)等電点 前述の方法でVT−1より得たBCDFを含む培養液を
限外濾過により濃縮し、AcA34カラムにより分離精
製したBCDFをpH7〜4の範囲でファルマシアMon
oPカラムを用いてクロマトフォーカシンングを行なう
と、pH4.9〜5,1の位置にBCDFが溶出する。こ
れよりBCDFの等電点はpH4.9〜5.1と推定され
る。
(3)N−末端部分のアミノ酸配列 Pro Val Pro Pro Gly Glu Asp Ser Lys Asp Val Ala Al
a BCDF活性測定法 人BCDFに反応してIgGを産生する人B細胞株CE
SS(ケイ・ヨシザキら、ジャーナル・オブ・イムノロ
ジー(J.of Immunol.),132,2948(1984))を用いてBCD
F活性を測定した。BCDF活性を測定する検液と6×
10個のCESSを200μの10%FCSを含む
RPMI1640培地(1ml当りプニシリン100単
位、ストレプトマイシン100μg、ゲンタマイシン1
0μgおよびNaHCO316mMを含む)に入れる。この混合
物を96穴マイクロプレート中で3日間、5% CO2
在下、37℃で培養し、培養上清のIgG量を酸素免疫
測定法により、測定する。この条件において最大のIg
G生産量(最高のCESSの反応)の50%を示すBC
DFの活性を1U/mlとした。
作用 一方、本発明におけるHTLVをT細胞に感染させるこ
とにより得た形質転換された人T細胞株は、前述のBC
DF産生方法に比べ、大量のBCDFを培地中に産生す
る点、この細胞株は継代培養が出来、継代中にBCDF
産生能力が低下することがない点、又、この細胞株は、
蛋白質をまったく含まない完全合成培地中で、マイトー
ゲンのような刺激剤をまったく加えることなくBCDF
と産生し、混入蛋白質の少ないBCDFを得、比較的容
易な精製方法で、純化したBCDFを得られる点などの
特徴をもち、本発明によりはじめて人BCDFの工業的
生産が可能となった。
実施例1 VT−1によるBCDFの製造 2容プラスチックローラー培養器(ファルコン#30
27)(以下ローラーと称する)中の1の20%FC
S含有RPMI1640培地(2mMグルタミン、5×1
−5M 2ME、100単位/mlペニシリン、100μ
g/mlストレプトマイシン、20μg/mlゲンタマイシ
ン、16mM NaHCO2を含有)に2×10/ml細胞数に
VT−1を接種し、8rpmで回転させつつ3日間、37
℃で培養した。培養後、培養物を遠心分離して細胞を集
めRPMI1640培地で2回細胞を洗った後、細胞を
2容ローラー中1のRPMI1640培地に1×1
/ml細胞濃度に懸濁した。ローラーを8rpmで回転
させつつ2日間、37℃で培養する。培養後培養物を遠
心分離して、培養上清を得た。
上述のように、VT−1を培養して得たBCDFを含む
培養上清よりBCDFを以下の方法で精製した。無細菌
上清10を限外濾過膜(アミコンYM−10、アミコ
ン・コーポレーション、マサチューセッツ、米国)を装
着した限外濾過装置(アミコン大量処理用セル2000
型、アミコン・コーポレーション、マサチューセッウ、
米国)を用いて窒素ガスにより4kg/cm2の圧力をかけ濾
過した。濾過膜上部に残った100mlの濃縮液をさらに
限外濾過膜(アミコン・YM−10)を装着した限外濾
過装置(アミコン、スタンダードセル52型)を用い窒
素ガスにより4kg/cm2の圧力をかけて濾過した。濾過膜
上部に残った5mlの濃縮液を採取した。
上述の濃縮した上清をAcA34ゲル濾過カラム(L.K.
B.,スウェーデン、2.6×90cm)で処理した。な
お、ゲル濾過カラムはあらかじめPBS(ホスフェート
・バッファー・セイライン、0.15M食塩を含む0.
01Mホスフェート・バッファー、pH7.0)で平衡化
した。濃縮上清をPBSで溶出し、溶出液を5mlずつ分
取し、分取液のBCDF活性を測定した。BCDF活性
を有する分画は分子量(3.5±0.5×10ダルト
ンに相当するフラクションにBCDFが含まれているこ
とがわかった。ゲル濾過カラムは次の分子量マーカーで
検定した。ブルーデキストラン2000(ファルマシア
・ファインケミカルス、スウェーデン)2×10、フ
ェリチン4.5×10、アルドラーゼ1.58×10
、オブアルブミン4.5×10、キモトリプシノー
ゲン2.5×10、チトクロームC1.17×10
また、BCDFを含むフラクションを集め、限外濾過膜
(アミコンYM−19)を装置した限外濾過装置を用い
て25mMピペラジン−塩酸緩衝液(pH6.3)に置換し
た。
クロマトフォーカシング AcA−34カラムクロマトグラフィーで分画されたB
CDF画分をあらかじめ25mMピペラジン−塩酸緩液
(pH6.3)で平衡化したMonoPカラム(ファルマ
シア・ファインケミカルス、スウェーデン)に通した。
このカラムを25mMピペラジン−塩酸緩液で洗った後、
塩酸でpH4.5に調製した40mlの1/10希釈ポリバッフ
ァー74(ファルマシア・ファインケミカルス、スウェ
ーデン)で溶出した。カラム操作はファースト・プロテ
イン・リキッド・クロマトグラフィー、FPLC(ファ
ルマシア・ファインケミカルス、スウェーデン)を用
い、流速は毎分0.5mlで行なった。溶出液を1mlずつ
分取し、BCDF活性とpHを測定した。BCDF活性は
pH4.9〜5.1の位置に溶出された。
MonoPカラムより得たBCDF活性画分を0.1%
TFA(トリフルオロ酢酸水溶液)で緩衝化した逆相ク
ロマトグラフィー用カラムProRPCHR5/10(ファ
ルマシア・ファインケミカルズ)にかけ、溶出液、0.
1%TFA中のアセテトニトリル濃度を0から60%ま
で直線的に増加させBCDFを溶出した。アセトニトリ
ル50〜55%で溶出される。O.D.280のピークは
他のO.D.280のピークとは完全に分離しており、こ
のピークに対応してBCDF活性が検出された。このピ
ークを凍結乾燥して精製BCDFを得た。
VT−1のFCS無添加培養上清1.8から精製した
BCFは、第1表に示すごとく活性の回収率18%で蛋
白量当りの活性は約1,000倍に上がった。
実施例2 人末梢血よりB細胞を調製し、これよりブラスト化B細
胞を分離した(ケイ・ヨシザキら、ジャーナル・オブ・
イムノロジー(J.of Immunol.)132,2948(1984)参照)。
すなわち、人B細胞をパーコールのグラージェント(5
0%〜70%)中で遠心分離(4℃、400G、15
分)し、ブラスト化した低比重B細胞(パーコールPB
S溶液50%〜55%)又、高比重休止期B細胞(パー
コールPBS溶液60%〜70%)を各々集めた。
B細胞を1mlあたり2×10細胞に96穴プラスチッ
クマイクロプレート中の200μのRPMI1640
倍に懸濁した。培地には1単位/mlのBCDFを含むV
T−1培養上清、10−%FCS、1mlあたり100単
位のペニシリン、1mlあたり100μgのストレプトマ
イシン、1mlあたり10μgのゲンタマイシン、16mM
のNaHCO3を含有させた。
培養物を空気中5%炭酸ガス含有の湿度調節環境下37
℃に保ち、2日後培養上清を集めた。この培養上清中の
IgG濃度をBCDF活性検定の項に記述した通り検定
した。第2表に示すように、BCDFの添加によって低
比重B細胞にのみIgG産生が誘導された。
実施例3 前述の活性測定方法に従い、CESSの抗体産生に対す
る精製BCDFの作用を調べた結果を下表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 8214−4B (C12P 21/02 C12R 1:91) 特許法第30条第1項適用申請有り 日本癌学会第43回総 会記事(昭和59年8月25日)日本癌学会発行第24,104 ページに発表 特許法第30条第1項適用申請有り 昭和59年10月4,5 日福岡市において開催された第43回日本癌学会総会にお いて発表

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】人T細胞白血病ウイルスにより形質転換さ
    れた人T細胞を培養し、生成したB細胞分化因子を採取
    し、精製することを特徴とする下記の性質を有するB細
    胞分化因子の製造法。 (1)分子量 3.5±0.5×104ダルトン(ゲル濾過法) 2.2±0.2×104ダルトン(SDS・ポリアクリルアミド
    ゲル電気泳動法) (2)N−末端部分のアミノ酸配列 Pro Val Pro Pro Gly Glu Asp Ser Lys Asp Val Ala Al
    a
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