JPH0647049A

JPH0647049A - 血管外科で使用する装置

Info

Publication number: JPH0647049A
Application number: JP3101509A
Authority: JP
Inventors: Valentin Kramer; クラマーファレンティン; John Franklin; フランクリンジョン
Original assignee: Bee L Goa & Assoc GmbH; WL Gore and Associates GmbH
Current assignee: Bee L Goa & Assoc GmbH; WL Gore and Associates GmbH
Priority date: 1990-05-03
Filing date: 1991-05-07
Publication date: 1994-02-22
Also published as: DE9005035U1; EP0455036A2; EP0455036A3

Abstract

(57)【要約】【目的】本発明は、中空シリンダ(10)を有する血管外
科に使用する装置に関するもので、血管吻合にかかる時
間を削減し、使用後に拒否反応が生じないようにするこ
とを目的とする。【構成】中空シリンダは軸方向にだけ透過可能であ
り、その一端には中空シリンダ(10)の外径より大きい環
状の突出部(30)が設けられ、かつその外側面には装置を
固定するための円錐台状の戻り止め手段(40)が設けられ
ている。装置を固定するために、弾性的なディスク(60)
を装置にかぶせることもできる。その場合には弾性的な
ディスク(60)は血管壁(50)に対して装置を付勢するの
で、装置(5) は確実に血管壁(50)内に固定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、血管成形外科、例えば
血管を人工装具とあるいは人工装具を互いに結合するの
に使用する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】血管疾患の手術は著しく増加している。
多くの場合に、疾患のある血管を代替しあるいは包囲す
るために、プラスチックの人工装具を使用することが必
要である。この処置は通常血管吻合と称される端部と端
部の結合あるいは２種の結合を必要とする場合がある。

【０００３】血管吻合の従来の方法は、非常に細い糸に
よる縫合法であった。この種の精密な作業には非常に時
間がかかる。さらに、この種の手術では、吻合の間血液
循環を中断することによる合併症を最小にするために、
かかる時間を最短に制限しなければならない。このこと
は特に、生命に関わる器官、例えば腎臓、肝臓などの複
雑な手術の場合に特に重要である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、血管
吻合にかかる時間を削減し、使用後に拒否反応の生じな
い装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明に
よれば請求項１に記載の装置によって解決される。

【０００６】

【作用】それによって手術時間が著しく削減される。と
いうのは縫合がないからである。さらに血液の損失も著
しく減少する。というのは突き刺し口の出血が生じない
からである。手術に際しては複雑な器具を用いないで済
む。この装置は人工装具の血管の所定の開口部へ簡単に
挿入し、そこに固定することができる。この種の装置は
特に、中枢近くにも使用することができる。というのは
大きな圧力に耐えられるからである。

【０００７】端部と側面との吻合に用いる本発明の実施
例においては、装置にはさらに弾性的なディスクが設け
られており、このディスクは装置を人工装具の適当な開
口部へ挿入した後に、他方の端面から少なくとも１つの
戻り止め手段を有する外表面上へ折り返すことができ、
その場合にディスクは戻り止め手段によって、さらにト
ランペット状の突出部から突出する人工装具によっても
軸方向に固定され、それによって装置は適当な開口部内
に固定される。この方法によって特に確実な結合が容易
に可能となる。この装置は、すでに説明したように、人
工装具の開口部へ挿入されて、弾性的なディスクが外側
からかぶせられて、ディスクが血管上に取り付けられ
て、戻り止め手段によって人工装具内に保持される。こ
のようにして、装置は人工装具に対して締め付けられ、
かつ確実に固定される。

【０００８】本発明の他の実施例が従属請求項３から８
に記載されている。さらに、上述の課題は本発明によれ
ば、請求項９に記載の装置によって解決される。この装
置は特に２つの中空器官を吻合するのに適している。そ
れぞれの中空器官がこの装置上にかぶせられ、その上に
巻いたループを締め付けることによって固定される。こ
のループは溝の領域に設けられている。この装置によれ
ば、手術時にかかる時間と切断箇所におけるねじれを著
しく減少させることができる。

【０００９】本発明の他の実施例が従属請求項１０から
１３に記載されている。

【００１０】

【実施例】以下、図面に示す実施例を用いて他の詳細、
特徴、利点及び使用法を詳細に説明する。図１に示す血
管外科で用いる本発明装置５には中空シリンダ１０が設
けられており、その端部３０はトランペット状に拡大し
ている。本装置の材料は、体から拒絶される可能性が非
常に小さい、ポリテトラフルオロエチレン樹脂（ＰＴＦ
Ｅ）が使用される。組み込んだ状態において（図６を参
照）、血液は装置のトランペット状の端部３０に流入
し、そこから軸線に沿って装置を貫流する。血流をこの
ようにして分岐させることができる。

【００１１】中空シリンダ１０の外表面２０上には、円
錐台状に形成された２つの戻り止め手段４０が設けられ
ている。戻り止め手段は、それぞれの基部４２からトラ
ンペット状の突出部３０までの軸方向の距離の方が、円
錐台のそれぞれの仮想尖端からの距離よりも短くなるよ
うに配置されている。装置を図１に示す矢印方向に血管
壁５０へ挿入すると、装置はいずれかの戻り止め手段４
０によってそこに固定される（図２）。その場合に血管
壁５０は戻り止め手段４０の基部４２と係合して、それ
によって図１に示す矢印方向と反対に移動することが阻
止される。好ましくは戻り止め手段４０は種々の形状配
置で形成される。すなわち図２に示す上方の戻り止め手
段４０はその下方に設けられた血管壁５０と共働する戻
り止め手段に比べて高さも低く、かつ基部も小さい。

【００１２】図７には器具５５による人工装具の器具が
示されている。所定の形状配置を有する突起が血管壁５
０に通されて、それによって装置に必要な開口部が形成
される。装置５が上述のように血管壁５０へ挿入される
と、装置はさらに弾性的なディスク６０によって固定さ
れる。このディスク６０の内径は、外表面の直径よりわ
すかに大きいが、環状の戻り止め手段４０の外径より小
さい。このディスク６０を装置５の上へかぶせる場合に
は、力を加えて戻り止め手段４０を越えて移動させる
と、ディスクはそれぞれ戻り止め手段４０のトランペッ
ト状突出部３０と反対側の基部に係止される。このよう
にして血管壁５０と装置５とディスク６０の間が付勢さ
れて、それによって血管内に装置を永続的に固定するこ
とが保証される。図４においては弾性的なディスク６０
が変形されない状態で示されており、図３に示すディス
クは組み込まれて変形した状態で示されている。

【００１３】装置を人工装具内に確実に固定するため
に、血管壁５０を戻り止め手段４０で支える必要はな
い。確実に固定するためには、ディスク６０による固定
だけで充分である。図５に示す装置は、端部と端部の吻
合に使用される。結合すべき中空器官は両側から装置へ
かぶせられるので、シリンダ状の部分110 と溝状の部分
120 の少なくとも一部が包囲される。図６には血管への
この種の結合が符号210 の円で示されている。装置100
への血管の固定は、ＰＴＦＥループ130 をきつく引くこ
とによって行われる。装置100 の内径は中空シリンダ状
の中央部分140 が設けられており、周辺領域は円錐状に
拡大されているので、装置内部における流れは最小限し
か損なわれない。このようにして種々の血管及び／ある
いは人工装具を互いに結合することができる。

【００１４】図６には、端部と端部の吻合210 及び端部
と側面の吻合200 用の装置が示されている。

【００１５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、血管吻合にかかる時間を削減し、使用後に拒
否反応の生じない装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、端部と側面を吻合する本発明装置の側
面図と上面図である。

【図２】図２は、血管に挿入された図１に示す装置の断
面図である。

【図３】図３は、さらに弾性的なディスクによって固定
された図１に示す装置の断面図である。

【図４】図４は、図３に示す弾性的なディスクの付勢さ
れていない状態の断面図である。

【図５】図５は、端部と端部を吻合する装置の側面図と
上面図である。

【図６】図６は、図１と図５に示す装置の、血管／人工
装具内に挿入した状態を示す断面図である。

【図７】図７は、端部と側面を吻合するための人工装具
の器具を示す側面図である。

【符号の説明】

５…装置１０…中空シリンダ４０…戻り止め手段５０…血管壁６０…ディスク

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ファレンティンクラマードイツ連邦共和国，8152 フェルドカーフェン ‐ベステルハム，フルールシュトラーセ３ (72)発明者ジョンフランクリンポルトガル国，ロト 1597‐11 イー，ルアグレガリオロペス（番地なし)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】血管外科で使用する装置において、ほぼ中空シリンダ(10)の形状を有する中空体が設けら
れ、中空シリンダが、軸方向にだけ透過でき、その一端にトランペット状の突出部(30)が設けられ、そ
の外径が中空シリンダ(10)の外径より大きく、その外表面(20)に少なくとも１つの戻り止め手段(40)が
設けられているので、装置(5) をわずかな力を加えるだ
けで適合な開口部へ挿入することができ、そこに固定さ
れたままになり、比較的大きな力を加えないと開口部か
ら取り出すことができない、ことを特徴とする血管外科に使用する装置(5) 。
【請求項２】装置(5) にさらに弾性的なディスク(60)
が設けられ、装置(5) を血管壁(50)の適当な開口部へ挿入した後に、
ディスクを少なくとも１つの戻り止め手段(40)を有する
外表面(20)上にかぶせることができ、ディスク(60)は１つあるいは複数の戻り止め手段(40)に
よって、かつトランペット状の突出部(30)に支持された
血管壁(50)によって軸方向に固定されることを特徴とす
る血管外科に使用する装置(5) 。
【請求項３】１つあるいは複数の戻り止め手段(40)が
中空シリンダ(10)の外表面(20)上に環状に配置されるこ
とを特徴とする請求項１又は２に記載の装置(5) 。
【請求項４】戻り止め手段(40)が円錐台状であって、
それぞれ円錐台の基部(42)が仮想上の円錐台突起に比べ
て、トランペット状の突出部(30)までの軸方向の距離が
小さいことを特徴とする請求項２に記載の装置(5) 。
【請求項５】１つあるいは複数のリング状に配置され
た戻り止め手段(40)が、中空シリンダ(10)の外表面(20)
上に軸方向に変位して配置されることを特徴とする請求
項３又は４に記載の装置(5) 。
【請求項６】軸方向に変位して環状に配置された戻り
止め手段(40)が異なる外径を有することを特徴とする請
求項５に記載の装置(5) 。
【請求項７】１つあるいは複数の戻り止め手段(40)が
逆鐘状の形状を有することを特徴とする請求項１から６
のいずれか１項に記載の装置(5) 。
【請求項８】トランペット状の突出部(30)の断面が波
形に形成されていることを特徴とする請求項１から７の
いずれか１項に記載の装置(5) 。
【請求項９】血管外科に使用する装置(100) におい
て、ほぼ中空シリンダの形状を有する中空体が設けられ、中
空シリンダが軸方向にのみ透過可能であって、中空シリ
ンダの外表面に溝(120) が形成され、中空シリンダの内
径がそれぞれ中空シリンダの両端面に向かって円錐状に
拡大していることを特徴とする血管外科に使用する装置
(100) 。
【請求項１０】溝(120) が両端面(130) の間に配置さ
れており、中空シリンダがさらにシリンダ状の内部(14
0) を有することを特徴とする請求項９に記載装置(100)
。
【請求項１１】中空シリンダの内面が鋭い角がなく滑
らかであることを特徴とする請求項１から１０のいずれ
か１項に記載の装置。
【請求項１２】生物学的に適合性の不活性材料から形
成されることを特徴とする請求項１から１１のいずれか
１項に記載の装置。
【請求項１３】ポリテトラフルオロエチレン材料だけ
から形成されることを特徴とする請求項１から１２のい
ずれか１項に記載の装置。
【請求項１４】中空シリンダの内径が少なくとも４m
m、好ましくは少なくとも６mmであることを特徴とする
請求項１から１３のいずれか１項に記載の装置。