JPH0651697A - 不正信号防止方法 - Google Patents

不正信号防止方法

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JPH0651697A
JPH0651697A JP22646492A JP22646492A JPH0651697A JP H0651697 A JPH0651697 A JP H0651697A JP 22646492 A JP22646492 A JP 22646492A JP 22646492 A JP22646492 A JP 22646492A JP H0651697 A JPH0651697 A JP H0651697A
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JP
Japan
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signal
unit
time
data link
unmanned
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JP22646492A
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English (en)
Inventor
Hideji Nishimura
秀二 西村
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NIKO DENSHI KK
Original Assignee
NIKO DENSHI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無人移動体側における正規信号と不正信号と
の識別を確実に達成することを技術的課題とし、もって
無人移動体の安全で正確な運用を得る。 【構成】 地上制御装置1からの上りデータリンクAu
の単位信号Cのデータ信号F中に、不正信号を識別すの
ための識別信号Eを、予め取り決めた所定の規則に従っ
て位置不明に挿入し、この識別信号Eの有無、および識
別信号Eの良否により不正信号であるか否かの判断を
し、もって不正信号による無人移動体の不良動作の発生
を確実に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、観測装置を搭載した無
人移動体により、干渉あるいは意識的誘導妨害の存在す
る環境下において、観測を行うに際して、無人移動体を
安全に指令制御する不正信号防止方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、各種技術分野の進展により、種々
の無人移動体が人間の作業を代行し得るようになってい
る。中でも、特に人間が直接対象物に接近することが不
可能な箇所の観測を可能としたり、或いは制御をも可能
とすること等への応用は、計り知れない効果をもたら
す。
【0003】例えば、噴煙を上げる火口内の観測や、有
毒ガスを発生しつつ燃え上がる火災消火用無人消防車の
例は顕著である。また、これらの応用面とは使用目的は
異なるが、軍事的方面への応用例として、相手側準備状
況の事前観測や、自軍攻撃の効果および修正、変更等の
ための観測等にも利用されている。
【0004】このような軍事的方面への利用において
は、無人移動体が相手側に接近して実施する観測作業で
あるから、当然、相手側には、これに対抗する手段が設
けられていると考えなければならない。すなわち、地上
制御装置から無人移動体への無線信号である指令制御信
号、および無人移動体から地上制御装置への応答信号を
傍受して信号解析を行い、妨害信号の発生や、偽指令制
御信号を適宜放射して、直接無線回線への妨害或いは偽
誘導を試みることになる。従って、このような電子的環
境下においては、無人移動体を、間違いなくかつ安全に
機能させるには、相応の防御策を講じることが必要であ
る。
【0005】図1は、上記した状況下での無人移動体の
電子的環境を模擬したもので、地上制御装置1と無人飛
行機である無人移動体2との間に通信回線Aを形成する
ことにより、無人移動体2に搭載した観測機で相手側領
域である観測領域4を観測して、その観測データを地上
制御装置1に送り、相手側の状況を知るのである。
【0006】通信回線Aの使用周波数の選択は、無人移
動体2に搭載し得るテレメトリ装置の大きさや、極力相
手側の妨害装置3による探知、および妨害装置3からの
欺瞞回線Kによる妨害を受け難いように、例えば空中線
ビームを狭少化して対向させることにより、電子的妨害
に対する対抗能力、所謂ECCM性を向上する等の手段
が講じられる。
【0007】また、通信回線Aを構成する、地上制御装
置1から無人移動体2への指令制御信号を伝送する上り
データリンクAuと、無人移動体2から地上制御装置1
への応答信号を伝送する下りデータリンクAdは、相互
の電波干渉を避けるため、異なる周波数を使用するこ
と、さらには両データリンクAu、Adの対妨害能力向
上のためにスペクトラム拡散変調方式が援用されるのが
一般である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た手段は、一般的なものであるため、当然のこととして
相手側も対向手段を講じており、それゆえ相手側が装備
していると想定される妨害装置3の働きを考えると、先
ず両データリンクAu、Adに使用されている周波数、
およびこの両データリンクAu、Adを構成する各単位
信号Cの信号フォーマット等の実測、解析を行い、最も
効果的な妨害を試みることが予想され、その中には、無
人移動体2を逆に誘導してろ獲しようとすることも考え
られる。
【0009】無人移動体2は敵対側、すなわち妨害装置
3側に接近すること、この無人移動体2には、物理的占
有容積等の制限から地上制御装置1に装備し得る空中線
よりもはるかに小型のものしか実装し得ないこと、を考
えると、物理的開口面積によって定まる空中線ビーム幅
は、満足できる程度に狭くすることはできず、これによ
り妨害を受ける恐れが高いと云う問題を避けられない。
【0010】また、無人移動体2が地上制御装置1に比
べて妨害装置3側に近いことから、地上制御装置1から
の上りデータリンクAuに対し、妨害装置3からの不正
信号が打ち勝って、あたかもこの不正信号が正規の信号
であるかのように乗り移る場合には、単位信号C中の誤
り制御信号Gも無力化され、無人移動体2は不正信号に
より誘導されてろ獲されてしまう可能性なしとしないと
云う問題がある。
【0011】そこで、本発明は、上記した従来技術にお
ける問題点を解消すべく創案されたもので、無人移動体
側における正規の信号と不正信号との識別を確実に達成
できるようにすることを技術的課題とし、もって無人移
動体の安全、かつ正確な運用の期待し得ることを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を達成す
る本発明の技術的手段は、無人移動体を、地上制御装置
からの指令制御信号を伝送する上りデータリンクと、無
人移動体からの応答信号を伝送する下りデータリンクと
により無線通信回線を構成して制御することにより、無
人移動体に搭載した観測装置で観測したデータを地上制
御装置側で得るものであること、上りデータリンクの単
位信号に含まれるデータ信号中に、この単位信号を不正
信号と識別するための識別信号を、予め取り決めた所定
の規則に従って位置不明に挿入すること、にある。
【0013】また、他の技術的手段は、無人移動体を、
地上制御装置からの指令制御信号を伝送する上りデータ
リンクと、無人移動体からの応答信号を伝送する下りデ
ータリンクとにより無線通信回線を構成して制御するこ
とにより、無人移動体に搭載した観測装置で観測したデ
ータを地上制御装置側で得るものであること、上りデー
タリンクの単位信号に含まれるデータ信号中に、この単
位信号を不正信号と識別するための識別信号を、予め取
り決めた所定の規則に従って位置不明に挿入すること、
下りデータリンクの単位信号の内、設定された一定個数
毎の単位信号のデータ信号中の定位置に、下り測距信号
を挿入した信号を送信し、この信号を受信してから上り
データリンクの選択された単位信号のデータ信号中の定
位置に、下り測距信号に応答する上り測距信号を挿入し
た信号を送信し、この信号を受信して、下り測距信号送
信時から上り測距信号受信までの応答時間を、通信回線
の電子的妨害に対する対抗能力向上のために使用するス
ペクトラム拡散変調方式の拡散率に従って決定されるチ
ップクロックパルスにより得ること、チップクロックパ
ルスのチップタイムを得ること、このチップタンムによ
り、次の応答時間計測までは、下りデータリンクの単位
信号送信時点から応答時間後の時間範囲±t’外に送信
されてくる単位信号を除去すること、にある。
【0014】識別信号を、送信対象としての無人移動体
を特定する移動体識別信号と、送信信号が正規の信号で
あることを意味する味方識別信号とから構成するのが良
い。
【0015】
【作用】地上制御装置と無人移動体との間の通信回線の
上りデータリンクの信号列の1フレームを構成する各単
位信号の信号フォーマットは、順に、各単位信号の同期
をとる同期信号と、指令制御信号であるデータ信号と、
この単位信号が正規のものであるか否かを示す誤り制御
信号とを並べて構成されているが、データ信号中に予め
取り決めた所定の規則に従って位置不明に挿入された識
別信号は、相手側が容易には判断できない所要長のパタ
ーンを有するものとなっている。
【0016】それゆえ、識別信号は、正規の信号である
ことを意味する各単位信号の暗証コードとして機能し、
無人移動体に受信された信号が、地上制御装置からの正
規の信号か、相手側の妨害装置からの不正信号かの識別
判断を、明確にかつ正確に下すことが可能となる。
【0017】この識別信号は、相手側が容易には判断で
きない所要長のパターンを有するものであるが、単位信
号中のデータ信号中に位置不明に挿入されることによっ
て、このデータ信号でマスクされることになり、これに
より相手側による識別信号の解析は、より一層困難なも
のとなる。
【0018】また、仮に、無人移動体側において、上り
データリンクの一つの単位信号の受信時点を正確に設定
することができるのであれば、上りデータリンクの各単
位信号の時間幅が一定であることから、無人移動体にお
いては、前記した受信時点を基準にして、この一定時間
幅間隔で受信される単位信号を正規の単位信号と判断す
ることができるはずであるが、無人移動体の移動によ
り、地上制御装置と無人移動体との距離が変化し、この
距離の変化に従って、地上制御装置から無人移動体に到
達する単位信号の伝播時間も変化するため、無人移動体
における単位信号の受信時間間隔が、単位信号の時間幅
とわずかにずれ、このずれが累積されるため、上記した
一つの単位信号の受信時点を基準にして、単位信号の時
間幅により正規の単位信号か否かの判断を下す手段は採
用できないことになる。
【0019】しかしながら、無人移動体の移動による時
間のずれは、個々の単位信号においては極めてわずかで
あるため、単位信号の制限された個数範囲であれば、無
人移動体における単位信号の受信時間間隔と単位信号の
時間幅とのずれを無視できる程度に抑えることができ、
これにより上記した手段の採用が可能となる。
【0020】そこで、単位信号の設定された一定個数毎
(この個数は1、すなわち連続であっても良い)に応答
時間を計測することにより、無人移動体側における単位
信号の受信時点の基準時点を設定し、この基準時点を基
準にして、前記した無人移動体における単位信号の受信
時間間隔と単位信号の時間幅とのずれの累積が、応答時
間計測手段の分解能を越えない単位信号の個数範囲、す
なわち前記した設定された一定個数の範囲内であれば、
単位信号の時間幅により、受信された単位信号が正規の
信号であるか否かを判断することができることになる。
【0021】応答時間計測の最小分解能はチップタイム
t’であるが、無人移動体の移動により発生する時間的
なずれは、チップタイムt’に比べて極めて小さい値で
あるので、受信時点の基準時点設定後に受信される単位
信号の受信時間間隔にずれが生じていたとしても、この
単位信号は、基準時点から、応答時間後の一定時間範
囲、すなわち±t’の時間範囲内に必ず受信されること
になるので、この時間範囲内に受信されたことにより、
この単位信号を正規の単位信号と判断することができる
のである。
【0022】なお、応答時間を計測する単位信号の個数
間隔は、この個数の単位信号の時間で移動できる無人移
動体の最大距離を、単位信号がt’の時間を単位として
分解できることを条件として設定される。
【0023】また、識別信号を無人移動体を特定する移
動体識別信号と、味方識別信号とから構成することによ
り、複数の無人移動体を同時に稼働させる場合、各無人
移動体の動作を正確に制御することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を、本発明の実施形態を示す図
面を参照しながら説明する。図1は、飛翔体である無人
移動体2を地上制御装置1で操作して、相手側の領域で
ある観測領域4を観測している状態を模擬したもので、
地上制御装置1と無人移動体2との間には、上りデータ
リンクAuと下りデータリンクAdとにより無線通信回
線Aが形成されており、この地上制御装置1による無人
移動体2の操作を妨害するために、相手側の妨害装置3
から無人移動体2に対して欺瞞回線Kが放射されてい
る。
【0025】図2は、上りデータリンクAuの信号フォ
ーマットの一例を示すもので、図2(a)は上りデータ
リンクAuの信号列Bを示し、図2(b)は、信号列B
の1フレームである単位信号Cの信号フォーマットの一
例を示している。
【0026】図2(b)から明らかなように、単位信号
Cは、この単位信号Cの同期を得るためのフレーム同期
信号Dと、指令制御信号であるデータ信号Fと、この単
位信号Cが正しく受信されたかどうかを確認する信号で
あることをチェックするための誤り制御信号Gと、そし
てデータ信号F中にマスクされた状態で挿入された識別
信号Eと、から構成されている。ここで、n1はフレー
ム同期信号Dのビット数、n2は識別信号Eのビット
数、n3はデータ信号Fのビット数、そしてn4は誤り
制御信号Gのビット数である。
【0027】図3は、識別信号Eを、移動体識別信号E
1と、味方識別信号E2とから構成したフォーマットの
例を示すもので、移動体識別信号E1に比べて、味方識
別信号E2のビット数を大きくすることにより、相手側
による味方識別信号E2の解析の困難さを少しでも大き
くしている。
【0028】識別信号Eとして使用するコードは、相手
側が容易には解析できない所要長のパターンであれば何
であっても差し支えないが、一例として説明の便宜上
は、最大周期長シフトレジスタ群から作られた乱数的性
質を持った2値(1と0)の系列より選んだn2ビット
のようなものである。
【0029】ビット長n2は、単位信号Cのフォーマッ
ト長との関連にもよるが、安全性にも大いに依存し、例
えば、長さn2ビット長のコードは、2n2通りの互いに
異なるパターンの組み合わせがあり得るが、前記した最
大周期長シフトレジスタ群等の発生器からの選択コード
であれば、コード間の符合間距離(例えば、ハミング距
離)が幾つ以上であるとかの制限条件が伴うことになる
ので、取り得るコードの総数は2n2通りよりは少なくな
るのが一般である。
【0030】このような場合には、選択されたコードパ
ターンの重複使用を許して、ランダム化順列に依存する
のが良い。例えば、ビット長n2=15ビット(説明の
便宜上、図3の移動体識別信号E1部分は省略した)と
仮定すれば、32768通りのコードパターンがある
が、このうち乱数的パターンが1桁少ないとしても、そ
の順列は(3276)!>>(60)!≒8.32×10
81通りであり、実用上充分多数と考えて差し支えない。
【0031】要するに、一例として2値系列の乱数的パ
ターンを識別信号Eのコードとして割り当てることを例
示したが、相手側にいかなる手段によって生成されたコ
ードであるかが判明し難いコードであればどのようなも
のであっても良いのである。従って、識別信号Eのコー
ドは生成不明であるから、送・受信側で共通に使用コー
ドを管理・制御・照合するメモリと、その制御機能を必
要とするが、現今のディジタル技術をもってすれば、実
現は極めて容易である。
【0032】識別信号Eのコードの生成過程が不明であ
るとは言え、有限なビット長を持っていることから、相
手側に解析される恐れがあり、この恐れを無くすため、
識別信号Eをデータ信号Fの中に挿入し、識別信号Eを
データ信号Fの信号フォーマット中にマスクする。
【0033】識別信号Eをデータ信号F中にマスクする
方法は種々あるが、簡単な系統的方法として、次の方法
が考えられる。(以下、図4参照)データ信号Fの信号
フォーマット中、送信すべきデータn3ビットの初めの
5ビットと最後の4ビットを合わせて9ビットを見る。
9 =512であるから、このデータを10進数として
見る場合、512番地までの指定ができる。識別信号E
はn2ビットであるから、図4(a)に示す通り、(E
+F)の領域中に在り得る。
【0034】具体的な数値例を示す。 n2=15、n3=396とすると、n3−9−n2=
372 となる。今、133×d(29 が示す10進数) mod3
73なる合同式による演算を行うと、 のように、373を超えることのない数に閉じ込められ
る。従って、この値が示す所を先頭ビットとして識別信
号Eのコード15ビットを挿入するのである。そして、
この位置は、データ信号Fの最初の5ビットと最後の4
ビットが教えている。それゆえ、この約束と、133お
よび373なる数字による合同式演算法を知らなけれ
ば、データ信号Fのどの位置に識別信号Eがあるのか、
知ることはできない。なお、133の値は適当に変化さ
せることができる。
【0035】なお、データ信号F中の最初と最後からの
9ビットを例として採用したのは、データ値相互間に相
関性が少なく、かつ毎フレームごとに変化すると想定し
て選んだためで、識別信号Eの位置は、データ信号Fが
変われば毎フレーム変化することになる。また、この9
ビットは、必ずしも最初と最後から採用しなくても良
い。
【0036】図5は、単位信号Cを作成する電気回路構
成の一例のブロック回路を示すもので、説明の便宜上、
機能的かつハードウェア的模擬表示をとっており、また
クロックパルス等動作制御上の諸信号は総て省略してい
ると共に、ソフトウェアによる処理等は一切省略し、ハ
ードウェアとの分担機能も明確ではないが、これ等は処
理速度、物理サイズ等を考慮の上、実設計すれば良い。
【0037】データ信号Fを演算回路5に入力すること
により、予め定められた約束によりこの演算回路5から
アドレス指定信号Jが出力される。このアドレス指定信
号Jは、読み出し回路6に入力され、この読み出し回路
6に記憶されている識別信号Eを順に読み出して、デー
タ信号F中の指定された番地に挿入する。識別信号Eを
設定された番地に挿入したデータ信号Fは、誤り制御信
号付加回路7に入力され、ここで誤り制御信号Gが付加
され、次いでフレーム同期信号付加回路8に入力され、
このフレーム同期信号付加回路8に送り込まれるフレー
ム同期信号Dと組合せられることにより、単位信号Cに
生成されて出力される。
【0038】地上制御装置1と無人移動体2との間の無
線通信回線Aは、相手側の妨害装置3に対して電子的な
対抗能力(ECCM性)を強化しておくことが大切であ
ることから、スペクトラム拡散変調方式が採用されてい
る。このスペクトラム拡散変調方式は、特殊な拡散符号
による広帯域信号を相関検出するため、あたかもレーダ
のレンジング機能と同等の機能をも併せ持っている。
【0039】フレーム同期信号D31ビット後のデータ
信号Fが396ビット(指令/応答データ量で定ま
る)、ビットレートが32KDPS、スペクトラム拡散変調
方式の拡散率が255であると仮定すると、チップタイ
ムt’は、 (1/32KDPS)×(1/255)≒0.123μs となるが、信号の伝搬速度3×108 m/s から、距離分
解能として 0.123μs×300m/μs≒37m に相当する。従って、実質的には、地上制御装置1と無
人移動体2との距離と、妨害装置3と無人移動体2との
距離との差が37m以上であれば、分離可能である。分
離能力を高める必要がある場合には、拡散率を大きく選
べば良い。但し、無線通信回線Aの必要帯域幅は広が
る。
【0040】また、無人移動体2の行動が、観測領域4
で最大150Km/Hのオーダであると仮定すると、信
号列Bの1フレーム、すなわち一つの単位信号Cの送信
に要する時間は、31+396+10=437ビット×
1/32KDPS≒13.7msであるから、この間の無人
移動体2の移動距離は、0.57mに過ぎず、距離分解
能以内である。
【0041】無人移動体2と地上制御装置1との距離を
正確に計測するために、一例として単位信号Cの信号フ
ォーマット中のフレーム同期信号Dの直後に測距信号H
を挿入する。この測距信号Hの長さは、通信回路Aの信
号対雑音比に依存するが、大略フレーム同期信号Dの長
さと同程度で良い。そして、無人移動体2側を基準とし
て、常に上りデータリンクAuと下りデータリンクAd
の各フレームのずれを計測するようにする。なお、計測
の時間単位は、スペクトラム拡散変調のチップクロック
パルスIとする。
【0042】図6は、この間の事情を例示するもので、
下り測距信号Hdを挿入した無人移動体2からの下りデ
ータリンクAd中の単位信号Cの一つである信号C1
は、無人移動体2から送信後、時間t1 後に地上制御装
置1で信号C2として受信される。すなわち、時間t1
が無人移動体2から地上制御装置1までの信号C1の伝
搬時間となる。地上制御装置1で受信された信号C2
は、時間t2 の同期処理後信号C3となる。
【0043】この信号C3の下り測距信号Hdを検出し
た時間t2 後の、最も近い上りデータリンクAuの単位
信号C中に、下り測距信号Hdに対する応答信号として
の上り測距信号Huを挿入した信号C4を、地上制御装
置1から無人移動体2に送信する。無人移動体2は、こ
の信号C4を時間t3 後に信号C5として受信し、同期
処理により信号C6として、時間t4 後に上り測距信号
Huを検出して、下り測距信号Hd発信から上り測距信
号Hu受信までの応答時間t0 を得る。なお、応答時間
0 は、時間としての値ではなく、チップクロックパル
スIの数であっても良い。
【0044】無人移動体2においては、上りデータリン
クAuの任意の単位信号C受信後、応答時間t0 経過後
の時間範囲±t’内に次の単位信号Cが受信されたなら
ば、この単位信号Cを正規の単位信号Cと判断し、反対
に応答時間t0 経過後の時間範囲±t’外に受信された
単位信号Cは不正信号であると判断してこれを除去す
る。すなわち、次々と受信される単位信号Cの受信時間
間隔が、無人移動体2が1フレームの時間中に移動する
最大距離を、信号が通過するに要する時間を最大範囲と
して連続して受信されている場合は、これを正規の単位
信号Cと判断し、信号が前記時間の最大範囲を超えて受
信されて不連続性を示したならば、この受信された信号
を不正信号と判断するのである。
【0045】また、無人移動体2の移動による受信時間
のずれは、単位信号Cの受信の毎に累積されるので、こ
の累積された時間のずれの値が時間範囲±t’を超えな
い内に、次の測距計測を行って新たな応答時間t0
得、この新たな応答時間t0 と時間範囲±t’とによ
り、受信された単位信号Cの良否を判断するのである。
【0046】下り測距信号Hdおよび上り測距信号Hu
としては、例えばM−系列のような相関性の顕著な信号
を使用するのが良い。
【0047】
【発明の効果】本発明は、上記した構成となっているの
で、以下に示す効果を奏する。上りデータリンクの単位
信号のデータ信号中に、味方からの信号であることを意
味する識別信号を、このデータ信号でマスクした状態で
挿入したので、相手側がこの識別信号を解析することは
殆ど不可能であり、もって相手側からの欺瞞回線に惑わ
されることなく、地上制御装置により無人移動体を安全
にかつ正確に指令制御することができる。
【0048】識別信号をデータ信号中にマスクした状態
で挿入するための電子回路構成は、現在の常識的な電子
回路技術により容易に得ることができ、かつ正確で確実
な動作を得ることができる。
【0049】地上制御装置と無人移動体との間の距離に
従った信号の応答時間と、この応答時間を計測する分解
能の時間範囲とを利用して、正規信号と不正信号とを振
り分ける手段を併用した場合には、無人移動体の受信回
路内に入り込む不正信号の数を大幅に削減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】妨害装置が存在する、地上制御装置により指令
制御される無人移動体の電子的環境を模擬した説明図。
【図2】地上制御装置と無人移動体との間の無線通信回
線における両データリンクの信号フォーマットを示すも
ので、図2(a)は信号列を、図2(b)は単位信号の
信号フォーマットの一例を示すものである。
【図3】本発明に使用される識別信号の信号フォーマッ
トの一実施例を示す図。
【図4】単位信号のデータ信号中への識別信号の挿入例
を示す説明図で、図4(a)は挿入条件説明図、図4
(b)は挿入実施例図。
【図5】データ信号中に識別信号を挿入して単位信号を
作成する電子的ブロック図。
【図6】地上制御装置と無人移動体との距離による応答
時間計測動作の説明図。
【符号の説明】
1 ; 地上制御装置 2 ; 無人移動体 3 ; 妨害装置 4 ; 観測領域 5 ; 演算回路 6 ; 読み出し回路 7 ; 誤り制御信号付加回路 8 ; フレーム同期信号付加回路 A ; 無線通信回線 Au; 上りデータリンク Ad; 下りデータリンク B ; 信号列 C ; 単位信号 D ; フレーム同期信号 E ; 識別信号 E1; 移動体識別信号 E2; 味方識別信号 F ; データ信号 G ; 誤り制御信号 H ; 測距信号 Hu; 上り測距信号 Hd; 下り測距信号 I ; チップクロックパルス J ; アドレス指定信号 K ; 欺瞞回線 t’; チップタイム t0 ; 応答時間 C1、C2、C3、C4、C5、C6 ; 信号 t1 、t2 、t3 、t4 ; 時間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無人移動体(2) を、地上制御装置(1) か
    らの指令制御信号を伝送する上りデータリンク(Au)と、
    前記無人移動体(2) からの応答信号を伝送する下りデー
    タリンク(Ad)とにより無線通信回線(A) を構成して制御
    することにより、前記無人移動体(2) に搭載した観測装
    置で観測したデータを得るに際し、前記上りデータリン
    ク(Au)の単位信号(C) に含まれるデータ信号(F) 中に、
    前記単位信号(C) を不正信号と識別するための識別信号
    (E) を、予め取り決めた所定の規則に従って位置不明に
    挿入する不正信号防止方法。
  2. 【請求項2】 無人移動体(2) を、地上制御装置(1) か
    らの指令制御信号を伝送する上りデータリンク(Au)と、
    前記無人移動体(2) からの応答信号を伝送する下りデー
    タリンク(Ad)とにより無線通信回線(A) を構成して制御
    することにより、前記無人移動体(2) に搭載した観測装
    置で観測したデータを得るに際し、前記上りデータリン
    ク(Au)の単位信号(C) に含まれるデータ信号(F) 中に、
    前記単位信号(C) を不正信号と識別するための識別信号
    (E) を、予め取り決めた所定の規則に従って位置不明に
    挿入する手段と、前記下りデータリンク(Ad)の単位信号
    (C) の内、設定された一定個数毎の単位信号(C) のデー
    タ信号(F) 中の定位置に、下り測距信号(Hd)を挿入した
    信号(C1)を送信し、該信号(C1)を受信してから上りデー
    タリンク(Au)の選択された単位信号(C) のデータ信号
    (F) 中の定位置に、前記下り測距信号(Hd)に応答する上
    り測距信号(Hu)を挿入した信号(C4)を送信し、該信号(C
    4)を受信して、前記下り測距信号(Hd)送信時から上り測
    距信号(Hu)受信までの応答時間(t0)を、前記無線通信回
    線(A) の電子的妨害に対する対抗能力向上のために使用
    するスペクトラム拡散変調方式の拡散率に従って決定さ
    れるチップクロックパルス(I) により得、前記チップク
    ロックパルス(I) のチップタイム(t')により、次の応答
    時間(t0)計測までは、前記下りデータリンク(Ad)の単位
    信号(C) 送信時点から応答時間(t0)後の時間範囲±t'外
    に送信されてくる単位信号(C) を除去する手段と、を併
    用する不正信号防止方法。
  3. 【請求項3】 識別信号(E) を、送信対象としての無人
    移動体(2) を特定する移動体識別信号(E1)と、送信信号
    が正規の信号であることを意味する味方識別信号(E2)と
    から構成した請求項1または2に記載の不正信号防止方
    法。
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