JPH0648961B2 - シモン芋を混入した麺類の製造法 - Google Patents

シモン芋を混入した麺類の製造法

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JPH0648961B2
JPH0648961B2 JP1150639A JP15063989A JPH0648961B2 JP H0648961 B2 JPH0648961 B2 JP H0648961B2 JP 1150639 A JP1150639 A JP 1150639A JP 15063989 A JP15063989 A JP 15063989A JP H0648961 B2 JPH0648961 B2 JP H0648961B2
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熊本製粉株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の用分野〕 本発明は、シモン芋を混入した麺類の製造法であり、詳
しくは、我国において古来より栽培されているサツマイ
モと比較し、ミネラル質をはじめビタミン類、繊維質を
多く含んでいる白サツマ芋の一種であるシモン芋を液状
化または粉末化し、それに適量のアスコルビン酸、シス
テイン塩酸塩を同時に添加し、小麦粉に練り混ぜて麺類
を製造することを特徴とするシモン芋を混入した麺類の
製造法に関する。
〔従来の技術〕
甘藷(かんしょ)は、別称さつまいも、からいもとも呼
ばれている。
この従来より知られる甘藷について、栄養上の視点から
みた場合、それは黄肉種(紅赤。別名、「金時」)の場
合を例に挙げると、ビタミンA(カロチン)を100g
中、50μgを含み(普通種でも10μg)、しかもビタミ
ンB、同C、繊維その他を含むことから(四訂食品成
分表。1989年1月発行、女子栄養大学出版部、39頁参
照)、吾人の体内にあって、各種の病害感染症に対する
抵抗性を有することやガン予防にも役立つとされ、栄養
食品として見直されている。
しかしながら、一方では成分的特徴として、水分が多い
ことと、デンプン質に偏り過ぎていること、加えて貯蔵
上の問題と、米、麦を大きく上回る重量であることから
経済性の面からも問題視されているのが現状である(総
合食品事典(第6版)、昭和61年7月12日発行、第380
頁同文書院刊参照)。
近年、我国においては、鹿児島、宮崎に澱粉工場が集中
しており、県全体の趨勢としても澱粉用甘藷の消費量が
減少の傾向にあるため、青果用、加工食品用へと転換を
迫られ、特に甘藷を用いた各種の新製品について研究開
発がなされている(農林水産省農蚕園芸局畑作振興課、
芋類の生産流通に関する資料、昭和62年9月発行。な
お、同省同課監修。日本の特産農作物。昭和62年11月10
日発行。第95〜105頁参照)。
このような状況を背景として、昭和61年頃よりにわかに
白サツマ芋(シモン1号。以下、シモン芋という。)に
深い関心が寄せられている。特に、その成分が前記した
在来のサツマ芋のそれを遥かに上回る豊富な栄養素を含
有し、すぐれた効用のあるものとたれている点にある。
そのため、シモン芋を地場農産物として有効利用するこ
とによって、地場農業の振興、活性化をはかれるという
ことにある。
そこで、本発明に使用するシモン芋について説明する。
シモン芋は、ブラジル国立農科大学のシモン教授の研究
により育成されたものであるが、それはブラジルの密林
内で発見された白サツマ芋の一種である。
シモン芋の栄養成分に関するデータを次頁の第1表に示
す。
なお、試料としてのシモン芋は、生芋(100g)につい
てのデータであり、社団法人態本県薬剤師会 医薬品検
査センターの昭和63年10月11日付の試験結果書(第184
−1号)に拠るものである。
これまでシモン芋の利用方法についての紹介としては、
「白さつまいも(シモン1号)のしぼり汁」と題する記
事(健康食いも−台所の漢方薬、昭和60年8月20日発
行、第28頁、農山漁村文化協会刊)が知られる。また特
開昭63−66510号公報(酒の製造法)、特開昭63−29155
4号公報(味噌)には、それぞれシモン芋を成分とする
酒、味噌についての技術思想が開示されている。
しかしながら、特開昭58−201954号公報(食感の向上し
た生麺類の製造方法)にみられるように、小麦粉と馬鈴
薯澱粉などの澱粉類を含有する原料粉を使用した生麺類
の製造方法は知られるが、シモン芋の粉状物または液状
物を麺類に添加、混入することは、シモン芋の性状から
生じる後記特有の問題があり、それを克服する解決策が
見出されなかったために、前記製麺に関する提案は全く
なされなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本来、食品一般に通じることであるが、食品の外観が視
覚的に美しく、しかも味覚が良好なものでなければなら
ない。
食欲をそそる色調を有することは、特有の好ましい香り
と味であることともに食品にとって必須不可欠なことで
あり、その色調も第1印象に影響し、その好適な色調は
需要者に対する訴求力を著しく高めることになるもので
ある。
ところで、甘藷デンプンについてみた場合、クロロゲン
酸を中心としたポリフェノール類の酸化により、それ特
有の着色の生じることは一般によく知られているが、シ
モン芋についても以下の問題がある。
すなわち、シモン芋を液状化または粉末状化し小麦粉に
練り混ぜ、常法により製麺した場合、伝統的な麺特有の
発色が全く期待出来ずに、黄土色を呈し、いわゆる褐変
(Browning)を生じることになる。それは酸化作用によ
り褐色となるものであって、外観が悪く麺類への利用は
困難であった。
一般に、うどんの場合、色の白いもの(黄白色)が好ま
れることから、皮部の混入が少ない色の白い小麦物が適
しているとされ、「乾麺類の日本農林規格」によると
「干うどん等」の「外観」は「色沢……が良好であるこ
と。」と規定している。
そのため、シモン芋についての関心が寄せられているも
のの、麺類との結び付きは前記の克服し難い問題点もあ
って、その提案のなされる余地は無かった。
本発明は前記した問題点を解決し、後述するとおりの効
果を発揮するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、具体的には、シモン芋を液状化または粉末化
し、それにアスコルビン酸1.0%、システイン塩酸塩0.0
5〜0.10%を同時に添加し、小麦粉に練り混ぜて常法に
より麺類を製造することを特徴とするシモン芋を混入し
た麺類の製造法である。
上記した本発明を完成するに至った経緯をデータに基づ
き説明する。
発明者は、シモン芋を液状化または粉末化して、常法に
より製麺を実施した場合に生じる前記褐変を防止するこ
とに関し研究実験を重ねた。
第1図ないし第6図は、試験機器にカラーコンピュータ
−(スガ試験機株式会社製。SM−4−2型〔積分球式2
光路方式〕)を使用し、シモン芋褐変防止テストとして
乾麺の色調について分析検査を実施し、その結果をグラ
フをもって表示したものである。
第1図ないし第3図はY軸に白度を設定し、X軸にはア
スコルビン酸添加区またはシステイン塩酸塩添加区もし
くはそれらの併用添加区を配している。第4図ないし第
6図はY軸に黄度を設定し、X軸にはアスコルビン酸添
加区またはシステイン塩酸塩添加区もしくはそれら併用
添加区を配している。また、第1図ないし第6図のX軸
において左側から通常のうどん、芋無処理、それぞれの
添加区を配している。
更に、第16図および第17図は、ともに、Y軸に黄度を設
定し、X軸に白度を配した白度・黄度の相関を表わした
グラフである。第16図は乾麺製造後10日経過した場合の
グラフ、第17図は乾麺製造後50日経過した場合のグラフ
である。
前記各グラフを作成するに当っては、食欲をそそる色調
を有することが食品に関し必須不可欠であるので、我国
の一般市場で販売されている下表記載の乾麺を入手し、
その色調について色調検査を実施し、需要者の好む黄白
色を表わした。第16図および第17図は乾麺の色調分析結
果であり、グラフ中の数字1ないし12は、一般市場で販
売されている乾麺の製造または販売場所、およびその製
造者または販売者の名称を仮称した。
第16図および第17図中に示すアルファベットAないしD
は、アスコルビン酸、システイン塩酸塩併用添加区を記
している。
A:アスコルビン酸1.0% システイン塩酸塩0.05% B:アスコルビン酸1.0% システイン塩酸塩0.10% C:アスコルビン酸1.0% システイン塩酸塩0.15% D:アスコルビン酸1.0% システイン塩酸塩0.20% なお、白度および黄度の各データはそれぞれ3回実施し
た数値の平均値によるものである。
前記カラーコンピューター SM−4−2型は、積分球式
2光路方式と称呼され、光学系部分と計測部分とからな
り、試料の大きさを考慮して、測定法として反射測定と
透過測定のいずれかが選択され、黄度、黄変度、白度等
が直読されるものである。
分析に供された試料として、小麦粉(熊本製粉(株)
製、強力小麦粉と中力小麦粉との配合品)100とし、 (1)シモン芋 22 アスコルビン酸 0.11〜0.44 (2)シモン芋 22 システイン塩酸塩 0.022〜0.11 (3)シモン芋 22 アスコルビン酸 0.11〜0.44 システイン塩酸塩 0.022〜0.11 塩水濃度は5゜〜15゜ボーメに調整、加水量はシモン芋
の水分を考慮し、小麦粉100に対して30〜35に調整す
る。
以上の(1)ないし(3)ともに、それぞれ破砕機(家庭用ジ
ューサー、ロボクープ、マスコロイダー等)を用いジュ
ース状に加工し、またシモン芋の粒が十分かつ適度に破
砕された状態とし、その全量を前記小麦粉に加える。
また、比較対照区として、シモン芋、塩、水だけを破砕
機を用いジュース状に加工して製造された麺を「芋無処
理」とする。
かくしてから、常法により製造された生麺を乾燥し、コ
ーヒーミルにて粉砕し、粒度200メッシュスルーに調整
した各サンプルについて、測定値3回の平均値を得た。
一般市場で販売されている乾麺(前掲表。No.1ないしN
o.12)についても前記方法で同様に粉砕し、色調につい
て分析検査を実施し測定値3回の平均値を得た。
なお、グラフに記載されているアスコルビン酸、システ
イン塩酸塩の添加量(%)は、シモン芋に対してであ
る。
第1図は、全体的にみてアスコルビン酸の添加量が増加
するに従い、白度が強くなることが認められる。
また乾麺の経日変化を観察した場合、アスコルビン酸の
添加量が多い程、褐変しやすいことが理解された。
第2図は、システイン塩酸塩を添加した場合、褐変防止
の効果が認められるものの、その添加量の増減自体で
は、効果の点で特にきわだった変化は認められなかっ
た。
乾麺の経日変化を観察した場合、システイン塩酸塩の添
加量によるバラツキはなく、褐変の傾向がない。
第3図は、アスコルビン酸1.0%を添加し、かつシステ
イン塩酸塩0.05〜0.20%を同時に添加した併用による白
度の違いを示したものであり、生麺から製造直後の実線
で示した乾麺は、芋無処理に比べて、明らかな白度の相
違が認められる。
第4図は、アスコルビン酸添加による黄度の違いを示す
ものであり、アスコルビン酸の添加量が0.5〜1.0%の場
合は芋無処理の場合より黄度が増すが1.5%、2.0%を添
加すると、黄度は減少する傾向が認められる。
乾麺の経日変化による変色を観察すると、前記添加量が
多いほど変色の起こりやすいことが理解される。
第5図は、システイン塩酸塩添加による黄度の違いを示
すものであり、システイン塩酸塩添加による黄度の経日
変化は認められず、0.1%添加の場合が最も黄度を増す
ことが理解される。
第6図は、アスコルビン酸1.0%を添加し、かつシステ
イン塩酸塩0.05〜0.20%を同時に添加した併用による黄
度の違いを示したものであり、生麺から製造直後の実線
で示した乾麺は芋無処理に比べて、黄度について若干の
上昇がみられるものの、さほど変化がないと認められ
る。
しかし第3図および第6図に示される乾麺の経日変化に
注目すると、日数が経過するにつれて白度が減少し、黄
度が増している。従って白度が減少し、黄度が増すこと
により、シモン芋を混入しながらも好ましい黄白色の色
調を呈する麺類と製造することができることになる。
第16図に示す一般市場で販売されている乾麺について
は、かなり強い相関があり、この白度と黄度の関係が乾
麺の食欲をそそる色調と認められ、それは、需要者の好
む黄白色となる。比較対照区として、シモン芋、塩、水
だけを破砕機を用いてジュース状に加工して小麦粉に練
り混ぜて常法により製造された麺「芋無処理」は、一般
市場で販売されている乾麺の白度と黄度の関係とは一致
せず、需要者の好む色調を呈しているとは考えられな
い。
しかし、シモン芋を液状化または粉末化し、それに適量
のアスコルビン酸、システイン塩酸塩を同時に添加し、
小麦粉に練り混ぜて常法により麺類を製造することによ
って、一般市場で販売されている乾麺の白度と黄度との
関係と一致する結果、需要者の食欲をそそる黄白色の色
調を呈するのである。
また、第17図より理解されるとおり、乾麺製造後50日経
過した場合においても、前記と同様に、食欲をそそる色
調を有していることが説明できる。
次に、発明者はシモン芋を混入した麺類として、乾麺に
関し、レオメーターテストを以下のとおり実施した。
食品の物理的性質を研究する流動変形に関する学問、い
わゆるレオロジーの研究に使用される物性測定装置の一
つとして、レオメーターが挙げられ、それは食品の品質
管理、加工技術の開発・評価に活用され、食感に関する
テクスチャーの評価と併せて利用されている。
同様に、麺類においても、粘弾性を“足(あし)”、硬
さを“腰”と表現しているように、品質を決定する重要
な要素であるので、それら性状を力学的に解析すること
が行われている。
本発明において、使用した測定装置は、レオメーター
(株式会社サン化学製。サン レオメーター J-K102
1)であり、テクスチャー、クリープ、レオメーター他
の各試験を実施できる多機能な装置である。
上記レオメーターによる試験項目としては、引っ張り強
度試験を実施した。
ここで言う引っ張り強度とは、物体の長さ方向の伸びと
荷重の関係を求めると、一般に最大荷重点と呼ばれる極
大値が表われ、この点で物体は局部収縮を起こし始め、
以後荷重は降下しても伸びは増大し、やがて物体は破断
する現象であり、その時の最大荷重を収縮前の断面積で
除いた値を言う。
本テストは、前記色調についての分析検査において使用
した試料と同一のものである。
具体的には、サンプルは乾麺を使用し20分間茹でて得た
ものであり、それについて茹で後2分、6分の経時変化
を観察した。
テストに際し、前記レオメーターにサンプルをセットす
る場合、麺線を2重にガーゼで巻き、極力、一定の力で
固定されるよう配慮した。前記固定は麺線の中ほどで切
断されることが望ましいものである。
本テストの結果は、第7図ないし第14図に示されるとお
りである。
第7図ないし第10図はY軸に引っ張り強度を設定し、X
軸にはアスコルビン酸添加区またはシステイン塩酸塩添
加区もしくはそれらの併用添加区を配している。第11図
ないし第14図はY軸に伸びを設定し、X軸にはアスコル
ビン酸添加区またはシステイン塩酸塩添加区もしくはそ
れらの併用添加区を配している。また、第7図ないし第
14図のX軸において左側から通常のうどん、芋無処理、
それぞれの添加区を配している。
第7図によると、全体的にみて、通常のうどんに比べ、
シモン芋にアスコルビン酸を添加したうどんは、引っ張
り強度が強いが、システイン塩酸塩を添加すると、極端
に引っ張り強度が低下することが認められる。
第8図によると、通常のうどんに比べ、アスコルビン酸
の添加量が0〜1.0%では引っ張り強度は強いが、アス
コルビン酸の添加量が多いほど、引っ張り強度は弱くな
ると理解される。
第9図によると、システイン塩酸塩を添加すると、麺の
引っ張り強度が弱くなり、添加量が多くなるとその差が
顕著であることがわかる。
第10図によると、アスコルビン酸1.0%を添加し、かつ
システイン塩酸塩0.05〜0.20%添加した併用型は、添加
量1.0%、0.10%が最も強く、システイン塩酸塩の添加
量が増えるほど、強度低下が認められる。
第11図によると、全体的にみて、通常のうどんに比べシ
モン芋を混入したうどんは伸びが弱い。また、システイ
ン塩酸塩を添加することにより、うどんの伸びは極端に
悪くなることが認められる。
第12図によると、アスコルビン酸の添加量が1.5%の
場合が最も伸びが強く、添加量0〜1.0%の場合には伸
びに大きな変化はなかった。
第13図によると、システイン塩酸塩の添加量が多くなる
ほど伸びが悪くなり、食感上、問題がある。
第14図によると、アスコルビン酸、システイン塩酸塩の
併用型は、アスコルビン酸の添加量1.0%に対し、シス
テイン酸0.05%の場合が良好であり、システイン塩酸塩
の添加量が増えるほど伸びが弱くなる傾向が認められ
た。
以上のテスト結果を総合し、研究成果をまとめると、 第1に、アスコルビン酸だけでは、乾麺に加工して時間
が経過すると褐変しやすい。また添加量を多くすると褐
変防止の効果が大であることが認められた。
第2に、システイン塩酸塩を0.10%位添加すると、褐変
しにくく、経日変化も起りにくい。
第3に、アスコルビン酸だけでは、乾麺の経日変化が起
るが、システイン塩酸塩併用により、色調を維持し、経
日変化も起りにくい。
乾麺の色調から考えると、アスコルビン酸1.0%、シス
テイン塩酸塩0.05〜0.10%が好ましい。
第4に、アスコルビン酸、システイン塩酸塩の添加量を
多くすると、麺の引っ張り強度、伸びは弱くなる傾向が
あるから、適正値を選定すべきである。
なお、生麺(ロール圧延後、切歯前であって、口金を使
用し、一定の型に切り抜いて得たサンプルについての分
析を3枚それぞれについて表裏各2回実施)および茹麺
(前記生麺のサンプルを用いて20分間茹で、2枚それぞ
れについて表裏各2回実施)に関する色調テストをした
ところ、その研究成果も前記乾麺の場合と同様であっ
た。
また、ロール圧延、切歯後の生麺、茹麺のレオメーター
テストを実施したところ、前記乾麺の場合と同様であっ
た。
次に、本発明の実施例を述べる。
(1) 市販のうどん用小麦粉(熊本製粉(株)製、スペ
シャルおよび紫銀杏の配合品)を用いた。
これとは別に、小麦粉1kgに対してシモン芋220g、ア
スコルビン酸2.2g、塩27g、水160gを家庭用ジューサ
ーを用いて4〜5分間破砕してジュース状に加工した。
ミキサー((株)愛工舎製作所製、AM-20)に小麦粉1k
gと上記ジュース状に加工したシモン芋を入れて、低速
にて10分間混練した。製麺は試験用製麺機(大竹麺機
製。大竹式製麺機)にて行った。荒出し、複合(ロール
間隙5.0mm)を行った後、ロール間隙3.1mm、2.0mmと圧
延し、最終麺帯の厚みを1.7mmになるよう再度圧延し
た。麺線の切り出しは10番角の切歯を使用した。
生麺を沸とう水中で、約20分間茹で冷水で1分間冷し
て、食味評価を行った。色調は若干黄色を帯びている
が、通常のうどんとさほど変りはなかった。また、味
も、ほのかな芋の甘みがあり良好であった。
この生麺を乾燥、50日経過後に同様の食味評価を行った
ところ、味はほとんど変化ないが、色調では赤色が増し
褐変していた。
(2) 小麦粉1kgに対して、シモン芋220g、システイン
塩酸塩1.1g、塩27g、水160gを家庭用ジューサーを用
いて、4〜5分間破砕してジュース状に加工した。
前記実施例(1)と同様の小麦粉を用い、製麺を行った。
アスコルビン酸のみの処理に比べ、若干黄色が濃く、緑
色がかっている。食味評価では、麺の茹で溶けが目立
ち、麺が切れやすかった。また、乾燥50日後の評価では
色の変化はさほど感じられなかった。
(3) 小麦粉1kgに対して、シモン芋220g、アスコルビ
ン酸2.2g、システイン塩酸塩0.22g、塩27g、水160g
を家庭用ジューサーを用いて4〜5分間破砕してジュー
ス状に加工した。
前記実施例(1)と同様の小麦粉を用い製麺を行った。
アスコルビン酸、システイン塩酸塩を併用することによ
り、麺の褐変を防止し、乾燥50日経過後でも変色しなか
った。
また食欲も良好であり、シモン芋を入れることにより、
独特な食感になった。
以下のとおり、実施例1によるうどんについて官能検査
を行い、第15図に示す得点表のごとき結果を得た。
なお、得点方法は官能検査のパネルが持っている普通の
うどんのイメージを標準として採点した。
第15図に示す得点表を考察すると、年代別で見ると20代
の評価がすべての項目で良くなかったものの、全体では
標準を上回る得点が得られた。特に30代の評価が全項目
において良かった。これは主婦層に良い評価を得たと考
えられ、シモン芋入りうどんの需要が期待されるものと
評価された。
またイメージ的にも67%と良い結果が得られたので、シ
モン芋入りうどんは商品価値のある新機軸の商品と判断
された。
〔効 果〕
第1に、本発明によれば、シモン芋を単純に混入した麺
類の場合、黄土色を呈し酸化作用で褐色となり、外見上
の見栄えが著しく悪く、商品価値の面からみて、麺類へ
の利用は不向きであったのを解決したものである。
第2に、従来の麺は茹で上げ後時間経過(約20分以上)
とともに食味が悪くなる、すなわち粘弾性(コシ)が低
下したが、本発明に従い適量(20〜30%前後)のシモン
芋を混入した麺は、適度の粘りと弾力性の向上をもたら
す有意義なものである。
第3に、麺類は黄白色を呈することが好まれ、褐色に変
化するシモン芋は利用が阻害され、その活用は困難視さ
れていたが、アスコルビン酸、システイン塩酸塩および
麺類製造上の常法に従い食塩等を適切に配合することに
より褐変防止が可能となったものである。
第4に、シモン芋に含有するすぐれた成分を有する麺類
を製造することによって、吾人の不足がちな栄養素の補
給ができ、その摂取によって健康増進に寄与することに
なるものである。
【図面の簡単な説明】
図面のうち、第1図ないし第6図は、それぞれカラーコ
ンピューターを使用し、シモン芋褐変防止テストとして
の色調について分析調査を実施し、その結果をグラフを
もって表示したものであり、第1図ないし第3図は、ア
スコルビン酸添加の場合、システイン塩酸塩添加の場合
およびアスコルビン酸、システイン塩酸塩併用の場合に
おける各白度の違いを、第4図ないし第6図はアスコル
ビン酸添加の場合、システイン塩酸塩添加の場合および
アスコルビン酸、システイン塩酸塩併用の場合における
各黄度の違いをそれぞれ示し、第7図ないし第14図は本
発明に係るシモン芋を混入した乾麺についてレオメータ
ーを使用して実施した引っ張り強度試験に関するもので
あり、第7図ないし第10図は各添加剤による引っ張り強
度の違いを、また第11図ないし第14図は各添加剤による
伸びの違いをそれぞれ示すものである。また、第15図
は、実施例(1)によって得たうどんについて官能検査を
行った結果の得点表を示すものである。第16図はアスコ
ルビン酸、システイン塩酸塩併用添加区において乾麺製
造後10日経過した場合の白度・黄度の相関を一般市場に
販売されている乾麺と比較したグラフであり、第17図は
第16図と同様に乾麺製造後50日経過した場合の白度・黄
度の相関を一般市場で販売されている乾麺と比較したグ
ラフである。 システイン……システイン塩酸塩。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬口 芳男 熊本県熊本市千葉城町1番21号 日本たば こ産業株式会社熊本原料本部内 (72)発明者 谷口 守 熊本県熊本市千葉城町1番21号 日本たば こ産業株式会社熊本原料本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シモン芋を液状化または粉末化し、それに
    アスコルビン酸1.0%、システイン塩酸塩0.05〜0.10%
    を同時に添加し、小麦粉に練り混ぜて常法により麺類を
    製造することを特徴とするシモン芋を混入した麺類の製
    造法。
JP1150639A 1989-06-15 1989-06-15 シモン芋を混入した麺類の製造法 Expired - Lifetime JPH0648961B2 (ja)

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JP1150639A JPH0648961B2 (ja) 1989-06-15 1989-06-15 シモン芋を混入した麺類の製造法

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JP1150639A JPH0648961B2 (ja) 1989-06-15 1989-06-15 シモン芋を混入した麺類の製造法

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