JPH0651987B2 - 合流式下水道における水質浄化方法 - Google Patents

合流式下水道における水質浄化方法

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JPH0651987B2 JP17817290A JP17817290A JPH0651987B2 JP H0651987 B2 JPH0651987 B2 JP H0651987B2 JP 17817290 A JP17817290 A JP 17817290A JP 17817290 A JP17817290 A JP 17817290A JP H0651987 B2 JPH0651987 B2 JP H0651987B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、公共下水道における汚水と雨水とを同管渠で
合流処理する合流式下水道において、下水道終末処理場
における浄化能力を越える流量の希釈汚水をそのまま河
川に放流することなく、浄化して放流する放流水の水質
浄化方法に係り、特に本発明にあっては、この水質浄化
施設の用地確保と周辺環境の保全施設の問題を解決する
とともに維持管理が極めて容易な水質浄化方法に関す
る。
[従来の技術] 公共下水道は、一般家庭におけるトイレ、風呂、台所か
らの汚水及び事務所、公共施設等からの汚水を処理する
ための汚水幹線と、雨水を排除するための雨水幹線とか
らなる。そして、汚水幹線の整備は河川を含む公共用水
域の水質浄化に大きく貢献し、また雨水幹線の整備は降
雨時の排水処理によって地域への浸水を防ぐことが可能
となることから、公共下水道の整備は市民生活の環境保
全に重要な役割を果たしているといえる。
そして、この下水道式としては、分流式下水道方式と合
流式下水道方式の2通りの方式がある。
まず、分流式下水道方式は、汚水と雨水とを別個の管渠
にて処理する方式であって、汚水は終末処理場で浄化処
理する一方、雨水は汚染されていないのでそのまま河川
に放流するものである。この分流式下水道方式の利点と
しては、汚水と雨水とを別個に処理するため、終末処理
場に汚水が流入する虞れがなく、終末処理場の処理作業
が効率的であるとともに、河川に汚水を放流して河川を
汚染する虞れがないものである。しかしながら、汚水管
渠と雨水管渠とをそれぞれ別個に敷設するため、工事面
での経済的負担が大きく、更に汚水管内に浮遊物質や動
植物性油脂等が堆積し易いことから、維持管理面での経
済的負担も大きかった。
一方、合流式下水道方式は、汚水と雨水とを一つの下水
道管渠にて処理する方式であり、晴天時には汚水を終末
処理場へ流す一方、雨天時に雨水で希釈され増量した汚
水のうち終末処理場の処理能力流量を超える流量の汚水
は、管渠の中途部分に設けられた雨水吐き室内に形成さ
れた遮水壁を越え雨水渠を経て河川に放流するものであ
る。この合流式下水道方式の利点としては、一つの管渠
で汚水と雨水とを処理するので工事面での経済的負担が
小さく、そして管内に堆積した浮遊物質や動植物性油脂
等を降雨時に雨水が洗浄するという作用を発揮すること
から、下水道管渠を洗浄するという維持管理面での経済
的負担も小さいものである。このような利点から、全国
的に多くの地域において合流式下水道が採用されてい
る。しかしながら、雨天時に雨水により相当希釈される
というものの、汚水を河川に放流するということは、衛
生的視野から自然環境を考えると決して好ましい状況で
はなく、このため放流水に対する水質浄化が検討されて
いる。
この放流水に対する水質浄化方法としては、降雨時の流
下流量を回転体及び貯水槽を併用した施設において全量
簡易処理方法により処理するスワール方式及びボルテッ
ク方式が用いられている。スワール方式は回転体を流水
で回転させ、ボルテック方式は動力により回転体を回転
させることで貯水槽内に渦流を発生させた上で、両方式
とも中央に渦集した浮遊物を水中ポンプで水とともに揚
水し、公共下水道幹線に送水して終末処理場で処理する
ものである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前述したスワール方式及びボルテック方
式にあっては、維持管理の点からも回転体及び貯水槽か
らなる施設を地上に設置する必要があり、したがってこ
の施設に応じた広さの用地確保と、周辺環境の保全施設
とが必要となるもので、建物が密集する都市部において
設置することは困難であった。
また、汚水中には生物化学的酸素要求量(BOD)で表
わされる微粒有機物、浮遊物質量(SS)で表わされる
浮遊物質、ノルマルヘキサン抽出物含有量で表わされる
動植物性油脂等の汚濁物質及び大腸菌群等の菌類が多く
含まれているのであるが、スワール方式及びボルテック
方式等の簡易処理方式にあっては、これらを浄化処理す
ることは不可能なことであった。
そこで、本発明にあっては、公共下水道における汚水と
雨水とを同管渠で合流処理する合流式下水道において、
降雨時における下水道終末処理場の浄化能力を超える流
量の希釈汚水をそのまま河川に放流することなく、汚水
中に含まれる生物化学的酸素要求量で表わされる微粒有
機物、浮遊物質量で表わされる浮遊物質、ノルマルヘキ
サン抽出物含有量で表わされる動植物性油脂等の汚濁物
質及び大腸菌群等の菌類等も効率的に浄化処理するとと
もに、建物が密集する都市部においても容易に設置する
ことが可能な合流式下水道における水質浄化方法を実現
することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 前述した目的を達成するため、本発明の水質浄化方法
は、汚水と雨水とを合流して流下する合流式下水道管渠
に対し晴天時の計画最大汚水流量以上の流量の水を流下
し得る第1のバイパス管渠を分岐して配設し、この分岐
個所の直下の下流には前記第1のバイパス管渠が流入処
理すべき流量に応じた第1のバイパス管渠の水深高と略
同一の高さを有する遮水壁を形成し、更にこの遮水壁の
下流には、油脂類を浮上処理する第1の滞留水槽と、浮
遊物質を遮断濾過する第2の滞留水槽と、生物化学的酸
素要求量で表わされる微粒有機物を遮断濾過する第3の
滞留水槽とをそれぞれの水槽上面に沿って連通して順に
直列配置するとともに、前記第1の滞留水槽、第2の滞
留水槽及び第3の滞留水槽をその各底面に沿って連通し
て第2のバイパス管渠を配設し、前記第3の滞留水槽の
下流において前記第1のバイパス管渠と第2のバイパス
管渠とを合流させて最終的に下水道終末処理場に接続
し、更に前記第3の滞留水槽から河川に至る管渠の中途
部分には、河川に放流する水に対する塩素噴射装置を配
置したことを特徴とするものである。
また、第1の滞留水槽、第2の滞留水槽及び第3の滞留
水槽の各水槽内には、水槽内に付着した油脂もしくは浮
遊物質を洗い流すべく水噴射装置を配設した構成として
もよい。
更に、合流式下水道管渠に形成された遮水壁は、流水の
乱流化を防ぐべく断面略凹レンズ状の形状としてもよ
い。
そして、第2の滞留水槽と第3の滞留水槽の内部には、
浮遊物質の濾過手段としてゼオライト層を配設してもよ
い。
尚、第1の滞留水槽、第2の滞留水槽及び第3の滞留水
槽におけるそれぞれの流水口部分には、第2のバイパス
管渠内の滞水を防止すべく合流式下水道の支線を接続し
た構成としてもよい。
[作用] 本発明の水質浄化方法は、前述の如き構成であるので、
降雨時に終末処理場の処理能力を超えて遮水壁を越流す
る雨水で希釈された汚水に含まれる生物化学的酸素要求
量で表わされる微粒有機物、浮遊物質量で表わされる浮
遊物質、ノルマルヘキサン抽出物含有量で表わされる動
植物性油脂等の汚濁物質及び大腸菌群等の菌類等も浄化
処理することができる。そして、滞留式の水質浄化方式
であることから、施設を地中に設けることが可能とな
る。
また、第1の滞留水槽、第2の滞留水槽及び第3の滞留
水槽の各水槽内に水噴射装置を配設したことで、槽内の
付着物を洗い流して流水がスムーズになる。
更に、遮水壁の形状を断面路凹レンズ状としたことによ
り、合流式下水道管渠内を沈殿しながら流下する汚水中
の浮遊物質は、遮水壁で巻き上げられて越流に混入する
ことなく終末処理場へと導かれる。
第2の滞留水槽と第3の滞留水槽の内部にゼオライト層
を配設したことにより、ゼオライトは浮遊物質を確実に
遮断濾過する。
そして、第1の滞留水槽、第2の滞留水槽及び第3の滞
留水槽におけるそれぞれの流入口部分に合流式下水道の
支線を接続したことで、第2のバイパス管渠内を常に水
が流下することから滞水を防ぐことができる。
[実施例] 以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の水質浄化方法を示す概略平面図であ
る。
図中1は汚水と雨水とを合流して流下する合流式下水道
管渠であり、その管渠断面を3000mm×3000mmと
している。2は合流式下水道管渠1内に形成された遮水
壁であり、この遮水壁2の直ぐ上流の合流式下水道管渠
1には管径1500mmの第1のバイパス管渠3の流入口
を接続している。
尚、第2図に示す如く、この遮水壁2の壁高は、終末処
理場(図示せず)での最大汚水処理可能流量を晴天時の
計画最大汚水流量(例えば、本実施例の場合1000m3
/secとする)の3倍流量とした場合に、晴天時の計画量
大汚水流量の2倍流量を流下する第1のバイパス管渠3
における7割水深に匹敵する1050mmの壁高としてい
る。そして、この遮水壁2の形状を断面略凹レンズ状と
することで、断面略富士山状であった従来の遮水壁が、
合流式下水道管渠内を沈殿しながら流下する汚水中の浮
遊物質を巻き上げて越流水に混入していたのに対し、汚
水中の浮遊物質を巻き上げて越流水に混入させることな
く終末処理場へと導くものである。
また、合流式下水道管渠1における遮水壁2の下流に
は、遮水壁2からの越流水を滞留浄化するための第1の
滞留水槽4、第2の滞留水槽5及び第3の滞留水槽6
を、合流式下水道管渠1に沿って順に設置するととも
に、第1の流入遮断壁7、第2の流入遮断壁8及び第3
の流入遮断壁9を、第1の滞留水槽4、第2の滞留水槽
5及び第3の滞留水槽6のそれぞれの流入口の直下の下
流の設けることにより、第1の滞留水槽4、第2の滞留
水槽5及び第3の滞留水槽6が直列に接続されることと
なる。
そして、第1の流入遮断壁7と第3の流入遮断壁9の上
流のそれぞれの滞留水槽の流入口個所には合流式下水道
支線10,11が接続されるとともに、第3の滞留水槽
6の下流の合流式下水道管渠1にも合流式下水道支線1
2が接続される。
13は、第2の滞留水槽6の下流の合流式下水道管渠1
内に設けられ、電磁弁装置により駆動される塩素噴射装
置である。
14は、第3の滞留水槽6の下流の合流式下水道管渠1
内に形成された中仕切壁であり、この中仕切壁14と管
渠1壁とに挾まれた高さ0.5m〜1.0m、幅約0.
7mの通路を晴天時用汚水路1aとして、晴天時には合
流式下水道支線12からの汚水を公共下水道幹線16へ
と流下させるものである。
15は、汚水を公共下水道幹線16につながる公共下水
道支線路17(流入口径300mm)と雨水渠18とに分
ける雨水吐き室であり、晴天時には前記晴天時用汚水路
1aを流下する汚水が前記公共下水道支線路17を経て
公共下水道幹線16へと導かれる一方、雨天時には各滞
留水槽を通過して合流式下水道管渠1を流下する汚水
は、前記公共下水道支線路17の流入口径が300mmと
細いことからほとんどが雨水渠18を経て河川19へと
流出する。
20は、前記第1の滞留水槽4、第2の滞留水槽5及び
第3の滞留水槽6を、その各底面に沿って連通して前記
第1のバイパス管渠3に接続される管径1000mmの第
2のバイパス管渠である。この第2のバイパス管渠20
は、満流管として布設することで晴天時の計画最大汚水
流量1000m3/secと略同等の流量の汚水を流入処理す
ることができる。
21は、第1のバイパス管渠3と第2のバイパス管渠2
0とを接続し、終末処理場における汚水処理可能流量を
越える流量を遮断する巻上式の調整板(図示せず)を備
えた流量調整マンホールである。
ここで、雨天時の計画最大汚水流量を17600m3/sec
として、この17600m3/secから第1のバイパス管渠
3への放流量2000m3/secと第2のバイパス管渠20
への放流量1000m3/secとを差し引いた14600m3
/secの流量の80%流量の11680m3/secを、第1の
滞留水槽4、第2の滞留水槽5及び第3の滞留水槽6に
おいて浄化処理する流量とする。
そして、この浄化処理流量から、第3図乃至第5図に示
す如く、各滞留水槽ともその規模を長さ15m、幅8.
5m、高さ3.7mとした上で、各滞留水槽内を通過す
る汚水の流速を40%減流させるべく、各滞留水槽の底
面を合流式下水道管渠1の管底から1.0m下げるとと
もに、各滞留水槽の流出口に合流式下水道管渠1の管底
から高さ40cmの壁を立ち上げ、更に各滞留水槽を2分
する如く水槽の天井面から底面まで1mの位置まで中仕
切壁を立ち下げて、各滞留水槽における流出側の槽の水
深を1.40mに保つようにする。
前記第1の滞留水槽4は、ノルマルヘキサン抽出物含有
量で表わされる動植物性油脂類を浮上処理する水槽であ
り、合流式下水道管渠1を流下し遮水壁2を越流した油
脂類を含有する汚水は、第1の滞留水槽4の下層に溜ま
るとともに第2のバイパス管渠20から流出する。そし
て、第1の滞留水槽4の水深が1.0mを越えると、第
2のバイパス管渠20が満流となることから、第1の滞
留水槽4に汚水が貯留され始める。このとき、油脂類は
比重が水より小さくて水の表面に浮かぶことから、第1
の滞留水槽4の流入側の槽4aに滞留する汚水の表面に
は油脂類が溜まる一方、第1の滞留水槽4の流出側の槽
4bには、流入側の槽4aと底部で連通することから油
脂類が除去された汚水が滞留する。そして、第1の滞留
水槽4の水深が1.40mを越えると、油脂類が除去さ
れた汚水は流出口から流出する。
また、汚水の流量が減少して第1の滞留水槽4の水深が
1.0m以下となると、槽内に溜まった油脂類は第2の
バイパス管渠20を流下して終末処理場で浄化される。
このとき、油脂類は流入側の槽4aの壁面に付着し、後
日剥脱した場合に管渠を詰まらせる虞れがあるので、槽
内の汚染がなくなる前に、水道水を油脂類が付着した壁
面に向かって噴射して油脂類を洗い落すべく、電磁弁装
置により駆動される上水道の水噴射装置22を流入側の
槽4aの天井に配設する。
前記第2の滞留水槽5は、SS(suspended solid)で表
わされる汚水中の比較的大きな浮遊物質を遮断濾過する
水槽であり、流出側の槽5aには管底から1mの位置に
目10cmの金網23を固設し、その上面に径150mm程
度の荒目のゼオライトを約40cmの厚さに積層する。そ
して、前述した第1の滞留水槽4において油脂類を除去
された汚水が槽内に溜まり、水深が1.40mを越える
と汚水中の浮遊物質がゼオライト層24に遮断及び吸着
され、浮遊物質が下層に沈殿するとともに、浮遊物質が
除去された汚水が流出口から流出する。
その後、汚水の流量が減少して第2の滞留水槽5の水深
が1.0m以下になると、浮遊物質を含有する汚水は、
第2のバイパス管渠20を流下する第1の滞留水槽4か
らの汚水とともに第2のバイパス管渠20を流下して終
末処理場において浄化される。
また、浮遊物質がゼオライト表面及びゼオライト内部に
付着することにより、ゼオライト層24における流水を
妨げる虞れがあるので、槽内の汚水がなくなる前に水道
水をゼオライト層24に噴射して浮遊物を洗い落とすべ
く、電磁弁装置により駆動される上水道の水噴射装置2
5を流出側の槽5aの上方に配設する。
前記第3の滞留水槽6は、汚水中の浮遊物質の中でも生
物化学的酸素要求量(BOD)で表わされる微粒有機物
を遮断濾過する水槽であり、前述した第2の滞留水槽5
と同様に、流出側の槽6aには管底から1mの位置に目
3cmの金網26を固設し、その上面に径約50mmの小砂
利程度のゼオライトを約40cmの厚さに積層する。そし
て、前述した第2の滞留水槽5において浮遊物質を除去
された汚水が槽内に溜まり、水深が1.40mを越える
と汚水中の微粒有機物がゼオライト層27に遮断および
吸着され、微粒有機物が下層に沈殿するとともに、微粒
有機物が除去された汚水が流出口から流出する。
その後、汚水の流量が減少して第3の滞留水槽6の水深
が1.0m以下になると、浮遊物質を含有する汚水は、
第2のバイパス管渠20を流下する第2の滞留水槽5か
らの汚水とともに第2のバイパス管渠20を流下して終
末処理場において浄化される。
また、微粒有機物がゼオライト表面及びゼオライト内部
に付着することにより、ゼオライト層27における流水
を妨げる虞れがあるので、槽内の汚水がなくなる前に水
道水をゼオライト層27に噴射して微粒有機物を洗い落
とすべく、上水道の水噴射装置28を流出側の槽6aの
上方に配設する。
そして、前述した如く第1の滞留水槽4、第2の滞留水
槽5及び第3の滞留水槽6によって油脂類、浮遊物質及
び微粒有機物等の汚濁物質を除去された汚水は、合流式
下水道管渠1における第3の滞留水槽6の流出口と雨水
吐き室15との間に配設された塩素噴射装置13によっ
て殺菌消毒された後、雨水吐き室15及び雨水渠18を
経て河川19へと放流される。
尚、本発明の水質浄化方法は、既設でかつ稼動中の合流
式下水道施設を稼動停止させることなく、この施設を有
効に利用することができるので、施工が容易である。以
下に、本発明の水質浄化施設の施工方法について述べ
る。
まず、既設の合流式下水道管渠1に隣接して第1の滞留
水槽4、第2の滞留水槽5及び第3の滞留水槽6を設置
する。次に、第1のバイパス管渠3を前記第1の滞留水
槽4、第2の滞留水槽5及び第3の滞留水槽6に沿って
設置するとともに、流量調整マンホール21及び他のマ
ンホールを第1のバイパス管渠3に設置する。
そして、第1のバイパス管渠3が接続された合流式下水
道管渠1の側面を破壊して、汚水を第1のバイパス管渠
3を経て公共下水道幹線16へと流下させる。この場
合、水位の上昇によって工事が難航する虞れがあるの
で、晴天時の施工が望まれる。この第1のバイパス管渠
3に汚水が流入開始された後、遮水壁2を合流式下水道
管渠1に対して約45°の角度で全幅に設置する。
次に、各滞留水槽が接している合流式下水道管渠1の側
面を破壊して、各滞留水槽と合流式下水道管渠1とを連
通させる。この後、各滞留水槽の流入口個所における合
流式下水道管渠1に流入遮断壁7,8,9を設置する。
そして、合流式下水道管渠1における第3の滞留水槽6
と雨水吐き室15との間に中仕切壁14を形成しつつ、
雨水吐き室15の既設の遮水壁を切り下げ、かつ既設の
公共下水道支線路17の流入口径を300mmに縮小する
ことで工事が終了する。
[発明の効果] 以上詳述した如く、本発明の合流式下水道における水質
浄化方法によれば、降雨時に終末処理場の処理能力を超
えて遮水壁を越流する雨水で希釈された汚水に含まれる
生物化学的酸素要求量で表わされる微粒有機物、浮遊物
質量で表わされる浮遊物質、ノルマルヘキサン抽出物含
有量で表わされる動植物性油脂等の汚濁物質及び大腸菌
群等の菌類等も極めて効率よく浄化処理することができ
る。そして、滞留式の水質浄化方式であることから、施
設を地中に設けることが可能となり、したがって建物等
が密集する都市においても容易に設置することができる
ものである。
更に、水噴射装置及び塩素噴射装置の他には動力を一切
使用しないことから、施設の維持管理が極めて容易なも
のとなる。
また、第1の滞留水槽、第2の滞留水槽及び第3の滞留
水槽の各水槽内に水噴射装置を配設したことで、槽内の
付着物を洗い流して流水がスムーズとなり、これにより
各滞留水槽及び下水道管渠の維持管理が一層容易なもの
となる。
更に、遮水壁の形状を断面路凹レンズ状としたことによ
り、合流式下水道管渠内を沈殿しながら流下する汚水中
の浮遊物質は、遮水壁で巻き上げられて越流に混入する
ことなく終末処理場へと導かれ、したがって各滞留水槽
における浮遊物質を遮断濾過する負担の度合いが軽減さ
れる。
第2の滞留水槽と第3の滞留水槽の内部にゼオライト層
を配設したことにより、浮遊物質は確実に遮断濾過され
るものである。
そして、第1の滞留水槽、第2の滞留水槽及び第3の滞
留水槽におけるそれぞれの流入口部分に合流式下水道の
支線を接続したことで、第2のバイパス管渠内を常に水
が流下して滞水が生じないことから、水の腐敗、悪臭の
発生等を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の水質浄化方法を示す概略平面図、第2
図は本発明の水質浄化方法に用いられる遮水壁を示し、
第2図(a)は平面図、第2図(b)は断面図、第3図
(a)は本発明の水質浄化方法に用いられる第1の滞留
水槽を示す水平断面図、第3図(b)は第3図(a)の
A−A線断面図、第3図(c)は第3図(a)のB−B
線断面図、第4図(a)は本発明の水質浄化方法に用い
られる第2の滞留水槽を示す水平断面図、第4図(b)
は第4図(a)のA−A線断面図、第4図(c)は第4
図(a)のB−B線断面図、第5図(a)は本発明の水
質浄化方法に用いられる第3の滞留水槽を示す水平断面
図、第5図(b)は第5図(a)のA−A線断面図、第
5図(c)は第5図(a)のB−B線断面図である。 1……合流式下水道管渠、2……遮水壁、3……第1の
バイパス管渠、4……第1の滞留水槽、5……第2の滞
留水槽、6……第3の滞留水槽、10、11、12……
合流式下水道支線、13……塩素噴射装置、19……河
川、20……第2のバイパス管渠、24、27……ゼオ
ライト層、25、28……水噴射装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚水と雨水とを合流して流下する合流式下
    水道管渠に対し晴天時の計画最大汚水流量以上の流量の
    水を流下し得る第1のバイパス管渠を分岐して配設し、
    この分岐個所の直下の下流には前記第1のバイパス管渠
    が流入処理すべき流量に応じた第1のバイパス管渠の水
    深高と略同一の高さを有する遮水壁を形成し、更にこの
    遮水壁の下流には、油脂類を浮上処理する第1の滞留水
    槽と、浮遊物質を遮断濾過する第2の滞留水槽と、生物
    化学的酸素要求量で表わされる微粒有機物を遮断濾過す
    る第3の滞留水槽とをそれぞれの水槽上面に沿って連通
    して順に直列配置するとともに、前記第1の滞留水槽、
    第2の滞留水槽及び第3の滞留水槽をその各底面に沿っ
    て連通して第2のバイパス管渠を配設し、前記第3の滞
    留水槽の下流において前記第1のバイパス管渠と第2の
    バイパス管渠とを合流させて最終的に下水道終末処理場
    に接続し、更に前記第3の滞留水槽から河川に至る管渠
    の中途部分には、河川に放流する水に対する塩素噴射装
    置を配置したことを特徴とする合流式下水道における水
    質浄化方法。
  2. 【請求項2】第1の滞留水槽、第2の滞留水槽及び第3
    の滞留水槽の各水槽内には、水槽内に付着した油脂もし
    くは浮遊物質を洗い流すべく水噴射装置を配設したこと
    を特徴とする請求項1記載の合流式下水道における水質
    浄化方法。
  3. 【請求項3】合流式下水道管渠に形成された遮水壁は、
    流水の乱流化を防ぐべく断面略凹レンズ状の形状とした
    ことを特徴とする請求項1または2記載の合流式下水道
    における水質浄化方法。
  4. 【請求項4】第2の滞留水槽と第3の滞留水槽の内部に
    は、浮遊物質の濾過手段としてゼオライト層を配設した
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載の合流式下水道に
    おける水質浄化方法。
  5. 【請求項5】第1の滞留水槽、第2の滞留水槽及び第3
    の滞留水槽におけるそれぞれの流水口部分には、第2の
    バイパス管渠内の滞水を防止すべく合流式下水道の支線
    を接続してなることを特徴とする請求項1乃至4記載の
    合流式下水道における水質浄化方法。
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