JPH0654813A - 複数箇所の体表面から採取した脈波を用いる診断方法並びに装置 - Google Patents

複数箇所の体表面から採取した脈波を用いる診断方法並びに装置

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JPH0654813A
JPH0654813A JP21531992A JP21531992A JPH0654813A JP H0654813 A JPH0654813 A JP H0654813A JP 21531992 A JP21531992 A JP 21531992A JP 21531992 A JP21531992 A JP 21531992A JP H0654813 A JPH0654813 A JP H0654813A
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JP21531992A
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English (en)
Inventor
Yasunori Nofuji
泰昇 野藤
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Computer Konbiniensu Kk
Original Assignee
Computer Konbiniensu Kk
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 体表面の複数箇所から採取した脈波データか
らカオスアトラクターと1次、2次のリアプノフ数をそ
れぞれ導出し、これらを採取箇所ごとに比較することに
より、心身状態の診断の資料とする。 【構成】 上記を実行するために、診断装置を、被験者
の体表面に同時に装着可能の複数個の脈波センサと、各
センサで採取した上記データからカオスアトラクターと
1次、2次のリアプノフ数をそれぞれ導出する演算手段
と、上記データ及び数値を記憶する記憶手段と、上記ア
トラクター、各数値及び左右比較演算の結果を表示する
表示手段とで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数箇所の体表面から
採取した脈波を用いる診断方法並びに装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、エレクトロニクス技術の進展によ
り、脳波図や心電図等の電気的な計測結果に基づいて心
身の異常等を診断することが行われているが、これは、
医師が脳波図や心電図等を観察して診断を下すことが行
われているだけであり、そのため、個別の医師によって
診断が異なったり、診断内容が曖昧になったりするとい
う問題がある。
【0003】そこで、これらの問題を解決するために、
本願出願人らにより「体表面から採取した脈波及び/又
は心拍を用いる診断方法並びに装置」が発明され、特願
平2−340635号として出願されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記発明を
実施・再検討しているうちに、体表面の対称箇所で採取
した脈波データを比較することによって、上記データに
新たな秩序が含まれていることを発見し、これの解析に
着手したが、前記したように上記発明は体表面の一箇所
から脈波を採取しており、対称箇所からデータを採取す
るには少なくとも2回の測定を要するので各回の測定に
時間差が生じ、そのため、対称箇所のデータではあるが
互いに異なった条件下でのデータになってしまい、特
に、脈波は僅かな刺激でも変動するので、データ解析が
困難になるという問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、被験者の体
表面の複数箇所から同時に脈波データを採取し、上記デ
ータを採取箇所ごとにそれぞれ数空間に埋めこんで得た
写像と、各採取箇所ごとの上記データがカオスの定義条
件に適合する程度を示す数値とを算出し、各採取箇所間
の上記写像と数値とを比較することにより被験者の心身
の状態を把握することを特徴とする複数箇所の体表面か
ら採取した脈波データを用いる診断方法と、被験者の体
表面に同時に装着可能の複数個の脈波センサと、上記各
センサで採取したデータをそれぞれ数空間に埋めこんで
写像を算出すると共に、各採取箇所ごとの上記データが
カオスの定義条件に適合する程度を示す数値を算出する
演算手段と、各採取箇所の上記写像と数値とを比較演算
する演算手段と、脈波データ及び上記数値を記憶する記
憶手段と、上記各写像、各数値及び比較演算の結果とを
表示する表示手段とを具備することを特徴とする体表面
の複数箇所から同時に採取した脈波データを用いる診断
装置とを提供せんとするものである。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0007】図1は、診断装置Aを示しており、同診断
装置Aは、左右の脈波センサ 1L,1R、信号増幅器 3L,3
R、アナログ/ディジタル信号変換器 4L,4Rを上記の順
にそれぞれ並列状態に接続し、これらに演算手段及び記
憶手段としての小型コンピュータ5、表示手段としての
CRTディスプレイ6及びプリンタ7と、これらに電力
を供給する電源8とを接続している。
【0008】脈波センサ 1L,1Rは、被験者の指尖部に装
着して、同指尖部から脈波を採取するためのもので、図
2で示すように、柔軟かつ遮光性を有する素材を有底筒
状に形成して、被験者の指尖部11を挿入できるようにし
たカバー部12と、同カバー部12の内面に設けたフォトセ
ンサ14とで構成されている。
【0009】フォトセンサ14は、カバー部12の内面に、
被験者の指尖部11の指腹部13に、それぞれ当接可能とし
た赤外線発光ダイオード15とフォトトランジスタ16とで
構成されており、赤外線発光ダイオード15とフォトトラ
ンジスタ16との光軸15a,16aを指尖部11の内部で、20
°〜30°の角度で交差させており、赤外線発光ダイオ
ード15から投射した波長 940nmの赤外線を上記指尖部11
の内部で反射させ、この反射光をフォトトランジスタ16
に入射させることにより、被験者の指尖部11における脈
波を計測し、これを電圧として出力することができる。
【0010】なお、赤外線発光ダイオード15とフォトト
ランジスタ16との先端部には、それぞれ、凸レンズが装
着されている。
【0011】図3はフォトセンサ14の回路図である。
【0012】脈波センサ 1L,1Rは上記のように構成され
ており、被験者の指尖部11に装着するカバー部12を、柔
軟かつ遮光性を有する素材で有底筒状に形成したこと
で、指尖部11への着脱が容易であり、脈波の計測に外光
の影響がなく、フォトセンサ14の装着位置を安定させ、
正確に脈波の計測を行うことができる。
【0013】なお、脈波センサ 1L,1Rには、体表面に伝
達された拍動を敏感な圧力センサで検出するものなど、
要は体表面から脈波を検出できるものであればよい。
【0014】信号増幅器 3L,3Rは、上記脈波センサ 1L,
1Rの出力電圧をそれぞれ正確に一定の増幅率で増幅し
て、次のアナログ/ディジタル信号変換器 4L,4Rに出力
するものである。
【0015】アナログ/ディジタル信号変換器 4L,4R
は、信号増幅器 3L,3Rの出力電圧を12ビットのデジタ
ル信号に変換し、脈波のデータとして、次の小型コンピ
ュータ5に出力するものであり、同アナログ/ディジタ
ル信号変換器 4L,4Rに小型コンピュータ5からの出力要
求信号が入力するたびに、上記デジタル信号を出力する
ようにしている。
【0016】小型コンピュータ5は、次に説明する各種
演算機能と、演算の結果等をCRTディスプレイ6及び
プリンタ7に出力する機能と、アナログ/ディジタル信
号変換器 4L,4Rから入力した脈波データと、上記演算の
結果等を記憶する機能とを有している。
【0017】まず、小型コンピュータ5の全体的な処理
手順を図4を参照して説明する。
【0018】小型コンピュータ5をスタート(100) させ
ると、まず初期設定(101) が行われ、後述する4次元数
空間の視線方向を設定(102) し、脈波のデータ処理の各
種演算に頻繁に用いられる定数を予め算出して記憶させ
(103) 、CRTディスプレイ6をオープン(104) して、
メニューを表示させる(105) 。
【0019】メニューには、図5で示すように、アナロ
グ/ディジタル信号変換器 4L,4Rからのパワーオンレス
ポンスを受信して診断装置Aを使用可能な状態にするパ
ワーオンシーケンス(107) 、アトラクター表示ウインド
ゥのクリア(108) 、アトラクター表示サイズを大きくす
るズームイン(109) 、アトラクター表示サイズを小さく
するズームアウト(110) 、脈波データをウインドゥ内に
収まるようにして表示させるパルスウエーブ(111) 、デ
ータの保存(112) 、保存したデータの読み込みと、その
データのアトラクターの表示(116) 、4次元数空間の視
線方向変更によるアトラクターの回転(113) (なお、現
在までの試行で発見した脈波データの構造が把握しやす
い角度を3パターン登録し、これらを容易に指定できる
ようにしている)、200Hzのサンプリング周期で指
定された点数の脈波データを収集して、アトラクターと
してウインドゥ上に描く次データ(114) 、診断装置Aの
作動を終了させるEND(115) 等がある。
【0020】次に、アトラクター表示のための演算につ
いて説明する。この演算は左右脈波センサ 1L,1Rからの
データについて各自独立して行われ、その一方について
説明する。
【0021】図6は、上記演算の概要を示しており、脈
波データを200Hzのサンプリング周期で採取し(12
0) 、この脈波データを4次元数空間に埋めこんでアト
ラクターを作成する(121) 。
【0022】4次元数空間のアトラクターを3次元数空
間に投影する(122) 。
【0023】3次元数空間に投影されたアトラクターを
2次元数空間に写影し、画面に出力する(123) 。
【0024】という順序で行われる。
【0025】なお、上記演算中に、メニューを呼出し
て、アトラクターを回転させて任意の方向から見ること
ができるようにすることと、アトラクターの拡大、縮小
及びデータの保存と、保存したデータの読み込みと、そ
のデータのアトラクターの表示とが可能である。
【0026】また、演算速度を高めるために、アナログ
/ディジタル信号変換器 4L,4Rからの脈波データを整数
型とし、上記演算に頻繁に用いられる定数を予め算出し
て記憶させている。
【0027】なお、上記演算において、脈波データを4
次元数空間に埋めこむというのは、小型コンピュータ5
に次々と入力する脈波データのある時点での脈波の数値
を第1の軸の数値Xとし、この時点から(例えば埋め込
み間隔τ=10とすれば)10個目の数値を第2の軸の
数値Y、20個目の数値を第3の軸の数値Z、30個目
の数値を第4の軸の数値Wとして、これらの数値で4次
元のベクトルを形成させ、このようにして次のベクトル
を1個目、11個目、21個目、31個目の数値でX,
Y,Z,Wを形成し、こうして作成した多数のベクトル
で脈波データのアトラクターを4次元数空間内に形成す
る。
【0028】そして、4次元数空間の視方向の単位ベク
トル n1 =(n1,n2,n3,n4)を第4の軸に一致させる
ために、次の行列計算を行って、各ベクトル(X,Y,
Z,W),(n1 ,n2,n3,n4)を(X',Y',Z',W'),
(n1',n2',n3',n4')に変換する。
【0029】
【数1】
【0030】ところで、4次元数空間に形成されたアト
ラクターは,CRTディスプレイ6では図形として表示
することができないので、次の行列計算を行い3次元数
空間への投影点の座標X",Y",Z" を算出する。
【0031】 そして、次式の計算により、上記3次元座標を2次元数
空間に写影した座標X"',Y"'を算出する。
【0032】X"'=Y"cosβ−X"cosα Y"'=Z" −X"'tan β ただし、α,βは3次元空間のX,Y軸が2次元空間の
X,Y軸となす角度である。
【0033】このようにして得た2次元の座標X"',
Y"'を表示手段としてのCRTディスプレイ6、又はプ
リンタ7にアトラクターとして出力させる。
【0034】なお、上記アトラクターは前記したよう
に、左右脈波センサ 1L,1Rからのデータを個別に演算処
理して得られたものであり、CRTディスプレイ6の画
面に設定した左右ウインドゥに同時に表示され診断の資
料に供される。
【0035】次に、脈波データがカオスに適合する程度
を示す数値であるリアプノフ数を算出する演算について
説明する。この演算も左右個別に行われる。
【0036】なお、現実に被験者の体表面から採取した
データと、既に発表されたリアプノフ数計算法のモデル
として用いられるデータとは、次のように異なるため、
上記の計算法を実施することができない。
【0037】すなわち、既に発表されたリアプノフ数計
算法のモデルとして用いられるデータは、公式(数学モ
デル)によってカオスのデータを生成させており、連続
的な無限のデータをとることができるので、次にのべる
各条件を満たしているのに対し、現実に被験者の体表面
から採取したデータでは、必ずしも数空間の望む位置に
データをとれるとは限らないし、データ数も有限であ
る。
【0038】 現実に被験者の体表面から採取したデ
ータでは、例えば、前述した脈波から生成した4次元ベ
クトル軌道のある点AにおけるベクトルA´(単位ベク
トル)が、軌道の直交位置に必ずしもあるとは限らな
い。
【0039】また、点Bにおける次のベクトルB”(単
位ベクトル)が点Bにおける軌道の直交位置に見つかる
とは限らない。
【0040】また、ベクトルB´とB”のなす角が必ず
しも小さいとは限らない。
【0041】 そこで、各点における最も近似したベ
クトルを探すのであるが、例えば、前記ベクトルB”を
探すとき、単にB´に近いという条件だけで検索する
と、点Bの次の点におけるベクトルをとる可能性があ
る。
【0042】 データ数が有限であるので、点Aがデ
ータの終端付近にあると、次の点(点Aにτを加えた
点)のデータがとれない。
【0043】 アナログデータがアナログ/ディジタ
ル変換によってディジタル化されるが、これも有限の数
であるので、別々のデータが同じ値になっている可能性
がある。
【0044】そこで本発明では、リアプノフ数計算に用
いるデータの採用条件を次のように定めている。
【0045】すなわち、4次元空間において、上記軌道
上に頂点を置き、かつベクトルB´を中心線とした頂角
が小さい円錐を設定して、この円錐内にあるベクトルを
採用するようにした。
【0046】上記によって、前記ベクトルB”が非常に
小さくて、軌道方向と略同一方向でないかぎり、隣の点
のベクトルを取る可能性を回避できる。
【0047】また、各ベクトルの軌道に対する角度θ
は、各データのベクトルを(X,Y,Z,W)、軌道方
向のベクトルを(X',Y',Z',W')とすると、
【0048】 で算出することができ、これによってベクトルと軌道の
直交性をチェックすることができる。
【0049】また、各ベクトルの絶対値の上限と下限と
を設定して、この範囲内にあるベクトルを採用するよう
にすることによって、前記ベクトルB”が非常に小さく
て、軌道方向と略同一方向であっても、隣の点のベクト
ルを取る可能性を回避することができる。
【0050】なお、上記範囲は前記カオスアトラクター
を観察して、最も収束がよい値を設定することができ
る。
【0051】このようにしてとった各ベクトルの伸び率
を2を底とした対数に変換し、これの算術平均値を1次
のリアプノフ数λ1 とする。
【0052】上記の計算を実行するために、小型コンピ
ュータ5内に、第7a 図と第7b 図で示すプログラム(5
0)を格納している。
【0053】すなわち、リアプノフ数λ1 の演算をスタ
ートさせると(51)、まず、前記のベクトル軌道の始端近
傍に、データの採用条件を判断するための基準となる点
Aを設定する(52)。なおこの点Aは計算の進行に伴って
先送りされる。
【0054】次に、次の点B(τだけ後の点)をとる余
裕があるか否かを判断し(53)、余裕がある場合は(53)Y
この点Bを次の点として採用し(54)、この点Bで仮のデ
ータを探し(55)、見つかれば(55)Y 、次の点から仮のデ
ータを探し(56)、見付からなければ先頭のデータから検
索する(57)。
【0055】次に、このようにして見つけたデータが前
述のデータの採用条件に適合していれば(58)Y 、このデ
ータを採用し(59)、なければ(58)N 、データ採用条件中
のベクトルの大きさの範囲を更新し(60)、この範囲の上
限を逸脱していなければ(61)N 、ステップ(55)に戻り、
逸脱していると(61)Y 、基準点Aを次の点Bに移して(6
2)、ステップ(53)に戻る。
【0056】このようにして採用したデータは、前述し
たベクトルA´がベクトルB´に発展する余裕があるか
否かを判断され(63)、余裕があれば(63)Y 、ベクトルB
´の軌道との直交性をチェックする(64)。
【0057】なお、ステップ(63)で余裕がない場合(63)
N 及びステップ(64)で直交していない場合(64)N は、ス
テップ(55)に戻る。
【0058】そして、後述のリトライ中であるか否かを
判断して(65)、リトライ中であれば(65)Y 、前回のベク
トルとのなす角を算出して(66)、この角が大きい場合(6
6)Lは、ステップ(55)に戻り、小さい場合(66)S 及び前
記ステップ(65)でリトライ中でない場合(65)N は、ベク
トルB´をベクトルA´から発展したベクトルとして確
定する(67)。
【0059】そして、リトライのために点Aとベクトル
A´とを記憶させておく(68)。
【0060】なお、演算の終末に際し、ステップ(53)で
次の点をとる余裕がなくなれば(53)N 、演算を終了させ
る(E) 。
【0061】次に、点Bにおける仮のベクトルB”をさ
がし(70)、このベクトルB”がデータ採用条件に適合し
ていなければ(71)N 、上記条件のベクトルの大きさの範
囲を更新し(72)、それでも上限を逸脱していると(74)Y
、リトライフラグをセットして (74)、ステップ(55)
に戻る。
【0062】また、ステップ(73)で上限を逸脱していな
ければ(74)N 、ステップ(70)に戻る。
【0063】そして、ステップ(71)でデータ採用条件に
適合したベクトルB”があると(71)Y 、このベクトル
B”が軌道と直交しているか否かを判断し(75)、直交し
ていなければ(75)N 、ステップ(70)に戻り、直交してい
ると(75)Y 、点Bにおける各ベクトルB´,B”のなす
角度を算出し(76)、この角度が充分に小さいか否か、す
なわち、前述の円錐内にB”が入っているか否かを判断
し(77)、角度が小さくない場合(77)N は、ステップ(70)
に戻り、小さい場合(77)Y は、点Aから点Bに移動した
ことによるベクトルA´からベクトルB´への伸び率
を、2を底とした対数に変換し(78)、この数値を算術平
均して1次のリアプノフ数λ1 とする(79)。そして、現
在計算している点Bがデータの終端であるか否かを判断
し(80)、終端でなければ(80)N 、上記の点Bを次回計算
の基準点(前記の点Aに相当)に代入し(81)、ベクトル
B”を単位ベクトルに変換して次回計算の基準ベクトル
(前記のベクトルB´に相当)に代入し(82)、リトライ
のために点BとベクトルB´とを記憶させ(83)、点Bの
次の点を算出し(84)、算出された次の点の基準ベクトル
から発展したベクトルを算出し(85)、次回計算において
用いるベクトルの直交チェック用の座標を更新して(8
6)、ステップ(70)に戻り、上記計算を繰返す。
【0064】なお、ステップ(80)で点Bがデータの終端
であると判断されると(80)Y 、演算を終了させる(E) 。
【0065】つまり、ステップ(52)〜(68)では、主とし
て、次の点におけるベクトルB´を参照してデータ採用
条件に適合する基準点を検索し、ステップ(70)〜(77)で
は同条件に適合する発展したベクトルを検索するように
しており、上記のように、採用するデータの採用条件を
設定し、この条件に適合したデータを検索することによ
って、不適格なデータが計算に算入されることを防止
し、しかも、適格なデータが見つからない場合は、その
点におけるデータ検索を放棄するのではなく、採用条件
のベクトルの大きさの設定範囲を広げて検索して、次善
のデータを採用するようにしたことで、生体からの採取
データから高い精度で1次のリアプノフ数λ1 を算出す
ることができる。
【0066】次に、2次のリアプノフ数λ2 の計算につ
いて説明する。
【0067】2次のリアプノフ数λ2 の計算も、基本的
には前述した1次のリアプノフ数λ1 の計算と同じであ
り、点A1 においてデータ採用条件に適合したベクトル
A2とA3 をとって4次元数空間内に三角形A1-A2-A3
を形成し、次に、ベクトルA2 とA3 とが次の点B1
までに発展したベクトルB2 とB3 とで三角形B1-B2-
B3 を形成し、更に、点B1 で新たにとった適格なベク
トルB´とB”とで三角形B1-B'-B”を形成して、三
角形B1-B2-B3 と三角形B1-B'-B”のなす角度が充
分に小さいとき、三角形A1-A2-A3 から三角形B1-B
2-B3 への面積の伸び率を算出し、これを2を底とした
対数に変換し、この数値を算術平均することによって2
次のリアプノフ数λ2 を算出する。
【0068】なお、各三角形のなす角度は、ベクトルB
2 とB3 の合成ベクトルと、ベクトルB´とB”の合成
ベクトルとがなす角度をもって、上記三角形がなす角度
とした。
【0069】次に、本診断装置Aを用いた診断例につい
て図9〜図11を参照して説明する。
【0070】図9は、健康者のアトラクターを示してお
り、明らかに左右の形状が相似している。
【0071】図10は左側脳梗塞患者のカオスアトラク
ター、図11は右側脳出血患者のカオスアトラクター、
図12は左側脳梗塞患者のカオスアトラクター、図13
は脳梗塞の病歴を有する人のカオスアトラクターであ
り、いずれも左右のアトラクターの形状が著しく異なっ
ている。
【0072】上記のように、健康者では左右のアトラク
ターが相似しているのに対し、脳の一方に障害を有する
人のアトラクターが異なっており、この違いを読み取る
ことによって、脳の障害を診断することができる。
【0073】本実施例では上記のように、左右指尖部に
装着した脈波センサ 1L,1Rで採取した被験者の脈波デー
タから、左右の脈波のカオスアトラクターと、1次、2
次のリアプノフ数λ1,λ2 とを個別に算出してそれぞれ
CRTディスプレイの左右ウインドゥ上に表示すること
ことができ、かかるカオスアトラクターと、1次、2次
のリアプノフ数λ1,λ2 とを、それぞれ左右比較するこ
とにより、被験者の心身の状態を診断することが可能で
あり、特に、一見ランダムに見える上記データから、論
理的に秩序を抽出し、同秩序に基づいて、心身の状態を
示す図形及び数値を表現し、これを左右比較することに
よって、診断者の違いによる差異のない、極めて客観的
な診断を下すことができる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、体表面の複数箇所から
同時に採取した脈波データからカオスアトラクターとリ
アプノフ数とをそれぞれ導出し、これらを採取箇所ごと
に比較することによって、一箇所から採取したデータで
は検出できない症状や心身の状態を検知することができ
る。
【0075】特に、脈波センサを2個用いて、体表面の
対称箇所、例えば、左右手の同一指尖部から同時に脈波
データを採取することにより、採取の時間差による状態
の変動のない同一条件下における対称箇所の脈波データ
採取することができ、かかる脈波データを解析すること
によって被験者の状態を正確に把握することが可能にな
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る診断装置の構成を示す説明図。
【図2】脈波センサの構造を示す断面説明図。
【図3】フォトセンサの回路図。
【図4】脈波データの全体的な処理手順を示す説明図。
【図5】メニューの説明図。
【図6】アトラクター表示のための演算手順の説明図。
【図7】リアプノフ数を求める演算処理のフローチャー
ト。
【図8】リアプノフ数を求める演算処理のフローチャー
ト。
【図9】健康者のカオスアトラクター。
【図10】左側脳梗塞患者のカオスアトラクター。
【図11】右側脳出血患者のカオスアトラクター。
【図12】左側梗塞患者のカオスアトラクター。
【符号の説明】
A:診断装置 1:脈波センサ 5:小型コンピュータ(演算手段、記憶手段) 6:CRTディスプレイ(表示手段) 11:指尖部 14:フォトセンサ 15:赤外線発光ダイオード 16:フォトトランジスタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験者の体表面の複数箇所から同時に脈
    波データを採取し、上記データを採取箇所ごとにそれぞ
    れ数空間に埋めこんで得た写像と、各採取箇所ごとの上
    記データがカオスの定義条件に適合する程度を示す数値
    とを算出し、各採取箇所間の上記写像同志並びに数値同
    志を比較することにより被験者の心身の状態を把握する
    ことを特徴とする複数箇所の体表面から採取した脈波を
    用いる診断方法。
  2. 【請求項2】 被験者の体表面に同時に装着可能の複数
    個の脈波センサと、上記各センサで採取したデータをそ
    れぞれ数空間に埋めこんで写像を算出すると共に、各採
    取箇所ごとの上記データがカオスの定義条件に適合する
    程度を示す数値を算出する演算手段と、各採取箇所間の
    上記写像同志並びに数値同志を比較演算する演算手段
    と、脈波データ及び上記数値を記憶する記憶手段と、上
    記各写像、各数値及び比較演算の結果とを表示する表示
    手段とを具備することを特徴とする体表面から採取した
    脈波を用いる診断装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1014894A (ja) * 1996-07-03 1998-01-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 携帯用保護具
JP2011189080A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Toyama Univ 指尖脈波解析装置及びこれを用いた血管内皮機能評価システム

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