JPH065390Y2 - 燻炭製造機の炭化検知装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、農業副産物のもみがら、豆ガラ、わら或は木
材チップ、鋸屑等を燻炭化して土壌改良、連作障害対
策、病虫害対策その他脱臭剤、加工炭等に利用し得るよ
うに燻炭化する装置に関するものである。

（従来の技術） 従この種の技術としては文献等は見当らないが一般に周
知の手段としては、第２図に示すように燻炭製造用のタ
ンク１には上方に火入口２、排気口３等がまた下方には
ロストル４と多数の空気通孔５が形成され、開放端には
空気取入口６を有する通気筒７が設けられる。しかして
空気取入口６には空気遮断板８が開閉自在に炭化度の検
知用としての例えば割箸などの木片９を支持する保持体
１０を有して設けられるものである。

タンク１内に燻化材料の例えば籾殻ａを充填し、保持体
１０に木片９例えば割箸を装着してその先端が突当った
状態で通気筒７内に挿入し、空気遮断板８は上記割箸等
の木片９の突張りで開校状態に支持されスプリング１１
などにより適当な開口を有している。

そこで、火入口２より内部の籾殻ａに着火し、最初は排
気口３より排煙されて燃焼が行なわれ、適度の燃焼が行
なわれたとき排気口３を塞ぎ或は調節しタンク１内の籾
殻ａを燻炭化する。この燻炭化に応じて通常１０〜１２
cm位の長さの木片９もまた燻炭化し、遂には炭化して折
損する。すると木片による突張りがなくなるので空気取
入口６は空気遮断板８をスプリング１１により閉塞され
燻炭化を終るのであるが、木片が完全に炭化せず部分的
に炭化してその部分が折損する場合が往々にしてあり、
その時空気取入口６が閉塞しても内部の籾殻ａの完全燻
炭化が終っていない場合があった。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の従来手段では籾殻の種類、乾湿等或は又検知用の
木片の種類、乾湿乃至はその形状等に多様にわたり安全
性がなく更にまた燻炭化する材料と異なる木材片を用い
るので炭化の進行状態がそれぞれ異なり完全燻炭化の判
断が困難であり、往々にして早く遮断板が閉じて通気筒
近くの材料が未だ燻炭化されていない場合があった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決すべく、炭化検知のための試
料を燻炭化の原料と同一のものを用い且つ空気の遮断が
自動的に行ない均一した品質のよい燻炭を得るものであ
る。即ち、通気筒内に間隔を有して挿入されるピストン
を有し、これを前記空気遮断板と連動して設け、かつ上
記通気筒を囲み多数の透孔を有する外筒が、上記多数の
透孔の通気量を調節するスリーブを有して成る燻炭製造
機の炭化検知装置を提案するものである。

（作用） 空気取入口の遮断板を開きピストンを取り去って、通気
筒内に適当量の、燻炭原料と同一の試料を充填して適当
な圧力（例えば原料の充填圧とほぼ同一）にピストンを
もって加圧し、ピストンのロッドを介して遮断板の開閉
と連動し、遮断板を開放状態に維持せしめる。

次にタンク内に燻炭原料を適当に加圧充填し、火入口よ
り点火する。

燃焼空気は空気取入口より吸い込まれて通気筒内部に入
り、これに形成された空気通孔より外筒内に吸い込ま
れ、更に該筒に形成された透孔よりタンク内の原料に、
スリーブによりその空気量を調節されて供給され、また
一方前記通気筒内の空気は一部が試料内を通り外筒内に
吸い込まれる。

斯くして燻炭化が進むと試料の容量の減少と、タンク内
の低圧化により空気遮断板は吸い付けられて燻炭化が進
行し火が廻わるとついに閉じられて空気の供給はたたれ
てしまい完全な燻炭化がなされるものである。

（実施例） 次に図面に示した本考案の１実施例にもとづき詳細に説
明する。

第１図において、１はタンクであり、前記した従来技術
の如く下部に空気取入口６を有し周囲に多数の空気通孔
５を有する通気筒７が固定される。

この通気筒７には更にこれと間隔を有して囲む外筒１２
が設けられ、これにも多数の透孔１３が形成され且つこ
の透孔１３を開閉するためにスリーブ１４が嵌挿されて
いる。

前記通気筒７の空気取入口６には従来技術の如く空気遮
断板８が設けられていて、これとロッド１５を介して、
通気筒７内に間隔を保有してピストン１６が連動するよ
う設けられている。

しかして前記作用に述べた如く通気筒７内に燻炭材料の
原料ａと同一の物質より成る試料ａ′が充填され、ピス
トン１６により適当な加圧状態を保ちこのとき遮断板８
は開口状態に維持されるものである。タンク１内に原料
ａを充填し、これと同一の試料ａ′を通気筒７内に充填
してピストン１６をもって適当な加圧状態にしこのとき
ロッド１５を介して遮断板８は開口状態に維持される。

しかして原料ａに火を入れて空気取入口６よりの空気が
試料ａ′内や空気通孔５、透孔１３を経て通風を調節さ
れて原料ａ内を通り原料ａ並びに試料ａ′を燃焼し、試
料ａ′の燃焼にともなう容量の減少やタンク１内の圧力
低下に伴ない遮断板８は取入口６を自動的に閉鎖し原料
ａの燻炭化が行なわれるものである。

（考案の効果） 本考案は試料として原料と同一材料を用いるので原料の
燻炭化と全く同一状態で進行し、且つ試料の燻炭化に従
い自動的に空気の取入量が調節されるので途中で試料等
を点検する必要もなく均一した燻炭化が容易に行なわれ
るものでる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の１実施例をを示した要部断面図で
あり、第２図は従来技術の１例を示した全体の断面図で
ある。 ａ……原料、ａ′……試料、 １……タンク、５……空気通孔、 ６……空気取入口、７……通気筒、 ８……空気遮断板、１２……外筒、 １３……透孔、１４……スリーブ、 １５……ロッド、１６……ピストン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上方に火入口、排気口を、下方にロスト
   ル、空気取入口等を有し、この空気取入口に臨んで、炭
   化度検知用の木片を保持し、周囲に多数の空気通孔を形
   成した通気筒が挿入されかつ前記空気取入口に空気遮断
   板を設けた燻炭製造機において、前記通気筒内に間隔を
   有して挿入されるピストンを有し、これを前記空気遮断
   板と連動して設け、かつ上記通気筒を囲み多数の透孔を
   有する外筒が、上記多数の透孔の通気量を調節するスリ
   ーブを有して成る燻炭製造機の炭化検知装置。