JPH0647097A - 植え込み可能なペースメーカ - Google Patents

植え込み可能なペースメーカ

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JPH0647097A
JPH0647097A JP3069314A JP6931491A JPH0647097A JP H0647097 A JPH0647097 A JP H0647097A JP 3069314 A JP3069314 A JP 3069314A JP 6931491 A JP6931491 A JP 6931491A JP H0647097 A JPH0647097 A JP H0647097A
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pvc
pacemaker
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atrial
ventricular
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JP3069314A
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English (en)
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Stuart W Buchanan
ダブリユ ブキヤナン スチユアート
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Siemens AG
Original Assignee
Siemens AG
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N1/00Electrotherapy; Circuits therefor
    • A61N1/18Applying electric currents by contact electrodes
    • A61N1/32Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents
    • A61N1/36Applying electric currents by contact electrodes alternating or intermittent currents for stimulation
    • A61N1/362Heart stimulators
    • A61N1/3621Heart stimulators for treating or preventing abnormally high heart rate
    • A61N1/3622Heart stimulators for treating or preventing abnormally high heart rate comprising two or more electrodes co-operating with different heart regions

Abstract

(57)【要約】 【目的】 心室期外収縮(PVC)を検出しこれに応答
する装置を有するペースメーカにおいて、虚偽のPVC
を誤って検出したり、ペースメーカ媒介頻脈を誘発した
りするおそれを最小にするような、電子回路装置と方法
を提供する。 【構成】 電子回路装置は、心房ノイズ、又は早期のP
波がペースメーカの相対心房不応期間中に検出されると
これをラッチし、このラッチにより所定事象が起こるま
でPVC検出回路を抑止し、所定事象に基づきPVC検
出回路を再許容する。更にPVCが検出されてPVC応
答がトリガされた場合に、頻脈の誘発を防止するために
数回の心臓サイクル後に補助回路がこの応答を自動的に
打ち切る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は心臓ペースメーカに関
し、特に所定の方法で心室期外収縮(PVC)の発生に
応答する植え込み可能かつプログラム可能な心臓ペース
メーカに関する。特にこの発明に基づくペースメーカは
PVC応答が不適当にトリガされるおそれを最小にす
る。更にPVC応答が提供されるときに、ペースメーカ
媒介頻脈(PMT)が誘発されるおそれ、又はペースメ
ーカが別の状態で意図された機能を有効に遂行するのを
妨げられるおそれを低減するように設計されている。
【0002】
【従来の技術】ポンプとしての機能を有効に遂行するた
めには心臓は本来のAV同期性を維持しなければならな
い。「AV同期性」とは心房の収縮と心室の収縮との間
に存在する順次のタイミング関係を示す。所定の心臓サ
イクル又は鼓動において、心房(A)は所定のタイミン
グ又は同期関係すなわち「AV同期性」に従って心室
(V)に先立って収縮する。これらの収縮は一般に心臓
組織の減極に付随する電気信号または波を検出すること
により明らかとなるか又は測定され、この減極は心臓組
織の収縮の直前に起こる(多くの目的に対しては同時と
考えることができる)。これらの信号又は波は心電図
(ECG)上で見ることができ、心房の減極を示すP波
と、心室の減極を示すQRS波(しばしば群の主波であ
るR波と呼ばれる)と、心室の再分極を示すT波とを含
む。(心房も再分極するが、この心房再分極はほぼ心室
の減極と同時に起こる。心房の再分極により発生する電
気信号は一般に微細であり、ECGのずっと大きいQR
S波により遮蔽される。)
【0003】従って心臓の本来のAV同期性を示すのは
P−QRS−Tサイクルの波である。これらの波はそれ
らの間に存在するタイミング関係を含めて、心臓の動作
及び機能が検査されるときは常に、従来のECG技術に
より入念に調べられモニタされる。
【0004】ペースメーカは、心臓の適当な室に供給さ
れてこの室を減極させ従って収縮させる刺激パルスを発
生させることにより、心臓が所望のAV同期性を維持す
るのを助ける医療装置である。(ペースメーカの主な機
能はこの種の刺激パルスを提供することであるので、ペ
ースメーカはしばしばパルス発生器と呼ばれる。)すな
わち或る理由のために心臓が本来のAV同期性を維持で
きないならば、ペースメーカは心臓をモニタし、心臓が
適当なAV同期性を維持していないことを検出したとき
に、電気刺激パルスを供給するために利用される。例え
ば二室(心房心室)ペースメーカは右心房及び右心室を
モニタする。ペースメーカは適当な時点で心房減極を検
出すると、心房刺激パルスは発生させられない。ペース
メーカが心房減極後の所定時間内に心室減極を検出する
と、心室刺激パルスは発生させられない。しかしながら
もしペースメーカが心房又は心室の減極を所定時間内に
検出できないならば、(心房に供給されるならば)Aパ
ルスと呼ばれる刺激パルス及び(心室に供給されるなら
ば)Vパルスと呼ばれる刺激パルスが発生させられ、正
しい心臓リズムを維持するために適当な時点で心臓の適
当な室へ供給される。
【0005】心室期外収縮(PVC)は心室の一つから
起こる異所性拍動に由来する心室期外減極である。従っ
てPVCは順序から外れて、すなわち前の心室事象の後
に先立って介在する心房事象(P波又は心房ペースメー
カパルス)無しに起こる心室事象である。従って例えば
心臓の本来のAV同期性は次の順序 P R P R P R P R P R・・
・ により表すことができ、ここでPはAパルス又は自然に
起こるP波とすることができる心房事象を示し、RはV
パルス又は自然に起こるR波とすることができる心室事
象を示す。これとは対照的にPVCの発生は例えば次の
順序 P R R P R P R P R R P R
・・・ により表すことができ、ここで二つの連続するRは心房
事象の介在しない二つの心室事象を示す。(上記のPV
CシーケンスはPVCの発生に由来し起こり得る幾つか
のシーケンスのうちの一つにすぎないことに注意すべき
である。実際に下記に説明するようにPVCに関する問
題は、PVCがペースメーカからの多くの種々の応答を
誘発するおそれがあり、これらの応答のうちの或るもの
は心臓が本来のAV同期性を回復するのを妨げるので、
非常に望ましくないと言うことである。)この発明は、
真のPVCすなわち心房事象が介在すること無しに連続
する二つの心室事象が起きるときに、もし必要ならば本
来のAV同期性へ心臓を導き戻すペースメーカ応答が生
じることを保証するような装置と方法とを指向する。
【0006】心臓サイクル中の事象の正常なシーケンス
は右心房の洞房結節により供給される刺激パルスと共に
始まり、この刺激パルスは心房を収縮させ、すなわちP
波を引き起こす。(この理由から洞房結節は心臓が自然
に鼓動するときのレートを設定するので、しばしば心臓
の本来のペースメーカと呼ばれる。)前記のようにP波
は心房(左及び右の心房)の減極とそれにより発生する
心房の収縮との結果である。二室ペースメーカが用いら
れるときに、このP波は心房内に取り付けられた心房リ
ード線を経由してペースメーカの検出増幅器により検出
される。そしてP波の減極は心臓の房室結節を通り心室
へ伝わる。実際には血液が(心房の収縮により心房から
押し出されて)心室を満たすことができるために、この
伝導は適当な量、一般に100〜200msだけ自然に
遅延される。減極刺激が心室へ伝わるときに心室減極が
起こる。QRS波はこの減極の結果であり従って心室収
縮を示す(この収縮は血液を心室から身体の他の部分へ
送り出す)。この心室減極はまた、心室内に取り付けら
れた心室リード線を経由してペースメーカの検出増幅器
により検出される。これはR波として検出される。検出
されるとペースメーカはそのタイミング回路をリセット
し、心室への次に予定された刺激パルスを抑制する。洞
房結節が最後の減極からの回復期間後に、P波とこれに
続くR波とから成る別のサイクルを開始するとき、事象
のこのサイクルが繰り返される。もしサイクル内の或る
時点でP波又はR波が検出されないと、心臓の同期性を
維持するためにペースメーカが適当な刺激パルスを供給
する。
【0007】残念ながらPVCで心室事象すなわちR波
が時期尚早であり次の心房事象すなわちP波の前に起こ
るので、PVCは前記の事象の正常なサイクルに従わな
い。従ってペースメーカが確実にPVCを検出しPVC
を特異なものとして区別することが重要である。さもな
ければペースメーカは、例えば次のP波又はR波の検出
を抑止するように、ペースメーカのタイミング回路をリ
セットすることにより応答し、この動作はAパルス又は
Vパルスを不適当な時点で発生させるおそれがある。こ
れらのパルスはすべて心臓のAV同期性を著しく混乱さ
せるおそれがある。二室ペースメーカを装着した患者の
場合にPVCの発生から由来するこれらの問題の多く
が、アメリカ合衆国特許第4788980 号明細書に詳細に記
載されている。
【0008】この問題を認識してプログラム可能な二室
ペースメーカがPVCの検出に続く次の心臓サイクルの
タイミングを変更することは通常行われており、この変
更されたタイミングは心房不応期間の延長を含む。(心
房不応期間は後に詳細に説明するように、刺激パルスの
発生又は減極の検出以降に心臓事象が検出されない期間
である。)このことは逆向き伝導の検出を防止するため
に行われる。逆向き伝導は関連特許明細書に記載されて
いるように、心室の減極が心房へ逆向きに伝わり心房を
減極させるという状態であり、この心房減極は次に房室
結節を経て心室へ伝わり心室を減極させる。PVCから
起こる逆向き伝導が数心臓サイクルにわたり続くなら
ば、頻脈が生じるおそれがある。(頻脈は心臓の非常に
速いリズム又はレートである。)
【0009】DDDモード又はVDDモード、すなわち
異常な房室伝導経路を有する患者のための通常の作動モ
ードで働く心臓ペースメーカが用いられる場合には、ペ
ースメーカ自体が逆向き伝導により生じた各P波を追跡
して、プログラムされたP−V遅延の後に心室刺激パル
スを供給することにより頻脈を起こすおそれがある。こ
うしてペースメーカは各P波を追跡することにより、電
子的に(心房から心室への)前向き伝導経路を提供し、
もしR波がその後の所定の期間(プログラムされたP−
V遅延)内に検出されないならば、Vパルス(心室刺激
パルス)を発生させる。(心室から心房への)逆向き又
は後ろ向き伝導経路は、Vパルスの結果として起こる心
室の減極と共に始まる逆向き伝導により提供される。従
って逆向き伝導は心室減極を心房へ送り返して心房を減
極させ(逆向きP波をもたらし)、このプロセスが繰り
返される。このことはペースメーカ媒体頻脈PMTとし
て知られている。しかし残念ながら単一のPVCの発生
ですら、ペースメーカが逆向きP波の追跡を開始できる
ようにする方法でペースメーカタイミングをリセット
し、PMTを起こさせるおそれがある。従ってペースメ
ーカが確実にPVCを検出し、PMTが誘発されるのを
防ぐために適当な動作を行うことが非常に重要である。
【0010】従来技術から知られたPVCに対する一つ
の応答は、ペースメーカが1サイクルの間DVI作動モ
ードへ復帰することである。(種々のペースメーカモー
ドDDD、DDI、DVI、VVIなどの説明に対して
は、アメリカ合衆国特許第4712555 号明細書を参照され
たい。)この応答は実質的に1サイクルの間心房検出増
幅器をターンオフする。従ってPVCの検出に続いて電
子的検出回路が、逆向き事象であれ正常な事象であれす
べての心房事象の検出から遮蔽されるので、P波はペー
スメーカにより検出できない。従って逆向きP波が検出
されないので、ペースメーカが逆向きP波の後のP−V
遅延でVパルスを発生させることができず、従ってPM
Tが防止される。この方法に伴う一つの問題は、1サイ
クルのDVI応答の間に自発的なR波を伴う正常な洞房
リズムが起こると、ペースメーカは自発的なR波を別の
PVCと解釈し心房事象が介在しなかったことになる
(心房検出回路がオフされているので少なくとも検出さ
れた事象が無い)ので、PVC応答が続くということで
ある。従ってPMTのおそれが防止されるけれど、P波
がPVC応答により遮蔽され従ってすべてのR波がPV
Cと解釈されるので、正常なP波追跡の失敗が起こる。
従ってPVC応答を終わらせる方法が無いので、PVC
応答が持続するおそれがある。P波追跡の失敗は、ペー
スメーカのプログラムされたレートの設定及び患者の洞
房レート(すなわち洞房結節により設定されるP波レー
ト)に依存して、数秒ないし数時間にわたり起こるおそ
れがある。
【0011】従来技術で知られた他のPVC応答は、心
室収縮後の心房不応期間(PVARP)を例えば480
msのような所定量に延長し、それによりこの期間中は
逆向き伝導を遮蔽することである。(このPVC応答を
以下「PVCに対する+PVARP応答」又は単に「+
PVARP応答」と呼ぶ。)加えるに(もしレート応答
形ペースメーカの場合のようにセンサが用いられるなら
ば)プログラムされたレート又はセンサ指示レートにか
かわらず、心房逸脱期間(VA遅延)が例えば830m
sのような所定値に固定される(アメリカ合衆国特許第
4788980 号明細書参照)。前記の例に対して選択された
PVARP値と固定されたVA遅延との差350msが
P波の検出を可能にする。延長されたPVARPは大多
数の患者における大部分の逆向き伝導を遮蔽するのに十
分であり、逆向き伝導に関係しないP波を依然として追
跡できるので、この方法は前記のPVCに対するDVI
モードに勝る改善である。しかしながら洞房P波又は他
の心房事象(例えばAパルス)が延長PVARPに続く
期間中にかつVA遅延の終了に先立って(例えば前記事
例に対しては350msの期間内に)起こらなければ、
PVC応答が続く。もしP波が(検出されない)延長P
VARP内に起こり、VA遅延期間をリセットさせるR
波がこれに続くと、(R波がPVCと解釈されて)PV
C応答が続くおそれがある。このPVC応答は一定の心
房逸脱期間を有し、ペーシングレートがAV遅延と心房
逸脱期間(VA遅延)とにより作られるので、心室レー
トを低下させる。
【0012】更にレート応答ペーシングのために用いら
れる活動センサの新技術によれば、ペーシングレートは
患者の活動(又は心臓レートを調節するという要求を示
す他のパラメータ)を検出する別個のセンサにより制御
される。この種の活動センサが採用されかつ+PVAR
P応答がPVC応答の形で持続しているならば、患者は
PVC応答制御レートよりずっと高いレートであるセン
サ指示レートによらず、PVC応答によって制御される
比較的低い心室レートに苦しめられるおそれがある。例
えばAV遅延が150msであるならば、PVCに対す
る+PVARP応答中のレートは前記の同じ数字を用い
れば150ms+830ms=980ms又は毎分61
拍となる。VA遅延の終了に先立ち検出されたR波を伴
うときには+PVARP応答が存続するので、+PVA
RP内での本来のP波発生が検出されず、従って+PV
ARP応答が心房逸脱期間を制御するので、センサ制御
レートが有効となるのを妨げられる。換言すれば+PV
ARP応答が心室レートを一層高いセンサ制御レートか
ら低下させるので、洞房リズムが+PVARP応答を持
続させ、それにより一層低い心室レートを引き起こし、
患者が活動中に心臓出力の増加を必要とするときに、心
室レートが望ましい値にならないということが非常に起
こりやすい。従ってPVCに対する+PVARP応答が
センサ駆動レート応答形ペースメーカに対し適当でない
おそれがある。
【0013】誤って検出されたPVCを防止するために
特にレート応答形ペースメーカでは、センサ又はP波活
動の増加と共にPVARPを短縮することが従来技術で
知られている。この種の方法はP波がPVARP中に起
こることを防いで一層良好なP波追跡を可能にする(す
なわちこの方法は、PVARPとVA遅延との差であっ
てP波を検出できる期間を延長する)。勿論一たびP波
がPVARP中に起こるとP波は追跡されない。ここで
もP波が短縮されたPVARP中に起こらないことが多
いので、この種の方法はまたP波がPVARP中に起こ
りこれに続くR波がPVCと解釈されるというおそれを
減少する。それにもかかわらずこの方法によるときでさ
え、PVC応答を終わらせるために検出することが必要
である事象がPVARP中に起こるので検出されない
か、又は(リード線のずれに基づくような)他の理由の
ために検出されないために、一たび応答が開始されてし
まうとPVC応答が持続するおそれがある。
【0014】PVCに対する他の可能な応答はPVCの
検出に対して心房をペーシングすることである。「PV
Cに対するペーシング」として知られているこの応答
は、カリフォルニア、シルマー在ペースセッターシステ
ムズ(Pacesetter Systems)社から購入できるパラゴン
(PARAGON )形ペースメーカにおいて選択可能な特徴で
ある。しかしこの応答は心房競合を起こすおそれがある
ので、現在はこの応答は用いられていない。すなわち
(例えばリード線のずれにより起こるように)もし心房
検出能力が失われると、この応答はPVCが検出される
たびごとに心房パルスを出すので、すべてのR波がペー
スメーカPVC検出回路によりPVCと見なされてしま
う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】それゆえに必要なもの
は、真のPVCすなわち心房事象の介在しない二つの連
続する心室事象に対してだけ応答し、ペースメーカが介
在心房事象の検出に失敗するために、ペースメーカがP
VCでない事象をPVCと解釈するおそれを最小限にす
る装置である。更に一たび真のPVCが検出されると、
PMTを誘発するおそれを最小にしかつ心臓を正常なA
V同期性に戻るように導く応答が必要となる。結局PV
C応答が適当なときに終わることを保証する、すなわち
PVC応答が持続しないようなPVC応答装置が必要で
ある。この発明はこれらの及び他の要求に対処するので
有利である。
【0016】
【課題を解決するための手段】この課題はこの発明によ
り、心房及び心室の事象を検出する装置と、心房刺激パ
ルスを発生させる装置と、検出された心房活動が心房ノ
イズと考えられ有効な心房事象とは考えられない場合に
相対不応部分を有する心房不応期間を発生させる装置
と、心室期外収縮(PVC)を検出し所定の方法でこれ
に応答する装置とを備える植え込み可能なペースメーカ
において、PVC検出装置が虚偽のPVCに応答するこ
とを防止するための電子回路装置が、心房ノイズが心房
不応期間の相対不応部分中で検出される場合に、ラッチ
される信号を発生させる装置と、PVC検出装置に所定
再許容事象のその後の第1の発生まで継続する抑止状態
を取らせるために、ラッチされた信号に応答する装置と
を備え、それにより心房ノイズの発生以降は再許容事象
が起こるまで、PVCをPVC検出装置により検出する
ことができないことにより解決される。
【0017】
【作用】この発明の一つの特徴によれば、心室期外収縮
(PVC)を検出しこれに応答する装置を有する植え込
み可能なペースメーカは、PVC検出装置が誤ったPV
C応答を提供するのを防止するための回路装置を備え
る。この明細書において「誤ったPVC応答」とは、P
VCとして検出された事象の発生により生じる問題点を
解決しない又は悪化させるような検出PVCに対する応
答として定義される。従って実際は真のPVCが起こら
なかったときに或る事象をPVCとして解釈し、この解
釈の結果として(PVCが実際には起こらなかったの
で)必要で無い或るペースメーカ応答を提供すること
が、誤ったPVC応答の一つの形である。この発明が誤
ったPVC応答を防止する一つの方法は、PVC応答が
トリガされる前に真のPVCが起こっているという可能
性を最大にすることによっている。
【0018】この発明の別の特徴によれば、PVC検出
兼応答装置を有するペースメーカが更に、PVC応答が
持続する場合にPVC応答を終わらせるために、PVC
応答終結装置を備える。
【0019】PVC応答が開始される前に真のPVCが
起こっているという可能性を最大にする有利な方法は、
ペースメーカの相対心房不応期間中に起こるP波を追跡
することである。従来のペースメーカは相対心房不応期
間中に起こる心房事象をノイズとして処理してきた。従
ってこの期間中に起こるP波はP波として認められず、
次のR波は(R波がP波により先行されるゆえにR波は
PVCでないにもかかわらず)PVCとして解釈され
る。この発明もまた相対心房不応期間中に起こる事象を
ノイズとして処理するが、この種の事象がP波であり得
るということを認める。従ってラッチがこの種の心房ノ
イズ事象の発生に基づきセットされる。このラッチのセ
ットは次のR波がPVCと解釈されるのを防止する。す
なわちペースメーカのPVC検出回路は、次の心室事象
(R波又はVパルス)がラッチをリセットするまで抑止
される。
【0020】従ってこの有利な方法によればこの発明
は、ペースメーカが虚偽のPVCに対して応答するのを
防ぐために植え込み可能なペースメーカで用いられる電
子回路装置として特徴づけられる。電子回路装置を内蔵
するペースメーカは少なくとも、心房及び心室の事象を
検出する装置と、心房刺激パルスを発生させる装置と、
検出された心房活動が心房ノイズと考えられ有効な心房
事象とは考えられない場合に心房相対不応期間を発生さ
せる装置と、PVCを検出し所定の方法でこれに応答す
る装置とを備える。PVCはこの種のペースメーカで
は、有効な心房事象の介在しない二つの連続する有効心
室事象として定義される。ペースメーカが虚偽のPVC
に応答するのを防止するための電子回路装置は、(a)
心房ノイズが心房相対不応期間中に検出された場合に、
ラッチされる信号を発生させる装置と、(b)PVC検
出装置に抑止状態を取らせるために、ラッチされた信号
に応答する装置とを備え、この抑止状態は所定の再許容
事象のその後の第1の発生まで続く。所定の再許容事象
は心室事象(すなわちR波又はVパルス)の発生とする
のが有利である。
【0021】この回路装置によれば、心房ノイズの発生
以降は再許容事象が起こるまで、PVCをPVC検出装
置により検出することができない。従ってペースメーカ
により有効な心房事象と見なされない例えば早期の心房
事象(たまたま心房相対不応期間中に起こる事象であっ
て、たとえそれが有効な心房事象であるとしてもまさに
早期の事象)の発生に続いて起きる心室事象が、PVC
検出装置によりPVCとして検出されない。なぜならば
早期の心房事象の発生はPVC検出装置を抑止するから
である。この種の方式は、心房ノイズ(例えば早期のP
波でない)がペースメーカのPVC検出装置を抑止し、
従って真のPVCを検出するのを妨げるおそれを与える
が、実際に真のPVCが起こったときに真のPVCの検
出に失敗するという結果は、虚偽のPVCを検出しあた
かもPVCが起こったように応答することよりも、はる
かに重大性が少ないと感じられる。
【0022】この発明に基づき持続性PVC応答を終わ
らせる有利な方法は、PVC応答サイクルをn番目の鼓
動で中止することである。従ってこの方法は、PVC応
答が自動的にターンオフされる前に、PVCに対するD
VIモードの応答又は+PVARP応答のようなすべて
のPVC応答が、所定数(n)の心臓サイクルまでしか
続かないようにする。nの値は任意の整数値とすること
ができるが、一般に少なくとも3でかつ10を超えな
い。一実施例ではnは4に等しく設定される。
【0023】この有利な方法の一実施態様によれば、植
え込み可能なペースメーカの持続性PVC応答を自動的
に終わらせる方法は、(a)PVC検出に応じてペース
メーカのPVC応答モードを許容し、(b)PVC応答
モードが許容されている間に起こる心臓サイクルの数を
モニタし、(c)PVC応答モード中に起こる心臓サイ
クルの数がn(nは2以上の整数)に達した場合に、P
VC応答モードを抑止することから成る。この方法は、
PVCに対するDVI、PVCに対する+PVARP、
PVCに対するペーシング又はその他の所望のPVC応
答のような、前記のPVC応答モードのうちの任意のモ
ードと共に容易に用いることができ、それにより応答が
長い時間にわたり持続される懸念無しに、各PVC応答
モードのそれぞれの長所を実現することができるように
する。
【0024】更にこの発明は、PVC応答モードを誘起
するに先立って真のPVCが起こったことを保証するた
めに、他の検出技術を単独で又は相互に組み合わせて
(又は他の検出技術に組み合わせて)用いることができ
るようにする。この種の検出技術はまた、一たびPVC
が検出されると、PVCに対する適当な応答が行われて
いるかどうかの確定を容易にするために用いることがで
きる。一つの検出技術は検出された心室事象のパルス特
性(形態)を測定することである。正常なQRS波形は
PVCとは異なる形と振幅とを有するので、正常なQR
Sパルス特性を記憶し(かつ必要ならば周期的に更新
し)、正常なR波がPVCに対立するものとして検出さ
れたかどうかを確定するための基準として用いることが
できる。この技術は真のPVCの同定を容易にするばか
りでなく、一たびPVC応答が開始されてしまったとき
に、PVC応答が継続すべきことを確かめるために用い
ることもできる。例えばPVC応答中に正常なQRSパ
ルス特性が測定されると、PVC応答が中止される。
【0025】使用可能な別の検出技術は、しばしばR波
対P波タイミングと呼ばれる逆向き伝導時間を測定する
ことである。通常のペースメーカではこの時間はPVA
RPにより覆い隠され測定されない。しかしながらこの
発明によれば、この時間すなわち(PVARP中に起こ
るR波とP波との間の時間)が測定される。もし数サイ
クルにわたりこの時間が安定した間隔であれば、このこ
とは逆向き伝導が存在するという或る指標を提供する。
対照的に安定した間隔の欠如は洞房リズムを示し、それ
により持続するPVC応答を安全に中止することができ
る。
【0026】この発明の一つの特徴は、植え込み可能な
ペースメーカ内で用いることができ、これまでPVCと
解釈されたがしかし実はPVCでない別の事象から真の
PVCを区別するために、ペースメーカの能力を改善す
るような、安全かつ信頼性の高い回路を提供することで
ある。
【0027】この発明の別の特徴は、ペースメーカのP
VC応答が持続するのを防止するような回路を提供する
ことである。この種の特徴はこの発明の一実施態様によ
れば、ペースメーカのPVC応答が所定数の連続心臓サ
イクルの間だけ続くことができるようにする。この発明
の関連する特徴によれば、連続する心臓サイクルのこの
種の所定数はプログラム可能に選択され、それによりペ
ースメーカを特定の患者の要求に適合するように特別注
文することができるようにする。
【0028】この発明の更に別の特徴は、明確に真のP
VCを示す或る事象が起きたときだけ選択可能なPVC
応答を提供し、PVCの可能性を示唆するにすぎない事
象に対してはPVC応答を提供しないような、植え込み
可能なペースメーカで使用するためのPVC検出兼応答
装置を提供することである。すなわちこの発明は、特に
PVCの発生が疑問である場合には、最善のPVC応答
がしばしば無応答であり、すなわちペースメーカの正常
な動作と異なる応答をしないという原則を前提とする。
提供されるすべてのPVC応答が短時間だけ継続すべき
であるという前提がこの原則と組み合わされ、それによ
りPVC応答が持続するような状態が避けられる。
【0029】
【実施例】つぎにこの発明に基づく心室期外収縮に対す
るペースメーカの誤応答を防止する装置と方法の複数の
実施例及び従来例を示す図面により、この発明を詳細に
説明する。
【0030】図1には、心臓の正常な動作及び心臓サイ
クルを示す典型的な心電図波形が示されている。この種
の波形は従来の皮膚電極心電図技術を用いて入手するこ
とができる。変形案として最近のペースメーカの心臓内
心電図機能が、この種のペースメーカの遠隔測定機能を
用いて同様な心電図情報を提供することができる。波形
の左端にはP波が示されている。このP波は心房の減極
に一致する電気的活動を示す。心房の減極は心房の収縮
を伴い、それにより血液を心房から心室へ送り込むこと
ができる。当業者は減極と収縮とが必ずしも同時に起こ
る事象ではないことを認識するが、これらの事象は本明
細書においては同時事象であると仮定し、用語「減極」
及び/又は「収縮」は同じ意味であることとする。
【0031】P波の発生のすぐ後に心室の減極を示すQ
RS複合波が現れる。P波とQRS波(しばしば単にR
波と呼ばれる)との間の時間は心臓の動作上非常に重要
な期間である。なぜならばこの期間は血液が心房から心
室へ流れるために必要な時間を示すからである。R波に
はT波が続き、T波は心室の再分極に関連する電気的活
動を示す。当業者に知られているように、心室は血液を
身体全体へ送る仕事の大部分を行う。R波が一般に波の
同定かつ測定の最も容易なものを示すというだけの理由
で、一つの心拍又は心臓サイクルは連続するR波間の時
間間隔として測定される。勿論心拍は連続するT波又は
P波の間のような心臓サイクル内の任意の時点に関して
測定することもできる。
【0032】認識すべき重要な点は、心臓が効率よく働
くためには或るリズム又は同期が起こらなければならな
いということである。すなわちP波により示される心房
の減極には、短時間後にR波により示される心室の減極
が続かなければならない。十分な遅延の後に心房が再び
減極し、続いて心室が減極しなければならない。心房又
は心室の減極が自然に起こらないならば、心臓サイクル
の適当な時点で必要な減極/収縮を誘発するために、心
房又は心室へ刺激パルスを供給するようにペースメーカ
を用いることができる。
【0033】図2には、典型的な心房追跡形二室ペース
メーカ10のブロック線図が示されている。パルス発生
器兼制御ロジック12が心臓へ供給するための適当なタ
イミングシーケンス及び刺激パルスを発生させる。刺激
パルスは心房駆動増幅器14及び心房リード線16を経
て右心房(図示されていない)へ供給される。この同じ
心房リード線16が心房検出増幅器18に接続されてい
る。この検出増幅器18は、心房の自然の減極を示す洞
房P波が起こったかどうかを確定するために心房の電気
的活動をモニタする。洞房活動が検出されると、パルス
発生器12は駆動増幅器14に供給される刺激パルスを
抑止し、(検出時AV遅延と呼ばれる)所定の時間の後
に心室刺激を供給する。しかしながら一般に心房逸脱期
間と呼ばれる所定の時間を経ても洞房P波が検出されな
いと、パルス発生器12は駆動増幅器14及びリード線
16を経て心房へ刺激パルスを供給する。この刺激パル
スのパルス幅及び振幅はパルス発生器兼制御ロジック1
2により制御される。
【0034】同様な方法でパルス発生器兼制御ロジック
12は、心室リード線22に接続された検出増幅器20
を経由して右心室で起こる電気的活動を検出する。自然
に起こる心室の電気的活動が適当な心室逸脱期間以内に
検出されないならば、所望の心室収縮を引き起こすため
に、パルス発生器兼制御ロジック12は所定のパルス幅
及び振幅を有し駆動増幅器24を経由して供給される心
室刺激パルスを発生させる。
【0035】クロック回路26はパルス発生器兼制御ロ
ジック12が作動するときの基準となる基本クロック信
号を供給する。遠隔測定兼通信回路28は情報を植え込
み可能なペースメーカへ及びそれから遠隔伝送できる装
置を提供する。例えばペースメーカの基本逸脱期間を変
更する制御情報は、刺激パルスの所望のパルス幅及び/
又は振幅を設定する制御情報と同様に、遠隔測定兼通信
回路28を経由して受信し記憶装置30中に記憶するこ
とができる。所望の場合にはこの種の制御情報を直接的
にパルス発生器兼制御ロジック12へ伝送することもで
きる。同様に検出増幅器18、20を経て検出される心
臓の電気的活動は、遠隔測定兼通信回路28を経てペー
スメーカの外部へ遠隔伝送することができ、それにより
付添いの医師又は他の医療者例えば心臓治療技士が外部
の皮膚電極を用いることなく心臓の活動をモニタするこ
とができる。装置のプログラム可能な機能を制御するた
めに、磁気リードスイッチ32もまた一般に植え込み可
能なペースメーカと共に用いられる。適当なプログラミ
ング装置を所定位置に置いて、遠隔測定兼通信回路28
を経由して適当な制御信号及び指令を送ることにより、
付添いの医師又は心臓治療技士がペースメーカの動作の
所望の変更を実行することができる。
【0036】図3には、典型的なデマンド形二室ペース
メーカの動作を示す複合タイミング線図が示されてい
る。本明細書に添付のこの及びその他のタイミング線図
では、ペースメーカにより発生させられる刺激パルス
が、(心房刺激パルスに対しては)符号Aで又は(心室
刺激パルスに対しては)符号Vで示された幅の狭いスパ
イクとして図示されている。更に加えられた刺激パルス
に対する心臓の応答は、図1に示したものとは逆の極性
を有するとして図示されている。(図1は心臓の本来の
又は洞房性のリズムを示し、従って心臓は刺激パルスを
加えることなく応答する。)逆極性による図示は心臓の
自然事象をペースメーカ誘導の(ペーシングされた)事
象と図中で明らかに区別するために行われている。
【0037】図3のタイミング線図には制御ロジック1
2(図2参照)により発生させられた種々の期間の図示
が含まれている。多くのこれらの期間は、図2の遠隔測
定兼通信回路28を経由して記憶装置30へ適当な制御
信号を送ることにより、これらの期間の長さを変更する
ことができるという意味でプログラム可能である。当業
者に知られているように期間を変更するときに用いられ
る多くの方法及び技術が存在する。一つのこの種の技術
は適当なデータ語を所定の記憶位置へ書き込むことを含
み、このデータ語は次に続いて制御ロジック12の適当
なカウンタへ書き込まれる。そして基本クロック信号が
所望のカウントに到達するまでこのカウンタを進めるた
めに用いられ、この時点で終端カウント信号(しばしば
時間切れ信号と呼ばれる)が所望の期間の終了を示すた
めに発生させられる。記憶装置に書き込まれるデータ語
の値を単に変更することにより、期間の長さを所望の値
へ変更又はプログラムすることができる。
【0038】以下のタイミング線図に示される期間は水
平線で示されている。もし期間がタイムアウトするすな
わち期間が終端カウントに達すると、矢印が水平線上に
付けられて期間が終わる時点を指し示す。(タイミング
線図の水平軸は時間軸を示す。)タイミング線図は必ず
しも水平軸及び垂直軸について尺度に従って描かれてい
るわけではない。またT波のような或る心臓事象が或る
タイミング線図から省略されている。刺激パルスの発生
を抑制する(又はペースメーカの或る別の動作を変更す
る)ような電気的事象が所定の期間の終了に先立って検
出されると、検出された事象がこの特定の期間を終わら
せる又はリセットする時点を示す黒丸が水平線上に描か
れている。
【0039】図3には五つの基本的期間が示されてい
る。これらの期間は次のとおりである。(1)心房減極
と心室減極との間の所望の期間を示すAV期間AVI、
(2)心房刺激パルスの発生又は検出された心房事象に
続けて起こり心房検出回路が抑制される期間を表す心房
不応期間ARP、(3)心臓事象後に自然に起こる心房
活動が検出されないときに、Aパルスが発生させられ心
房に供給されるまでに経過する期間を示す心房逸脱期間
AEI(しばしばVA期間とも呼ばれる)、(4)心室
検出増幅器20(図2参照)が抑止される期間を示す心
室不応期間VRP、(5)P波が最大追跡レートで追跡
される期間を示す最大追跡期間MTI。(MTI+AV
Iは心臓サイクルの最短可能な期間、従って最大可能な
心室刺激レートを規定する。)
【0040】前記期間をこのように定義すると、図3〜
図5の下記の説明を一層よく理解することができる。前
に述べたように、図3はペースメーカが心臓の所望のリ
ズム又は同期性を維持するために用いる方法を示す。図
3に示された状態に対して、刺激される心臓は適当なレ
ートで独自の心房又は心室収縮を行うことができず、従
ってペースメーカが所望の心臓レートを維持するのに必
要な刺激パルスを供給しなければならないということが
仮定されている。従って心房の収縮を誘起するために心
房刺激パルスAが供給される。この事象はAV期間AV
I及び心房不応期間ARPをトリガする。破線として図
に示されたARPの一部は、心房検出増幅器18(図2
参照)が全く無効又は作動不能にされていることを示す
絶対不応期間である。実線として図に示されたARPの
次の部分は、絶対(例えば最初の100ms)及び相対
(例えば残りの期間)不応期間を共に含むことができ
る。相対不応期間中に検出されたすべての信号はノイズ
と考えられる。AVIの終了時に心室刺激パルスVが発
生させられ心臓に加えられる。この刺激パルスは倒立の
R波により示されるように心室を収縮させる。心室刺激
パルスの発生又はVパルスはまた心房逸脱期間AEI、
心室不応期間VRP、最大追跡期間MTIの開始をトリ
ガする。AEI(又はVA期間)の終了時にP波が検出
されていないと、心房の収縮を起こさせるためにAパル
スが発生させられ、それにより次の心臓サイクルを開始
する。従って前記事象が再び開始されてサイクルそれ自
体が繰り返され、Aパルスに続くAVIの後にVパルス
が発生させられ、Vパルスに続くAEIの後にAパルス
が発生させられる。こうして心臓の所望のリズムが維持
される。
【0041】図4では、本来の又は洞房性のP波が存在
し、従ってペースメーカがAパルスを発生させる必要が
ないということが分かる。洞房P波が検出されるとAV
Iが開始され、ペースメーカはR波が起こるかどうかを
検出するために監視している。R波がAVIの終わる時
点までに検出されないと、V波が図示のように発生させ
られる。このV波は心房逸脱期間AEIの開始をトリガ
する。AEIの終了に先立って自然に起こるP波が検出
され、AEI線上の黒丸により示されている。自然に発
生するP波の検出はAパルスの発生を抑制し、新しいA
VIの開始をトリガし、AVIの終了時点で別のV波が
発生させられる。心臓が洞房P波を発生し続けるが、自
然に起こるR波を発生させることができない限り、この
プロセスが続く。
【0042】図4は更に、心房期外収縮PACに対する
ペースメーカの一つの可能な応答を示す。心房期外収縮
は正常のAV同期性において時期尚早に又は早期に起こ
る心房の収縮にすぎない。図4に示されたPACは第2
のT波の直後に起こる。ペースメーカはそれがあたかも
洞房P波であるようにPACに応答する。すなわちPA
Cの発生は心房逸脱期間AEIを終わらせる。更に図4
に示すPACの場合のようにMTI中にP波が起こると
き、ラッチ回路は検出された活動が有効P波と見なされ
ることを示してセットされる。このラッチのセットはA
V期間AVIをMTIの終了時点で開始させる。このA
V期間の終了時点でVパルスが発生させられる。一たび
Vパルスが発生させられるとペースメーカの動作は正常
な形で続く。
【0043】次に図5には、ペースメーカ媒介頻脈PM
Tが発生する一つの場合を示すタイミング線図が示され
ている。図5に示されたシーケンスの開始に当たって、
Aパルスが所望の心房収縮を刺激するために供給される
ということが仮定されている。そのすぐ後でAV期間の
終了に続いて自然に起こるR波が検出される。従ってV
パルスは発生させられず、心房逸脱期間AEI及び他の
期間が正常な形で開始される。しかしながらR波の検出
直後に心室期外収縮PVCが起こる。図解の目的のため
に、ペースメーカはR波の発生とPVCとを区別できな
いということが図5で仮定されている。すなわちペース
メーカは電気的活動が心室中で起こったことを検出する
にすぎず、従ってペースメーカはこの種の活動が正常な
心室収縮であると想定する。もちろん前記のようにPV
Cは心室収縮を示す。しかしながらPVCはシーケンス
から外れた心室収縮であり、すなわち先行する心室収縮
に続いてしかし次の心房収縮に先立つか又は(多重連続
PVCの場合には)他のPVCに先立って起こる収縮で
ある。また既に説明したようにPVCの発生は右側に示
す状況のもとでは逆向き伝導を経て心房を収縮させる。
この種の収縮は逆向きP波PR として図5に示されてい
る。従って一たびPVCが起こり逆向きP波PR がこれ
に続くと、Vパルスが逆向きP波後の所定時点で発生さ
せられる。この所定時点は最大追跡期間MTIとAV期
間AVIとの合計量の終了時点である。Vパルスに応答
して心室が収縮する。この収縮は逆向き伝導を経て再び
逆向きP波を起こさせる。この逆向きP波PR にはその
後にできるだけ早く起こるVパルスが再び続き、この時
間はここでもMTI+AVIにより設定される。従って
このシーケンスでは心臓は最大追跡レートでペーシング
されPMTが起こる。PMTサイクルは、逆向きP波が
心室収縮に応じて起こるときに通る逆向き経路、及びV
パルスがMTI+AVIの終了時点に発生させられると
きに通りペースメーカにより提供される前向き経路によ
り維持される。
【0044】次に図6には、図5に示された問題の解決
のための従来の方法が示されている。従来技術によれば
また前記のように、ロジック回路をPVC発生を認識す
るために用いることができる。一たびPVCの発生がこ
うして同定されると、ペースメーカの制御ロジックが所
定量だけ心房不応期間を延長する。この延長は図6では
PVC発生に続く心房不応期間のARP延長部分として
示されている。ARP延長部分はPVCに続く逆向きP
波がペースメーカにより検出されるのを防止するので有
利である。従って心房逸脱期間AEIの終了時点でAパ
ルスがペースメーカにより発生させられる。Aパルスに
続いてAV期間AVIの終了に先立って自然のR波が起
こらなければ、VパルスがAV期間の後に発生させられ
る。従って図6に示すような心房不応期間の延長の効果
は、心室が2回、すなわち1回は(逆向き伝導による)
PVCに応答して、また更に1回は加えられたAパルス
の結果として、収縮するということである。心房のこの
種の2回の収縮は従来技術によれば、1サイクル中だけ
に起こる限りはあまり重要ではない。更にPMTの誘発
を防止できると、それから導き出される利益は2回の心
房収縮が起こる1サイクル中に起こるAV同期性の僅か
な混乱よりはるかに勝ると考えられる。
【0045】しかし残念ながら図7のタイミング線図に
示すように、心房不応期間の延長はそれ自体PMTを誘
発するのに必要な条件を作り出すおそれがある。図7に
は心房不応期間が図6と同様に延長されている。洞房P
波がこの延長不応期間中に起こっても、ペースメーカの
検出増幅器がこの期間中に作動しないのでペースメーカ
により検出されない。また図7の上側部分に、ハッチン
グした本来の心房不応期間NARが示されている。これ
は心房筋肉組織が減極/収縮から回復するのに必要な期
間であり、それゆえに心房が物理的に再び収縮できない
時間を示す。この自然の心房不応期間は心房が減極し始
めるときに始まる。NARは心房組織が再分極されるま
で続き、NARは一般に組織の減極に続く150〜30
0msとすることができる。図7に示すように、Aパル
スが図6で行われたように心房逸脱期間AEIの終了時
点でしかしまた自然の心房不応期間内に入る時点で心房
に加えられると、このAパルスは無効となる。この無効
な動作の正味の結果は、ペースメーカ電池からの不必要
なエネルギー消費を示すのに加えて、AV期間AVIが
心臓組織から見たとき有効に延長されるということであ
る。このことはまた洞房P波39と続いて加えられるV
波40との間の期間として図7に示されている。AV期
間の延長は逆向き伝導が起こるおそれを一般に増す。図
7はVパルス40の印加で起こるこの種の逆向きP波4
2の発生を示す。そしてVパルス44が逆向きP波42
の後に許容されると直ちに又は最大追跡レートで加えら
れる。このプロセスはそれ自体繰り返されるので、ペー
スメーカ媒介頻脈PMTがここでも生じる。
【0046】次に図8には、PVCに対するDVIモー
ド応答を示すタイミング線図が示されている。前記のよ
うにこの種の応答はPVCに応答するための従来技術で
知られている。DVIモード応答の開始は、1サイクル
の間だけペースメーカ検出回路によるすべてのP波の検
出を妨げるので有利である。従って図8に示すように逆
向きP波60又は任意の別のP波が追跡されず、従って
1回のAV遅延までVパルスを抑止し、それによりPM
Tを防止する。むしろ心房不応期間AEIの終端でAパ
ルス62が発生させられ、このAパルスはペースメーカ
のタイミングをリセットし、DVI応答を終わらせる。
【0047】しかし図9に示すように、もしほかの理由
からPVCに対するDVI応答中に、例えばP波64に
より示された正常な洞房リズムが起こり、自発的なR波
例えばR波68がこれに続くと、PVCの終結を知らせ
るAパルスが存在しないために、PVC応答が続くので
不利である。従ってR波68がPVCと解釈され、次の
R波69並びに正常な洞房リズムの結果としてその後に
起こる他のすべてのR波も同様である。それぞれの「検
出されたPVC」はその次のサイクルに対しペースメー
カをDVIモードに維持し、それによりP波の検出を妨
げる。たとえ真のPVCが起こらなくても、ペースメー
カロジックは検出された事象をPVCとして解釈し(虚
偽のPVC)、しかるべく応答する。残念ながら、(P
波を追跡せず、従って検出されたR波をPVCと解釈す
るという)図9に示された状態は、ペースメーカの特定
なプログラム値及び患者の洞房レート(P波レート)に
依存して数秒ないし数時間続くおそれがある。図9に示
された状態では、PVC応答は5心臓サイクルの間続
き、この応答はAパルス67が発生させられるまでは終
わらない。
【0048】先行するP波が誘起されたDVIモードに
基づき検出されないために、検出されたR波をPVCと
して連続的に解釈するという、図9に示された問題の解
決のために、この発明は所定数のサイクルの後にPVC
応答を自動的に終わらせる装置を備えるので有利であ
る。この終結特性は図12に関連して後に詳細に説明す
る。
【0049】図10は、「PVCに対するペーシング」
として知られているPVCに対する応答の従来技術を示
すタイミング線図を示す。(以下の図10、図11、図
12及び図17〜図20のタイミング線図では、T波が
心電図信号から省略されていることに注意せよ。)この
方法によればAパルスがPVCの検出のたびごとに出さ
れる。従って図10ではPVC72の発生がAパルス7
0を出させる。図10に示された状態に対しては、単一
のAパルス70の送出がこれ以上のPVCの発生を防止
するための適当なPVCに対する応答である。これは本
来の心房活動が存在しないためである。すなわちAパル
ス70がペースメーカのタイミングをリセットし、それ
によりVA遅延の終了時点で第2のAパルス74を出さ
せ、またVA遅延の終了後の一つのAVIに相当するV
V遅延の終了時点でVパルス76を出させる。しかしな
がらもし本来の心房活動が生じると、この種の活動(P
波)がAパルス70に続く心房不応期間中に起こるおそ
れがあり、それゆえに検出されない。従ってその後のす
べてのR波はPVCと解釈され、別のAパルスを供給さ
せる。またP波の完全な検出失敗がリード線のずれに基
づき起こるおそれがある。どちらの場合でもこの種のA
パルスは検出されなかった本来の心房活動と競合し、心
臓の不規則かつ非効率な動作を引き起こすおそれがあ
る。心房競合に対するこのおそれのゆえにPVCに対す
るペーシング応答はこれまで一般に不評であった。しか
しながらこの発明によれば後に詳述するように、この種
の応答が数心臓サイクル以上は続かないので、PVCに
対するペーシング応答を所望のとき適当な状況のもとに
用いることができる。
【0050】次に図11には、この発明の有利な実施例
の予防的部分の動作を示すタイミング線図が示されてい
る。この実施例によれば、心房不応期間ARPの相対部
分中で起こり検出された心房事象に応じて、ペースメー
カのPVC検出装置を抑止する回路が設けられ、この回
路については図13〜図15の説明に関連して後に詳述
する。図11に示された状態に対してはペースメーカは
心房追跡モードで働き、すなわちもしR波がAV期間A
VI中に検出されないならば、心室を刺激するVパルス
をP波の検出に続くAV期間AVIの終了時点で供給す
る。すなわちペースメーカは所定のAV期間だけ心房活
動から遅れるVパルスを要求に応じて供給する。従って
R波がAV期間の終了に先立って検出されるとVパルス
が抑制される。しかしながら図11の最初の三つの心臓
サイクル中に示された状態に対しては、この種のR波が
起こらなかったと仮定されている。
【0051】従って図11に示された最初の三つの心臓
サイクルに対しては、すなわちP波80とこれに続くV
パルス81(第1のサイクル)、P波82とこれに続く
Vパルス83(第2のサイクル)、P波84とこれに続
くVパルス85(第3のサイクル)に対しては、ペース
メーカは前記の心房追跡モードで働き、要求に応じて心
室へ刺激パルスを供給する。しかしながら第4の心臓サ
イクルの開始に当たっては、P波86が心房不応期間A
RPの終了に先立って起こる。従来のペースメーカでは
P波86はノイズとして処理され検出されない。従って
次に続くR波87は(実際にPVCでないのに)PVC
と解釈される。このおそれを避けるために、この発明に
基づく回路は心房不応期間ARP中のP波を検出する。
ARP中に検出されたすべてのP波はやはりノイズとし
て処理される(すなわちこの発生は検出されたP波であ
っても、ペースメーカのタイミング回路をリセットする
ことはない)が、しかしこの発生は図11にパルス88
として示されたPノイズフラグを設定する。Pノイズフ
ラグ88の設定は、許容事象がPVC検出能力を再許容
(ターンオン)するように起こらなければ、ペースメー
カのPVC検出能力を抑止(ターンオフ)する。許容事
象は次の心室事象(Vパルス又はR波)である。従って
図11ではPノイズフラグ88がペースメーカのPVC
検出能力をターンオフし、それによりR波87がPVC
として解釈されるのを防止する。
【0052】次に図12には、この発明の一実施例のP
VC応答終結部分の動作を示すタイミング線図が示され
ている。この実施例は所定数の心臓サイクル後に所望の
PVC応答を終わらせる。図12ではPVC90の発生
が「PVCに基づく+PVARP応答」をトリガし、こ
の応答は心房不応期間ARPが延長されるということを
意味する。図12に示された状態に対してはこの延長は
480msである。ARPの最初の延長部分93aは、
次のP波91がペースメーカ検出回路により有効な心房
事象として検出されるのを妨げる。従って次のR波92
がPVCと考えられ、ARPの第2の延長部分93bを
起こさせる。この第2の延長部分は同様に次のP波94
が検出されるのを妨げ、その結果次のR波96がまたP
VCと解釈される。PVCとしてのR波96の解釈は再
びARPの第3の延長部分93cを引き起こし、次のP
波98が検出されるのを妨げる。しかしながら図12に
示された状態に対してはこの発明に基づき、R波99の
発生がペースメーカのPVCに対する+PVARP応答
を終わらせる。R波99は最初のPVC90(PVC9
0とR波92、96、99を含む)以来の第4のPVC
を示し、この発明に基づく終結回路は図12に示された
方法に基づき、四つのこの種の事象後にすべてのPVC
応答を終わらせるようにプログラムされている。勿論P
VC応答が自動的に終わるまでに所望の数のサイクルを
選択できるので、数4は例にすぎないことが強調され
る。
【0053】次に図13〜図15には、この発明に基づ
く防止兼終結装置を実現する有利な方法のロジック線図
が示されている。図13〜図15に示された回路はこの
発明に基づくペースメーカの制御ロジック12(図2参
照)の一部を形成する。多モードの植え込み可能なペー
スメーカの制御ロジックの更に細部に関する詳細な説明
に対しては、例えばアメリカ合衆国特許第4712555 号及
び同第4788980 号明細書を参照されたい。図13〜図1
5に示すように、この回路はフリップフロップ回路10
1〜108、112、ラッチ回路110〜111、図示
のような種々のロジックゲート及びPVC制御レジスタ
120を組み合わせて備える。図13〜図15に示され
た信号名は次の意味を有する。 PNOISE 心房チャネルノイズが存在する
ことを示す信号。 APULSE 心房をペーシングするのに用い
られる心房ペーシングパルスを示す信号(ディジタル論
理レベル)が存在する。(本明細書の他の箇所に用いら
れているとき、Aパルスは心臓に供給される刺激パルス
であることに注意されたい。従ってAPULSEはAパ
ルスの発生をトリガする。) MODE CH モードを変えるときPVCロジ
ックをリセットするモード変更信号。 INIT (製作中に試験するために用い
られ)ペースメーカロジックを初期化するために用いら
れる信号。 PVC OFF すべてのPVCオプションをタ
ーンオフする信号。従ってこの信号(ディジタル論理レ
ベル)が存在している(働いている)ときに検出される
すべてのPVCはR波として処理され、ペースメーカの
VAタイミングをリセットさせる。 WAKE UP ペースメーカの絶対不応期間中
にマイクロプロセッサを呼び起こす信号。この信号は絶
対不応期間の開始時点で生じ、Vパルス、R波又はPV
Cと共に始まる。VDD及びDDDペーシングモードで
は、この信号は心室事象がちょうど起こったことを示
す。 PW P波のような心室事象を示す信
号が検出されている。この信号は不応タイミング兼心房
チャネルノイズ検出ロジックにより処理されている。 RW (更に処理された後に結局PV
Cと分かる)R波のような心室事象を示す信号が検出さ
れている。この信号は不応タイミング兼心室チャネルノ
イズ検出ロジックにより処理されている。 CHA V〜 検出されたPW及びRW事象を
サンプリングするために用いられるクロック信号。(有
利な実施例ではこの信号は3.91msクロック信号で
ある。) BAIL OUT プログラムされた数の連続PV
Cの後にPVCオプションを抑止する信号。 PVC RESET PVC用BAIL OUTカウ
ンタ兼ロジックをリセットする信号。 PW INT パルス発生器ロジックに供給さ
れるP波抑制信号。 RW INT パルス発生器ロジックに供給さ
れるR波抑制信号。 PVC INT パルス発生器ロジックに供給さ
れるPVC抑制信号。 PVC RESP PVC1、PVC2又はPVC
3のPVCオプション応答を準備させる信号。 PVC TERM 所定数のPVCの後にPVC終
結オプションを許容する信号(レジスタビット)。 D(7:0) PVC制御レジスタの読み出し
又は書き込みに用いる二方向性データバス。 R W〜 高いレベルのときにレジスタか
らの読み出しを、また低いレベルのときにレジスタへの
書き込みを指示する信号。 SELECT データをラッチするか又はPV
C制御レジスタからのデータの読み戻しを許容するため
に用いるストローブ信号。 AWARN APULSE直前に起こる(望
ましくは3.91msの)パルス信号。 BYPASS A PVC2応答の間だけ一次的に
心房暴走保護をバイパスするように指示する信号。 E VVI 緊急VVIモードへモードを変
更させる信号。この信号はPVCロジック及びPVC制
御レジスタをリセットする。 VWARN Vパルス発生直前に起こる(望
ましくは3.91msの)パルス。この信号はペースメ
ーカがVDDモードであるときに、PVC RESP兼
BAIL OUTカウンタをリセットするために用いら
れる。 P ARM P波のときだけPVC2オプシ
ョンを再準備状態に強制する信号(PVC制御レジスタ
ビット)。 PVC2 OFF P波が検出されるまで更にPV
C2応答を抑止する信号。 VDD 高い論理レベル。 VSS 低い論理レベル。 以上に述べたPW、RW、WAKE UP、CHA
〜、MODE CH、INIT、AWARN、PNOI
SEなどのような多数の信号は、ペースメーカ制御ロジ
ック12(図2参照)により従来の方法で発生させられ
る。その他の信号は以下に説明するように、適当な時点
で図13〜図15に示すロジックにより発生させられ
る。
【0054】図13〜図15に示す回路の動作は、PV
C制御レジスタ120に書き込まれる特定のデータ語に
より制御される。このデータ語は二方向性データバスD
(7:0)を経て受け入れられ、このデータバスは制御
ロジック12(図2参照)全体にわたり要求に応じて他
のデータを転送するために用いることができる。このバ
スは二方向性であるので、R W〜信号により制御され
SELECTストローブ信号とタインミングを合わせ
て、データをPVC制御レジスタ120から読み出すか
又はこれに書き込むことができる。
【0055】今構成されているように、PVC制御レジ
スタ120中に保持された四つのデータビットがその作
動モードを規定するために用いられている。これらの四
つのビットは符号B3、B2、B1、B0で示されてい
る。(他のビットB7、B6、B5、B4は、この発明
に関係のない他の制御目的のために用いることができる
か、又は将来の使用のための予備として維持することが
できる。)図16はこれらの最初の四つの制御ビットを
選択的にセットすることにより入手できるオプションを
規定する表である。図16に示すようにビットB0、B
1は、提供すべき特定のPVC応答を決定する。もしB
0及びB1が「0」であればすべてのPVC応答が抑止
され、PVC応答が発生させられない(すなわちPVC
OFF信号が発生させられる)ことを意味する。従っ
てこの時間(PVC OFF作動)中に検出されたすべ
ての心室信号がR波として処理され、ペースメーカはし
かるべく応答する。ビットB0、B1の他の組み合わせ
はPVC1、PVC2又はPVC3で示された三つの異
なるPVCオプションを規定する。勿論組み合わせを規
定するために(B4のような)補助ビットを用いること
により、更に多くのオプションが可能となる。図13〜
図15の目的のために、第1のPVCオプションPVC
1はPVCに対する+PVARP応答である。第2のP
VCオプションPVC2はPVCに対するペーシングで
あり、第3のPVCオプションPVC3はPVCに対す
るDVIモードである。これらの三つの異なるオプショ
ンの動作は既に述べた。図16に示されたパターンに従
って信号PVC1、PVC2、PVC3を発生させるた
めに、従来のロジックゲートがビットB0とB1との種
々の組み合わせをモニタするために用いられる。
【0056】ビットB2はPVC TERMオプション
をターンオフ又はターンオンするために用いられる。前
記のようにPVC TERMはこの発明に基づくPVC
終結オプションに関係する。オンのときに、誘起された
すべてのPVCオプションは図12に関係して前に説明
したようにプログラムされた数のサイクル後に終結され
る。ビットB3はP ARM信号として用いられる。作
動時にはP ARM信号はPVC2オプション(PVC
に対するペーシング)をP波のときにだけ再準備状態に
強制する。非作動時にはP ARM信号はこの準備を抑
止する。
【0057】図13において、心房活動が心房不応期間
の相対部分中に検出されたことをノイズ検出ロジック1
00が確定するときは、常にフリップフロップ回路10
1がPNOISE信号を発生させる。CHA V〜クロ
ック信号を与えられるフリップフロップとすることがで
きるこのフリップフロップ回路101はノイズ検出ロジ
ック100と同様に、ペースメーカの動作中に用いられ
るペースメーカ制御ロジック12の一部を形成するのが
有利である。
【0058】図13〜図15に示された回路の先に信号
定義を与えられた基本動作は、図17〜図20に示され
た信号タイミング線図を参照すれば更によく理解され、
これらの信号線図は起こり得る典型的な状態を示す。例
えば図17には、PVCに対する+PVARP応答がオ
ン(すなわちPVC1が選択されている)の場合の状態
が示されている。一番上の波形は心電図による活動、す
なわちR波130と、次に続きPVARP中に生じるP
波132と、更に次に続く別のR波134とを示す。
(図17〜20に示されたタイミング線図は尺度に従っ
て描かれていないことに注意せよ。)P波132はPV
ARP中に起こるので検出されない。従って信号PW
(この信号は前記のように、P波がペースメーカの従来
の不応タイミング兼信号チャネルノイズ検出ロジックを
経て処理されて検出されていることを示す)を示す第2
の線はP波の検出を示さない。図17の第3の線上に示
すR波はパルス131、135により示されて検出され
ている。P波が検出されないので、P波パルス発生器ロ
ジックを抑制する必要はない。従ってPW INT信号
は発生しない(図17の第4の線を参照)。PW信号が
現れた後1クロックサイクル(CHA V〜)以内に、
PW INT信号がフリップフロップ103により発生
させられることが図13に示されている。しかしながら
R波が検出されているので、R波発生器ロジックを抑制
するためにRW INT信号パルス133、136が発
生させられる(第5の線を参照)。RW信号の発生後1
クロックサイクル(CHA V〜)以内に、RW IN
T信号がフリップフロップ104により発生させられ
る。フリップフロップ104(RW INT)又はフリ
ップフロップ103(PW INT)がセットされる
と、フリップフロップ102はクロック信号を与えられ
る。更に(前記のようにVDD又はDDDモードに対し
て心室事象がちょうど起こったことを示す)WAKE
UP信号は、フリップフロップ102がこの時点でリセ
ットされることを保証するために、フリップフロップ1
02のリセット端子に加えられる。フリップフロップ1
02がリセットされるときか又は他の状態(PVC
FF又はPVC2 OFF)中に、信号PVCENA
(図17の第7の線)が発生させられる。この信号は働
いているときPVCオプションを許容する。従ってPV
CENAが働いている間に他のR波が検出されると、こ
のようなR波はPVCと解釈される。PVCENAが働
いていると、次のRW信号はNANDゲート109a、
109bのためにフリップフロップ104でなくフリッ
プフロップ105に向けられるので、このことが起こ
る。すなわちPVCENAが働いていると、次のRW信
号はNANDゲート109aによりフリップフロップ1
04のD入力端に加えられるのを阻止されるが、NAN
Dゲート109bを経てフリップフロップ105のD入
力端へ加えられるのを許容される。この働きはPVC
INT信号(図17の第6の線)を1クロックサイクル
以内に発生させる。次にPVC INT信号はラッチ1
10をセットし、それによりPVC RESP信号を発
生させ、この信号が選択されたPVCオプションすなわ
ちPVC1、PVC2又はPVC3を準備する。
【0059】しかしながら図17に示された状態のため
に、PVCENA信号は(P波又は他の心房活動が心房
不応期間の相対部分中で検出されたことを示して)PN
OISE信号の発生までしか働かない。PNOISE信
号はフリップフロップ102を切り換え、それによりP
VCENAを非活動状態にする。従ってすべての次のR
W信号がR波と解釈され(フリップフロップ104にR
INT信号を発生せしめる)、PVCとして解釈さ
れない(フリップフロップ105にPVC INT信号
を発生せしめる)ので、事実上PNOISEの発生がす
べてのPVC応答を取り消す。
【0060】仮にRW信号がPVCENA信号の働いて
いる間に起こると、PVC INT信号が発生させられ
る。PVC INT信号は、BAIL OUT信号又は
PVC RESET信号がラッチ110をリセットさせ
るまで、働いているすなわちラッチ110をセットした
ままである。BAIL OUT信号が図14に示すよう
に発生させられる。CHA V〜クロック信号の1クロ
ックサイクルに等しい持続時間を有しPVCの各発生に
対して図13に示されたようにフリップフロップ105
により発生させられるパルス信号であるPVC INT
信号が、フリップフロップ106、107に加えられ
る。フリップフロップ106、107は4まで計数する
のに適したカウンタ回路として構成されている。従って
(フリップフロップ106、107がリセットされるこ
と無しに)四つの連続するPVCの後に、四つの連続す
るPVCが起こったことを示す出力信号がフリップフロ
ップ107により発生させられる。PVC TERMビ
ット(PVC制御レジスタ120のビットB2)がセッ
トされると、フリップフロップ108はBAIL OU
T信号を発生させ、このBAIL OUT信号がラッチ
110(図13参照)をリセットし、それにより四つの
連続するPVCの発生後にPVC応答を終わらせる。
【0061】当業者には明らかであるように、フリップ
フロップ106、107から成るカウンタ回路により検
出される四つのPVCの数は一例にすぎない。任意の所
望の数はPVC INTパルス信号を計数するのに適し
た適当なカウンタ回路により同様に容易に検出すること
ができる。所望ならば例えば、カウンタの数をPVC制
御レジスタ120中に保持された未使用のビットB5〜
B7によりセットして、プログラム可能なカウンタを形
成することができる。
【0062】図13に示すように、PVC RESET
信号もまたPVC RESPモードを終わらせる、すな
わちラッチ110をリセットする。PVC RESET
信号は下記の四つの可能な事象のいずれかの発生に基づ
きORゲート109cにより発生させられる。(1)そ
れぞれフリップフロップ103又は104のセットによ
り明らかなように、P波又はR波の検出。(2)AWA
RN信号が存在しBYPASS A信号が存在しない
(すなわちBYPASS A〜信号が存在する、ここで
符号「〜」は逆の信号又は活動レベルの低い信号を意味
する)という両場合の発生。(3)ペースメーカモード
変更の発生、それによりMODE CH信号を発生させ
る。又は(4)Vパルスが1クロックサイクル(例えば
図示の実施例に対しては3.91ms)中に発生させら
れることを示すVWARN信号の発生。
【0063】図18は、+PVARP応答が選択され
(PVC1)PVCが検出されたときの状態に対する図
13〜図15の回路の動作を示すタイミング波形線図を
示す。図18に示すように、R波139の発生はRWパ
ルス信号を従来のペースメーカの方式で発生させる。R
Wパルスは前記のようにRW INT信号を発生させる
ようにフリップフロップ104をトリガする。R波の検
出はまたWAKE UP信号パルス142を発生させ
る。WAKE UP信号はフリップフロップ102をリ
セットしPVCENA信号を活動状態(高いレベル)に
し、それにより介在するP波の無いときすべての次に続
くR波をPVCと解釈させる。図18に示した状態に対
しては次の心室事象はPVC143である。PVCEN
A信号が働いているのでこの事象はフリップフロップ1
05に結合され、第1のPVC INTパルス144を
発生させる。この第1のPVC INTパルスはまたラ
ッチ110をセットし、PVC RESP信号を働くよ
うにし(高いレベル)、それにより選択されたPVC応
答(この場合にはPVC1)を準備させる。PVC14
3に続く第1のP波145aはPVC1応答により誘起
された延長PVARP期間中に起こるので検出されな
い。従って次のR波146もPVCと解釈され、第2の
PVC INTパルス147を発生させる。このプロセ
スは第4のR波148が検出されるまで続く。この第4
のR波148は第4のPVC INTパルス149を発
生させ、このパルスがフリップフロップ106、107
から成るPVCカウンタを終端数に到達させ、それによ
りBAIL OUT信号150を発生させる。BAIL
OUT信号150は次にラッチ110をリセットしP
VC応答を終わらせる。すなわちPVC RESP信号
を働かないようにする(低いレベル)。
【0064】図19は、PVC又はPVCと解釈された
R波がBAIL OUT応答中すなわちBAIL OU
T信号が働いているときに起こる場合の状態に対し、図
13〜図15に示された回路の動作を示す。この状態の
もとでの回路の動作は、PVC RESPが低いレベル
(働かない)であって正常のPVARP及びVタイミン
グのときの動作である。
【0065】図20は、P波160が(正常のPVAR
Pの後)警戒中に起こる場合の状態に対する図13〜図
15に示す回路の動作を示す。このような発生はフリッ
プフロップ103にPW INT信号を発生させ、この
信号が次にPVC RESETパルスを発生させる。P
VC RESETパルスは新しいBAIL OUTシー
ケンスを開始させる。すなわちカウンタ106/107
がリセットされ、所定数まで再び計数を開始する。
【0066】図21は、R波の形態(例えば形状)をモ
ニタし及び/又は心房及び/又は心室事象に関係する選
択された期間を測定/モニタすることにより、真のPV
Cを認識するようなこの発明の別の実施例を示す機能ブ
ロック線図である。検出増幅器20′は従来の方法で心
室減極を検出する。増幅器20′の出力は適当な間隔例
えば1〜10msごとにサンプルホールド回路182を
用いてサンプリングされる。そして各サンプルはA−D
変換器184を用いてディジタル化され、その結果得ら
れるディジタル信号(ディジタル語)がプロセッサ19
0に与えられる。プロセッサ190はこのように発生さ
せられた各ディジタルサンプルを、以前に発生し又は規
定され記憶装置188中に記憶された相応のPVCディ
ジタルサンプルと比較する。十分な数のサンプルが有利
に比較されるとすなわちほぼ同じであると、プロセッサ
は検出されたR波の形態を、記憶装置188に記憶され
た典型的なPVCの記憶サンプル値により規定されるP
VCの形態とほぼ同じであると想定する。従ってプロセ
ッサがパルス発生器兼制御ロジック12′へPVCが検
出されたという信号を送り、これに基づきPVCに対す
る+PVARP又はPVCに対するDVIのような適当
なPVC応答を開始することができる。
【0067】図21の回路はまた、従来の方法で心房検
出増幅器18′を用いて心房活動を検出し、駆動増幅器
14′を経てAパルスを供給し、駆動増幅器24′を経
てVパルスを供給する。プロセッサ190は更にこれら
の検出された心房及び/又は心室事象に関連する選択さ
れた期間を測定かつモニタし、PVCが実際に起こった
かどうか、もしそうならPVC応答をトリガすべきかど
うかについての別の指標として、この種の測定結果を用
いるのに適している。
【0068】図22は、図21に示されたプロセッサ1
90がPVCを認識するために働く一つの方法を示す流
れ図である。この流れ図に示すように、PVCオプショ
ンモードがオンされるならば(図22のブロック20
2)、二つの連続する心室事象例えばR波が検出又はペ
ーシングされた心房事象を介在することなく起こったか
どうかに関して、ブロック204で判断が行われる。も
しそうでないならPVCは起こっておらず、ペースメー
カの正常なプログラムされた動作が続く(ブロック20
6)。第2の心室事象が有効なR波ならば(ブロック2
08)、すなわちまさにノイズでないならばPVCが起
こったおそれがある。図22の右上隅に示した真理値表
205は、PVCが起こったかどうかを通常確定する基
準を定める。しかしながらこの発明に基づき真のPVC
が実際に起こったかどうかを更に評価するために、幾つ
かの可能な補助検査の一つ又は任意の組み合わせを計画
することができる。これらの検査は一般にプロセッサ1
90に与えられるディジタル語に基づきプロセッサ19
0により行われ、これらの種々の検査を並列に実施する
ことができる。(当業者には明らかなように、勿論プロ
セッサは複数のプロセッサから成っていなければ、実際
には瞬間ごとに一つの処理段階しか実施しない。しかし
現在得られるプロセッサの速度によれば、要求に基づき
一つの検査から他の検査へ飛び越すことにより、すべて
の種々の検査が並列に実施されていると見えるような迅
速な方法で、各検査のための一連の処理段階を実施する
ことができる。)
【0069】図22に示すように行われる第1の検査
は、前記のように検出されたR波の形態を記憶されたP
VCの形態と比較することである。本質的にこのこと
は、制御された増分でR波をサンプリングすること(ブ
ロック210)、及び各サンプルを相応の記憶されたP
VCサンプルと比較すること(ブロック212)、及び
整合が相応のサンプルに対して存在するかどうかを確定
すること(ブロック214)から成り、もしそうであれ
ばフラグAで示されたPVCフラグを設定する(ブロッ
ク216)。第2の検査は二つの連続する心室事象間の
期間を測定することから成る(ブロック218)。そし
てこの期間測定値が大抵のPVCで検出を期待される特
定の時間範囲例えば250〜450msと比較される
(ブロック220)。もしこの検査に合格すれば(ブロ
ック220)、第2のPVCフラグすなわちフラグBが
設定される(ブロック222)。所望ならば図22の破
線により示したように補助検査を実施することもできる
(ブロック224、226、228)。各検査がPVC
の発生を指摘することを意味してこれらの検査に合格す
ると、適当なフラグすなわちフラグnが各検査に対して
設定される。ここで整数nはn番目の検査に対するフラ
グを示す。一たびすべての所望の検査が実施されると、
十分な数のフラグが設定されたかどうかに関して判断が
行われる(ブロック230)。もしそうなら前記の応答
のいずれかのような適当なPVC応答をトリガすること
ができる(ブロック232)。
【0070】PVCのこの検出法によれば、任意の数の
フラグの設定をPVCの発生を示すように選択できるの
で有利であり、それにより真のPVCが起こったという
確率を調節する装置を提供する。例えば四つの検査が実
施されると、四つの検査のうちの任意の二つのフラグの
設定はPVCが起こったという十分な証拠と考えること
ができる。変形案としてPVCを確実に示すために、四
つの検査のうちの任意の三つのフラグの設定を選択する
ことができる。同様にもし三つの検査が実施されると、
三つの検査のうちの任意の二つのフラグの設定をPVC
の十分な証拠と考えることができる。もし二つの検査が
実施されると、どれかのフラグの設定をPVCを示す基
準として用いることができるか、又は両フラグの設定を
必要とする。単一の検査だけが実施されると、この検査
に対するフラグの設定はPVC発生の基準を与える。こ
うして大きい融通性が真のPVCを検出するように提供
される。
【0071】
【発明の効果】前記のようにこの発明は、従来のペース
メーカならばPVCと解釈するが実際はPVCでない他
の事象と真のPVCとを区別するペースメーカの能力を
改善するために、植え込み可能なペースメーカ内で用い
ることができる安全で信頼性の高い回路を提供する。更
に一たびPVCが検出され所定のPVC応答モードが開
始されると、この発明はこの種のPVC応答モードが持
続するのを防止する。このような特徴はこの発明の一実
施例によれば、プログラム可能に選択できる所定数の連
続心臓サイクルの間だけペースメーカのPVC応答が継
続することを許す。その結果所定のPVC応答がペース
メーカ媒介頻脈を誘発するおそれを最小にする。
【0072】 更にこの発明は、真のPVCであることを強調する或る
事象が起きるときだけ選択可能なPVC応答を提供し、
PVCの可能性を示唆するにすぎない事象に対してはP
VC応答を提供しないようにしたPVC検出兼応答装置
を提供するので、有利であることが分かる。従ってこの
発明はPVC応答ペースメーカ方式の従来の水準とは異
なり、最善のPVC応答はしばしば応答はしない、すな
わち正常なペースメーカ動作と異なる応答はしないこと
であるということを認識する。PVC応答がペースメー
カにより提供されるならば、この種の応答は短時間だけ
続くようにすべきであり、それによりPVC応答の持続
するおそれを防止するという補助的な認識が前記認識と
組み合わせられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 心臓の正常なAV同期性を示す典型的な心電
図波形線図である。
【図2】 心房心室ペースメーカの従来例のブロック線
図である。
【図3】 図2に示すペースメーカが心房及び心室に刺
激パルスを供給する場合の心電図波形線図である。
【図4】 心室だけに刺激パルスを供給して心房期外収
縮にペースメーカが応答する場合の従来例を示す心電図
波形線図である。
【図5】 図4の場合に心室期外収縮によりペースメー
カ媒介頻脈が発生する従来例を示す心電図波形線図であ
る。
【図6】 図5に示す頻脈を防止するためにペースメー
カが心房不応期間延長応答を行う従来例を示す心電図波
形線図である。
【図7】 図6に示す応答の場合にもペースメーカ媒介
頻脈が発生する従来例を示す心電図波形線図である。
【図8】 心室期外収縮に対しDVIモード応答を行う
従来例を示す心電図波形線図である。
【図9】 図8に示す応答が不適切である従来例を示す
心電図波形線図である。
【図10】 心室期外収縮に対し心房ペーシング応答を
行う従来例を示す心電図波形線図である。
【図11】 この発明に基づく心室期外収縮応答方法の
一実施例を示す心電図波形線図である。
【図12】 この発明による方法の別の実施例を示す心
電図波形線図である。
【図13】 図11及び図12に示す方法を実施するた
めの心室期外収縮検出兼応答装置の一実施例の部分ロジ
ック線図である。
【図14】 図11及び図12に示す方法を実施するた
めの心室期外収縮検出兼応答装置の一実施例の部分ロジ
ック線図である。
【図15】 図11及び図12に示す方法を実施するた
めの心室期外収縮検出兼応答装置の一実施例の部分ロジ
ック線図である。
【図16】 図15のPVC制御レジスタにより設定さ
れる応答オプションを示す図である。
【図17】 図13〜図15に示す装置の異なる作動状
態を示す心電図波形線図である。
【図18】 図13〜図15に示す装置の異なる作動状
態を示す心電図波形線図である。
【図19】 図13〜図15に示す装置の異なる作動状
態を示す心電図波形線図である。
【図20】 図13〜図15に示す装置の異なる作動状
態を示す心電図波形線図である。
【図21】 この発明による装置の別の実施例のブロッ
ク線図である。
【図22】 図21に示す装置の作動方法を示す流れ図
である。
【符号の説明】
10 心房追跡形心房心室ペースメーカ 12 パルス発生器兼制御ロジック A 心房刺激パルス ARP 心房不応期間 P 心房事象 PMT ペースメーカ媒介頻脈 PVC 心室期外収縮 R 心室事象 V 心室刺激パルス

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心房及び心室の事象を検出する装置と、
    心房刺激パルスを発生させる装置と、検出された心房活
    動が心房ノイズと考えられ有効な心房事象とは考えられ
    ない場合に相対不応部分を有する心房不応期間を発生さ
    せる装置と、心室期外収縮(PVC)を検出し所定の方
    法でこれに応答する装置とを備える植え込み可能なペー
    スメーカにおいて、PVC検出装置が虚偽のPVCに応
    答することを防止するための電子回路装置が、心房ノイ
    ズが心房不応期間の相対不応部分中で検出される場合
    に、ラッチされる信号を発生させる装置と、PVC検出
    装置に所定再許容事象のその後の第1の発生まで継続す
    る抑止状態を取らせるために、ラッチされた信号に応答
    する装置とを備え、それにより心房ノイズの発生以降は
    再許容事象が起こるまで、PVCをPVC検出装置によ
    り検出することができないことを特徴とする植え込み可
    能なペースメーカ。
  2. 【請求項2】 再許容事象が心室事象から成り、どちら
    の事象がラッチ信号の発生後にまず起こるかにより、心
    室事象がペースメーカにより検出されたR波から成る
    か、又はペースメーカによる心室刺激パルスの発生から
    成ることを特徴とする請求項1記載のペースメーカ。
  3. 【請求項3】 ペースメーカがPVCの検出に応答する
    ときの所定の方法がPVC応答モードに入ることから成
    り、PVC応答モードにおいてペースメーカ媒介頻脈の
    発生防止を目指すときにペースメーカが特定の応答を提
    供し、電子回路装置はn回の連続する心臓サイクルがP
    VC応答モード中に起こる場合にPVC応答モードを終
    わらせる装置を備え、ここでnは2以上の整数であり、
    心臓サイクルは連続する心室事象の間の期間として定義
    されることを特徴とする請求項1記載のペースメーカ。
  4. 【請求項4】 整数nが3ないし10の整数値の範囲か
    らプログラム可能に選択できることを特徴とする請求項
    3記載のペースメーカ。
  5. 【請求項5】 心房事象の介在しない第1及び第2の心
    室事象を検出する装置と、検出された第2の心室事象が
    心室期外収縮(PVC)の第1の指定基準を示すかどう
    かを確定するために、検出された第2の心室事象を検査
    する第1の装置と、検出された第2の心室事象がPVC
    の第2の指定基準を示すかどうかを確定するために、検
    出された第2の心室事象を検査する第2の装置と、第1
    又は第2の指定基準のうちの選択された一つが検出され
    た第2の心室事象に示されているかどうかを確定し、も
    しそうであればPVCが起こったことを示すPVC検出
    信号を発生させるために、第1及び第2の検査装置に結
    合された判断装置と、ペースメーカの選択されたPVC
    応答をトリガするためにPVC検出信号に応答するPV
    C応答装置とを備えることを特徴とする植え込み可能か
    つプログラム可能なペースメーカで使用するための心室
    期外収縮検出装置。
  6. 【請求項6】 第2の又はこれに続く心室事象のうちの
    選択された一つが第3の指定基準を示すかどうかを確定
    するために、検出された第2の心室事象又はこの心室事
    象に続き検出された心室事象のうちの選択された一つを
    検査する第3の装置を備え、判断装置は第1又は第2又
    は第3の基準の選択された組み合わせが第2の又はこれ
    に続いて検出された心室事象のうちの選択された一つに
    示されているかどかを確定し、もしそうであればPVC
    検出信号を発生させることを特徴とする請求項5記載の
    検出装置。
  7. 【請求項7】 所定数の連続する心室事象が起こる場合
    には、PVC応答装置によりトリガされたPVC応答を
    自動的に終わらせる装置を備えることを特徴とする請求
    項5記載の検出装置。
  8. 【請求項8】 PVCを検出し所定のPVC応答を提供
    する装置を備える植え込み可能なペースメーカの誤った
    心室期外収縮(PVC)応答を防止する方法において、
    この方法が下記の段階すなわち、 a)ことによると有効な心房事象かも知れないすべての
    心房事象の発生に基づきPVC検出装置を抑止し、 b)所定の許容事象の発生だけに基づいてPVC検出装
    置を再許容する ことから成ることを特徴とする誤応答防止方法。
  9. 【請求項9】 PVC検出装置を再許容する段階b)
    は、PVC検出装置が抑止された後にどちらの事象がま
    ず起こるかにより、ペースメーカにより検出されたR波
    か又はペースメーカにより発生させられた心室刺激パル
    スから成る心室事象の発生に基づき、PVC検出装置を
    再許容することから成ることを特徴とする請求項8記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 PVC検出装置を抑止する段階a)
    は、何かの心房事象が心房不応期間の相対部分中で起こ
    るかどうかを検出し、検出された心房事象はもし起これ
    ば有効な心房事象を示すと想定し、検出された心房事象
    に応じてPVC検出装置を抑止することから成ることを
    特徴とする請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 下記の段階すなわち、 c)許容されたPVC検出装置によるPVCの検出に基
    づきペースメーカの所定のPVC応答を提供し、 d)n個(nは2以上の整数)の連続する心室事象がペ
    ースメーカのPVC検出装置により検出された場合に
    は、所定のPVC応答を自動的に終わらせる ことを含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 段階d)が3ないし10の範囲の所望
    の値となるように整数nを選択することを含むことを特
    徴とする請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 下記の段階すなわち、 a)PVCの検出に応じてペースメーカのPVC応答モ
    ードを許容し、 b)PVC応答モードが許容されている間に起こる心臓
    サイクルの数をモニタし、 c)PVC応答モード中に起こる心臓サイクルの数がn
    (nは2以上の整数)に達する場合にPVC応答モード
    を抑止する ことから成ることを特徴とする植え込み可能なペースメ
    ーカの持続性心室期外収縮(PVC)応答を自動的に終
    わらせる方法。
  14. 【請求項14】 整数nの値がプログラム可能であるこ
    とを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 整数nの値が3ないし10の範囲内に
    あることを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 整数nの値が4に等しいことを特徴と
    する請求項13記載の方法。
  17. 【請求項17】 心室期外収縮(PVC)を検出し所定
    の応答でこれに応答する装置と、所定の応答が持続する
    場合にPVC検出装置の所定の応答を終わらせるための
    PVC応答終結装置とを有して植え込み可能かつプログ
    ラム可能なペースメーカに関して、PVC応答終結装置
    が、PVCの検出に応じてペースメーカのPVC応答モ
    ードを許容する装置と、PVC応答モードが許容されて
    いる間に起こる心臓サイクルの数をモニタする装置と、
    PVC応答モード中に起こる心臓サイクルの数がn(n
    は2以上の整数)に達する場合にPVC応答モードを抑
    止する装置とを備えることを特徴とする心室期外収縮応
    答終結装置。
  18. 【請求項18】 整数nの値がプログラム可能であるこ
    とを特徴とする請求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】 PVC応答モードを許容する装置がそ
    れぞれのPVCの検出に基づきパルス信号を発生させる
    装置を備えることを特徴とする請求項17記載の装置。
  20. 【請求項20】 PVC応答モードが許容されている間
    に起こる心臓サイクルの数をモニタする装置は、ペース
    メーカがPVC応答モードで働いている間にPVCを起
    こす連続心臓サイクル数を計数するのに適したカウンタ
    回路から成ることを特徴とする請求項19記載の装置。
  21. 【請求項21】 検出されたPVCに対するペースメー
    カの所定の応答が、プログラム可能に選択できる複数の
    PVC応答のうちの一つから成ることを特徴とする請求
    項17記載の装置。
  22. 【請求項22】 PVC応答モードを許容する装置は、
    虚偽のPVCがペースメーカのPVC検出装置により検
    出されるおそれを最小にする予防装置を備えることを特
    徴とする請求項21記載の装置。
  23. 【請求項23】 予防装置は、ノイズのような無効な心
    房事象だけが起こると予想される時点で心房事象が心臓
    サイクル中に早期に起こる場合に、PVC検出装置を抑
    止する装置を備えることを特徴とする請求項22記載の
    装置。
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