JPH0652904A - 硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池 - Google Patents

硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池

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JPH0652904A
JPH0652904A JP5134445A JP13444593A JPH0652904A JP H0652904 A JPH0652904 A JP H0652904A JP 5134445 A JP5134445 A JP 5134445A JP 13444593 A JP13444593 A JP 13444593A JP H0652904 A JPH0652904 A JP H0652904A
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sulfuric acid
acid concentration
lead
concentration sensor
sensor
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隆一 山本
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茂 佐野
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    • G11B5/02Recording, reproducing, or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B5/027Analogue recording
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成を有し且つ安価である硫酸濃度セ
ンサーを備えた鉛蓄電池を提供することである。 【構成】 硫酸と反応する性質を有し且つ硫酸濃度の変
化に伴なって一価関数的に導電率が変化する性質を有す
る高分子化合物からなるセンサー本体11と、センサー
本体11に電流を流すためのリード線12とを備えた硫
酸濃度センサー10を備えている。硫酸濃度センサー1
0はセンサー本体11の導電率を求めることによって電
解液の濃度を求めるよう構成されている。硫酸濃度セン
サー10は、センサー本体11が電解液に接触した状態
で設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解液である硫酸の濃
度を検知する硫酸濃度センサーを備えた鉛蓄電池に関す
るものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】硫酸は工業的に広範囲にお
いて使用されており、その使用に際しては硫酸の濃度を
把握することが要求される場合が多い。従って、硫酸濃
度を測定することは工業的に非常に意義のあることであ
る。例えば、鉛蓄電池では、下記の化2のように充放電
に伴なって硫酸濃度が変化するので、硫酸濃度を測定す
ることによって鉛蓄電池の充放電電気量を測定すること
ができる。また、簡単に測定できれば、鉛蓄電池の充放
電電気量を制御することができる。鉛蓄電池の充放電に
おいては、硫酸濃度は通常8〜45%程度の範囲で変化
するので、この濃度範囲における測定が特に重要とされ
る。
【0003】
【化2】
【0004】鉛蓄電池は、その大半が自動車の始動用と
して用いられているが、充電状態が不十分である時に
は、残存容量が不足して始動させることができない。こ
のような状況を運転者は事前に知ることができなかった
ため、非常に不便であった。予め充電状態が判っていれ
ば、自動車停止前に補充電を行なう等の対策を講じるこ
とができる。従って、充放電量を知ることができるセン
サーを備えた鉛蓄電池は、強く要望されるところであっ
た。
【0005】また、現在のゼネレータは、充電電圧で充
電終期の充電電流の制御を行なっているが、充電電圧は
温度、電池の履歴等で変化する値であるため、電池にふ
さわしい制御を行なうことができない。これに対して、
電解液の濃度は充放電量を正確に現している。従って、
電解液の濃度によれば、充電終期を適確に把握すること
ができ、電池にふさわしい充電制御を行なうことができ
る。このことから、電解液の濃度に基づいて充放電量を
知ることができるセンサーを備えた鉛蓄電池は、強く要
望されるところであった。
【0006】しかしながら、従来、電解液の濃度を測定
する方法としては次の(1) 〜(4) に示す方法が知られて
いるが、いずれも実施するには高価であるため、自動車
用鉛蓄電池のセンサーに実用化することはできなかっ
た。 (1) 屈折率測定方法 硫酸の屈折率がその濃度に応じて変化する性質を利用し
て測定する方法である。発光ダイオード、受光ダイオー
ド、及び光路から構成されるため、小型で安価なセンサ
ーにはなり得ず、据置用鉛蓄電池では実用化されている
が、自動車用鉛蓄電池では実用化されていない。 (2) 比重測定方法 硫酸の比重を浮き子を用いて測定する方法である。安価
で手軽な方法ではあるが、電気信号として制御系に取り
込むためには、コスト的及び構造的な困難が多くある。
また、硫酸が充分に豊富な系でなければ、測定不可能で
あった。 (3) 電気化学的方法 金属/硫酸/金属酸化物の構成からなるセンサー用電極
系を別に設け、その起電力の硫酸濃度依存性で測定する
方法である。この電極系に適当なものがなく、実現して
いるものでは両電極の定期的な再生が必要であるという
欠点がある。 (4) 電気伝導度方法 硫酸の電気伝導度を測定する方法である。簡便な方法と
思えるが、硫酸は約30%濃度で電気伝導度が最大とな
るため、単純に電気伝導度から硫酸濃度を一義的に求め
ることはできず、そのため複雑なデータ処理を必要と
し、高価である。
【0007】一方、ガラスマット等に電解液を含浸させ
たリテーナ式鉛蓄電池の普及率が近年高くなっている。
この蓄電池では、電解液に流動性がなく、電解液量も制
限されているため、浮遊液が全くない。このため、上記
の方法であっても全く用いることができない。
【0008】
【発明の目的】本発明は、簡単な構成を有し且つ安価で
ある硫酸濃度センサーを備えた鉛蓄電池を提供すること
を目的とする。
【0009】
【目的を達成するための手段】本発明の硫酸濃度センサ
ー付き鉛蓄電池は、電解液である硫酸の濃度を検知する
硫酸濃度センサーを備えた鉛蓄電池であって、硫酸濃度
センサーは、硫酸と反応する性質を有し且つ硫酸濃度の
変化に伴なって一価関数的に導電率が変化する性質を有
する高分子化合物からなるセンサー本体と、センサー本
体に電流を流すためのリード線とを備え、センサー本体
の導電率を求めることによって硫酸の濃度を求めるよう
構成されており、硫酸濃度センサーは、センサー本体が
電解液に接触した状態で設けられていることを特徴とす
るものである。
【0010】センサー本体は、鉛蓄電池内においてあま
りスペースを占めないものが好ましく、例えば、薄膜状
に形成されたもの、紐状絶縁物の表面を被覆した状態に
形成されたもの、などが好ましく用いられる。
【0011】鉛蓄電池の電解液は、ゲルの状態にあるも
のでもよい。また、鉛蓄電池は、リテーナ式のものであ
ってもよく、この場合には、センサー本体は、リテーナ
に挾まれた状態で設けられる。特に、上記のような、薄
膜状に形成されたセンサー本体や、紐状絶縁物の表面を
被覆した状態に形成されたセンサー本体は、リテーナの
弾力性に吸収されてしまい、外観上挾まれていないのと
何等変わらない状態を示すので、リテーナ式鉛蓄電池に
おいては、より好ましく用いられる。
【0012】高分子化合物としては、硫酸と反応する性
質を有し且つ硫酸濃度の変化に伴なって一価関数的に導
電率が変化する性質を有するものであれば、特に制限は
ない。しかし、電解液である硫酸溶液がある程度の導電
率を有することから、高分子化合物は相当大きな導電率
を示すものであることが必要である。
【0013】高分子化合物として、具体的には、式
(I)で示される化合物、又は式(I)で示される化合
物を酸化して得られる化合物、又は式(I)で示される
化合物を4級化して得られる化合物であって、式(I)
におけるZが芳香族炭化水素環又は芳香族複素環であ
り、Rが水素、ハロゲン、又はその他の一価の基であ
り、nが2以上の整数であるものが挙げられる。これら
の化合物は、分子中に酸と反応する窒素原子を有すると
いう特徴を有している。
【0014】
【化3】
【0015】式(I)のZにおける芳香族複素環として
は、例えば、ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫
黄、ゲルマニウム、セレンの内の少なくとも1種を少な
くとも1個含んでいるものが挙げられる。式(I)にお
けるZとしては、具体的には、次の基が挙げられる。即
ち、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、
2,5−ピリジンジイル基、2,5−ピロールジイル
基、2,5−チオフェニルジイル基など。また、これら
の基は、環の側鎖として、アルキル基、アルコキシ基、
アミド基、カルボキシル基等を有していてもよい。
【0016】式(I)のRにおけるその他の一価の基と
しては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、アルミニ
ウム、ケイ素、リン、硫黄、ガリウム、ゲルマニウム、
ヒ素、セレン、インジウム、スズ、アンチモン、テル
ル、タリウム、鉛、ビスマス、遷移金属の内のいずれか
を介して式(I)中のNに結合する一価の基が挙げられ
る。具体的には、次のような基が挙げられる。アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、
アシル基、チオラト基、カルボキシル基、アミノ基、メ
ルカプト基、シアノ基、カルボナト基、アミド基、カル
ボニル基、ニトロ基、アルデヒド基、置換アミノ基、ア
ルキニル基、イソシアナト基、イソチオシアナト基、ス
ルホニル基、カルバモイル基、イミノ基、イミド基、イ
ミドイル基、ニトロソ基、アジド基、ジアゾニウム基、
アルコキシカルボニル基、ボリル基、シリル基、ホスフ
ィノ基、有機金属基、ゲルミル基、セレノ基、スタニル
基など。
【0017】上記高分子化合物としては、例えば、式
(II)〜(VI)に示すものが挙げられる。なお、式中の
nは2以上の整数である。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】例えば、式(II)に示すポリアニリンを酸
化すると、式 (VII)に示すエメラルディン塩基型構造体
が得られるが、これは殆んど電気を通さない。しかし、
これに酸を付加すると、式(VIII)に示すエメラルディン
酸型構造体となり、これは10Scm-1(ジーメンス毎
センチメートル)程度の大きな導電性を示す(例えば
F.−L.Lu等、「ジャーナル オブ アメリカン
ケミカル ソサイエティ(Journal of Am
erican Chemical Societ
y)」、108巻、8311頁、1986:緒方直哉
編、「導電性高分子」、講談社サイエンティフィク刊、
75頁、1990:山本隆一,松永孜著、「ポリマー
バッテリー」、共立出版刊、34頁、1990)。即
ち、これらの化合物は、硫酸中にて酸が付加することに
よって、導電率が変化する。なお、式(VII) 、(VIII)に
おいて、m、nは2以上の整数である。
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】また、例えば、式(III) に示す化合物を酸
化すると、式(IX)に示すエメラルディン塩基型類似構
造体となり、これに酸が付加すると、式(X)に示すエ
メラルディン酸型類似構造体となる。なお、式(IX)、
(X)において、m、nは2以上の整数である。
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】また、上記高分子化合物の酸付加反応のコ
ントロール、硫酸溶液中での上記高分子化合物の安定性
のコントロール等の目的に応じて、上記高分子化合物
を、他の高分子化合物やセラミック等で被覆したり、こ
れらと混合したりして用いてもよい。他の高分子化合物
としては、ポリオレフィン類、ビニル化合物重合体、ビ
ニリデン化合物重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリジエン類、シリコーン樹脂、フェノー
ル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、エポキ
シ樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリエーテ
ルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレ
ンエーテル、セルロース誘導体、ポリエチレンイミン、
ビニル化合物共重合体、ビニリデン共重合体、ジエン類
共重合体、環状オレフィン重合体、環状オレフィン共重
合体、フラン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアルコー
ル、フッ素樹脂、ポリアリレート、天然ゴム誘導体、π
共役導電性高分子などが挙げられる。
【0030】センサー本体に加える電流は、目的に応じ
て直流、交流のいずれでもよい。また、センサー本体の
導電率は、センサー本体即ち上記高分子化合物を流れる
電流値又は電気抵抗値を測定することにより得られる。
【0031】
【作用】上記高分子化合物の導電率は硫酸濃度に対応し
ているので、センサー本体の導電率を求めれば、硫酸濃
度、即ち電解液の濃度が求められることとなる。従っ
て、センサー本体を備えた鉛蓄電池では、実使用に適し
た充放電の制御が可能となる。
【0032】上記高分子化合物として、式(I)で示さ
れる化合物、又は式(I)で示される化合物を酸化して
得られる化合物、又は式(I)で示される化合物を4級
化して得られる化合物を用いると、分子中に酸と反応す
る窒素原子を有しているため、硫酸との反応が確定的に
生じ、導電率の変化がはっきりと生じ、硫酸濃度をより
正確に検知することが可能となる。
【0033】上記高分子化合物において、芳香環や置換
基の種類を適宜選択すれば、その高分子化合物の塩基性
や、硫酸濃度の測定範囲や測定感度がコントロールされ
る。電解液である硫酸は、センサー本体を浸す程度にあ
ればよいので、本発明はリテーナ式の鉛蓄電池にも適用
できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。なお、本発明は、これらの実施例に限られるもので
はない。 (実施例1)図1は本実施例の硫酸濃度センサー付き鉛
蓄電池を示す縦断面図である。1は電槽、2は蓋、3は
蓋2の注液口を塞ぐ液口栓、4は電槽1内に収容された
極板群、5は電解液、5aは電解液5の液面である。液
口栓3には垂直に下方に延びた筒状の保持管31が設け
られており、保持管31内には硫酸濃度センサー10が
設けられている。保持管31は大部分が電解液5に浸漬
するよう設けられている。硫酸濃度センサー10は、図
2に拡大して示すように、センサー本体11と、2本の
白金リード線12とを備えており、図示しない制御部に
よってセンサー本体11に電流を流してセンサー本体1
1の導電率を測定するようになっている。センサー本体
11は、長方形の薄膜状のものであり、保持管31の下
端部に設置されている。白金リード線12は、導電性カ
ーボンペースト13によってセンサー本体11の両端に
接続されて、保持管31内を上方へ延びて上記制御部に
接続されている。
【0035】センサー本体11は次のようにして形成し
た。まず、硫酸及び塩酸を含む水溶液中でアニリンをペ
ルオキソ二硫酸アンモニウムを用いて酸化重合させて粉
末状高分子を得、これをアンモニア水で処理してエメラ
ルディン塩基型のポリアニリンを得た。次に、このポリ
アニリンの粉末をN−メチルピロリドンに溶解し、得ら
れた溶液を基板上に展開し、溶媒を真空下で気化させて
除いて厚さ90μmの薄膜を得た。この薄膜を7.2m
m×10.5mmの長方形に切取ってセンサー本体11
を得た。そして、センサー本体11の短い方の2辺に、
それぞれ導電性カーボンペースト13を用いて白金リー
ド線12(直径0.2mm)を接続した。
【0036】上記構成の鉛蓄電池は、12V、33Ah
のものであり、比重1.28即ち濃度約40%の硫酸溶
液を電解液5として収容しており、充電済みの状態にあ
る。この鉛蓄電池において、2本の白金リード線12の
間に、水の電気分解が起こる可能性のない0.5Vの直
流電圧を印加し、導電率を測定したところ、3.5Sc
-1であった。図3はこの鉛蓄電池を4.8Aで定電流
放電したときの端子電圧(放電電圧)、電解液濃度、及
びセンサー本体11の導電率の変化を示している。
【0037】図3からわかるように、導電率の変化は電
解液濃度の変化と略比例関係にあり、センサー本体11
の導電率を求めることは電解液濃度を求めることとな
る。そして、導電率及び電解液濃度の変化と端子電圧の
変化とは一価関数的関係にある。従って、センサー本体
11の導電率を求めると、端子電圧即ち充放電量が求ま
ることとなる。
【0038】上記構成の鉛蓄電池で用いている硫酸濃度
センサー10は、センサー本体11、白金リード線12
等で構成されているだけであるので、構成が簡単であ
り、安価である。しかも、センサー本体11に電流を流
してセンサー本体11の導電率を求めればよいだけであ
るので、使用も容易である。
【0039】(実施例2)本実施例の硫酸濃度センサー
付き鉛蓄電池は、実施例1に比して、センサー本体11
の組成が異なるだけで、他は同じである。
【0040】本実施例のセンサー本体11は、次のよう
にして形成した。即ち、まず、実施例1と同様にしてエ
メラルディン塩基型のポリアニリンの粉末を得た。次
に、ポリアニリンの粉末とナイロン6の粉末とを重量比
3:1でギ酸に溶解し、得られた溶液を基板上に展開
し、溶媒を真空下で気化させて除いて厚さ75μmの薄
膜を得た。この薄膜を7.0mm×10.1mmの長方
形に切取ってセンサー本体11を得た。ナイロン6は、
機械的強度及び耐酸性が共に高いものであるので、本実
施例のセンサー本体11の強度は向上した。
【0041】図4はこの鉛蓄電池を4.8Aで定電流放
電したときの端子電圧(放電電圧)、電解液濃度、及び
センサー本体11の導電率の変化を示している。
【0042】図4からわかるように、導電率の変化は電
解液濃度の変化と略比例関係にあり、センサー本体11
の導電率を求めることは電解液濃度を求めることとな
る。そして、導電率及び電解液濃度の変化と端子電圧の
変化とは一価関数的関係にある。従って、センサー本体
11の導電率を求めると、端子電圧即ち充放電量が求ま
ることとなる。
【0043】(実施例3)図5は本実施例の硫酸濃度セ
ンサー付鉛蓄電池を示す縦断面図である。21は電槽、
21aは電槽21内を複数の室に仕切る隔壁、22は
蓋、23は蓋22の注液口を塞ぐ液口栓、24は電槽2
1内に収容された極板群であり、24aは正極板、24
bは負極板である。26は正極板24aを外部端子に接
続するためのストラップである。隣接する極板24a、
24bの間には、ガラスマットからなる膜27が設けら
れている。膜27は、隣接する極板24a、24bの間
では上で折り曲げられて2重になっている。そして、膜
27には電解液が含浸されており、これにより、電解液
の流動性は制限され、電解液量も非常に少なくなってお
り、浮遊液は見かけ上全くない状態となっている。即
ち、本実施例の蓄電池はリテーナ式のものである。
【0044】上記構成の蓄電池において、硫酸濃度セン
サー10は膜27の2重となっている部分に挾まれて設
けられている。即ち、センサー本体11は膜27間に極
板24a、24bと平行な状態で挾まれており、白金リ
ード線12は膜27の上部の折り曲げ部分を貫通して液
口栓23に接続されている。センサー本体11の厚さは
0.2mmしかないので、その厚さは膜27の弾力性に
吸収されてしまい、外観上は挾んでいないのと何等変わ
らない。硫酸濃度センサー10は、隔壁21aで仕切ら
れた1個の室に1個設けられている。なお、センサー本
体11は実施例1と同じものである。
【0045】上記構成の鉛蓄電池は、12V、33Ah
のものであり、比重1.28の硫酸溶液を膜27に含浸
しており、充電済みの状態にある。この鉛蓄電池におい
て、2本の白金リード線12の間に、水の電気分解が起
こる可能性のない0.5Vの直流電圧を印加し、導電率
を測定したところ、3.5Scm-1であった。更に、
4.8Vで5時間放電した後に測定したところ、3.0
Scm-1であった。
【0046】本実施例においても、実施例1と同様の作
用効果を奏する。即ち、センサー本体11が膜27の電
解液と接触した状態にあるので、実施例1と同様に、セ
ンサー本体11の導電率を求めると充放電量が求まるこ
ととなる。また、構成が簡単で、安価であり、使用も容
易である。
【0047】なお、センサー本体11は、膜27に挾ん
で用いるので、電解液、特に硫酸イオンが透過できるも
のであることが望ましい。例えば、多孔性のフィルム、
織布のような微孔を有するシート等が適している。
【0048】(実施例4)本実施例の硫酸濃度センサー
付き鉛蓄電池は、実施例3に比して、センサー本体11
の組成及び構成が異なるだけで、他は同じである。
【0049】本実施例のセンサー本体11は、次のよう
にして形成した。即ち、まず、実施例1と同様にしてエ
メラルディン塩基型のポリアニリンの粉末を得た。一
方、実施例3と同じ2本の白金リード線12の先端に、
図6に示すように、両先端を繋ぐ紐部12aを設けた。
紐部12aは、ナイロン6からなり、長さ4mm、直径
0.2mmである。次に、ポリアニリンの粉末をN−メ
チルピロリドンに溶解し、得られた溶液に紐部12aを
浸漬して、紐部12aの周囲を溶液で被覆した。そし
て、溶媒を真空下で気化させて除いてセンサー本体11
を得た。即ち、本実施例のセンサー本体11は、紐部1
2aの表面を被覆した状態に形成されている。なお、被
覆層の厚さは、0.05mmであった。
【0050】紐部12aを構成するナイロン6は、耐酸
性の高いものであるので、電解液に浸されるセンサー本
体11の担体として使用しても問題はなく、また、絶縁
物であるので、センサー本体11の導電率の変化に影響
を与えない。
【0051】本実施例の硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池
においても、実施例3と同様の作用効果を示す。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明の硫酸濃度センサー
付き鉛蓄電池は、導電率を求めることによって電解液の
濃度を求めることのできる硫酸濃度センサー10を備え
ているので、充放電量を容易に知ることができる。しか
も、硫酸濃度センサー10は、センサー本体11、白金
リード線12等で構成されているだけであるので、構成
が簡単であり、安価である。
【0053】また、硫酸濃度センサー10は、電解液が
ゲルの状態にある蓄電池やリテーナ式蓄電池にも使用可
能であるので、広範囲の蓄電池において充放電量を容易
に知ることができる。
【0054】センサー本体11を構成する高分子化合物
として、式(I)で示される化合物、又は式(I)で示
される化合物を酸化して得られる化合物、又は式(I)
で示される化合物を4級化して得られる化合物を用いる
と、分子中に酸と反応する窒素原子を有しているため、
硫酸との反応が確定的に生じ、導電率の変化がはっきり
と生じる。従って、電解液の濃度即ち充放電量をより正
確に知ることができる。
【0055】上記高分子化合物において、芳香環や置換
基の種類を適宜選択すれば、その高分子化合物の塩基性
や、硫酸濃度の測定範囲や測定感度をコントロールでき
る。従って、本発明は、各種の鉛蓄電池に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の硫酸濃度センサー付鉛蓄電池を示
す縦断面図である。
【図2】 実施例1、実施例2及び実施例3で用いる硫
酸濃度センサーを示す正面図である。
【図3】 実施例1の鉛蓄電池を定電流放電した時の、
端子電圧、電解液濃度、及び導電率の変化を示す図であ
る。
【図4】 実施例2の鉛蓄電池を定電流放電した時の、
端子電圧、電解液濃度、及び導電率の変化を示す図であ
る。
【図5】 実施例3の鉛蓄電池を示す縦断面図である。
【図6】 実施例4で用いる硫酸濃度センサーを示す正
面図である。
【符号の説明】
10 硫酸濃度センサー 11 センサー本体 12 白金リード線 27 膜(リテーナ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 綾 大阪府高槻市城西町6番6号 株式会社ユ アサコーポレーション内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液である硫酸の濃度を検知する硫酸
    濃度センサーを備えた鉛蓄電池であって、硫酸濃度セン
    サーは、硫酸と反応する性質を有し且つ硫酸濃度の変化
    に伴なって一価関数的に導電率が変化する性質を有する
    高分子化合物からなるセンサー本体と、センサー本体に
    電流を流すためのリード線とを備え、センサー本体の導
    電率を求めることによって硫酸の濃度を求めるよう構成
    されており、硫酸濃度センサーは、センサー本体が電解
    液に接触した状態で設けられていることを特徴とする硫
    酸濃度センサー付き鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 センサー本体が、薄膜状に形成されてい
    る請求項1記載の硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 センサー本体が、紐状絶縁物の表面を被
    覆した状態に形成されている請求項1記載の硫酸濃度セ
    ンサー付き鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 電解液がゲルの状態にある請求項1記載
    の硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池。
  5. 【請求項5】 電解液がリテーナに保持されており、セ
    ンサー本体がリテーナに挾まれた状態で設けられている
    請求項1記載の硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池。
  6. 【請求項6】 高分子化合物は、式(I)で示される化
    合物、又は式(I)で示される化合物を酸化して得られ
    る化合物、又は式(I)で示される化合物を4級化して
    得られる化合物であり、 【化1】 式(I)において、Zは芳香族炭化水素環又は芳香族複
    素環であり、Rは水素、ハロゲン、又はその他の一価の
    基であり、nは2以上の整数である請求項1記載の硫酸
    濃度センサー付き鉛蓄電池。
  7. 【請求項7】 式(I)のZにおける芳香族複素環は、
    ホウ素、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、ゲルマニウ
    ム、セレンの内の少なくとも1種を少なくとも1個含ん
    でいる請求項6記載の硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池。
  8. 【請求項8】 式(I)のRにおけるその他の一価の基
    は、ホウ素、炭素、窒素、酸素、アルミニウム、ケイ
    素、リン、硫黄、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレ
    ン、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、タリウ
    ム、鉛、ビスマス、遷移金属の内のいずれかを介して式
    (I)中のNに結合する一価の基である請求項6記載の
    硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池。
  9. 【請求項9】 高分子化合物を、他の高分子化合物で被
    覆し又は他の高分子化合物と混合して用い、他の高分子
    化合物としては、ポリオレフィン類、ビニル化合物重合
    体、ビニリデン化合物重合体、ポリアミド、ポリエステ
    ル、ポリウレタン、ポリジエン類、シリコーン樹脂、フ
    ェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド、
    エポキシ樹脂、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリ
    エーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフ
    ェニレンエーテル、セルロース誘導体、ポリエチレンイ
    ミン、ビニル化合物共重合体、ビニリデン共重合体、ジ
    エン類共重合体、環状オレフィン重合体、環状オレフィ
    ン共重合体、フラン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアル
    コール、フッ素樹脂、ポリアリレート、天然ゴム誘導
    体、π共役導電性高分子の内のいずれかを用いる請求項
    1記載の硫酸濃度センサー付き鉛蓄電池。
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