JPH0651871U - 開栓装置用採血管ラック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラック本体の高さ寸法が異なる場合であって
も、一台の開栓装置によってゴム栓を確実に抜き取るこ
とができる採血管ラックを提供する。 【構成】 開栓装置用の採血管ラックを、高さの異なる
２種類以上のラック本体で構成し、これらの各ラック本
体の中で一番高さ寸法のあるラック本体を基準とし、他
の高さ寸法が短いラック本体の底部には、高さ揃え用の
寸法合せ体を着脱自在に装着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、採血管の開口部に嵌着されたゴム栓を手を触れることなく取り外 すことができるゴム栓の開栓装置に好適な採血管ラックに係り、特に、高さ寸法 毎に揃えて採血管を立設保持する高さ寸法の異なる各ラックを、一定の高さ寸法 に揃えることで、上記ゴム栓を確実に抜くことができる開栓装置用採血管ラック に関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】

周知のように、真空採血管などの血液が収容される容器には、血液を流出させ ない目的から、その開口部にゴム栓が嵌着されているのが一般的である。

【０００３】 ところで、このゴム栓は、例えば、上記採血管を自動分析装置にセットする場 合には、取り外されて自動分析装置にセットされるが、このゴム栓の取り外し作 業は、従来、人手によって行われているのが現状である。

【０００４】 しかしながら、上記ゴム栓の取り外し作業を人手によって行なう場合には、採 血した血液と接触して種々の病気が感染する虞れがあり、また、該ゴム栓の人手 による抜き取り作業は、大量の採血管に対して行われるため、かかる作業が非常 に煩雑である、という問題を有していた。

【０００５】 このため、本出願人は、先に、複数本の採血管のゴム栓を、手を触れることな く抜き取ることができる構成が簡易な採血管の手動式開栓装置を提案している（ 実願平４ー５７４５０号）。

【０００６】 この本出願人の先の出願に係る採血管の手動式開栓装置は、ベース部材と、こ のベース部材に立設された支持体と、この支持体の上部に回動自在に軸支されて なる回動部材と、この回動部材の前縁部に連接された係止部材と、上記回動部材 を回動させることで上記係止片部によって引き抜かれた採血管に装着されたゴム 栓を落下させて収納する栓受けパッドと、から構成されている。

【０００７】 ところで、上記採血管は、検査目的や施設などによって、使用される採血管の 高さ寸法が複数種類にわたる場合が多く、この場合には、各寸法に合せた採血管 ラックに、各寸法の採血管を揃えて立設保持しているのが現状であり、このよう な高さ寸法が異なる採血管ラックを、上記構成からなる手動式開栓装置にセット した場合には、上記回動部材の支点は一定であることから、ラックの高さ寸法に よってはゴム栓と上記係止部材とが係合せず、その結果、上記支点の高さ寸法が 異なる手動式開栓装置を複数種類用意しなければならず、設備コストが嵩む、と いう問題を有していた。

【０００８】 この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするとこ ろは、ラック本体の高さ寸法が異なる場合であっても、一台の開栓装置によって ゴム栓を確実に抜き取ることができる開栓装置用採血管ラックを提供しようとす るものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案にあっては、水平板部と、該水平板部の前 縁部から下方に延設されてなる係止片部と、上記水平板部の奥行側両端部から下 方に延設された支持片部と、上記水平板部の上面に固着された把手と、で回動部 材を構成するとともに、上記支持片部を軸を介してベース部材に立設された支持 体に回動自在に軸支し、該回動部材を回動操作することでゴム栓を採血管から抜 き取るように構成してなる開栓装置用の採血管ラックを、高さの異なる２種類以 上のラック本体で構成し、これらのラック本体の中で一番高さ寸法のあるラック 本体を基準とし、他の高さ寸法が短いラック本体の底部には、高さ揃え用の寸法 合せ体を着脱自在に装着したことを特徴とするものである。

【００１０】

【実施例】 以下、添付図面に示す一実施例に基づき、この考案を詳細に説明する。

【００１１】 図１および図２に示すように、この実施例に係るラック１５は、１００ｍｍの 高さ寸法を有するラック本体１５Ａと、７５ｍｍの高さ寸法を有するラック本体 １５Ｂと、の２種類で構成されており、これらラック本体１５Ａ，１５Ｂには、 ５本の採血管１４が立設保持されるように構成されている。

【００１２】 また、上記ラック本体１５Ｂの底部１５ｂは、開口されて形成されており、該 底部１５ｂには、高さ揃え用の寸法合せ体２０が着脱自在に嵌装されている。

【００１３】 高さ揃え用の寸法合せ体２０は、２５ｍｍの高さ寸法を有する本体２１と、こ の本体２１の上面に突設された嵌合凸部２２と、から形成されており、該嵌合凸 部２２を上記ラック本体１５Ｂの底部１５ｂに圧入することで、上記ラック本体 １５Ｂと高さ揃え用の寸法合せ体２０とを一体的に連結することができ、この場 合、連結された上記ラック本体１５Ｂと高さ揃え用の寸法合せ体２０との高さ寸 法は、上記ラック本体１５Ａの高さ寸法と同じ１００ｍｍとなる。

【００１４】 従って、これらラック１５に立設保持されてなる採血管１４のゴム栓１６を抜 き取る手動式開栓装置１は、その回動部材７の高さ寸法を上記ラック本体１５Ａ に合せて設定しておけば、ラック本体１５Ａに立設保持された採血管１４のゴム 栓１６は勿論、ラック本体１５Ｂに立設保持された採血管１４のゴム栓１６も確 実に抜き取ることができる。

【００１５】 ここで上記手動式開栓装置１の概略的な構成を図１に基づき説明すると、該手 動式開栓装置１は、下面にラバーマット３が貼着されてなる平板状のベース部材 ２と、このベース部材２の手前側に立設された支持体４と、この支持体４の後部 に固着されたストッパ板５と、上記支持体４の上部に軸６を介して回動自在に軸 支されてなる回動部材７と、該回動部材７に回動自在に軸支された押圧体８と、 この押圧体８によって上記回動部材７を途中位置で回動規制し或は該規制状態を 解除する係止体９と、上記支持体４の後側に着脱自在に配設されてなるゴム栓収 納容器（図示せず）と、から構成されている。

【００１６】 ベース部材２は、上記支持体４が立設された部位より手前側に、採血管１４が 立設保持された上記ラック１５Ａ，１５Ｂを収容するスペースを有して構成され ており、該スペースを形成するベース部材２の前縁部上面には、その長手方向（ ラック１５の移送方向と同じ方向をいう。以下、同じ。）に沿って突起体２ａが 突設されており、上記ラック１５Ａ，１５Ｂを該突起体２ａと上記支持体４との 間に挟持するように構成されている。勿論、この実施例では、該採血管１４とラ ック１５Ａ，１５Ｂは、図１の手前方向から上記スペースにセットされる。

【００１７】 ストッパ板５は、上記支持体４の後側にビスを介して固着されており、その立 上片５ａの上端部には、傾斜面５ｂが形成されている。

【００１８】 回動部材７は、水平板部１０と、この水平板部１０の前縁部から下方に延設さ れてなる断面形状が略レ字状に形成された係止片部１１と、上記水平板部１０の 奥行側両端部から下方に延設された支持片部１２と、上記水平板部１０の上面に 固着された把手１３と、から構成されてなり、上記軸６は、上記支持片部１２の 下方に装着されている。

【００１９】 係止片部１１は、回動部材７が水平状態にセットされているときに、その係止 端部１１ａが、図１に示すように、採血管１４の開口部に液密状に嵌着されたゴ ム栓１６の段部１６ａに係止するように構成されている。また、上記回動部材７ は、図１において実線で示す状態、即ち、水平板部１０が水平の状態で停止し、 該水平状態から図１反時計方向に回動しないようにストッパ体（図示せず）によ って規制されているとともに、図１における時計方向へ回動可能に構成されてい る。

【００２０】 一方、上記水平板部１０の上面に固着された把手１３の把手部は、回動部材７ の回動方向に傾斜して取り付けられている。

【００２１】 押圧体８は、前記実願平４ー５７４５０号の開栓装置と同様、その回動片部８ ａが上記把手１３の裏面側に軸１８を介して回動自在に軸支されていると共に、 押圧片部８ｂが、一端が把手１３に止着されたコイルスプリングを介して引張付 勢されており、また、作動片部が、常態において後記する係止体９を係合方向へ 押圧するように構成されている。

【００２２】 そして、回動部材７を回動操作してゴム栓１６を採血管１４から引き抜く場合 には、まず、上記押圧体８の押圧片部８ｂを操作しない状態で、上記係止体９を 上記支持片部１２の外方へと突出させた状態のまま、上記回動部材７を水平状態 から図１時計方向へと回動させ、上記係止体９をストッパ板５の傾斜面５ｂと衝 合させ、上記ゴム栓１６を採血管１４の上部からわずかに引き抜く。

【００２３】 この後、上記回動部材７を図１反時計方向に回動して水平状態まで戻す。これ によりゴム栓１６は、上記引き抜き作業による伸長状態から解放されて復元力に より収縮して復元するので、この状態から、上記押圧体８の押圧片部８ｂを回動 操作して上記係止体９を上記支持片部１２から後退させた状態にセットし、この 状態から上記回動部材７をさらに図１時計方向へ回動させて、ゴム栓１６を採血 管１４から完全に抜き取る。これにより、本開栓装置１では、ゴム栓１６の復元 力による血液の飛散を確実、かつ、有効に防止することができるように構成され ている。

【００２４】 尚、上記実施例では、ラック１５を、１００ｍｍの高さ寸法を有するラック本 体１５Ａと、７５ｍｍの高さ寸法を有するラック本体１５Ｂと、の２種類で構成 し、かつ、高さ揃え用の寸法合せ体２０が２５ｍｍの高さ寸法を有して構成され ている場合を例に取り説明したが、この考案にあってはこれに限定されるもので はなく、ラック本体の高さ寸法と高さ揃え用の寸法合せ体の高さ寸法が、両者を 連結した状態で１００ｍｍとなるように構成すればよいこと勿論である。

【００２５】

【考案の効果】

この考案に係る開栓装置は、以上説明したように構成されているので、ラック 本体の高さ寸法が異なる場合であっても、従来のように複数種類の開栓装置を用 意する必要がなく、一台の開栓装置によってゴム栓を確実に抜き取ることができ るので、設備コストを大幅に低減できる、という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る採血管ラックがセッ
トされた開栓装置の右側面図である。

【図２】高さ寸法が短い採血管と高さ揃え用の寸法合せ
体とを分離させた状態を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 開栓装置 ６ 軸 ７ 回動部材 １０ 水平板部 １１ 係止片部 １３ 把手 １４ 採血管 １５Ａ，１５Ｂ ラック本体 １６ ゴム栓 ２０ 高さ揃え用の寸法合せ体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平板部と、該水平板部の前縁部から下
   方に延設されてなる係止片部と、上記水平板部の奥行側
   両端部から下方に延設された支持片部と、上記水平板部
   の上面に固着された把手と、で回動部材を構成するとと
   もに、上記支持片部を軸を介してベース部材に立設され
   た支持体に回動自在に軸支し、該回動部材を回動操作す
   ることでゴム栓を採血管から抜き取るように構成してな
   る開栓装置用の採血管ラックにおいて、該採血管ラック
   を、高さの異なる２種類以上のラック本体で構成し、こ
   れらのラック本体の中で一番高さ寸法のあるラック本体
   を基準とし、他の高さ寸法が短いラック本体の底部に
   は、高さ揃え用の寸法合せ体を着脱自在に装着したこと
   を特徴とする開栓装置用採血管ラック。